松本清張のレビュー一覧

  • 一九五二年日航機「撃墜」事件

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    日本が占領下にあった1952年、日本航空の旅客機「もく星号」が三原山に墜落した。その墜落には数々の疑問点があり、それを松本清張が検証した本書。

    前半は、この事故後の各所が発表した内容や、国会答弁などの事実から、事故当時の混乱の状況を紐解く。

    後半は、その紐解いた内容をもとに、松本清張が小説として、<推測の>ストーリーを展開していきます。

    前半は非常に読むのがダるかったけど、後半は小説として書かれているので非常に読みやすい。かといって、前半で事故の状況を知識としてみにつけておかないと後半は読めないと思います。


    記載されている内容のどこまでが事実なのかはわかりませんが、
    松本清張の小説に

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    2012年03月30日
  • 神と野獣の日

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    どっかで観たような先の読める話だが、
    73年に描かれた小説ということを考えれば
    その古典であると言えるのかもしれない。

    核ミサイルが後一時間程で飛んでくると宣言された東京で起こる
    集団ヒステリーや阿鼻叫喚の様子と
    大阪に避難した総理大臣を始めとした内閣の
    喜劇的なまでの不甲斐なさが素敵なコントラストをなしている。

    ミサイルが着弾する最後の10分程の民衆の狂気と
    タイトルのセンスが素晴らしい。

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    2012年03月27日
  • 殺人行おくのほそ道(上)

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    ネタバレ

    叔母に絡む不可解な出来事、そして殺人事件を、姪の麻佐子が調べ、推理していく。
    調べるにつれ、叔父、叔母が怪しく感じてくる一方、勘違いであって欲しいと願う麻佐子の思いが切なく感じる。
    題名に「おくのほそ道」とあるが、ストーリの本質にはあまり関係ない。

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    2012年03月25日
  • 夜光の階段(下)

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    ネタバレ

    他の清張の作品に比べると
    少しスリルに欠ける気もするが、

    終盤でタイトルに関する解説があり、
    最もなるほどと思った作品だったり、する。

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    2012年01月15日
  • 聞かなかった場所

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    小役人である浅井の妻が死ぬ。心臓麻痺で突然死ぬ。しかしその倒れた場所は、浅井が聞いた覚えもない場所であった。
    …という発端は、謎としてなんとも魅力的である。

    妻が何故そこにいたのか、を追う部分が、前半。分量的にも、全体のなかほど強あたりまで。
    そして、とある人物を追い詰めていこうとするのが後半。
    しかし、この前半と後半、トーンがまるで違うのだ。
    書いている時期に、時間的な断層があるのかと思うほど。

    結末に割かれるページは、意外と少ない。
    どんどん追い込んでいく割に、最後はあっさり。それも、無垢・善意によって切り返されるのが、ぴりりと小粒なスパイスになっていると言えるかもしれない。

    松本清

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    2012年01月06日
  • 連環

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    主人公の悪事に憤慨しながらもストーリーが進むごとに、何故か応援してしまう自分がいる。しかし最後の謎解きが若干弱いかも。

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    2011年12月30日
  • 夜の足音 短篇時代小説選

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    松本清張が歴史小説でデビューしていたとは知りませんでした。

    推理小説とはまた違う、武士の生き方をどーんと描いています。

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    2011年12月24日
  • けものみち(下)

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    今まで読んだ清張作品の中では、アダルトな場面が多いのだが
    その表現がある故に人物像が浮き彫りになるので、過剰ではあるが必要でもあったのだろう。全体的には清張らしい社会派小説で、社会の裏と表とを書いた作品。
    DNA鑑定も携帯もなく、コピー機が珍しいという時代の話。

    ( ・_ゝ・)<最後に笑うのは誰でしょう。

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    2011年12月23日
  • Dの複合

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    地図帳と見比べながら、途中からスリルで一気に加速する。がしかし、最後の章が共感しがたい、無責任すぎやしないか?!それでも松本清張は読んで損はない。

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    2014年11月29日
  • 三面記事の男と女

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    不条理だったり、やるせなかったり、自業自得だったり、教祖になっちゃったり。
    色々盛りだくさんなんだけど、やっぱり幸福を感じる事は少ない本。

    面白いです。

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    2011年11月22日
  • 十万分の一の偶然

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    ネタバレ

    長かったー。やたら読み終わるのに時間がかかってしまった。

    始めまったく頭に文章が入らず、途中で読むのやめようと思ったけど、中盤から盛り上がって面白くなってきて、結局読んでしまった。

    松本清張の中では真ん中くらいかな。可もなく不可もなく、みたいな。

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    2011年11月01日
  • 逃亡(下) 新装版

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    嫌な奴が出て来て、生活をぶち壊すというパターンにげんなり。ハッピーエンドで終わるけど、ちょっと悲惨すぎるよ・・・。とくにお蝶が可哀相すぎ。お米への復讐はどうなった? 

