松本清張のレビュー一覧

  • 黒い福音

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    ☆☆☆2019年2月レビュー☆☆☆


    松本清張の小説からは「昭和」を感じる。この作品は実際に昭和34年に起きたスチュワーデス殺人事件を題材に描かれた小説である。
    グリエルモ教会は「布教」の名のもとに、密輸、支援物資の横流しで大きな金銭的利益を得ていた。「密輸」を生業とするランチャスター氏と深い関係を持ち、それがスチュワーデス殺人事件に繋がる。
    直接の実行犯はトルベック神父であるが、彼もまた追い込まれて罪を犯したという意味では「被害者」ともいえる。殺人を犯すまでに追い込まれたトルベック神父があまりにも憐れだ。恋人である生田世津子を自ら手にかけるその精神的苦痛が、読んでいた痛いほど伝わってきた。

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    2019年02月12日
  • 熱い絹(下)

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    Jim Thompson 縺ョ繝阪け繧ソ繧、繧偵b繧峨▲縺溘%縺ィ縲∵怙霑代?√?繝ャ繝シ繧キ繧「縺ォ蜃コ蠑オ縺励◆縺薙→縲∫ュ峨′縺阪▲縺九¢縺ァ縲√%縺ョ譛ャ繧定ェュ縺ソ縺セ縺励◆縲
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    2018年12月31日
  • 半生の記

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    ネタバレ

    松本清張の数少ない私小説。
    生い立ちから、作家になるまでの道のりを綴ってある。
    困窮に極まっていた松本清張が、どのような仕事し、転職し、家族を支えたか・・時代背景を垣間見ながら、”貧乏”という感情を味わって頂きたい。

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    2018年12月30日
  • 黒革の手帖(上)

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    【文庫上・下巻の感想】
    夜の銀座を舞台に政財界から裏社会にまで至る強欲な人間像が精緻に描かれている。
    銀座の高級クラブ(作中ではバァと表記)の開店資金やランニングコストなどの費用考証やママとしての従業員への人心掌握術など、いわゆる夜の世界の関係者への取材が入念に行われたと思われ、それがこの作品にリアリティを与えている。

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    2018年12月27日
  • 鬼火の町 新装版

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    松本清張の時代物の推理小説。

    隅田川に上がった2人の水死体は、柔道に長けた者であろう下手人によって、みぞおちを打たれていた。その現場から上がった細工物の煙管をつてに犯人を追う岡っ引き藤兵衛であったが、同心(岡っ引きの上司)川島に、捜査から手を引くよう指示される。その後、参考人たちが次々と謎の死を遂げていくが…。

    なかなか凝ったストーリーで楽しめる時代・推理ものであるが、時代小説が苦手なんだよね。理由はまたいずれどこかに書こうとおもうが、やはり苦手なものにとっては、なかなかとっつきにくいものである。

    とはいえ、そこは松本清張、同心とは何であるか、奉行所との関連はどうでという説明もかなり丁寧

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    2018年12月27日
  • 黒革の手帖(上)

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    見映えの悪いお局銀行員が横領したお金で銀座のママになる。その転身だけでも面白い。しかし元子はそれだけに留まらず、昔掴んだネタでゆすってライバルを蹴落としたり、次なる策を労したりと抜け目なく意欲的に動いていく。
    だが、いい事はそうそう続かない。下巻でどうなるのか楽しみだ。

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    2018年10月11日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    時代が古く違和感がある場面もあったが、ひとつひとつは面白かった。ただし、編集に難有り。清張の現代物の短編を集めた本だが、同系列の話が続いて食傷気味になった。
    それが、読むのに時間がかかった所以。

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    2018年09月20日
  • 歪んだ複写―税務署殺人事件―

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    身分証明書が「米の配給手帳」に時代を感じた。。
    あと、解説は先に読まないように。思いっきり犯人書いてます。

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    2018年06月09日
  • 駅路

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    邪馬台国の場所を推理する郷土史家は、一体何者なのか。悲劇的な結末でありながらも、ある意味幸福だったのではないだろうか。

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    2018年05月09日
  • 神々の乱心 上

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    「100分de名著」を見て気になってたので読んでみました。皇室のタブーのようなことを小説の題材にするって、よく許されたなと思います。
    話が月辰会と女官の自殺からかなり離れていっているようで、これがどう繋がっていくのか。
    説明が長いような感じもあり、読み進めるのに多少飽きがくるところもありましたが、だからといって読みづらさはありません。推理小説というより、戦前の時代記を読んでる感じです。
    下巻、これから一気に物語は進むのでしょうか。

