松本清張のレビュー一覧

  • 事故 別冊黒い画集1

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    中編2作を収録した1冊。昭和なミステリの王道、浮気と世間体をテーマに、ドロドロした人間模様を描く、清張の真骨頂であります。

    1作目の「事故」は、今になってみているからかもしれないが、犯人もわかりやすく、告白風に解説するところは少々ダレる。

    面白いのは2作目「熱い空気」。加害者側の視点から、とある家庭を壊す過程を見ていく。こちらの作品のためだけに買ってもいい。出てくる人が全部悪人という、ハードボイルド真っ青な設定。調べると「家政婦は見た」の原作だったことが、帯に書かれていたらしい。

    まあ、清張は読みやすいよね。

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    2015年04月14日
  • 黒の様式

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    狭義のミステリーではない。
    そこはかとない恐ろしさを感じさせる短編集。
    笑気ガスは今はもう殆ど使われてないから時代を感じさせる。

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    2015年04月04日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    「点と線」や「ゼロの焦点」とは違う清張作品。ミステリは「火の記憶」だけ。ただ、この「火の記憶」絶品でした。表題作の田上の運命は報われなさ過ぎて切なくなる。それと正反対な「断碑」。歯噛みするほど悔しいだろう「父系の指」とか、自身を投影させた作品が多く感じた。何れも暗くて好い。ていうか松本清張って「或る〜」で芥川賞受賞してたのを解説で知った。

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    2015年03月22日
  • 馬を売る女

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    殺人自体よりもその周辺のいろんなことがスリリングで面白い短~中篇集。

    タイトル作はなかなか殺されないし、他の作ではええ、この人が死ぬの?という意外性もあり。一番以外なのは、誰も死なない短編なんだけど、個人的にはそれがこの本の中では一番好きだな。

    どれもさすが清張という、シーンの背景や歴史から豆知識までをも網羅した取材と語彙の圧倒性が素晴らしいが、最後の歴史小説家は、清張本人がモデルじゃないのかねえ。個人的に、松本清張の歴史小説はあまり好きではないのだけど。

    どうでもいい話。「馬を売る女」で検索すると、TBSのサイトの検索で引っかかってくる文が、全くストーリーを誤読したものになっている(「

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    2015年02月17日
  • 証明

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    犯罪者の心理や捜査資料から殺人現場を描くタイプのミステリ短篇集。

    真の犯人を暴く、クラシカルなタイプの推理小説も含まれるのだが、犯人不詳として処理されかねない終わり方をする作品が怖くて面白い。

    表題作はドラマ化されたことで有名になったようだけれども、こちらはイマイチ。ワタクシ的には、新興宗教を舞台にした「密宗律仙教」が、清張の文献を調べたあとが見えるようでも有り面白かった。

    こういうのを読んじゃうと、最近の推理小説なんか子供だましだよなあと感じる。1冊に4~5篇で、そこに人間の嫌なところや社会背景の複雑さを、葛藤をぎゅっと詰め込める作家って、最近はいるのかねえ。

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    2015年01月24日
  • わるいやつら(上)

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    米倉涼子出演のドラマを先に見て、小説を後から読んだ。
    ドラマとは細かな部分が異なり、ラストも違っていた。

    欲深き男性の姿をうまく描いている。

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    2014年12月05日
  • 渦

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    松本清張氏のあまり知られていないと思われる作品。
    前半は、テレビの視聴率の謎に迫る。そこまでやるか、というほど執拗に調査をする登場人物たち。私はテレビ自体に興味が無く、少々退屈だった。
    後半はテレビ視聴率の調査員が事件に巻き込まれ、ストーリーが俄然勢いを増す。素人がそこまで調べる時間とお金があるかなぁと疑問を抱きつつも、推理が二転三転し、清張らしい論理的で隙がない展開が楽しめる。

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    2014年10月21日
  • 黒い画集

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    「遭難」「証言」「天城越え」「寒流」「凶器」「紐」「坂道の家」の7編を収録。
    銀行内での権力、上下関係を描いた「寒流」、中年になって若いホステスに入れあげてしまう「坂道の家」が面白かった。

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    2020年05月01日
  • 強き蟻

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    資産目当てで、親ほど年上の男性と結婚した女性の我儘で奔放な生き方に、嫌悪感を感じつつも引き込まれてしまう。そして、お約束のような転落と、綿密に準備されていた伏線が明らかになる。時代は、かなり前を描いているものの、今読んでも色あせないところが、松本清張のすごいところ。

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    2014年08月06日
  • 或る「小倉日記」伝

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    敗者の物語。
    収められている短編はそのような企画意図で集められたものと思われる。
    どれも、意欲と才能ある者が貧しさや経歴の不備ゆえに辛酸をなめる孤独な物語。
    主人公たちはみな地方から東京へ何らかのコンタクトをとる。最初は歓迎され、のちに反感を買い、疎まれ、自らの情熱に殉死するかのような最期を迎える。
    物語の序盤に主人公たちが最初は歓迎され期待されるところは、清張の作家デビュー時と同じようなシチュエーションなのだ。
    しかしながら今となっては清張は敗者ではない。この表題作のあと、超のつくベストセラーを量産して昭和の大人物となった。
    それにしても、これほど同じ構図を持つ物語をいくつもつづったというこ

