松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実は松本清張を読んだことがなかった。子供の頃は社会派で難しそう、なんだか怖そう(横溝正史と印象が混ざってる)で。大人になってからは時代に読むと古くさそう……という印象だった。
薦められて読んでみたのだが、思ったより文章は硬質ではなく叙情的、そして何より主役が50代を超える太って小柄な中年男性。高度成長期の建設会社の専務さんで、談合とかしちゃうんだぜっていうんだから何というかすごい。どうしておまえが主軸なのか。イケメンとか若者じゃないのか。
しかしながら、主人公の味岡が陥れられ(たと思い込んだ被害妄想もすごい)、困ったとしても、警察や誰かに相談できない。なぜなら談合がばれてしまうのが問題だから。談合を上手く行かせるために我慢しなければならない。こういう心理的な追い詰め方は素直に納得できてしまう。
もちろん時代的背景とかはその時代であり古いのだが、けれども、きちんと芯の通った人物が描かれているので、読んでいてはらはらする。味岡さんどうなるの?って。
下巻でどうなるんだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレカバー 木村光佑
解説 平野謙
『張込み』
なんか読んでもよくわからなかったけど(私がアホだから)
刑事がずっと張り込みをする話ですね
奥さんが不倫してたっぽい
『顔』
ある劇団に所属する無名の若手俳優の話
彼は過去に、付き合っていた女性を殺した
なかなか女性が別れてくれずに面倒くさくなったのだ
そして、殺しに行った時、一人だけ女性の知人と会ってしまった
その知人に顔を覚えられていると思い込んでいる主人公は、いつ自分の犯罪がバレるかひやひやしている
しかし、俳優として大きな仕事が彼に舞い込む
映画にでて顔が全国に広まれば、あの知人男性に見られるかもしれない
でも、俳優として大成したい気持ちもある
そして彼はついに、その知人を殺すことを思いつくが、当の知人はまったく主人公の顔を覚えていなくて……
主人公の思い込みが結果、どうなるか?
悪いことをしてはいけませんね~
『声』
主人公は、かつて大きな企業の電話番を務めていた。
200人以上の社員の声を聞き分けられる彼女は
会社の中でも一目置かれる存在だった。
しかし、その彼女の良い耳が、悲劇のもとになるなんて。
『地方紙を買う女』
全く自分とは関係のない地方の新聞を買う女の話
新聞を取り寄せるために彼女は「連載されている小説が読みたいので」と嘘を書く
そして、その嘘の事実が小説家本人にも知らされたことから、彼女の不幸は始まる
『鬼畜』
小さな印刷業を営む主人公の男の話
仕事が軌道に乗り始めた男は、とある店の女中と深い中になる。やがて彼女との間に子供が3人も生まれ、8年間妻に隠し通してきたが、経営が傾いたとき全てがバレる。
そして家に乗り込んできた愛人は、子供3人だけを残して実家に帰ってしまう
主人公の妻は、残されていった3人の子供を始末するよう男に命じるのだった
『一年半待て』
一度決まった判決内容は変えられないことを利用したしたたかな女の話。かわいそうなだけでは終わらない、女性の怖さを感じる
『投影』
これはよくわからなかった(おい)
『カルネアデスの舟板』
学者とかつて弟子だった男の話
師と弟子の立場が逆転する?というか、
昔の恩師を大事にしないようなやつは、
偉くなっても大成はしないのかな
自分が忘れないように書いてるんで意味わかんなくてごめんなさい -
Posted by ブクログ
松本清張作品だが、社会派と言うよりは「奇妙な味」系の短編集。いずれも読み応えのある作品だが、「凶器」のブラック感が特に印象に残った。
「遭難」
前半は、山岳雑誌に掲載された道迷い遭難事故の手記。後半は、その時のリーダー江田が被害者の姉の依頼で従兄の槙田と弔い山行に出掛ける様子が江田の視点で描かれる。後半は倒叙系に変わって、二人の心理戦を描いたサスペンス小説。山岳小説としても楽しめる作品。
「証言」
会社や家族に内緒で元部下の女性をかこって逢い引きを重ねる石野。その帰りに近所の住人と会ったばかりに厄介事に巻き込まれる。「人間の嘘には、人間の嘘が復讐する」という結末。
「天城越え」
主人公が家出をして、天城越えをしようとするも断念し、引き返す際に魅力的な女と出逢い、その女と別れるまでの印象深い体験談が綴られる。年月が経ち、印刷工になった主人公のもとに、警察からその当時に起こった事件資料の印刷を依頼される。その資料が紹介されるとともに、意外な真相が明らかに。
「寒流」
主人公沖野は、大学の同期であり、銀行での上役にあたる桑山に恋人奈美を奪われ、仕事でも地方支店という”寒流”に左遷され、復讐を果たそうと画策するが、何度も苦い思いを味わう話。沖野は無用な執着に捉われて、エネルギーを使うところを間違えていると感じる。ラストはちょっとあっけなく、物足りない。
「凶器」
九州の田舎の村で見つかった撲殺死体。容疑者の女が浮かび上がり、凶器の「丸太ン棒のようなもの」を探すが、見当たらない。刑事は三年後にふとした出来事から、その凶器に思い当たる。最後の一行のブラック感がすばらしい。
「紐」
多摩川の川原で見つかった男の変死体。その妻の鉄壁のアリバイ崩しの話。最初は刑事視点で、途中から保険会社の調査員の視点で、調査の過程が描かれる。真相自体は想定の範囲内であったが、死体の両面の死斑の謎、最後に明らかになるある人物の真意が面白い。
「坂道の家」
キャバレーで働く若い女とひょんなことで知り合った中年男がその恋にのめり込んで、身を滅ぼしていく話。騙される男の哀れさが痛切に描写されている。真相発覚に至る手掛かりが工夫されている。