松本清張のレビュー一覧
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主人公の若手検事、瀬川良一の孤軍奮闘の調査により、真相まであと一歩というところで殺人事件の時効が明日成立してしまうところまで迫ってきます。ネタバレになるので結果は書きませんが、真相に近い大物の代議士は一筋縄ではいかない巨悪の根源のようなヤツです。
政治家、暴力団(反社)、 建設会社、 警察、 検察‥これらの持ちつ持たれつの関係の中で、悪人ほど高笑いする構造はこの頃も、60年経つ今もあまり変わらないのではないでしょうか。それを感じた作品でした。清張氏はこれらの組織を(今回は検察を)実によく調べて消化していることに恐れ入ります。
ただ、もっと優れた作品を知っているだけに、今回は遅々として、臨場感 -
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松本清張氏の作品を文庫の新刊で読めるのは嬉しいですね。1971年に講談社文庫より刊行された本書を改訂し、文字を大きくした新装版です。清張氏56歳の時の作品で、読売新聞の連載小説でした。
そのため長編独特の丁寧さがあり、遅々としている印象ですが、清張ならではの風土性や、深層を追う者の心理描写がよく描かれています。
この小説の中での追う者は、検事の瀬川良一。松山地方検察庁 地方支部の倉庫から出火し、事務官の平田健吉が焼死し、戸棚の中から事件簿の2冊目(昭和25年から26年にかけての部分)だけが紛失しているのに気付きます。そのことに疑問を持った瀬川検事の単独での真相究明が始まります。
紛失し -
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戦後の日本を舞台とした凶悪犯罪。読み進めていくうちに明らかに犯人の人物像とは違う人が犯人に仕立て上げられているなと思いながら読んでいたら当時は自白重点主義といい被疑者がやりましたと言えば犯罪立証という今生きている私からすれば恐ろしい時代だったことがわかった。
それは確かにそれっぽい証拠に主観を立てて問い詰めていけば段々と被疑者もやっていおうがやっていまいが追い詰められていく。犯行につながるものに対する主観はあったが確実に結びつく証拠ではない、でも犯行を自白したらそれで立証される。
大衆の声も被疑者の考えも刷り込みや決めつけ、大きな力をもつものからの圧力でどうにでもなってしまう。それは時代が変わ -
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NHK大河「軍師官兵衛」そのまんま。いやもう、カッコ良すぎる黒田官兵衛。秀吉も嫉妬するほどの才知、先を読む洞察力、判断力。秀吉の猜疑を感じて早々に出家し、黒田如水と改名したぐらいだ。それほどの頭と男気がありながら、自分を死ぬ寸前まで追いやった憎むべき城主を許し、最期まで家老と城主という立場を守り続けたこの忠誠心。しびれるな〜。蹴られても殴られてもご主人様を慕う忠犬のようだ。このダメダメ城主は御着の小寺政職(まさもと)、大河では鶴太郎が演じた。申し訳ないけどこのダメ城主と赤っ鼻の鶴ちゃんが重なってしまう。小寺のために息子を人質に差し出し、小寺のせいで何年もの間土牢で過ごし「ちんば」になってしまっ
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遠い接近
時代背景は戦時中から終戦直後。山尾信治は予期せず赤紙召集となる。前半は所属連隊での苦渋に満ちた日々、いつ南方戦線へ送られるのか不安な日々を過ごす様子が綴られる。本来、赤紙対象でないはずの自分へ、赤紙がきた。そこには作為があった、ある人物が浮かび上がった。
無事生きて終戦を迎えるが、家族は疎開先の広島で原爆にあい全員が亡くなった。赤紙を作為したその人物へついに接する、「遠い接近」であった。信治の復讐が始まる、完全犯罪を成し遂げたと思えたが、、、