松本清張のレビュー一覧
-
購入済み
日本の陰の歴史
松本清張は戦後のアメリカ軍による歴史に隠された蛮行を暴くことにも勢力を注いできた。この事件なども彼の矯激なまでの心理への追及審が生み出した日本人必読の書であるのでぜひご一読してほしいものだ。
-
Posted by ブクログ
今、この角川文庫を読み終わって
ふと帯を見ると
「TVドラマ化!」
「2014年5月30日(金)よる9時よりフジテレビ系にて」
とある
あらま、本日ではないか
TVドラマ化されるとて新装版になって本屋にあったから
わたしの目に留まって
「まだ読んでない清張さん」
ということで買ってしまった本
あいかわらずたっしゃな清張ワールドを
堪能したのだが
「トランクの死体は発送者本人だった……」
ストリー展開は
折も折
準看護師の女性の遺体が貸倉庫で発見され
その遺体は本人名で宅配便で送られていたとか
元同級生の女性が関係しているとか
と、推理小説ばりの
謎多き気持ちの悪い事件が現実にあり
そんなことは小説だけにしておくれ~
TVドラマは向井理さんが探偵役「底井武八」か
ちょっと清張さんを読んで浮かべるイメージと違うが
どうせ脚本は現代風にしてあるだろうから
観るかな、録画しておくかな -
購入済み
歴史の闇を暴く小説
帝銀事件に関しては未だに定説がでてこないが、当時の警察の発表にははなはだ摩訶不思議な点が多い。この著作は必ずしも100%真実を語っているわけではないが、松本氏の推論はかなり信ぴょう性があると思われている。
-
Posted by ブクログ
ネタバレなにしろ、テレビドラマとして、過去4回、放送されている、という事が、すげえな、って思いましたね。4回リメイク!?という。で、そんだけテレビドラマとしてリメイクされまくって、何故に映画化はされんかったのか?未だにされていないのか?という所も、なんだかおもろいですね。
しかしアレですね、1969年連載開始の作品なのに、1990~2000年代の、いわゆるカリスマ美容師?的存在の出現を預言しとったのかも?という内容は、結構、凄いなあ。松本清張の先見の明、お見事だなあ。
で、内容はというと、、、そこまで面白くはなかったかなあ?という気がします。うーん。
佐山道夫は、結局、何でこうね、若かりし頃の、いっちゃん最初の殺人?の、九州で、村岡トモ子を、殺したんだろうか?というのが、さっぱり意味がわかりませんでした。一体なにがあったん?という。そこがちょい、消化不良だったなあ。
あと、話の構成として面白いなあ、と思ったのは、犯人役の佐山道夫と、犯人を追いつめる役の桑山検事&桜井事務官が、最後まで、面識なかった、っていうね。これはなんというか、面白いすれ違いですよね。犯人と探偵が、顔合わせない設定。という。うーむ。斬新だ。
で、桑山&桜井組が、道夫に対して正義の鉄槌を下すか?というと、くださない。道夫は、結局、策士策に溺れる、っちゅーか、因果応報、っちゅーか、福地フジ子が「わたしだけ死にたくない!助けて道夫さん。ぐがぐがぐぐぐ」って、水の中で縋りついたから、道夫も道連れ溺れ死んじゃった、ってことですよね?正義が勝つ、というよりも天網恢恢疎にして漏らさず、という話?うーむ、、、なんだかなあ、という結末な気も、しますが、、、
テレビドラマ版でおもろいなあ、って思ったのは、
1986年度版では、小林稔侍が、黒原三郎役を、演じてるんですよね。あの、超脇役の。佐山道夫が、波多野雅子を殺害に行ったときの道中で、道夫が中華料理屋入るときに横着な運転したんで、おらぁ!!って怒鳴りかかったトラック運転手。
で、1995年版、2009年版では、小林稔侍ったら、それぞれ、桑山検事役になってるんですよ。おいおい、全然役どころ、ちゃうやん。なんで別の人を起用しなかったんよ、というツッコミがね、入る気がするんですが。ずっとテレビ版を追い続けたら、「おい!!役どころ!!変わりすぎやろ!!」ってズッコケるところちゃいますかね?
