松本清張のレビュー一覧

  • ゼロの焦点

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    探偵ではない一般人が推理を進めるという話の流れは少しユニークだった。
    昔の作品であるからなのか現代では考えられない情報のやり取り(見ず知らずの人間に個人情報を渡す)であったり主人公の禎子の価値観(見合い結婚で間もないのに一生懸命尽くした本多より鵜原を好意的に見ている)のせいで変に物語に入り込めなかった。

    0
    2025年01月26日
  • 草の陰刻 新装版(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    子どもの頃、本棚にたくさんあった松本清張の本、何度か手に取ったがかブローカーとか代議士さえ意味がわからず…大人になったらわかるのだろうか…なんて思ったことを思い出した。

    今のテクノロジーとかコンプライアンス的なこととかと照らし合わせてリライトするとしたら、ほとんどのことが残らなくなってしまう…が、小さな伏線回収は見事だし、終わり方の問題提起もさすがだと思う。読み応えは抜群。

    0
    2025年01月20日
  • 信玄戦旗

    Posted by ブクログ

    信玄軍記(河出文庫)と同じもの。
    典厩の戦死、家康の三方原での敗北、信玄の死の描写は素晴らしい。
    武田時代の金山所在図なども詳しい。

    0
    2025年02月24日
  • 渦

    Posted by ブクログ

    面白かったけど、最後がイマイチだったな。あの女の人がなんで数ヶ月前にも目撃されてたんだろ。

    テレビ視聴率の謎から殺人事件に発展していくのは面白かった。あと、昭和ってこういう気持ち悪いナンパがあったんだ…。

    0
    2025年01月19日
  • 影の地帯

    Posted by ブクログ

     さすがに松本清張の小説だけあって、文章が自然ですんなり入っていける。ただし、死体の処理方法は少しいただけない。バラバラに切断した上で、パラフィンで固めて別々の湖に捨てるというのだから、不自然過ぎる。この頃の清張は、一月に900枚もの原稿用紙を書いていたというのだから、少し乱暴なストーリーになってしまう作品もあったということなのだろう。最初に出会う女性とハッピーエンドになるのだが、これも安易だよなぁと思いました。

    0
    2025年01月17日
  • 黒革の手帖(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昨年から読んでいたこちらが、今年の一冊目になった。
    実家(北陸)の暗い冬にピッタリすぎる、ゼロの焦点と、この黒革の手帖で年末年始を挟んで、なかなかの濃いお正月となった。

    上巻は、原口元子がこわーい、と思いながら読んだ。
    昨年末によくみかけた銀行の貸金庫丸パクリ事件は、この本の冒頭の顛末さながらである。
    ブイブイ言わせる元子は、さらに上へ上へと挑戦していくのが上巻。
    ところが下巻に入ってから、急に世界はガラリと足元から崩れていく。
    そのおおもとは、上巻の元子の行動に恨みを持つ女たち。
    ひどいしっぺ返しを受け、そのまま終わる…。
    マジか、どこかでさらにやり返せるかと思ってたので、終わりまで見て頭が真っ白になった。
    たしかに元子は酷い仕打ちをしてきたが、銀行時代の男性行員に対する苦しさや、悪い銭を貯めてきた小悪たちにムチを振るってきただけなのに、と思ってしまった。
    安島との一夜の描き方はちょっと微妙。
    こんな悪女もまた女だったのだ…!体の悦びに打ち震えていたのだった!とか言いたげな、清張氏の筆はなんだか古臭くておっさんの描く女像だな、ととたんに白けてしまった。
    今までの元子がいなくなったようで詰まらない。

    最後まで読んで、銀座の夜を舞台に、男や女のアツい戦いに燃えたのは事実だけど、このおわり方にはヒューと背筋が寒くなった。
    みうらじゅんの言う、松本清張の後ろメタファーがよくわかった気がします…。

