松本清張のレビュー一覧
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ネタバレ松本清張の短編集.
森鴎外の小倉日記を読んでいるので,芥川賞受賞作の『或る「小倉日記」伝』が読みたくなった.小倉日記は森鴎外が小倉に赴任していたときの日記だが,長く紛失して行方がわからなかった.まだ小倉日記が発見される前に,小倉での鷗外の足跡を明らかにしようとした田上耕作の奮闘と,その母親の献身を描いた小説.田上は生まれつき体に障害を持ち,自分の意志を通じることも時として難しかったようだ.断片的な事実をつなげていく様は推理小説の謎解きの趣もある.日記の発見で一見無駄になったようにみえる田上の報われない努力を読者の目の前に提示することが松本清張の意図であろう.
他に「笛壺」「石の骨」を読んだ -
Posted by ブクログ
書面を手に持って空想を膨らませる図式が浮かぶ短編集 水の肌
短編集の中に「小説 3億円事件」が入っていることから読みました。
水の肌、はて、何か見覚えのあるような・・・と思って読み始めると、
そう思った理由がわかりました。
冒頭に掲載されている短編が「指」。
この作品がドラマ化された際に、この短編だけ読みました。
調べてみると2006年2月ということで、8年前ですか。
今回もドラマを見て、この本を選んでいるので
自分の単純さを笑いながら、
次は先日ドラマが放送されていた「死の発送」を読むのだと思います。
前回は、指しか読まなかったのですが、今回は全作品を読みました。
興信所の「調査報告書」 -
Posted by ブクログ
まだ狭い世界の、松本清張。 「或る「小倉日記」伝」
松本清張さんの本を読む際に、プロフィール欄に必ず書いてある本。
この作品で、芥川賞を受賞されたからですね。
読んでみると、文章に関しては、もう松本清張さんだな、と
思うのですが、世界観が今まで読んできた作品に比べて狭いですね。
登場人物の数だけでなく、独善的な主人公の意識がメインになって
短編が終わっていくからでしょうか。
自分の信念にまっすぐに、夢中になって、でも認められない、
報われないといった人の話が5つ6つ続くのですが、
そんな主人公の独善に、周囲の嘲笑に同調する際に
「はっ」とすることはありました。
自分の言動、行動に主人公と等 -
Posted by ブクログ
久しぶりに松本清張が読みたくなって、読み始めたはいいけど、なんだか忙しくって中々すすまなかった。
視聴率の裏を探っていくうちに殺人事件が起こる。という話。
そうそう。
私も視聴率のことでは、この本に書かれてることと全く同じ疑問を持ったことがある。だから、結構、興味津々で読んだけど、結局はその真相というものは闇の中で終わってる。
のが、歯切れの悪い感じだったけど、でも、この本で「裏工作はあった」と書いてしまうと、実際に波紋を呼んでしまうから書けないのは分かってるけど。。。
でも、こうやって読むと、実際には何もなくても、そう勘繰る人が多くなるんじゃないか。と思う。私もそんな一人だろう。
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