松本清張のレビュー一覧

  • 砂漠の塩

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    死に場所を求め中東を彷徨う男女の物語。

    本来結ばれるべき二人が素直になれず、別の相手と結婚したことが悲劇の始まり。その相手に少しでも“非”があれば、普通に(?)不倫に走れたかもしれないが、泰子の夫保雄は驚くほどの善人。その善良さが、泰子の心を追い詰めていき、結果的に死への逃避行へと向かわせる…

    泰子は身勝手だけど、善人過ぎる夫の存在が、自分を責めているように感じられるところは、ちょっと共感出来ます。やっぱり旦那は愚痴を言われる位がちょうどよいかも(笑)

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    2022年04月25日
  • けものみち(上)

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    初、松本清張小説……!
    かなり読みやすく、先が気になる展開でスラスラ読めた。結末は結構泥沼そうだけど……
    下も読んでみたいと思った。

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    2022年04月23日
  • 砂の器(上)

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    名作にふれるのはやっぱり良いですね。清張作品独特の、時代を感じながら、すこーしづつ推理の世界に引き込まれていきます。

    実直そのものの今西刑事。粘りの捜査がたくさんの謎解きのヒントを与えてくれています。さあ、どういう答えが導きだされるのか?

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    2022年03月17日
  • 時間の習俗

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    ●→引用、他は感想

    ●この警部補は峰岡に容疑の焦点を当てながら、そのアリバイを克明に検討する。乗物の可能性についても、写真撮影のからくりについても、思いつく限りを俎上にのぼらせ、逐条審議の過程を包まず述べている。いわゆる名探偵が読者を見下して、高踏的な言辞を弄するのに比較すると、三原は試行錯誤のくり返しで、いわば読者と一体である。読者の思いつきそうなことを考え、そしてそれが不可能の壁に突き当たって、また元に戻る。彼の思考と心情をつぶさに写す手法は、読者との一体感をもたらすのにはなはだ効果的であった。
    ●容疑者のアリバイを崩すためには、フィルムに写った写真の順序を変えるトリックを解明しなければ

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    2022年03月06日
  • 時間の習俗

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    神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。
    一緒にいた女性は行方知れず、刑事が気になる男性は九州にいて、神社の新年の行事を撮影したという完璧なアリバイがあった。

    アリバイ崩し話。
    連絡は固定電話か電報、カメラはフィルム。
    現代では成り立たない話だが、行方知れずの女性のことなど気がつかないこともあった。

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    2022年02月28日
  • 数の風景

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    再読。
    負債をかかえて逃避行をする谷原は、山陰の温泉宿で、設計技師と謎の美女との雑談から大儲けのヒントを得る。
    石見銀山坑内発掘と高圧線下の土地の利権、ほとんど登場しない美女がどう関わってくるのか。
    面白かった。

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    2022年02月19日
  • 熱い絹(上)

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    現在タイに駐在しているのですが、ジムトンプソンにはこんな謎があったとは。
    登場人物や事件の繋がりで先をどんどん読みたくなる。早速、下巻を読むとしよう。

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    2022年01月29日
  • レジェンド歴史時代小説 大奥婦女記

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    大奥の女たちのドロドロ話が主だけど、私が個人的におもしろかったのが
    「米の値段」 将軍家宣の側室の弟の町医者が、自分に支給される給料が相場より低すぎることに気づいて、給料をピンハネした勘定奉行の不正を告発する話。

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    2021年12月01日
  • 火と汐

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     1967(昭和42)年から翌1968(昭和43)年に書かれた松本清張のミステリ系作品が4編入っている。
     表題作については、「ここまで手の込んだ計画で人を殺すやつなんているか?」という疑問の方が強い。あんまり遠大な計画だと、実施に当たって想定外のアクシデントが発生しやすく、成功率は著しく低くなると思う。
     巻末の「山」の方が良かった。前半は加害者や目撃者の視点を取ってドラマが展開され、殺人事件にまで至ると急に視点が変わり、刑事などの捜査の視点で進めらてゆくというこの手法、松本清張はかなり頻用しているが、この「刑事の視点」というのが、人間性を欠いてなんだか粛々と事務作業をしているかのような味気

