松本清張のレビュー一覧

  • 顔・白い闇

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    ドラマ「顔」を見ました。松雪泰子が戦後の大女優らしいレトロな美しさだった。流石だ。女優として顔を売りたいという欲と、過去の罪を隠すために顔を隠さなければという不安。やはり、欲を出してはいけないなというラスト。

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    2013年10月04日
  • 駅路

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    ドラマを見ました。深津絵里が美しい。人生の線路とは。とぼとぼ歩いていくだけか、途中で車線変更するか。―ゴーギャンには絵があった。故人には好きな女がいた。俺には何もない―

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    2013年10月04日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    余韻のある作品でした。
    松本清張の 構想力と想像力は
    とても優れたものを もっていた。

    想像と創造。

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    2018年03月05日
  • 神と野獣の日

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    1973年に発表された作品なのに、全然昔話になっていません。
    某国のミサイルの誤射から東京着弾までを書いています。インターネットと携帯電話が出て来ないのを除けば、まるで昨日今日の話のようです。

    あと1時間で、今いる場所が壊滅すると言われたら、逃げるのか、残るのか。ライフラインを守る仕事をする人たちが逃げたらどうするのか。
    交通機関は動くのか?動かないのか?電気はいつまで供給されるのか?

    頭の中で自分ならどうする?という問いを明滅させながら一気読みでした。

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    2013年09月21日
  • 或る「小倉日記」伝

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    森鴎外・俳句・考古学・・といった対象に魅了された人々が、そのマニアならではの視野の狭さから、皆不幸のうちに死んでいくという短編集。報われない努力、屈折、欲求不満、悪意・・不条理や人の暗部は話のコクを出すために必須だが・・嫌なことでもあったのか。

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    2013年09月16日
  • けものみち(上)

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    悪女、刑事の執念、権力者の老人とサスペンスの具材がぶち込まれたピカレスクストーリー。
    男は肉体を求め女は保障を求めるという真理は不変。

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    2013年08月29日
  • 塗られた本

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    塗られた本 松本清張(著)

    松本清張を読み返して、ずいぶん私の中の価値観が、
    変わっていたことに気がついた。

    松本清張を社会派と呼ばれていたことの意味が、
    やっと分かったような気がした。
    ピュアーな気持ち、純粋な気持ちを大切にするものを、
    主人公に据えることで、社会の汚濁、人物の低俗さを、
    浮かび上がらせることに、主題をおいた。
    多分、若かりし頃の社会と大人というものに対する
    私の見方もそんな風だったのだろう。
    松本清張は、ピュアーで、ロマンチストだった。

    今読むと、松本清張の手法であり、何と無く、
    胡散臭さを感じるのである。

    小さな出版会社を立ち上げた 美也子。
    水商売から、純

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    2013年10月01日
  • 紅い白描

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    若い女性から 
    会社の偉い人や経営者とその時代の寵児を見つめた時に
    人間的な潔癖さを求めるという視点で 人間性を疑う。
    翳った旋舞においても 同じような手法だった。

    『芸術はニンゲンが生み出すものだ。
    その芸術がすばらしかったら、人格的にもすばらしいに違いない。
    ニンゲンと芸術とが 背反することがあるだろうか』114ページ
    俗物が 創造性を生み出すのか?とも 問いかける。
    さらに ビジネスが 関連してくる。
    芸術とビジネスが ぶつかる。
    積極的に売り込むこと(商魂)に嫌悪を感じる。
    芸術家は商魂をもつべきではない。
    クライアントの理不尽な要求にどう対応するのか?

    俗っぽいニンゲンに描くこと

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    2018年03月05日
  • 霧の旗

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    弁護を断られたために、無実の罪を負って兄が獄死したと信じる女が、弁護の依頼を断った高名な弁護士に復讐するサスペンス小説。

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    2013年08月26日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    8編短編集。
    表題作の「張込み」から順に、「顔」「声」「地方紙を買う女」「鬼畜」「一年半待て」「投影」「カルネアデスの舟板」

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    2013年08月26日
  • 黒い福音

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    50数年前に実際に起きた、外国人神父による日本人スチュワーデス殺人事件を題材にした推理形式の問題作品

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    2013年08月26日
  • 翳った旋舞

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    三沢順子は 新聞社の資料調査部に 配属された。
    地味な仕事であるが、重要な仕事だ。
    (今では、インターネットがありこの作業は少なくなっているはずだ。)人物の写真を間違えることで、会社に激震が走る。
    部長は世渡り上手で 腰掛け。
    次長は麻雀、競馬、競輪にでかけてしまう。
    新聞社は余裕があったのか緩んでいた。
    川北編集局長が 弛みを一掃するような懲罰人事をおこなう。
    順子はいたたまれなくて 辞表を出そうとすることから、
    人生の変化が始まる。