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    2011年09月26日
  • けものみち(上)

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    ネタバレ

    脳軟化症の夫を放火で葬った旅館の女中である主人公は、ふとしたきっかけで政財界の黒幕の愛人としての第二の人生を始めることになる。夫殺しの疑いで執拗に付きまとう刑事、黒幕の二の腕、ホテルの支配人など、登場人物が次々と不幸な目に遭う展開。「黒革の手帖」や「わるいやつら」のようにあまり救いようのないストーリーなので、気分の落ち込んでいる時に読まない方がいいかも。

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    2011年09月04日
  • わるいやつら(上)

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    ネタバレ

    医師・戸谷信一は、院長である社会的な地位を利用して女を騙して金を巻き上げることで生計を立てている。金銭的な魅力がある女に近づいては金を巻き上げ、挙句の果てには夫殺しに加担するようなまねまでする。確かに戸谷は悪い奴ではあるが、表題の複数形が示すように登場人物は一様に悪い。
    特に戸谷が熱をあげ結婚を迫ることになる槇村隆子は悪い奴だ。槇村は戸谷に気のあるふりをしながら、戸谷の親友である弁護士・下見沢との結託で病院の土地・建物、貯金を巻き上げ、戸谷の悪事をさらけ出すことで社会から抹殺してしまう。
    坂道を転げ落ちるような戸谷の破滅を描くラストに至るまでの過程は、「黒革の手帖」を彷彿させる。やっぱり悪いこ

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    2011年09月11日
  • Dの複合

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    紀行文ミステリーの王道、とでも言えば良いのでしょうか、個人的には、ミステリーそのものよりも、舞台となった各地の情景描写に心惹かれたのは事実。そもそも読んだきっかけも、旅で行った丹後半島と浦島伝説が絡んでいると勧められたので。

    ミステリーそのものは、多少垢のついた、平板な内容かな、と思わないでもありませんが、これはきっと逆で、最近のものがこういった時代のものを模している(部分もある)のだろうと思います。

    どうにも、ミステリーというと「謎解き」をしたくなりますが、本書は、それよりはドラマそのものを追う方がメインになってしまいました。逆に、謎解き、という感じの内容では無かったような気がします。結

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    2011年08月27日
  • 蒼い描点

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    以前古本屋で購入し、そのまま積んであった本です。
    旅行に行くので持っていき読まずに帰ってきて家で読みました。なんだかな(笑)。

    箱根のケーブルに乗る旅館って前行ったところかな?とちょっとドキドキしながら読みました。個人的に被害者側にあっと驚く秘密のどんでん返しがあるかと思ってたらそうではなく、自分の読みもまだまだだなあと苦笑しました。それにしてもあの男は許せん男だなあ、ムカムカ、と読みながら腹を立てておりました。
    それにしても電話をつなぐのに時間がかかる、とか同伴で動くのに戸惑いを感じるとか時代だよなあ…とそんな所にしみじみ致しました

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    2011年08月23日
  • 霧の旗

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    えん罪の兄を救うために東京の有名な弁護士大塚だけを頼りにしていた桐子。弁護士費用が払えないがために弁護を断られ、兄は死刑判決を受けたまま、獄中で病死する。
    桐子は、無念の死を遂げた兄に汚名を着せた真犯人ではなく、兄弟を見捨てた弁護士への憎しみを募らせ、弁護士の大切なものを奪うことでその復讐を果たす。
    弁護士にも仕事を選ぶ自由はあるはずだが、弁護士費用が払えないという理由だけで、汚名をきせられたまま死んでも何も言えない現代社会における無情さが、桐子の歪んだ執念を通じて描かれている。

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    2011年08月17日
  • 駅路

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    人を運ぶ多くのトリックや「アマ」と「プロ」の対比、強烈なクライマックスと悲哀感漂うエンド。寛大な社長と専務がうらやましい。

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    2011年08月06日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    「帝銀事件は旧訴訟法による最後の事件であった。旧訴訟法によると、自白重点主義である。」清張が一番言いたかったのは、この点であると感じた。 時を同じくして、東電OL殺人事件の真実も怪しくなってきた。事件のあらましを確認するために、佐野眞一氏の著書を読み返してみようかしら。

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    2011年07月27日
  • けものみち(上)

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     割烹旅館で働く31歳の民子は、病気で回復の寝たきりの夫に縛られた暮らしから逃れるべく、知り合ったホテル支配人・小滝と共謀し夫を焼殺した。民子は小滝に思いを寄せつつも、政財界の大物・鬼頭の女になっていた。
     一方、火事に不信を抱き民子を疑う刑事・久恒。物語は政財界を巻き込みどろどろに・・・。

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    2011年07月26日