で、なんというか、結局のところ、この話が、何を言いたかったというと、、、「検事の仕事って、融通きかねえよなあ~」っていう、法曹界の問題点、日本裁判の問題点を、松本清張が、言いたかったんでは?という話かなあ、という感じでしたね。(当時の)現代日本の裁判のシステムに物申すぞ!という作品だった?という気がします。だって、桑山&桜井組が、「道夫が犯人やで!分かったで!岡野正一は濡れ衣だって!冤罪ですよコレは!!」って思っても、それを現実の裁判に反映させる方法がない!っていう話でしたし。
といいますか、桑山&桜井組も、本分の仕事も忙しいだろうに、よくもまあここまで、道夫の犯罪に興味持ったよね、凄いよね。という、そんな感想を持ったのでした。
あと、道夫は、なんでそんなに出世したかったんだろうなあ~。好きでもない女とセックスばっかりして。あんま、面白そうな人生ではないんではなかろうか?「ああ、あいつも殺さな。こいつも殺さな。俺、殺人が仕事なのか?俺の職業本分であるところの、かっちょ宜しいヘアスタイルを考える時間とか、あらしませんがな~全然ですがな~」みたいな人生でしたよね。
なんつーか、残念な人生だね、みたいな感じ、思いましたね。道夫が「俺はどうしても出世したいの!有名になりたいの!何故なら~だから!」っていうスゲエ納得できる思いやポリシーや已むに已まれぬ動機、みたいなんが感じられなくて、そこが残念でしたね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまだ、上巻だけを読み終わった段階ですので、まだまだ詳しい所は、何もわからないぜ、という状況でございますね。下巻で、どのような展開が、待ち構えているのか、、、ドキドキしながら、読み進めたいと思います。
上巻を読んだだけの感想では、同じ松本清張の著書としては「砂の器」と近い雰囲気かなあ?と思いました。社会的成功への野心を持った若き男の犯罪。栄光と墜落。犯罪を追う司法の側の人間の、調査への執念と、へこたれなさ。
砂の器の和賀英良が、この夜光の階段の佐山(宮坂)道夫かなあ、と。まだ、上巻を読んだだけの感想なので、なんとも言えないのですが。
九州での、八年前の、武蔵温泉近辺での村岡トモ子殺害事件。精神異常者の犯行とみなされている、この事件。これの犯人も、ほぼほぼ道夫だろう、という感じではあるのですが、上巻では、まだぼやかされている感じですよね。下巻で、どのように、何故に、道夫が、トモ子を殺害せざるを得なかったのか?その理由が、どのように明らかになるのか。ちょっと、注目しております。
それにしても道夫は、どうしてこんなに、美容界で成功したいと思っているのか?波多野雅子には、大金を出させ自由ヶ丘に店を出した。そこでは満足せずに、青山にも二号店を出そうと考えている。枝村幸子には、芸能界への伝手を作ってもらい、有名な芸能人のヘアスタイルを担当することで、そちらの方面から世間的に有名になろうとしている。
こうした上昇志向。それが、全然、楽しそうではない。雅子と幸子の事は全然好きじゃないし、二人に二股かけつつ、おまけに更に新たな金づるとしての女性も二人抑えて、四股かけてますやんか。女性の為のスケジュール調整、めちゃくちゃ大変やん。おまけに仕事もしないといけないし。雅子を自殺に見せかけて殺すっていう、すげえ手間もしてるし。
これほど大変に立ち回りつつ、全然楽しそうじゃなく、心底愛する女性もいないっぽいし、仕事もしてるし、で、仕事が、無茶苦茶楽しいか?というと、そんな描写もあんまりない、、、気がするし。道夫、いったい、何のためにこんなことしてるのかしら?というのが、疑問でしゃあない。有名になるためにすげえ努力してるんだろうけど、全然楽しそうでも幸福そうでもないのが、ほんとうになあ、、、なんなんだろうね?って思います。
あと、桑山検事が、法曹の世界の関係者も、名文を知らなければならない、という思いを持っているのは、作者の松本清張自身のポリシー、哲学を、登場人物に反映させているんでしょうかね?小説家としての矜持を感じさせる感じがして、凄く好きです。