    真佐子は順子の高校時代の友達で、銀座の一流クラブのホステス。
    人のあしらい方がうまく、一流と言われる人たちとの付き合いがある。
    江木郁子は会社の電話交換手。

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    2013年10月01日
  • 砂漠の塩

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    ネタバレ

    情死の話。

    本当にはた迷惑な情死だ。
    誰にも死体を見られず死にたい、という願望は、自分たちのことしか考えていない。捜索する人々や家族のことも全く考えていない。
    芥川龍之介が何度も心中に失敗して最後に成功する、などは知っているが、やっぱり今の時流にあわないと言うか、心中というものがいまいち理解できない。
    今は不倫も離婚も当たり前だから。
    サスペンスとして描いてあって、心中に至る泰子の心の機微などがもう少し共感できれば楽しめたかな。
    後半の真吉が生死をさまようあたりから、ぐっと読ませる筆力は感じた。そこまでがすこしたるい。
    いずれにしても、とっとと離婚して再婚すればすむ話。
    禁断の愛という二人の

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    2013年08月19日
  • 写楽の謎の「一解決」

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    古本で購入。

    松本清張が写楽の正体についての考察を披瀝した講演を収めた本。
    いつどこで開催された、何の講演会なのか、明記されていないのは何なんだ。

    写楽の正体については諸説紛々である。
    曰く、阿波侯お抱えの能役者斎藤十郎兵衛である。いや阿波侯屋敷にいた蒔絵の下絵師だ、白川家門人の片山写楽だ、版元の蔦屋重三郎こそ写楽その人だ…
    まさに「謎の浮世絵師」に相応しい。

    清張はこれらの説を様々な論証をもって否定する。
    そして「思いつき」として語るのが、「写楽=精神病者説」である。
    写楽の絵の特徴たるデフォルメは実は絵師本人にとっての正常、つまり視神経の狂いから生じたものだと言う。

    清張による写楽

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    2013年08月16日
  • 数の風景

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    ネタバレ

    筆者最晩年の作品ではあるが、何か遠い時代を思わせる雰囲気もある。
    時間の経過はゆっくりであるが、謎が謎を呼ぶ筆致で読ませるところはさすが巨匠というところである。
    とはいえ、特に大きなドンでん返しもなく、作品としては平凡なものであると感じた。

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    2013年08月15日
  • 十万分の一の偶然

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    A新聞の「読者のニュース写真年間最高賞」に輝いた東名高速での事故の写真、本当に偶然なのか。
    謎解の後の展開が面白かった。

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    2013年08月07日
  • けものみち(上)

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    米倉涼子が主演してテレビドラマ化されましたが、ラストは原作と大きく違っていましたね。
    でも、個人的には原作本来の終わり方こそ、この物語にはふさわしい気がします。
    こういう「男を食いモノにしてるつもりで結局のところ食いモノにされ、落ちるとこまで落ちていく」汚れ役は米倉涼子みたいないかにも愛人顔の女じゃなくて、松嶋奈々子みたいな正統派の女優さんに演じてほしい。

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    2013年09月11日
  • 憎悪の依頼

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    「すずらん」はアリバイ崩しで推理小説だが他はジャンルを越えた多彩さである。特に「女囚」を読むと自分が信じる正義の皮肉を思う。

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    2013年07月06日
  • Dの複合

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    初めて読んだ松本清張。
    何となく関係性は仄めかされるものの関連性が不明確な事件や自称がひとつになっていく感じは、一部が重なりあっているいくつかの円がひとつに重なっていくような感じ。
    宮部みゆきの、関係なさそうな点的事件がひとつの線で結ばれていく感じとはまた違って、自分の推理をしながら読むことができた。

    初めて読んだのもあったが、物語に没頭するまでの時間がかかったのが難点。
    この没頭するまでの時間をエンジンがかかるまでの時間と表現すると、なるほど知らない作者の本を読むのは「本当にエンジンがかかるかなあ」という車に対する不安と同一視できるのかな。
    でも、エンジンがかかってからの颯爽感を感じさせる

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    2013年07月03日
  • 強き蟻

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    30歳年上の男と結婚した主人公。
    どこまでも強欲、本音で生きてて嫌な気はしないが、物語的には悪者になってしまうのだな。

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    2013年06月29日