松本清張のレビュー一覧

  • 渡された場面

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    気位の高い青年作家(専業では無い)が妊娠した恋人を抹殺するも盗作した文章から綻びが生じる倒叙型ミステリー。もっとも後半は刑事サイドからの追い込みになる。
    松本清張の作品は天網恢々とでもいうべき顛末になるが本作の主人公についてはほぼ無職で女2人を妊娠させる好色ぶり、女関係を完全に秘匿する狡猾さ、困ったら殺害という方法を選ぶ短絡さ、しかも何の躊躇いもなく実行する冷酷さ、ケチをつけておいて文章を丸ごと盗作し追求されても言い訳する厚顔無恥さ、探りを入れて直ぐに後悔する小心さ等の条件が揃いすぎている。あくまで妄想だが同じ小説家として松本清張が最も許せないタイプの悪党だったのかもしれない。

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    2024年05月23日
  • 風の視線(下)~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    ミステリーでなくメロドラマ。
    千佳子の行動が割と意味不明だが、年齢の若さを考えると頷けなくもない。カメラマンの旦那を介抱してくれた夫婦が松本清張作品でも屈指の良い人達で良い影響を与えるキャラとして印象的。作品といえば大体全てを失うことになる登場人物は悲惨な末路を遂げることが多いが潔い人には救いがあり本作はそれが最も報われている珍しい話だと思う。
    なおゲス商社マンについては悪事も含めて嫌な奴のままでヒールとして役割を全うしていたのはいつも通り。

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    2024年05月19日
  • 風の視線(上)~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    シンガポールで商社マンとして成功した男、貞淑な美人妻アヤコ、新進カメラマンの青年、その妻である千佳子、昼行燈だがアーティスト達の応援者たる記者。大体この5人が織りなすラヴストーリー。死体が出てきた事からミステリーが始まると思うと全然そうはならない。
    言い分はあるがそれぞれ勝手な連中ではある。王道ヒロイン的なアヤコも言い寄られた男の処理に見合い結婚させるなどしている。それでも夫の方が松本清張作品によく見られる愛人持ち(人妻でも容赦なし)金にも汚めかつ人間性も嫌な奴というお手本の様なヒールのため他の登場人物達が浄化されていた。

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    2024年05月16日
  • 内海の輪 新装版

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    不倫&殺人を描いた中編2作収録。どちらも相手の女性は歳上で夫側はかなり歳上、そしてダブル不倫という特色。
    表題作の方は元兄の嫁さんで兄もなかなかの屑だったが弟の方も肉欲不倫を楽しんで相手を妊娠させて困ると殺害という短絡的かつ身勝手な男である。本書に限らずだが松本清張の作品では男は愛人を持っているのがデフォルトみたいなのが多い。多分昭和の価値観で男尊女卑の感が強い。
    『死んだ馬』の方は美しい夫人の方が見た目劣化していくだけでなく目をつけた青年の金に吸い付くヒルの様でタイトルが秀逸。犯人側に同情もしたくなるが…。

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    2024年05月14日
  • 告訴せず~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    選挙資金を持ち逃げして相場で当てて…というサスペンス。占いと相場という合理的なんだか非合理なのかよく分からん組み合わせで引っ張っていくのはさすが。
    怪しい登場人物達もさることながら他作品に違わず人間は信用できん!と思わされる。

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    2024年05月13日
  • 水の炎

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    覚えやすいけど何を言ってるのかよく分からんタイトル。銀行役員塩川が愛人と共謀し妻信子と彼女を愛する助教授の関係をでっち上げようとするサスペンス。
    妻の実家から金を吸い上げ、その妻には罠をかけと塩川は悪辣ではあるが脇が甘いという点が終盤に爆発する辺りで溜飲が下がる仕様。もちろんコイツが1番の屑だが他も婚約者が居るのに人妻に懸想する助教授や信子を罠に嵌めるため若い会社員を誑かす愛人、信子の苦しみを知った上で結婚の継続を進めようとする両親など他の連中もクソであった。読むと人間不信になれそうな本。

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    2024年05月12日
  • 紅い白描

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    矛盾した様なタイトル。デザイン盗用疑惑を新卒の女子デザイナーが追求していく話。昨今(2022年頃)もデザイン類似性というか絵のトレース疑惑で古塔つみ氏のイラストが大問題になったが目の付け所がさすが巨匠というべき先見性である。『真贋の森』同様にアートミステリーなので殺人はないが却って作品が陳腐にならなかった様にも思える。
    この作品に限ってたことでもないが主人公の調査、人脈、コミニュケーション、推理の各能力の高さに「あんた、デザイナーじゃなくてもやっていけるよ!」とツッコミたくなった。
    女体を狙う輩、児童虐待する輩等クズも多いがマトモな人も多いのが救い。何より「犯人」の潔さは清々しく感じられ現代の

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    2024年05月12日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 4 法廷ミステリ

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    聞いたことのある内容だと思うが結末までは記憶にないというものが多い。もともと清張の短篇は好きでだいぶ読んでるし、ドラマのスペシャルもほぼ欠かさずに見てるから。

