松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ情死の話。
本当にはた迷惑な情死だ。
誰にも死体を見られず死にたい、という願望は、自分たちのことしか考えていない。捜索する人々や家族のことも全く考えていない。
芥川龍之介が何度も心中に失敗して最後に成功する、などは知っているが、やっぱり今の時流にあわないと言うか、心中というものがいまいち理解できない。
今は不倫も離婚も当たり前だから。
サスペンスとして描いてあって、心中に至る泰子の心の機微などがもう少し共感できれば楽しめたかな。
後半の真吉が生死をさまようあたりから、ぐっと読ませる筆力は感じた。そこまでがすこしたるい。
いずれにしても、とっとと離婚して再婚すればすむ話。
禁断の愛という二人の -
Posted by ブクログ
古本で購入。
松本清張が写楽の正体についての考察を披瀝した講演を収めた本。
いつどこで開催された、何の講演会なのか、明記されていないのは何なんだ。
写楽の正体については諸説紛々である。
曰く、阿波侯お抱えの能役者斎藤十郎兵衛である。いや阿波侯屋敷にいた蒔絵の下絵師だ、白川家門人の片山写楽だ、版元の蔦屋重三郎こそ写楽その人だ…
まさに「謎の浮世絵師」に相応しい。
清張はこれらの説を様々な論証をもって否定する。
そして「思いつき」として語るのが、「写楽=精神病者説」である。
写楽の絵の特徴たるデフォルメは実は絵師本人にとっての正常、つまり視神経の狂いから生じたものだと言う。
清張による写楽 -
Posted by ブクログ
初めて読んだ松本清張。
何となく関係性は仄めかされるものの関連性が不明確な事件や自称がひとつになっていく感じは、一部が重なりあっているいくつかの円がひとつに重なっていくような感じ。
宮部みゆきの、関係なさそうな点的事件がひとつの線で結ばれていく感じとはまた違って、自分の推理をしながら読むことができた。
初めて読んだのもあったが、物語に没頭するまでの時間がかかったのが難点。
この没頭するまでの時間をエンジンがかかるまでの時間と表現すると、なるほど知らない作者の本を読むのは「本当にエンジンがかかるかなあ」という車に対する不安と同一視できるのかな。
でも、エンジンがかかってからの颯爽感を感じさせる -
Posted by ブクログ
90年代に刊行された作品の割に、ちょっと読みにくい。日本史のエピソードが筋に絡んでるので、戦国武将の時代の話をすいすい読めるような人じゃないと、ちょっと行き詰まると思います。
読み終えてトリックを考えてみるとタイトルは非常に巧妙ですし、伏線も綺麗にきっちり回収されていって、最後にきちんと集約されてます。ただ、素人探偵役の人の動きに対して、警察がこんなに敏感に反応するかなぁ?という辺り、リアリティに欠けるかな。
ちなみに推理小説としては、前半は「コロンボ」型(ドラマで言うなら古いけど「古畑任三郎」型)です。つまり、犯罪の経緯がすべて読者に明らかにされ、それを隠蔽するためのトリックも語られると