あらすじ
7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させるのに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが……。夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ドラマ版「黒革の手帳」で、米倉涼子がベッドの上にビールをこぼしてシーツを乱し、「これで今夜、何もなかったとは誰も信じませんよね?」という趣旨のことを言っていたシーンを子供の頃に見たのをうっすら覚えている。そのシーンが出てきて少し感動した。親がドラマ版「黒革の手帳」が好きだったので毎週なんとなくテレビで流れていたが、子供だったので私は特に見ていなかったのでオチは知らない。後編が楽しみ。
Posted by ブクログ
賢いカッコ良い女性。駆け引き上手。男の弱みを握ってそれと引き換えにお金をいただく。
と思いきや、最後は嵌められてたのか。
手帳に何が書かれてるのかな?って思いながら読み始め、架空名義の口座か、なるほど。と思った。
出産前最後の一冊となり、思い出の作品となりました。
Posted by ブクログ
面白い。久々に一気読み。
クライム小説の一種だろうが、元子の野望がどんどん膨らんで、次々に機会がやってくる。都合が良すぎるきらいはあるが、元子の手段を択ばぬやり方が、心地よくなってくる。
何度も映像作品になっているのも納得。
Posted by ブクログ
久しぶりの松本清張。私の中で文筆格式が高いので、最大限の緊張感を持ちながら読む。今回は元子の凄まじいしたたかさに「この人は凄い人だ」に尽きる。凄いというのは、男を金とみる、怖い、強い、ぶっ飛んでいる、孤独すぎ、頭良すぎ、などなど、形容する言葉が色々出てくる。銀行での恐喝、病院での恐喝。今後の元子の着地点が全く読めない状況。現在、少しだけ下巻に入っていますが、まだまだ分かりません。最後、どうなってしまうのか、仮説①やっぱり逮捕される?②天罰が下る?③元子の一人勝ち?はないよね。仮説検証結果は下巻で!
Posted by ブクログ
松本清張てこんなに面白いのか(゚д゚)!と覚醒させられた。
悪女元子がしたたかに金銭を奪う犯罪を達成し、その過程で多くの人の恨みを買い、最後には欲と怨念におぼれて大逆襲を喰らってしまう。銀座を舞台にしてるところも、中洲に出入りするオトナになって読むと少しはピンとくる。取材や描写が実に丁寧で、展開も息つかせぬスリリング。
架空名義預金・医学部への裏口入学・隠蔽第1の銀行だったり、個人情報管理がずさんだったりそもそも携帯電話が全く登場しなかったり、古い時代に書かれてはいるものの、何度も時代背景を修正してドラマ化されるのは、悪女の行動が言葉は悪いがまことに魅力的に描かれた傑作だからにほかならない。
Posted by ブクログ
凄くいい!
著者は、数字に強いのが窺えます。
どうしようもなく救い難い男共を翻弄し、更なる高みへ目指す悪い女、元子。
なんだかスカッとします。
同時に女性は読んだほうが得な内容になっています。
しなやかさ、駆け引きの巧みさ、美しい日本語…お手本になると思います。
裏切らない内容。
面白く下巻を読みます。
Posted by ブクログ
ドラマで武井咲が演じたのを見て、原作に興味を持って読み始めた。
時代も昭和50年代だし、主演の元子は銀行員でも、派遣ではなかった。
しかも、美人でもなかった。
それでも、ドラマとはまったく違ったストーリー展開がすごく引き込まれるものがあり、これが松本清張なのか!と、実は初めて松本清張も読んだのだ。
固いイメージがあったけれど、とても読みやすい文章。手に取るように思い浮かんでくる情景。
顔と違って、優しい文面。
色んな意味で驚いた。
何度もドラマ化されている理由も分かる気がする。
すぐ下巻読みます。
Posted by ブクログ
武井咲さん主演ドラマの原作です。この小説はかなり前の時代に書かれたものですから、もちろんいま放映中のドラマとは違いますが、本は本として楽しめます。
ストーリー本編のなかに、その時代の社会的な問題や事件なども織り混ぜられており、社会派ミステリーの要素たっぷりです。
登場人物の名前は、殆どがテレビドラマと一緒なので、小説の人物名とテレビの俳優(女優)さんの顔を想像しながら読むのもいいかも。
Posted by ブクログ
有名な作品なのに未読だったので読んでみた。
どうやら最初は銀行員だった女性が巧みな横領や恐喝によって銀座でのし上がる物語のようです。
昭和の中後期の話だけあって法律も常識も街の様子も全てが今とはかなり違いますが、自分が小学生だった頃の作品なので何となく懐かしい匂いがします。
大御所の有名な作品だけあって内容はかなり濃いものなので、下巻も楽しみです。
Posted by ブクログ
ドラマを先に見ているのですんなりと頭に入ってきました。
ドラマとは時代設定が違うから細かい部分は違うけれど。
女の強さ、したたかさ、怖さがしっとりと書かれた作品。
屈辱や孤独を味わった女性がいかに強いかということをしみじみと感じます。
主人公・元子が“女”という性を使わずにのし上がっていくのは同じ女性としてかっこいいとさえ感じます。
上巻では、上昇気流に乗っている元子。
下巻でどう転落していくのかどう機転を利かせるのか、楽しみです。
Posted by ブクログ
武井咲主演のドラマが良すぎて。でも、令和に合うようにされてたから、原作はどうなのかなと思って読み始めた。元子は悪女って言われるけど、周りのオッサンも似たり寄ったりでしかも気持ち悪いので、個人的には元子を応援してしまいたくなる…笑。ていうか架空預金ってそんな作れるもんなんだ?
