松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
殺人自体よりもその周辺のいろんなことがスリリングで面白い短~中篇集。
タイトル作はなかなか殺されないし、他の作ではええ、この人が死ぬの?という意外性もあり。一番以外なのは、誰も死なない短編なんだけど、個人的にはそれがこの本の中では一番好きだな。
どれもさすが清張という、シーンの背景や歴史から豆知識までをも網羅した取材と語彙の圧倒性が素晴らしいが、最後の歴史小説家は、清張本人がモデルじゃないのかねえ。個人的に、松本清張の歴史小説はあまり好きではないのだけど。
どうでもいい話。「馬を売る女」で検索すると、TBSのサイトの検索で引っかかってくる文が、全くストーリーを誤読したものになっている(「 -
Posted by ブクログ
犯罪者の心理や捜査資料から殺人現場を描くタイプのミステリ短篇集。
真の犯人を暴く、クラシカルなタイプの推理小説も含まれるのだが、犯人不詳として処理されかねない終わり方をする作品が怖くて面白い。
表題作はドラマ化されたことで有名になったようだけれども、こちらはイマイチ。ワタクシ的には、新興宗教を舞台にした「密宗律仙教」が、清張の文献を調べたあとが見えるようでも有り面白かった。
こういうのを読んじゃうと、最近の推理小説なんか子供だましだよなあと感じる。1冊に4~5篇で、そこに人間の嫌なところや社会背景の複雑さを、葛藤をぎゅっと詰め込める作家って、最近はいるのかねえ。 -
Posted by ブクログ
敗者の物語。
収められている短編はそのような企画意図で集められたものと思われる。
どれも、意欲と才能ある者が貧しさや経歴の不備ゆえに辛酸をなめる孤独な物語。
主人公たちはみな地方から東京へ何らかのコンタクトをとる。最初は歓迎され、のちに反感を買い、疎まれ、自らの情熱に殉死するかのような最期を迎える。
物語の序盤に主人公たちが最初は歓迎され期待されるところは、清張の作家デビュー時と同じようなシチュエーションなのだ。
しかしながら今となっては清張は敗者ではない。この表題作のあと、超のつくベストセラーを量産して昭和の大人物となった。
それにしても、これほど同じ構図を持つ物語をいくつもつづったというこ -
Posted by ブクログ
解説を含むと文庫で699ページに渡る長編でありますが、
読み始めるとどんどん気になり、第二部はほぼ一気に読んでしまいました。
先日、三億円事件と黒い福音がドラマスペシャルで行われていて、
そこで気になった原作本。
ドラマでは、第一部がほぼ割愛され、ビートたけしさん演じる
刑事たちの視点がメインとなっていたので、
原作を読むとトルベック側の状況がよくわかりました。
宗教組織を守る、という一点で、その目的のためなら
麻薬の密輸までも行う。
トルベック神父、ルネ・ビリエ神父の欲望に負けて破戒の日々を
歩むのに、それをうまく自分のなかでごまかして、納得させて
悪事を働く姿を見て
宗教組織というものに -
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彗星のごとく あらわれて、
彗星のごとく 消えていった 写楽。
歌麿の 優雅でなよなかな 浮世絵とくらべて、
どっしりした デフォルメ。
醜陋な 絵が インパクトを 現代には
与えるが、その当時は どうだったのだろうか。
江戸の文化の高さを感じさせる 浮世絵は
彗星の 絵師によって 衝撃を与えたに違いない。
しかし,商売的に 成り立ったのかは
よくわからない。
東洲斎写楽を 松本清張は 東西のシャレ と読み替える。
そして、それは 黴毒にかかっており、
ほんのわずかな きらめきで、
最初は 優れていたが 徐々に精細をなくしていく
その姿を浮き彫りにする。
謎が あれば 推理する。
しか