松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
松本清張は 巨匠である。
様々な知識を駆使する。
数の名前のある地域。なぜ その名前に 数がついたのか。
数マニア。キク女は すらりとして プロポーションもよく
俳句か短歌を詠ずる人かと思われたが。
ウィーンの学会にも出る という 大学の先生だった。
彼女が 解き明かしたことが、事件が発覚するのだった。
矢部は 雪深い 断魚荘で、自殺することを考えていた。
矢部は 様々な事業を企て 不動産で失敗し多額の負債を抱えていた。
矢部は 画家だといって、断魚荘に泊まっていた。
設計士の板垣は 石見銀山の観光開発のための地元の人から呼ばれていた。
同じ宿に泊まり、キク女もおなじように 泊まったのだった -
Posted by ブクログ
古本で購入。
古代史に並々ならぬ関心を抱いていた松本清張が、講談社の雑誌「本」に連載した随筆をまとめたもの。
1つ3ページほど、約50回が収録されている。
内容的に大きなウェイトを占めているのは、「イラン文化的要素の渡来」というテーマ。
清張は古代ペルシアの文様の特徴である図柄の左右対称・聖樹・動物・三日月・リボン・ハート形・ローゼット、二面一躯様式の石造物などの影響が日本に及んでいること、あるいは飛鳥の石造物から、イラン系胡人が飛鳥にいたことを推測する。
個人的に古代史にそれほどの興味はないのだが、遥か西方の文化が万里を超えて日本にやってきたという話には何かワクワクせざるを得ないもの -
Posted by ブクログ
ネタバレそんなに期待せず、久しぶりに松本清張の本を読みたくなったから読んだけど、面白かった~~。
さすが清張殿。
主人公の片山が数日前に何気なくかった古雑誌を『譲ってほしい』と新聞の投書で読んだことがこの話の始まりで、「なんでその雑誌をそんなに欲しいのか」という疑問を模索していく間に、殺人が起こり、さらに疑惑が深まっていく。
次々に起こる事件や出来事が繋がりそうで繋がらない。
でも、こういうミステリーは清張殿ならではですな~。政治的背景も織り込んでいくとは、さすが。
もちろん時代は戦後何年か経っての古い話で、「コピー」がまだオフィスにも普及されてない時代だけど、でも、そんな古さも気にならなく読め -
Posted by ブクログ
人間の辛さ(からさ)、人生の辛さ(つらさ)が、しみじみと身に染みる。しかし、そこがいい。
松本清張は10代の頃に『点と線』と、あとアンソロジーに収録されているものをいくつか読んだだけだった。今になってこの短編集を読んで驚く。面白い。10代に読んだ時よりも、格段に面白いと思ったのだ。
嫉妬、愛憎、自負、そして劣等……
すさまじいエネルギーである。けれど、その根本にあるのは一個の人間の脆さ、いっそ儚いほどに切ない人間の等身大のちっぽけさである。
ガリガリの自負心≒虚栄心を描いたものは私自身、身に覚えがありすぎるだけに読んでいてとても辛く、ああ、自分はこういうものにもっとも「痛み」を感じるのか、