で、おそらく、実在したであろう昔の有名な人物の著書の文章を引用したりしているんですが、これってどんだけ博覧強記やねん、とか、思いますね。松本清張自身が、それだけの本を読んで、しっかり自分でその内容に納得したうえで、自分が創作している物語に、引用している訳ですよね。いやあ、凄いよなあ。勉強家、という言い方では、失礼にあたるか。自分が好きだからこそ、色んな色んな本を、本当にこう、読んでいたんだろうなあ。素直に尊敬、ですね。
あと、この小説が書かれたのは、雑誌連載が1969年~1970年の間、単行本化が1981年、だそうです。雑誌連載が終わってから、単行本化されるまでに11年もタイムラグがあるのは何故やろか?とも思うのですが、それはそれとして、凄く興味深かったのは、当時の女性の年齢に対する世間の目の描写。
波多野雅子は、小太りの有閑マダム、という描写ですが、この雅子は、年齢としては40歳ちょっと前。アラフォーですね。村枝幸子は、27歳。で、その年齢で「まだ結婚しないでいるが」と描写されている。
これ、2020年の今どきの作品になったとしたら、雅子が50歳ちょっと前、幸子が37歳くらいで、物語に合うキャラとして、ちょうどええくらいの年齢ちゃうんかなあ?とか思うんですよね。ちょうど、世の中の「それなりの年齢」ってヤツの評価、判断が、10年は、遅くなっているんではなかろうか。それが、超高齢化社会、2020年の日本の現状ではないのかね?とか思うのです。いやあ、社会情勢って、不思議だなあ。 -
Posted by ブクログ
清張の男女間のトラブルを主とした人間ドラマ。
売れない肖像画家である男は、売れっ子の親友画家と親交を深める。そんな中、マネージャーでも有る妻は次々と肖像画の発注を取ってくるため、親友夫婦に伝えてみると、それ以上は知らないほうが良いとたしなめられる。
短編4篇のうち、3篇がちょっとした不倫から、家族や人物が壊れていくさまを、いろいろな視点から描かれており、特に冒頭の「与えられた生」は、読みにくいものの、非常に良くできた作品である。残りの1本は、2・26事件を小説的に再構築したというもので、松本清張の時代小説って、ほんとに散漫だよね。
メインは最初の3本になってしまうのではあるが、これがまたちょっと文章のタイプが古い。とっとと進んでしまって良いところに言い訳のように心情の変化、会話らしくない会話を挟んだりと、鴎外あたりの古典でも読んでいるかのような感覚である。しかし、読みにくいなりに、自然とストーリーが入ってくる。
2・26事件については、見習い軍医という変わった視点で書いたというところが着想なのであろう。ただ、K中尉との接点を作るためにあちらの将校、こちらの兵卒へと視点を切り替えてしまうので集中できず。『小説東京帝国大学』の後半のような、レポートを書きたいのか小説を書きたいのかという、中途半端な作風である。中学の頃に松本清張の歴史伝記ものを、薄いにも関わらず投げ出した記憶があるが、きっと同じような欠点があったのであろう。
『黒い霧』『昭和史発掘』など、レポートならレポートとして書けるのが清張の強みなのだから、中途半端な小説化ものは、だいたい出来が悪いと避けたほうが良いのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ*遺産目当てに三十歳も年上の会社重役と結婚した沢田伊佐子。女盛りの肉体を武器に、奔放に生きる彼女のまわりにはまた、欲望に身を焼かれて蟻のようにうごめきまわる人々が群がってくる。一方、そんな人々を冷やかに、密かに眺める者もいる―欲まみれの男女が入り乱れ、犯罪が犯罪を呼ぶ異色のサスペンス*
さすがは松本清張氏!と言う重厚さ。何と言っても、登場人物一人一人に肉感があります。伊佐子の清々しいまでの厚かましさと悪女っぷりもさることながら、最後の章のどんでん返しの鮮やかなこと!速記担当の女の聴取書からの、伊佐子の愛人の供述…!! 今までと同じペースでさくさく読み進んでいたものの、急にその展開来るか?!と目を疑いました。やられました。お見事です。