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    2024年04月22日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    人生初の松本清張。
    風邪ひいてた時にアマプラでNHKの「未解決事件」を見漁っていて、その中に帝銀事件を扱ったものがあった。ただ帝銀事件について描くんじゃなくて、あれは何かおかしかった、と真相に迫ろうとする松本清張の視点から描いていたもので、ゾクゾクする面白さがあって、そこでこの本を知った。
    ドラマを観ていたせいかもしれないけど、小説というよりもほとんど松本清張のルポルタージュのようで、主人公のジャーナリストはほとんど松本清張本人だ。小説とは言いつつ、出てくるものは(たぶん)全部実名で、松本清張がこれが真実なんだと伝えたい一心で書いているのが分かる小説だった。調べ尽くして、最後の一手には辿り着け

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    2024年04月20日
  • ガラスの城 新装版

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    松本清張こういうのもやるのかーーー!!!はぁはーーー。という感想。松本清張の表現は見た目が悪い。とかばっさり切ってく感じが昭和感があってとても好き。笑
    犯人は最後まで全然分からなかったけど、的場のおばさん探偵力にあっぱれ。

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    2024年04月19日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 3 美術ミステリ

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    絵画の世界も詳しくはないが、それでも雰囲気は伝わってくる。与えられた生がとくに面白かった。妻と愛人の狭間で揺れる男の性悲し。

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    2024年04月08日
  • 乱灯 江戸影絵 上

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    徳川八代将軍・吉宗のもとに目安箱に投函された上申書が届く。世継・嫡男の愚行に憂慮する吉宗。一方、越前に縁のある人びとの殺人事件と失踪。大岡越前こと忠助、同心と岡っ引き、さらに旅絵師に姿を変えた隠密が動き始める。

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    2024年03月29日
  • けものみち(上)

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    身分を変え夫を殺し、別の人生を読むことにした民子隠居した大物の世話をしながら、 ホテルオーナーの小滝に惹かれていく。
    上巻ではあまり印象深いシーンがなかった。
    下巻に期待。

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    2024年03月16日
  • わるいやつら(上)

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    経営意欲も財力もなく女たらしの主人公。
    最低な男と思いながらもストーリーは読み進めてしまう。松本清張さんマジックなのか。
    結末を楽しみに下巻を読みます。

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    2024年03月04日
  • ガラスの城 新装版

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    前半の三上さんの手記が「あの人は根暗だし美人でもないから愛人ではない」とか結構辛辣なことが書いてあったり、●●は●●だからそうに決まってるみたいな、ちょっとそれは妄想しすぎじゃない?って思ってたら、後半の手記のところでその三上さんが的場さんにまぁまぁ酷いこと書かれてて笑った。
    いつも周りの人を観察してて妄想しがち、みたいな笑

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    2024年02月11日
  • 共犯者

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    社会派の傑作、、うーん。あまり社会派だとは思わなかった。過大評価。どちらかというとアリバイ崩しものの本格ミステリ。

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    2024年02月08日
  • 彩り河(下)

    購入済み

    彩り河

    業界雑誌の雇われライターである山越は、東洋商産を操っている陰の人物へ、暴露記事を持って接触し、600万円をせしめたのだが、罠にはめられ帰らぬ人となった。

    下巻の主役は、過去、東洋商産で社長の座を巡って敗れ、今は高速道路料金所で働く井川となる。

    井川のかつての恋人山口は、銀座クラブ・ムアンのママとなっていた。一方、山越はこのママのパトロンが追求している人物と睨んでいた。二人はお互いにムアンのママの様子を探っている時に偶然に知り合っていた。

    井川は山越の調査活動の足跡を辿り、黒幕にたどりつく。黒幕は井川のかつての恋人山口を殺害している。過去、黒幕から被害を被っていたジョーを交え、井川の仕返し

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    2024年02月04日
  • 黒革の手帖(下)

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    ネタバレ

    話が好みじゃ無さすぎて読むのにかなり時間がかかった。元子は悪どい割に詰めが甘すぎるのでキッチリ応報を喰らってしまったが、この分だと波子もそのうち引導渡されそうだ。総会屋とか今もいるんだろうか?

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    2024年02月03日
  • ガラスの城 新装版

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    自分は推理ものがは、苦手な分野だけど、松本清張さんの作品は、真相究明にあれよこれよと画策が盛り込まれて、犯人は?の連続でした。
    会社の慰安旅行会で、課長が何者かに殺害された犯人を探す。
    警察よりも、女子社員の2人が真実を求めて行くところに違和感(そんなん警察が調べるでしょ)を感じつつ、見事犯人を割り出していくストーリーは、流石、凝ってるよね。
    やるな‼️清張‼️

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    2024年01月29日
  • 蒼ざめた礼服

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    いかにも清澄らしい社会派の長編小説。読み出したら止まらなくなって一気に読んでしまったが、結末がどうも物足りないような、しっくり来ないような…

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    2024年01月26日