松本清張のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「点と線」の名コンビが復活した作品ということで読む。今回も執拗で地道な捜査が容疑者のトリック、アリバイを崩すが、時代的なものも有りいまひとつピンとこない部分もある。
そもそも、三原刑事が容疑者絞り込む過程に?がつく。警察はこんな曖昧な段階で、ここまで容疑者をマークするのでしょうか。あまり根拠もなく随分捜査にお金も使っているように思われる。消えた女の謎もホントかよという感じではある。
本作は名コンビ復活ではあるが、ほぼ主役は三原刑事であり、その執念には頭が下がるが、思い込みが激し過ぎるきらいがあって、リァリテは感じられなかった。ただそれでもグイグイ読ませる筆力はさすが。 -
Posted by ブクログ
最近はあまり読めていないので箸休め。
横領で捕らえられた官僚が、刑期を終えて出てくるが、横領した金はどこかに隠されているかも?と追い始めたのだが、その元官僚があっさり殺されてしまう。それを追っていた夕刊紙の編集長が、トランク詰めの死体で見つかり、それを送ったのが本人…?という、少々入り組んだ話になっている。
入り組んではいるが、登場人物は10人程度ということで、話は追いやすい。2人は死ぬし。
ネタ本体を書いてしまうと、「点と線」の清張であって、どうやって郡山にたどり着いたのかということをこねくり回し、動機は最後で明かすパターンとなっている。
その分、もっと入り組んだどろどろした人間関係でもあるのかと思いきや、結局金かいという動機の薄さで、引っ張られた手前も有り、ちょっと物足りない。動機をばらした後、借用書でパス回しするくらいの何かがあればよかったんだけどね。 -
Posted by ブクログ
「巨人の磯」
法医学の教授清水康雄は大洗海岸に泊まった。
夜の海岸を見に出た清水は岩場に水死体を見つける。死後2週間と見られ、身元の確認も難しいと思われたが、指紋から県会議員の水田と判明した。しかし、水田は沖縄と台湾に視察と称して旅行しているはずだった。その水田が何故大洗海岸に流れ着いたのか?
関係者は水田の妻、秘書であり義弟でもある広川、広川の妻。
果たして真相はーー?
「礼遇の資格」
銀行協議会副会長の原島は、常に「副」に甘んじる地味で目立たない男だった。原島には年若い後妻がいた。原島の妻敬子は派手なタチで、原島に満足せず、浮気を繰り返していた。
敬子と再婚したことで、原島の運命は変わってゆく。
「内なる線影」
精神科医の枝村は、某ホテルのラウンジに一日中居座っている絵描きのヒッピー白水と知り合う。
そして、白水の紹介で目加田夫妻と知り合った。
目加田はここ半年ずっとノイローゼだという。付き添う夫人も半年ほど前にノイローゼになったが直ぐに治ったそうだ。
そんな目加田の相談を受けていた矢先、目加田が失踪する。また、白水の遺体も見つかった。そして、目加田の死体も海から発見される。
目加田はノイローゼからくる自殺とされた。一方の白水は、絞殺でないのは確かだが、急速な窒息死であるとされた。しかし薬物は見つからなかった。
この2人の死に関係はあるのか?目加田は本当にノイローゼだったのか?白水は何故窒息死したのかーー?
「理外の理」
雑誌Jの売上を伸ばす為に新しくR社に入社した編集者の方針により、今までJに寄稿していた作家達の作品は全て載せないこととなった。
だが、随筆家玄堂は何度も何度も原稿を持ち込む。だが、ある日玄堂は「これで最後にする」も担当の細井に告げた。そして、最後の原稿「縊鬼」を模した実験をしてみないかと誘う。
「東経一三九度線」
文部政務次官となった吉良栄助。仕事にも慣れて来た時、かつての級友でもあり同じ文部省に所属している小川課長補佐が訪ねてきた。東経一三九度線に関する謎に元皇族の殿下が興味を示しているという。俄然乗り気になった吉良は、小川を始めとした級友前川、谷田、そして恩師岩井教授たちと共に、下調べに行く。
だが、そこで吉良は自動車を運転している最中に崖下に転落し死んでしまう。なぜ、吉良は死んだのかーー?