    0
    2025年01月17日
  • ゼロの焦点

    Posted by ブクログ

    北陸の実家で年越しに読む。
    ちょうどラストは大晦日の話だった。

    暗いし怖いけど、面白い。
    新婚の夫が失踪、その義兄も殺される。
    調べるうちにわかる夫の正体。

    夫が謎の人だとわかる展開が怖い。
    戦後13年はまだこんな社会だったのだなあ。
    この当時の金沢、東京の雰囲気も同じくなんだかこわいんですよ。

    自分(主人公=妻)との結婚が、夫にとっての崩壊の始まりだった、とうすうす気づいてしまうのが、なんとも苦い。はあー。


    そんなわけで、今年の本はこれで終わりです。
    来年もよろしくお願いします。

    これからも、みなさまのもとに本の神様が微笑まれますように。

    0
    2025年01月12日
  • 黒革の手帖(下)

    Posted by ブクログ

    ほー、こういうリベンジで進んでいきますか。エンターテイメントの読み物として面白いと思う。
    古いとかいう評価もちらっと聞いておりましたが、むしろ現在性が際立っている気がする。目下の事件がそれを体現してます、要するにカネにまつわる蠢きは何ら変わることはないという。

    0
    2024年12月29日
  • 黒革の手帖(上)

    Posted by ブクログ

    ★評価は再読後に。
    目下騒ぎの事件みたい、という話を聞いて改めて手に取る。まったく内容覚えていない。。。
    いつものことだからさておき、すらすらと読める。
    そして驚愕するのはおそらく本質的に今の事件は昔とまったく変わらない事態だということ。そこに目を付けた作家、恐るべしではありますが、現実も恐るべし。
    まぁカネ絡みの欲望は古今東西、何ら変わることがないという単純明快なことと言えばそれまでですが。

    0
    2024年12月24日
  • 小説帝銀事件 新装版

    Posted by ブクログ

    戦後の日本を舞台とした凶悪犯罪。読み進めていくうちに明らかに犯人の人物像とは違う人が犯人に仕立て上げられているなと思いながら読んでいたら当時は自白重点主義といい被疑者がやりましたと言えば犯罪立証という今生きている私からすれば恐ろしい時代だったことがわかった。
    それは確かにそれっぽい証拠に主観を立てて問い詰めていけば段々と被疑者もやっていおうがやっていまいが追い詰められていく。犯行につながるものに対する主観はあったが確実に結びつく証拠ではない、でも犯行を自白したらそれで立証される。
    大衆の声も被疑者の考えも刷り込みや決めつけ、大きな力をもつものからの圧力でどうにでもなってしまう。それは時代が変わった今にもあるのではないかと感じてしまうところもあった。

    0
    2024年12月23日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    初期のキレッキレ時代の松本清張短編集。表題作を含め8編収録。短編ミステリーの契機となった張込みなど社会の問題や何故?が渦巻く昭和の世界観にどっぷり浸かる。やはり清張作品はホワイダニットがテーマになってくる作品が多く、その中でも何故か予定を変更して東北の地で変死を遂げた市長の死の真相を追う「市長死す」は面白かった。意外性に富み見せ方が素晴らしい。不思議な読み口が広がる「顔」や「共犯者」もよかった。

    0
    2024年12月03日
  • 黒革の手帖(下)

    Posted by ブクログ

    元子のような生き方が最後まで上手くいくはずがないので後半の展開、特に首謀者はなぜ気がつかないのか不思議なくらい予想通りでした。
    ただ、最後の最後でもう一発ちょっとしたどんでん返しがあるだろうと期待していたのですが、別の意味でのサプライズできれいに幕を閉じました。
    ともあれ、昭和の空気をたっぷり感じることができて良かったです。

    0
    2024年11月23日
  • 天才画の女

    Posted by ブクログ

    新人の天才画家の絵のルーツをめぐるお話。話の進み方はスラスラと読め、展開も掴みやすい。特に最後の展開は今まで散りばめていた伏線や疑問を一つの道にしており、読後感もよかった。ただ自分自身に絵の知識がないため、美術のワードが難しくて、そこは読むのに苦労した。

    0
    2024年11月17日
  • 葦の浮船 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小関は良い奴。
    折戸は、いるよねこういう奴でも因果応報喰らってほしかったなぁ…!!

