松本清張のレビュー一覧

  • 蒼ざめた礼服

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    昭和36年から「サンデー毎日」に連載された作品。日本が安保や防衛費等々で揺れていた時代に書かれたとの解説。大卒の普通のサラリーマン男性が、ある日、ふと道端で目にした古本屋・雑誌を売っている露天から、たまたま購入した雑誌によって、それまでの会社を辞めて転職する機会に恵まれる。米国から特殊潜水艦を購入するにあたって、政財官さらに裏での怪しげな関係と動きを探り始める主人公。自殺に見せかけた殺人事件あり、替え玉殺人あり。しかし、結論がどうも・・・・。

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    2020年04月18日
  • 夜光の階段(下)

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    ネタバレ

    なにしろ、テレビドラマとして、過去4回、放送されている、という事が、すげえな、って思いましたね。4回リメイク!?という。で、そんだけテレビドラマとしてリメイクされまくって、何故に映画化はされんかったのか?未だにされていないのか?という所も、なんだかおもろいですね。

    しかしアレですね、1969年連載開始の作品なのに、1990~2000年代の、いわゆるカリスマ美容師?的存在の出現を預言しとったのかも?という内容は、結構、凄いなあ。松本清張の先見の明、お見事だなあ。

    で、内容はというと、、、そこまで面白くはなかったかなあ?という気がします。うーん。

    佐山道夫は、結局、何でこうね、若かりし頃の、

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    2020年03月26日
  • 夜光の階段(上)

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    ネタバレ

    まだ、上巻だけを読み終わった段階ですので、まだまだ詳しい所は、何もわからないぜ、という状況でございますね。下巻で、どのような展開が、待ち構えているのか、、、ドキドキしながら、読み進めたいと思います。

    上巻を読んだだけの感想では、同じ松本清張の著書としては「砂の器」と近い雰囲気かなあ?と思いました。社会的成功への野心を持った若き男の犯罪。栄光と墜落。犯罪を追う司法の側の人間の、調査への執念と、へこたれなさ。

    砂の器の和賀英良が、この夜光の階段の佐山(宮坂)道夫かなあ、と。まだ、上巻を読んだだけの感想なので、なんとも言えないのですが。

    九州での、八年前の、武蔵温泉近辺での村岡トモ子殺害事件。

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    2020年03月24日
  • 高校殺人事件

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    推理小説を作成する初心者向けの授業があったなら間違いなく教科書の一つとなる作品になるだろうと思ってしまった。
    それほど、展開の起承転結や登場人物の設定など古典的な安心感のある内容だった。
    陰鬱で妖しいポーの詩文をこよなく愛する高校生が鬱蒼とする沼で殺害されるところから始まるのだが、この詩文がある事により一気に怪しげな空気感が最後まで全編に整えられるのは見事だ。
    さらに隣接する古びたお寺、そして何かしら意味深な住職たちが登場し、やがて担任の先生は行方不明になり、さらなる殺人事件が起こるのだが結末はさすが松本清張である。

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    2020年03月11日
  • 眼の壁

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    まだ新幹線もないし、東京駅待合室とか時代を感じるけれど、ぐいぐい読ませて引き込む力は素晴らしい。ぜんぜん古くない!

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    2020年03月08日
  • 夜光の階段(下)

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    面白過ぎて上下巻一気読み。ラストがあれあれ~ではありましたが、この作品で松本清張は司法制度の矛盾、冤罪の恐ろしさを描きたかったんだろうなと感じました。登場する女性がバカばっかりなのが気になった。(;'∀')

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    2020年01月19日
  • 虚線の下絵

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    清張の男女間のトラブルを主とした人間ドラマ。

    売れない肖像画家である男は、売れっ子の親友画家と親交を深める。そんな中、マネージャーでも有る妻は次々と肖像画の発注を取ってくるため、親友夫婦に伝えてみると、それ以上は知らないほうが良いとたしなめられる。

    短編4篇のうち、3篇がちょっとした不倫から、家族や人物が壊れていくさまを、いろいろな視点から描かれており、特に冒頭の「与えられた生」は、読みにくいものの、非常に良くできた作品である。残りの1本は、2・26事件を小説的に再構築したというもので、松本清張の時代小説って、ほんとに散漫だよね。

    メインは最初の3本になってしまうのではあるが、これがまた

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    2020年01月17日
  • 眼の壁

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    松本清張を読むと、いつも思うことがある。
    物語を強引に、都合のいい方に持っていくということである。
    本作でも、いくつも見受けられる。
    しかし、それを感じさせない松本清張の筆力は凄いものがある。

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    2019年09月26日
  • わるいやつら(上)

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    秋の夜長に松本清張。
    とにかく戸谷がドクズのクソ野郎なので、こいつがどのようなしっぺ返しを食らうのか、ワクワクが止まらない!
    それにしても、ど直球なタイトル「わるいやつら」
    今後どんなわるいやつらが出てくるんだろうか。下見沢作雄も何だか怪しい感じだし、槙村隆子も腹に一物抱えてそう。
    下巻に続く。

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    2019年09月20日
  • 状況曲線(上)

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    途中まではとても面白いが、途中からは三流トレンディドラマみたいで面白くなかった
    ただ、それぞれの登場人物の感情の変化の描写は流石。
    今のところ、清張の作品で全てがしっくりきた作品がないのが気がかり。。。

