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東京郊外で発見された、男の腐爛死体。その身元を追及しようとする二人の新聞記者は、次第に、あまりにも意外な事件の核心にふれてゆくこととなった。酒と女の供応に明け暮れしている、そんな悪徳税務署員の私行が招き寄せた、三つの殺人事件を通して、脱税に、収賄にと、腐敗しきった税務署の、驚くべき内情が描かれる。――現代の黒い霧に挑む著者の、代表的な社会派推理小説!
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Posted by ブクログ
昭和34年から雑誌に掲載された作品。税務署と脱税・減税を求める企業との癒着体質が、殺人事件の背景ある。事件を追うのは、若き新聞記者。当時の大蔵官僚の昇進ルート、若手税務署長着任も、ポイントとなっている。
★★★2021年5月★★★ 税務署の腐敗と、出世争いの闇に深く切り込んだ作品。 いつものことながら、松本清張の作品からは昭和が感じられる。 まだ自家用車が普及していなかった事や、個人情報が気軽に交換されていた事、武蔵境はまだ田舎扱いだった事など。 東京の土地勘をもっていれば、より楽しめる作品だと...続きを読む思う。 「深大寺」が登場したのにも、「おっ」と反応した。 作品の内容として、税務署の職員が所轄の企業から接待で豪遊をし それでその企業の脱税を見逃したり手心を加えたりする「腐敗」がテーマ。 新聞記者の田原典太が追及する。 これはフィクションだから、実際にこのような腐敗が横行していたとは思わないが、迫力のある筆遣いで迫ってくる。新聞社同士の競争や警察との駆け引きも見ものだ。 犯人は「きっとこの人かな」と思われる人がやはり犯人だった。
今も昔もある汚職への怒りよりも、新聞記者の執念に圧倒される。 普通ならば事情通なあの人物が主役になるところを新聞記者の執念をクローズアップしているところが松本清張イズム。
身分証明書が「米の配給手帳」に時代を感じた。。 あと、解説は先に読まないように。思いっきり犯人書いてます。
作者が憎悪した汚職、嫌悪した高学歴がテーマ。息をつかせず一気に読み終えた。設定が昭和30年代なので古い。今はもう見ないが、入り口が靴を脱いで、1階、2階の各世帯の部屋に分かれたアパートがまだあったことを覚えている。昭和47年頃かな。13.1.14
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