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    2021年11月20日
  • 水の炎

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    松本清張といえば、社会派推理や古代史を扱った作品が多いが、本作はそれらと異なるジャンルに属する。
    ひとことで言うと、欲望と野心の固まりであり家庭を省みない夫に苦悩しながらも、美しく健気に生きるヒロインの姿を描いたロマン小説。
    東都相互銀行の若手常務で野心家の夫である塩川弘治との生活に心を満たされぬ信子は大学の通信教育を受け、独身教授浅野を知る。浅野は信子の知的な美しさに心惹かれ、彼女に愛を告白する。だが、信子はその激しさにたじろぎ、次第に距離をおくようになる。ところが、夫は、愛人を利用して、信子が浅野と不貞を働いているかのように、二人の接近を画策する。彼は実業界への飛躍を図ろうと、その元手を信

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    2021年11月17日
  • 武士くずれ 松本清張歴史短篇選

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    『二すじの道』藩主の判断で家臣はその責任を負う。現代でも教養がなく、分別がない上司の部下に就くことは哀れだ。「辛抱・我慢」は昔の心得、現代は即座に転職した方が得策なのだ。要らぬ、余計なストレスは避けるが現代の生き方なのだ。

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    2021年10月20日
  • 葦の浮船 新装版

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    性格も学問の研究スタイルも全く異なる二人の大学助教授の不思議な関係と大学内の悪しき支配秩序を描いた作品。
    東京R大学国史科の折戸助教授は36歳で上代史専攻、小関助教授は34歳、中世史専攻。折戸が独自の発想を生かし業績を上げ、性格も社交的であるのに対し、小関は存在感を示せず風采も上がらない。
    折戸は羽振りがよく女遊びが過ぎ、人妻との不倫関係も持つようになる。一方、小関は自らを鈍才と自覚し、学問研究に秀でる折戸を尊敬し、彼の頼みは何でも聞き入れていた。折戸は、人妻と享楽に耽った後、出世欲にとらわれ次第に相手を面倒に思うようになる。さらにその関係を精算できないうちに、小関に好意を寄せる若い女性を我が

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    2021年09月16日
  • 黒革の手帖(下)

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    架空口座など当時の時代感を知れるのは面白かった。
    米倉涼子版の黒革の手帖と中盤以降展開が異なっていて新鮮さがあった。
    元子は自分のことを商才があると思っていそうだが、カルネの経営もいまいちだったあたり全く向いてなかったのかなと思いました。

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    2021年09月05日
  • 数の風景

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    人間、欲を出し過ぎると潰される…
    王道推理小説ではないが、作家・松本清張の知識の広さが伺える1冊です。物語の後半まで特に事件も起きず、退屈と言えば退屈なんだけど、世界遺産に登録される前の石見銀山、計算狂、高圧送電線と電力会社のことなど、内容が面白く、じっくり読んでしまいました。

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    2021年08月27日
  • 共犯者

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    初清張作品。
    序盤は非常にどんどんと読み進んだが、途中で読む体力が持たず、ペースダウン。

    あまり推理物を読んでこなかったため、全部読むには体力がいる。

    内容としては、他にはない切り口で興味深い物であった。ただ、短編ではなく、長編を読みたいと思った。

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    2021年08月13日
  • 砂の器(上)

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    丹羽哲郎のリマスター版映画で鑑賞
    蒲田から始まること、東北訛りのカメダという言葉から、踊る大捜査線を思い出したのは私だけではないだろう。

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    2021年08月02日
  • 夜光の階段(上)

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    登場する女性がほとんどほんとにいやなやつ。
    主人公がなぜそこまでするに至ったかの過去の描写がもっと見たかった。

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    2021年07月12日
  • けものみち(下)

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    ネタバレ

    ひらがなで「けものみち」のタイトルがカッコよくて好きです。でも、内容はイマイチかな…
    登場人物がみんなろくでもないので、誰も幸せにならなくて良いと思いました。
    主人公の民子は、途中までは「このまま悪女の道を進むのか…」とドキドキしたけど、小滝に恋してからは、ただの馬鹿オンナに成り下がってがっかりしました。

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    2021年07月02日
  • わるいやつら(上)

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    ある病院の院長のお話。この院長はとても悪い奴で、病院の経営がうまくいかないにもかかわらず、骨董品などにお金を使い浪費する日々。経営の損失を補填するために女から金を騙して取り、そして病院にお金を使うのではなく、自分の遊びのためにお金を使う。そして、この院長の愛人たちも悪い奴らであるように思える。

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    2021年05月02日
  • 火と汐

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    50年以上前の作品であり別の国の話のようでもあるが、日本人の人間性が事件の根底にあり、日本の原型を感じさせる。

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    2021年04月03日