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    2019年06月30日
  • 時間の習俗

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    神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。関係者の一人だが容疑者としては一番無色なタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈(めかり)神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎるアリバイに不審を持たれる――『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼老刑事が試行錯誤を繰返しながら巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長編。

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    2019年06月26日
  • 渦

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    テレビ局を一喜一憂させ、その全てを支配する視聴率。だが、正体も定かならぬ調査による集計は信用に価するか。視聴率の怪に挑む。

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    2019年06月26日
  • わるいやつら(下)

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    愛人関係にある横武たつ子の病夫を殺したあげく、邪魔になった彼女をも殺害し、その上、共犯者の婦長寺島トヨを手に掛けた戸谷信一は、さらに、自分の欲望を満たすため、次の犯行を決意する。社会的地位をもちながら、その裏で、次々に女をだまし、関係しては金を取りあげ、殺していく戸谷。やがて、彼に訪れる意外な破局は……。冷酷非情な現代人の欲望を描く推理長編。

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    2019年06月26日
  • わるいやつら(上)

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    “どのように美しくても、経済力のない女は虫のように無価値だ医学界の重鎮だった亡父の後を継ぎ、病院長となった32歳の戸谷信一は、熱心に患者を診療することもなく、経営に専心するでもない。病院の経営は苦しく、赤字は増えるばかりだが、彼は苦にしない。穴埋めの金は、女から絞り取ればいい……。色と欲のため、厚い病院の壁の中で計画される恐るべき完全犯罪。 "

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    2019年06月26日
  • 塗られた本

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    ネタバレ

    主人公の美貌の出版社社長はなんて厭な女なんだろう。

    黒革の手帳のように、喝采を送りたくなるような悪女ではない。

     三人の男が出てくる。

     女好きの流行作家。愛人の銀行頭取。無名の詩人である純粋な夫。

    背表紙の ”二人の男の間で苦悩する” というのは、綺麗ごとで本当に嫌な女だった。

     厭な女ぶりを、じっくり味わえる作品。

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    2019年06月09日
  • 霧の旗

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    偶然と執拗な女性の執念が絡み合って…の結末。
    高名な弁護士でもひとりの若い女性に翻弄されてしまうのか…。
    恐ろしい。
    描かれている時代が古く、今の事件捜査から見ればずさんなんだろうとは思うけど、それでも楽しめる。

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    2019年06月01日
  • 強き蟻

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    ネタバレ

    *遺産目当てに三十歳も年上の会社重役と結婚した沢田伊佐子。女盛りの肉体を武器に、奔放に生きる彼女のまわりにはまた、欲望に身を焼かれて蟻のようにうごめきまわる人々が群がってくる。一方、そんな人々を冷やかに、密かに眺める者もいる―欲まみれの男女が入り乱れ、犯罪が犯罪を呼ぶ異色のサスペンス*

    さすがは松本清張氏!と言う重厚さ。何と言っても、登場人物一人一人に肉感があります。伊佐子の清々しいまでの厚かましさと悪女っぷりもさることながら、最後の章のどんでん返しの鮮やかなこと!速記担当の女の聴取書からの、伊佐子の愛人の供述…!! 今までと同じペースでさくさく読み進んでいたものの、急にその展開来るか?!と

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    2019年05月09日
  • 小説東京帝国大学(上)

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    明治終盤、私立大学哲学館に文部省の立ち入りが入り、倫理学のテストでの一学生の解答をもとに、師範の免許剥奪が行われた、いわゆる「哲学館事件」をもとに、その解答をした学生、工藤の激動の人生を追う。

    上下巻に分かれているようだけど、元々は1巻だったらしい長編のため、また忘れかけた頃に下巻に手を付けることとする。

    もともと哲学館事件を知らないで読み始めたのと、舞台は東京帝国大学と思いきや、全く別のところで始まり、別のところでストーリーが進行するため、やや拍子抜けと言う感じ。まあ、上巻はこの程度なのであろう。

    Wikipediaによると、かなり実史に近いようで、教官などの名前も同じである。

    なお

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    2019年03月25日
  • 象徴の設計 新装版

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    西南戦争が終わり未だ世の中が治まったとは言えない状況の中、維新の元勲の1人である山県有朋が苦心しながら、軍隊や国家に秩序の礎となる“象徴”を築いていこうとする様子を描いた歴史小説。
    軍政に内政に愚直に励む姿、また椿山荘など庭園造りの意外な才能、伊藤博文へのコンプレックスなど、剛直にして神経質な“一介の武辺”山県有朋の姿が浮き彫りにされていて読み応えがありました。

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    2019年03月04日
  • 疑惑

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    ネタバレ

    『疑惑』と『不運な名前』の二つの短編。両方とも名前が原因で冤罪をかけられたことで共通している。
    『疑惑』に関しては短編だから仕方ないかもしれないが物足りなく感じた。秋谷が佐原を殺したあと球磨子はどうなるかなど先の展開が気になった。
    『不運な名前』はゴールデンカムイを読んだおかげで樺戸監獄や熊坂長庵などは親しみがあったがそれでも内容が若干難しかった。その内容も面白いというよりは歴史の勉強になったという感じで期待していたものとは違った。

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    2019年02月16日