Posted by ブクログ
女子行員が横領した金で銀座の高級クラブを経営、更なる金を引き出す為権謀を巡らすサスペンス。
タイトルの手帖に恐喝のネタが載っている訳だが、恐喝にならぬ様な情報収集、証人の確保、場面設定などは犯罪者でなくとも勉強になる事がある。
Posted by ブクログ
1人の銀行員が危険な賭けの末華やかな銀座の夜に打って出る。そこから物語が始まる。表の華やかさ、裏の魑魅魍魎、因果応報、社会の闇。上下巻で見事に表されている。
Posted by ブクログ
上下巻 完読
さすがです!
行員として職務にまっとうする日々の中で
仕事ができても会社に長年尽くしても
決して女子行員は高みを望めない
真面目に働いてきたのにもはやお局として煙たがられる存在
元子はうんざりしていた
絶望していた
経験と信頼を「黒革の手帖」に書き留め
銀行から〝ちょうだい〟した7000万円で銀座にクラブをオープンする
愛も情も知らず大人になってしまった元子
欲だけが彼女の活力となり這い上がろうと
お金に人生を捧げる姿は何故か哀しい
お勉強になります
人が思う人としての幸せは人それぞれ
だとしても幸せになれない人はどこまでいっても結局は幸せにはなれない
なぜなら幸せはお金や地位や人から与えられるものでなく、ただ単純に自分で感じるものだから
人の恨みを積み重ねたきた結末がちゃんと辻褄の合ったミステリーでやっぱ最高。
2019.9.5
今年の15冊目
Posted by ブクログ
1.気になっていた松本清張シリーズ、今度は銀座の女の野望を描くストーリーということで、まったく開拓していない分野だったので購入しました。
2.銀行員として働くことに退屈さを感じていた原口元子は、バァとして働くことを決意し、銀座で働き始めた。そして、数ヶ月経ったのち退職をして、自分の店を持つことを決意した。元子は自分の店を持つために、会社の金を横領することにし、見事に会社の金を奪った。これの裏には、支店長と次長のある弱みに付け込んだことがきっかけだった。これを機に、退屈さを感じていた元子の人生は、一気に様変わりし、銀座のママに君臨するために、あらゆる男の弱みに付け込んだ。果てなき野望を掲げた女のサスペンスストーリーが今始まる。
3.話の前半から引き込まれてしまいました。最初の、銀行員が不祥事という言葉に特に弱いというところにリアル感がありました。また、元子が女1人であらゆる男の弱みに付け込んで世間を渡り歩いていく姿は意固地に見えました。男女平等の社会が浸透し始めた現代では、女性にとってどのように思っているのかは、常々考えています。銀座のような場所であれば、元子のような女性が特に多いと思うのですが、指名されることが命の彼女達は生き残りをかけて闘っています。私はこのような女性には縁がないので、普段と違う女性について知ることができたので、面白かったです。
Posted by ブクログ
原口元子、34歳。恋人もおらず、友人もおらず、さして美人でもない。ひたすら銀行で働き、気が付けば女子行員最年長。今後の人生、どうしようか.....という思惑の結果が7568万円もの横領!!その金を元手に、バーの経営。更に行き詰れば恐喝!まごうことなき悪女で犯罪者。けれどもこの男性優位な時代の中、後ろ盾もなく、元子にあるのは知恵と度胸。次から次へと野望を抱く姿は正直カッコいい。1ミクロンの罪悪感もなく、清々しいくらいだ。今のところ上手くいきすぎているけれど、どうなるの??下巻へ~
Posted by ブクログ
面白かったです。表現や内容はちょっと古めかしいところもあるのですが、とても読みやすくてのめり込みました。
ドラマは武井咲さんの方だけ観ましたが、ドラマとは違って、元子さんが若くも美しくもありませんでした。