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    2014年08月03日
  • 黒い画集

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    「天城越え」を読んでみたくなり購入。
    誰かを「怪しい」と思いながら読みつつも・・・
    方法は当初より明かされているので動機を探る「遭難」、
    殺人はいつ誰に起こるのかと思いながら読む「寒流」、
    単純に欲や怨恨では済ませず一ひねりの「「紐」、
    と楽しむことができる。

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    2014年07月25日
  • 黒い福音

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    解説を含むと文庫で699ページに渡る長編でありますが、
    読み始めるとどんどん気になり、第二部はほぼ一気に読んでしまいました。
    先日、三億円事件と黒い福音がドラマスペシャルで行われていて、
    そこで気になった原作本。
    ドラマでは、第一部がほぼ割愛され、ビートたけしさん演じる
    刑事たちの視点がメインとなっていたので、
    原作を読むとトルベック側の状況がよくわかりました。

    宗教組織を守る、という一点で、その目的のためなら
    麻薬の密輸までも行う。
    トルベック神父、ルネ・ビリエ神父の欲望に負けて破戒の日々を
    歩むのに、それをうまく自分のなかでごまかして、納得させて
    悪事を働く姿を見て
    宗教組織というものに

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    2014年05月18日
  • 黒い画集

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    読み応えのある短編集。
    天城越えや紐はドラマ化もされている。
    どれも松本清張らしい短編。
    坂道の家が、特に面白かった。
    遭難も登山しながら読んでいるような気持ちになりながらも、はらはらする展開に進んだ。
    やっぱり松本清張は面白い。

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    2014年05月12日
  • 黒い福音

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    たけしのドラマを先に見たので、原作が読みたくなって読みました。ドラマが先だったので特に違和感もなく伏線なども分かってよかったです。
    竹内結子演じる江原の役が、あまりに原作と違い過ぎたのに笑えました。

    それよりも何よりも久しぶりの松本清張が面白かったけど時間がかかった。
    文章が今どきの作家と違ってきちんとしてるけど堅苦しい。でも読みごたえはある。

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    2014年05月05日
  • 時間の習俗

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    ネタバレ

    「点と線」と並ぶ名作。とはいえ、ドラマ化と聞いて読んでみた。小説としてはおもしろいが、身分証明書が米穀通帳とか、そうとう古い。メイントリックも現代の感覚ではまったく使えないネタだったので、ドラマではどうするのかと思っていたら、ざっくり作り変えてあった。時代考証を気にせず、純粋に推理小説として読めば、おもしろい。

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    2014年04月23日
  • わるいやつら(下)

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    4月4日 後書にあった通り、社会悪などが松本清張さんの得意技だと思われるが、この本で書かれているのは、徹底した 私利私欲から生じる悪。
    戸谷信一が捕まったあとも、反省の色なく、ただただ自分の不運を嘆いているあたりも、読んでいてゾッとした。しかし、最後の1ページで大どんでん返し。本当の悪人は???女性の怖さ、読後感の悪さ。この本では、もちろん殺人が描かれているが推理小説ではないと思う。

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    2014年04月07日
  • 疑惑

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    ネタバレ

    ドラマや映画を見てストーリは知っていましたが、
    主人公に置かれる人物が違っており、
    新たなストーリを見ているように感じました。

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    2014年04月02日
  • 写楽の謎の「一解決」

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    彗星のごとく あらわれて、
    彗星のごとく 消えていった 写楽。

    歌麿の 優雅でなよなかな 浮世絵とくらべて、
    どっしりした デフォルメ。
    醜陋な 絵が インパクトを 現代には
    与えるが、その当時は どうだったのだろうか。

    江戸の文化の高さを感じさせる 浮世絵は
    彗星の 絵師によって 衝撃を与えたに違いない。
    しかし,商売的に 成り立ったのかは
    よくわからない。

    東洲斎写楽を 松本清張は 東西のシャレ と読み替える。
    そして、それは 黴毒にかかっており、
    ほんのわずかな きらめきで、
    最初は 優れていたが 徐々に精細をなくしていく
    その姿を浮き彫りにする。

    謎が あれば 推理する。
    しか

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    2014年03月22日
  • わるいやつら(上)

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    知らず知らずのうちに、松本清張5大長編作品に手を出していたらしい。
    『わるいやつら』で最後。
    寺島トヨの殺される前の言葉、絶対何かあると思った。

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    2014年03月15日
  • 渡された場面

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    再読。
    青年の盗作した小説の断片が鍵となる話。
    老舗陶器店の息子であり、中央文壇志向の地方の文学青年の屈折した心情が良かった。

    青年役が京本政樹、その恋人の旅館の女中役が坂口良子のドラマを見て、読みたくなった。

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    2014年02月16日