あらすじ
7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させるのに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが……。夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。
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Posted by ブクログ
賢いカッコ良い女性。駆け引き上手。男の弱みを握ってそれと引き換えにお金をいただく。
と思いきや、最後は嵌められてたのか。
手帳に何が書かれてるのかな?って思いながら読み始め、架空名義の口座か、なるほど。と思った。
出産前最後の一冊となり、思い出の作品となりました。
Posted by ブクログ
面白い。久々に一気読み。
クライム小説の一種だろうが、元子の野望がどんどん膨らんで、次々に機会がやってくる。都合が良すぎるきらいはあるが、元子の手段を択ばぬやり方が、心地よくなってくる。
何度も映像作品になっているのも納得。
Posted by ブクログ
久しぶりの松本清張。私の中で文筆格式が高いので、最大限の緊張感を持ちながら読む。今回は元子の凄まじいしたたかさに「この人は凄い人だ」に尽きる。凄いというのは、男を金とみる、怖い、強い、ぶっ飛んでいる、孤独すぎ、頭良すぎ、などなど、形容する言葉が色々出てくる。銀行での恐喝、病院での恐喝。今後の元子の着地点が全く読めない状況。現在、少しだけ下巻に入っていますが、まだまだ分かりません。最後、どうなってしまうのか、仮説①やっぱり逮捕される?②天罰が下る?③元子の一人勝ち?はないよね。仮説検証結果は下巻で!
Posted by ブクログ
松本清張てこんなに面白いのか(゚д゚)!と覚醒させられた。
悪女元子がしたたかに金銭を奪う犯罪を達成し、その過程で多くの人の恨みを買い、最後には欲と怨念におぼれて大逆襲を喰らってしまう。銀座を舞台にしてるところも、中洲に出入りするオトナになって読むと少しはピンとくる。取材や描写が実に丁寧で、展開も息つかせぬスリリング。
架空名義預金・医学部への裏口入学・隠蔽第1の銀行だったり、個人情報管理がずさんだったりそもそも携帯電話が全く登場しなかったり、古い時代に書かれてはいるものの、何度も時代背景を修正してドラマ化されるのは、悪女の行動が言葉は悪いがまことに魅力的に描かれた傑作だからにほかならない。
Posted by ブクログ
凄くいい!
著者は、数字に強いのが窺えます。
どうしようもなく救い難い男共を翻弄し、更なる高みへ目指す悪い女、元子。
なんだかスカッとします。
同時に女性は読んだほうが得な内容になっています。
しなやかさ、駆け引きの巧みさ、美しい日本語…お手本になると思います。
裏切らない内容。
面白く下巻を読みます。
Posted by ブクログ
1.気になっていた松本清張シリーズ、今度は銀座の女の野望を描くストーリーということで、まったく開拓していない分野だったので購入しました。
2.銀行員として働くことに退屈さを感じていた原口元子は、バァとして働くことを決意し、銀座で働き始めた。そして、数ヶ月経ったのち退職をして、自分の店を持つことを決意した。元子は自分の店を持つために、会社の金を横領することにし、見事に会社の金を奪った。これの裏には、支店長と次長のある弱みに付け込んだことがきっかけだった。これを機に、退屈さを感じていた元子の人生は、一気に様変わりし、銀座のママに君臨するために、あらゆる男の弱みに付け込んだ。果てなき野望を掲げた女のサスペンスストーリーが今始まる。
3.話の前半から引き込まれてしまいました。最初の、銀行員が不祥事という言葉に特に弱いというところにリアル感がありました。また、元子が女1人であらゆる男の弱みに付け込んで世間を渡り歩いていく姿は意固地に見えました。男女平等の社会が浸透し始めた現代では、女性にとってどのように思っているのかは、常々考えています。銀座のような場所であれば、元子のような女性が特に多いと思うのですが、指名されることが命の彼女達は生き残りをかけて闘っています。私はこのような女性には縁がないので、普段と違う女性について知ることができたので、面白かったです。