松本清張のレビュー一覧
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国内ミステリ作家として避けては通れない松本清張に触れてみよう、ということで手に取った一冊。
松本清張といえばドラマ「黒革の手帖」の印象が強く(見ていたわけではありませんが)、そして社会派ミステリを確立させた一人として、大好きな宮部みゆきさんに通ずるところがあるのでお手並み拝見の気持ちで読みました。
登場するのは、”ザ・靴底を減らして歩く刑事”。
そして昭和32年の発表ということで、東京から福岡まで一日がかりの移動が描かれており、改めて現在の交通網がいかに発展したものかとしみじみ。
……でも、飛行機の可能性を考えないのはいかがなものなのか?!
当時の交通事情に詳しくないので、(ああ飛行機は登場 -
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ネタバレこの物語が評価されたのは謎そのものではなく、もはや戦後ではないと言われた時代の暗黙の了解を、闇に葬らないように、サスペンス仕立てで書き表したことにあると思う。
米兵の夜の相手を勤めた女性たちの哀しさ。まとわりつく侮蔑の目。どんなに拭い去りたくて、幸せになりたかったか。
殺人事件までは起こさなくてもこの思いが分かる人、または身近な人がそうなのではないかと思っている人、他人事ではなく我が事として受け止めていたからこそ多くの人に読まれたんだろう。
戦後の雰囲気を色濃く反映しているは任侠映画とかなのかなと思うが、そう言う派手なものばかりじゃなくて、沈黙されたものにも目を向けないといけないなと思う。 -
Posted by ブクログ
戦後の日本を舞台とした凶悪犯罪。読み進めていくうちに明らかに犯人の人物像とは違う人が犯人に仕立て上げられているなと思いながら読んでいたら当時は自白重点主義といい被疑者がやりましたと言えば犯罪立証という今生きている私からすれば恐ろしい時代だったことがわかった。
それは確かにそれっぽい証拠に主観を立てて問い詰めていけば段々と被疑者もやっていおうがやっていまいが追い詰められていく。犯行につながるものに対する主観はあったが確実に結びつく証拠ではない、でも犯行を自白したらそれで立証される。
大衆の声も被疑者の考えも刷り込みや決めつけ、大きな力をもつものからの圧力でどうにでもなってしまう。それは時代が変わ -
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ゼロの焦点
松本 清張 (著)
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### あらすじ
自殺した夫には、妻も知らないもう一つの名があった──。
『点と線』と並び称される松本清張初期の代表作。
広告代理店に勤める鵜原憲一と結婚した禎子は、新婚旅行から帰って間もなく金沢に旅立った夫が戻らないことを不審に思い、自ら金沢へ向かう。そこで彼女は、夫の隠された過去と戦後の混乱が招いた悲劇に直面する。北陸の灰色の空の下で繰り広げられる心理描写と緊迫感あふれる展開が、読み手に深い余韻を残す。
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### 感想
松本清張さんの作品を初めて手に取りました。名前や代表作については以前から知っていましたが、原作を読 -
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NHK大河「軍師官兵衛」そのまんま。いやもう、カッコ良すぎる黒田官兵衛。秀吉も嫉妬するほどの才知、先を読む洞察力、判断力。秀吉の猜疑を感じて早々に出家し、黒田如水と改名したぐらいだ。それほどの頭と男気がありながら、自分を死ぬ寸前まで追いやった憎むべき城主を許し、最期まで家老と城主という立場を守り続けたこの忠誠心。しびれるな〜。蹴られても殴られてもご主人様を慕う忠犬のようだ。このダメダメ城主は御着の小寺政職(まさもと)、大河では鶴太郎が演じた。申し訳ないけどこのダメ城主と赤っ鼻の鶴ちゃんが重なってしまう。小寺のために息子を人質に差し出し、小寺のせいで何年もの間土牢で過ごし「ちんば」になってしまっ
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購入済み
遠い接近
時代背景は戦時中から終戦直後。山尾信治は予期せず赤紙召集となる。前半は所属連隊での苦渋に満ちた日々、いつ南方戦線へ送られるのか不安な日々を過ごす様子が綴られる。本来、赤紙対象でないはずの自分へ、赤紙がきた。そこには作為があった、ある人物が浮かび上がった。
無事生きて終戦を迎えるが、家族は疎開先の広島で原爆にあい全員が亡くなった。赤紙を作為したその人物へついに接する、「遠い接近」であった。信治の復讐が始まる、完全犯罪を成し遂げたと思えたが、、、