銀行員がバァのママになって、男からお金を巻き上げてのしあがっていく。元子さんの強かさがすごいです。
楢林は破滅したけど、橋田はこれからなのかな。安島もなんだかドラマと違うので、続きが楽しみです。
すみ江の言い淀んだことがかなり気になるのですが、下巻で描かれるのかなぁ。
Posted by ブクログ
米倉涼子さんのドラマを見ていて、気になったので読みました。
ドラマとは多少違うところもありますが、登場人物がみんな悪いのがなんとも面白かった。
Posted by ブクログ
何回も映画化やTVドラマ化されてきたので、ずっと読みたいと思っていたのだが、今回は武井咲が主役ということで興味を持って見だすと同時に原作を読み始めた。時代も大分違うし、元子の設定も美人でないので、地味な物語として始まったが、徐々に計算高い女としての本性が出てきた、下巻でどこまで悪女になってくれるか楽しみだ。
Posted by ブクログ
銀行に勤める主人公OL元子が、銀行としても表沙汰にできないお金を横領。そのお金を元手に、銀座でバアを開店経営し始める。銀座でお店を開き、経営していくためにかかる経費。それをどのように切り盛りし、しのいでいくのか……。
Posted by ブクログ
久しぶりに松本清張読んだけど、やっぱり面白いなぁー。
お金にたかる人間たちに、さらにたかって行く元子の頭の良さがスゴい!
悪いことをしてるのに、次はどうやってお金を毟り取るのか楽しみで、一気に読める。
下巻がどういう展開になるのか、すっごく楽しみだ。
Posted by ブクログ
まだ誰も死んでないぞ。
サスペンスというより、昭和の女の事件簿、的な展開です。
バーではなくバアという表記が時代を感じさせます。
黒革の手帖がまた活躍しちゃうのかしら。下巻の盛り上がりを期待します。
Posted by ブクログ
ベテラン女子行員・原口元子が勤めていた銀行から7500万円を横領した。それを元手に銀座のバアのママとなる。そのバアの常連客であった医者から5000万円を巻き上げる。元子の欲望はまだまだこれから。前編終了。
Posted by ブクログ
★評価は再読後に。
目下騒ぎの事件みたい、という話を聞いて改めて手に取る。まったく内容覚えていない。。。
いつものことだからさておき、すらすらと読める。
そして驚愕するのはおそらく本質的に今の事件は昔とまったく変わらない事態だということ。そこに目を付けた作家、恐るべしではありますが、現実も恐るべし。
まぁカネ絡みの欲望は古今東西、何ら変わることがないという単純明快なことと言えばそれまでですが。
Posted by ブクログ
【文庫上・下巻の感想】
夜の銀座を舞台に政財界から裏社会にまで至る強欲な人間像が精緻に描かれている。
銀座の高級クラブ(作中ではバァと表記)の開店資金やランニングコストなどの費用考証やママとしての従業員への人心掌握術など、いわゆる夜の世界の関係者への取材が入念に行われたと思われ、それがこの作品にリアリティを与えている。
Posted by ブクログ
見映えの悪いお局銀行員が横領したお金で銀座のママになる。その転身だけでも面白い。しかし元子はそれだけに留まらず、昔掴んだネタでゆすってライバルを蹴落としたり、次なる策を労したりと抜け目なく意欲的に動いていく。
だが、いい事はそうそう続かない。下巻でどうなるのか楽しみだ。
Posted by ブクログ
上下巻の長編作品ですが、すらすらと読むことができました。古い作品なので現代とは異なる部分も多いですが、どんでん返しありのサスペンスとしても、社会風刺作品としても優れた作品であり、何度もドラマ化されるだけの普遍性を感じることができました。