松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昭和40年、今から40年以上前の松本清張の短編集。
もちろん昭和レトロな香りがプンプンしていますが、短編とはいえ読者をぐいぐい惹きつける力は
松本清張、さすがです。
中学時代、ちょっとインテリな子は松本清張を読んでましたからね。
まぁ私は星新一でしたが・・・・・。
綿密に計画された殺人なのに、犯人は時々とんでもないミスを犯してしまう。
被害者の家で殺人をおこなった後、そこで出されたお茶碗を証拠隠滅のためにもって出る。
タクシーを拾って、さてそのお茶碗をどうしようかと考えたあげく、タクシーを止め、
小便をする振りをして川へ行って、川に向かって投げ捨てる。
しかも運転手さんの視界の中で。・・・・ -
Posted by ブクログ
あまり売れない作家の伊勢忠隆は、天地社の雑誌の依頼を受け「僻地の伝説をさぐる旅」の連載を始めた。天地社は財産家の奈良林が道楽で始めたらしい小さな出版社。編集の浜中と浦島伝説、羽衣伝説で有名な丹後半島などを取材旅行に出かけるが、木津温泉で白骨死体の発掘現場に接したり、あるいは明石人丸神社で計算狂の坂口みま子という女にであったりする。ところが第一回の記事が載ると、あの謎の女坂口みま子が尋ねて来て、三十五の秘密を解いたかと思うと、熱海の山の中で絞殺されてしまう。第二回目の取材で美保の松原等に行く内、伊勢は自分たちが歩いている場所が北緯百三十五度、東経三十五度の線上であることに気がつく。愛読者と称す