松本清張のレビュー一覧

  • 塗られた本

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    ネタバレ

    主人公の美貌の出版社社長はなんて厭な女なんだろう。

    黒革の手帳のように、喝采を送りたくなるような悪女ではない。

     三人の男が出てくる。

     女好きの流行作家。愛人の銀行頭取。無名の詩人である純粋な夫。

    背表紙の ”二人の男の間で苦悩する” というのは、綺麗ごとで本当に嫌な女だった。

     厭な女ぶりを、じっくり味わえる作品。

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    2019年06月09日
  • 霧の旗

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    偶然と執拗な女性の執念が絡み合って…の結末。
    高名な弁護士でもひとりの若い女性に翻弄されてしまうのか…。
    恐ろしい。
    描かれている時代が古く、今の事件捜査から見ればずさんなんだろうとは思うけど、それでも楽しめる。

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    2019年06月01日
  • 強き蟻

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    ネタバレ

    *遺産目当てに三十歳も年上の会社重役と結婚した沢田伊佐子。女盛りの肉体を武器に、奔放に生きる彼女のまわりにはまた、欲望に身を焼かれて蟻のようにうごめきまわる人々が群がってくる。一方、そんな人々を冷やかに、密かに眺める者もいる―欲まみれの男女が入り乱れ、犯罪が犯罪を呼ぶ異色のサスペンス*

    さすがは松本清張氏!と言う重厚さ。何と言っても、登場人物一人一人に肉感があります。伊佐子の清々しいまでの厚かましさと悪女っぷりもさることながら、最後の章のどんでん返しの鮮やかなこと!速記担当の女の聴取書からの、伊佐子の愛人の供述…!! 今までと同じペースでさくさく読み進んでいたものの、急にその展開来るか?!と

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    2019年05月09日
  • 小説東京帝国大学(上)

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    明治終盤、私立大学哲学館に文部省の立ち入りが入り、倫理学のテストでの一学生の解答をもとに、師範の免許剥奪が行われた、いわゆる「哲学館事件」をもとに、その解答をした学生、工藤の激動の人生を追う。

    上下巻に分かれているようだけど、元々は1巻だったらしい長編のため、また忘れかけた頃に下巻に手を付けることとする。

    もともと哲学館事件を知らないで読み始めたのと、舞台は東京帝国大学と思いきや、全く別のところで始まり、別のところでストーリーが進行するため、やや拍子抜けと言う感じ。まあ、上巻はこの程度なのであろう。

    Wikipediaによると、かなり実史に近いようで、教官などの名前も同じである。

    なお

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    2019年03月25日
  • 象徴の設計 新装版

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    西南戦争が終わり未だ世の中が治まったとは言えない状況の中、維新の元勲の1人である山県有朋が苦心しながら、軍隊や国家に秩序の礎となる“象徴”を築いていこうとする様子を描いた歴史小説。
    軍政に内政に愚直に励む姿、また椿山荘など庭園造りの意外な才能、伊藤博文へのコンプレックスなど、剛直にして神経質な“一介の武辺”山県有朋の姿が浮き彫りにされていて読み応えがありました。

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    2019年03月04日
  • 疑惑

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    ネタバレ

    『疑惑』と『不運な名前』の二つの短編。両方とも名前が原因で冤罪をかけられたことで共通している。
    『疑惑』に関しては短編だから仕方ないかもしれないが物足りなく感じた。秋谷が佐原を殺したあと球磨子はどうなるかなど先の展開が気になった。
    『不運な名前』はゴールデンカムイを読んだおかげで樺戸監獄や熊坂長庵などは親しみがあったがそれでも内容が若干難しかった。その内容も面白いというよりは歴史の勉強になったという感じで期待していたものとは違った。

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    2019年02月16日
  • 黒い福音

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    ☆☆☆2019年2月レビュー☆☆☆


    松本清張の小説からは「昭和」を感じる。この作品は実際に昭和34年に起きたスチュワーデス殺人事件を題材に描かれた小説である。
    グリエルモ教会は「布教」の名のもとに、密輸、支援物資の横流しで大きな金銭的利益を得ていた。「密輸」を生業とするランチャスター氏と深い関係を持ち、それがスチュワーデス殺人事件に繋がる。
    直接の実行犯はトルベック神父であるが、彼もまた追い込まれて罪を犯したという意味では「被害者」ともいえる。殺人を犯すまでに追い込まれたトルベック神父があまりにも憐れだ。恋人である生田世津子を自ら手にかけるその精神的苦痛が、読んでいた痛いほど伝わってきた。

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    2019年02月12日
  • 熱い絹(下)

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    Jim Thompson 縺ョ繝阪け繧ソ繧、繧偵b繧峨▲縺溘%縺ィ縲∵怙霑代?√?繝ャ繝シ繧キ繧「縺ォ蜃コ蠑オ縺励◆縺薙→縲∫ュ峨′縺阪▲縺九¢縺ァ縲√%縺ョ譛ャ繧定ェュ縺ソ縺セ縺励◆縲
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    2018年12月31日
  • 半生の記