    近村達子は正しい意味で賢い女性だったが、笠原幸子は恋が絡むと盲目になる性質だった。「分かってはいるけど嫌いになれない」みたいなね。もっとちゃんと旦那さん相手に真摯に向き合えば宜しかったのだ。

    今の時代ならSNSやらなにやらで大炎上して折戸も教授から降りることになっただろうが、当時はうまくもみ消すことができたんだろう。
    とはいえ、今も大学のアカデミアにはこの頃のニオイが残っているよなぁ。

    0
    2024年11月15日
  • 軍師の境遇 新装版

    Posted by ブクログ

    NHK大河「軍師官兵衛」そのまんま。いやもう、カッコ良すぎる黒田官兵衛。秀吉も嫉妬するほどの才知、先を読む洞察力、判断力。秀吉の猜疑を感じて早々に出家し、黒田如水と改名したぐらいだ。それほどの頭と男気がありながら、自分を死ぬ寸前まで追いやった憎むべき城主を許し、最期まで家老と城主という立場を守り続けたこの忠誠心。しびれるな〜。蹴られても殴られてもご主人様を慕う忠犬のようだ。このダメダメ城主は御着の小寺政職(まさもと)、大河では鶴太郎が演じた。申し訳ないけどこのダメ城主と赤っ鼻の鶴ちゃんが重なってしまう。小寺のために息子を人質に差し出し、小寺のせいで何年もの間土牢で過ごし「ちんば」になってしまった官兵衛。それでも毛利に見捨てられ放浪していた小寺を引き取っているのだ。男の中の男とはこういう人のことをいうんだろうね。

    2話めは細川忠興(細川藤孝の息子)とその妻於玉(おたま.明智光秀の娘)の話。三浦綾子の「細川ガラシャ夫人」から、夫の帰りを健気に待つ妻と妻を思う優しい夫のイメージが植え付けられていたが、こちらの小説では全く違う。全くそりの合わない二人。於玉は粗暴な忠興を嫌い、忠興の短気と於玉の勝気はしばしば衝突した、とある。しかし忠興は世にも美しいこの妻を衷心から愛していたようだ。於玉が忠興の変態的な愛情と、その圧迫に耐えかねて、キリシタンの信仰に入ったのは彼女の絶望感からであった。
    話は鉄砲の名人である家臣稲富直家に及ぶ。細川家が窮地に陥った時、直家は忠興を裏切って細川家から出て行ったが、主人を裏切った不忠者ということで、どの家からも雇われることはなかった。しかしその鉄砲の腕前だけは重宝され、全国を回遊しているうちにできた門弟は数知れなかった。

    0
    2024年10月27日
  • 黒地の絵―傑作短編集(二)―

    Posted by ブクログ

    恥ずかしながら初清張。
    社会派で、巨悪を糾弾する!みたいなイメージを勝手に持っていたけど、なかなかどうして愛憎ドロドロ。
    登場人物の情の深さ以外は、時代を感じさせない文章と展開で引き込まれる。
    普通の人の普通の日常に潜む深い落とし穴、怖いね。

    0
    2024年10月24日
  • 遠い接近

    購入済み

    遠い接近

    時代背景は戦時中から終戦直後。山尾信治は予期せず赤紙召集となる。前半は所属連隊での苦渋に満ちた日々、いつ南方戦線へ送られるのか不安な日々を過ごす様子が綴られる。本来、赤紙対象でないはずの自分へ、赤紙がきた。そこには作為があった、ある人物が浮かび上がった。

    無事生きて終戦を迎えるが、家族は疎開先の広島で原爆にあい全員が亡くなった。赤紙を作為したその人物へついに接する、「遠い接近」であった。信治の復讐が始まる、完全犯罪を成し遂げたと思えたが、、、

    0
    2024年08月28日
  • ガラスの城 新装版

    Posted by ブクログ

    最後までどうなるか読めない展開で、
    予想の難しさに振り回されて
    読み終えた印象。

    面白い内容だった。
    犯人全然わからなかったな。

    0
    2024年07月24日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

    Posted by ブクログ

     著者の推理小説の出発点と目される表題作を含む8編収録の短編集。昭和30年代の作品が多いため描写はやや古いが、話の展開は面白い。
     刑事もの、裁判ものなど、様々な趣向の作品が展開されている。

    0
    2024年06月23日
  • 強き蟻

    Posted by ブクログ

    BSテレ東 2024.6.15放送
    欲望が犯罪を生み出す!

    夫の遺産を狙う伊佐子のまわりには、欲望にとりつかれ蟻のようにうごめきまわる人々。男女入り乱れ愛欲が犯罪を生み出す異色の長篇!

    0
    2024年06月19日