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    2018年04月30日
  • 渡された場面

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    四国の県警捜査一課長香春銀作は、文芸雑誌の同人誌評に引用された小説の一場面に目をとめた。九州在住の下坂一夫が書いたというその描写は、香春が担当している“未亡人強盗強姦殺人事件"の被害者宅付近の様子と酷似しすぎていたのだ。再捜査により、九州の旅館女中の失踪事件と結びついたとき、予期せぬ真相が浮び上がる――中央文壇志向の青年の盗作した小説が鍵となる推理長編。

    まあまあ。

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    2018年04月15日
  • 小説日本芸譚

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    松本清張というと推理小説のイメージが強いが、歴史小説も書いていたんですね。
    これは芸術家列伝。
    利休あたりは興味深く読めた。

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    2018年04月12日
  • 霧の旗

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    殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。彼女は高名な弁護士大塚欽三に調査を懇願するが、すげなく断わられる。兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の大塚弁護士に対する執拗な復讐が始まる……。それぞれに影の部分を持ち、孤絶化した状況に生きる現代人にとって、法と裁判制度は何か?を問い、その限界を鋭く指摘した野心作である。

    映画やドラマ化されたものは観ていない。後味悪し。

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    2018年04月07日
  • 黒い福音

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    実際にあった殺人事件を元に、事実を推測し物語にしたもの。結構分厚く、持参のブックカバーに入らなかった。それだけに読みごたえはあるが、難しいと思うことなく時間を忘れて読み進めた。

    あまり推理もの等を読まない身としては偏見として、警察は悪役に回るものなのかなと思っていたけどこの話はそうではなかった。寧ろ日本の警察の力❨勿論権力のことではない❩に期待をかけていたような感じさえ受ける。教会側は教会側として、初めから詐欺だとかなんだとするというのではなく本気で布教するなら国の法律を犯してもよいというところに基づいているところもなんとなく歯切れの悪いところ❨※これは誉め言葉です❩。

    構成としても江戸川

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    2018年04月03日
  • 時間の習俗

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    「点と線」に続いて、三原警部補が主人公の作品を読む。前回読んだ時も同じ流れだったはず。

    神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。関係者の一人だが容疑者としては一番無色なタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈(めかり)神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎるアリバイに不審を持たれる――『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼老刑事が試行錯誤を繰返しながら巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長編。

    やや二番煎じの感が否めない。

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    2018年03月31日
  • 状況曲線(下)

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    ネタバレ

     陰謀に巻き込まれた談合建設会社専務味岡。まさかの誰得小太りおっさん。
     上巻の終わりから不穏な気配がしていたけれども、下巻はメインヒロイン味岡から、主謎を解く刑事に視点をバトンタッチして物語が進む。
     下巻は上巻の謎が解き明かされるので読みやすく面白い。


    (以下ネタバレあり感想)


     しかし、終章の駆け足どころじゃないあらすじはどうなのか。雑誌の人気ランキングが悪かったのか、或いは作者が飽きたのか。上巻のクオリティに比べると下巻があまりにもおざなりでどうなのって思う。
     また近代手法で捜査している割に警察の見落としが多すぎて、読者にとって公開されるべき情報が隠匿されている。もし隠匿して

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    2018年02月11日
  • 黒の様式

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    「歯止め」「犯罪広告」「微笑の儀式」の3編を収録。時代設定は当然古いが、主題は現代でも十分おもしろい。2017.12.21

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    2017年12月21日
  • 山峡の章

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    ネタバレ

    出ました<赤ら顔の男>まさしく松本清張
    この方の作品が読みやすいのは人物や出来事をおさらいの様に再度説明してくれるからでしょう。
    だが今回の山峡の章は清張にしては、ちと軽い。女性雑誌への連載を意識したのだろうか?

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    2017年10月14日
  • 水の炎

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    面白かったけれど、弘治のように、無茶に無茶を重ねていくのを見て、絶対しっぺ返しがくるぞ、と思ったらその通り。
    或る程度展開は読めた。

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    2017年09月11日
  • 黒革の手帖(上)

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    上下巻の長編作品ですが、すらすらと読むことができました。古い作品なので現代とは異なる部分も多いですが、どんでん返しありのサスペンスとしても、社会風刺作品としても優れた作品であり、何度もドラマ化されるだけの普遍性を感じることができました。

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    2017年09月04日