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    ネタバレ

    松本清張の数少ない私小説。
    生い立ちから、作家になるまでの道のりを綴ってある。
    困窮に極まっていた松本清張が、どのような仕事し、転職し、家族を支えたか・・時代背景を垣間見ながら、”貧乏”という感情を味わって頂きたい。

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    2018年12月30日
  • 黒革の手帖(上)

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    【文庫上・下巻の感想】
    夜の銀座を舞台に政財界から裏社会にまで至る強欲な人間像が精緻に描かれている。
    銀座の高級クラブ(作中ではバァと表記)の開店資金やランニングコストなどの費用考証やママとしての従業員への人心掌握術など、いわゆる夜の世界の関係者への取材が入念に行われたと思われ、それがこの作品にリアリティを与えている。

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    2018年12月27日
  • 鬼火の町 新装版

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    松本清張の時代物の推理小説。

    隅田川に上がった2人の水死体は、柔道に長けた者であろう下手人によって、みぞおちを打たれていた。その現場から上がった細工物の煙管をつてに犯人を追う岡っ引き藤兵衛であったが、同心(岡っ引きの上司)川島に、捜査から手を引くよう指示される。その後、参考人たちが次々と謎の死を遂げていくが…。

    なかなか凝ったストーリーで楽しめる時代・推理ものであるが、時代小説が苦手なんだよね。理由はまたいずれどこかに書こうとおもうが、やはり苦手なものにとっては、なかなかとっつきにくいものである。

    とはいえ、そこは松本清張、同心とは何であるか、奉行所との関連はどうでという説明もかなり丁寧

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    2018年12月27日
  • 黒革の手帖(上)

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    見映えの悪いお局銀行員が横領したお金で銀座のママになる。その転身だけでも面白い。しかし元子はそれだけに留まらず、昔掴んだネタでゆすってライバルを蹴落としたり、次なる策を労したりと抜け目なく意欲的に動いていく。
    だが、いい事はそうそう続かない。下巻でどうなるのか楽しみだ。

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    2018年10月11日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    時代が古く違和感がある場面もあったが、ひとつひとつは面白かった。ただし、編集に難有り。清張の現代物の短編を集めた本だが、同系列の話が続いて食傷気味になった。
    それが、読むのに時間がかかった所以。

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    2018年09月20日
  • 歪んだ複写―税務署殺人事件―

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    身分証明書が「米の配給手帳」に時代を感じた。。
    あと、解説は先に読まないように。思いっきり犯人書いてます。

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    2018年06月09日
  • 駅路

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    邪馬台国の場所を推理する郷土史家は、一体何者なのか。悲劇的な結末でありながらも、ある意味幸福だったのではないだろうか。

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    2018年05月09日
  • 神々の乱心 上

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    「100分de名著」を見て気になってたので読んでみました。皇室のタブーのようなことを小説の題材にするって、よく許されたなと思います。
    話が月辰会と女官の自殺からかなり離れていっているようで、これがどう繋がっていくのか。
    説明が長いような感じもあり、読み進めるのに多少飽きがくるところもありましたが、だからといって読みづらさはありません。推理小説というより、戦前の時代記を読んでる感じです。
    下巻、これから一気に物語は進むのでしょうか。

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    2018年04月30日
  • 渡された場面

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    四国の県警捜査一課長香春銀作は、文芸雑誌の同人誌評に引用された小説の一場面に目をとめた。九州在住の下坂一夫が書いたというその描写は、香春が担当している“未亡人強盗強姦殺人事件"の被害者宅付近の様子と酷似しすぎていたのだ。再捜査により、九州の旅館女中の失踪事件と結びついたとき、予期せぬ真相が浮び上がる――中央文壇志向の青年の盗作した小説が鍵となる推理長編。

    まあまあ。

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    2018年04月15日
  • 小説日本芸譚

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    松本清張というと推理小説のイメージが強いが、歴史小説も書いていたんですね。
    これは芸術家列伝。
    利休あたりは興味深く読めた。

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    2018年04月12日
  • 霧の旗

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    殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。彼女は高名な弁護士大塚欽三に調査を懇願するが、すげなく断わられる。兄は汚名を着たまま獄死し、桐子の大塚弁護士に対する執拗な復讐が始まる……。それぞれに影の部分を持ち、孤絶化した状況に生きる現代人にとって、法と裁判制度は何か?を問い、その限界を鋭く指摘した野心作である。

    映画やドラマ化されたものは観ていない。後味悪し。

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    2018年04月07日
  • 黒い福音

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    実際にあった殺人事件を元に、事実を推測し物語にしたもの。結構分厚く、持参のブックカバーに入らなかった。それだけに読みごたえはあるが、難しいと思うことなく時間を忘れて読み進めた。

    あまり推理もの等を読まない身としては偏見として、警察は悪役に回るものなのかなと思っていたけどこの話はそうではなかった。寧ろ日本の警察の力❨勿論権力のことではない❩に期待をかけていたような感じさえ受ける。教会側は教会側として、初めから詐欺だとかなんだとするというのではなく本気で布教するなら国の法律を犯してもよいというところに基づいているところもなんとなく歯切れの悪いところ❨※これは誉め言葉です❩。

    構成としても江戸川

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    2018年04月03日