松本清張のレビュー一覧

  • 黒い樹海 新装版

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    新聞社の才媛たる姉信子は妹祥子に告げた行先と違う場所でバス事故死。知り合いの同乗者が見捨てたと推理した祥子は縁故採用で新聞社に入社し各界の著名人達の中に犯人がいると睨み調査するが関係者が不審死を遂げていくサスペンス。
    読後感としては祥子及び周囲は信子の優秀さを褒めていたが、寧ろ妹の方が男のあしらい方(主要人物の大半が彼女に肉欲的関心がある様な動きをしている)や事件を調査する行動力が優れている。
    警察でないためにアリバイ調査や罠の掛け方が上手くいかずギリギリのところで死人が発生するというのはサスペンスとして上手くできている。あまりにも手際が良いので自分は犯人が解明編まで分からなかった。最後に決着をつけるところがスッキリした。

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    2025年08月07日
  • 疑惑

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    YouTubeでおすすめに挙がってきた映画「疑惑」(桃井かおりさん出演)を観て、原作を読んだことがないことに気がつき、読みました。

    桃井かおりさん版の鬼クマ、私が中学生くらいの時に観た記憶あり、その時も思いましたが、今観てもその演技にひきこまれます。あんな女優、今いますかね??

    映画とは違う、まさかの結末にちょっと驚きました。

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    2025年08月06日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    松本清張文学忌、清張忌
    1958年文藝春秋連載
    1959年第16回文藝春秋読者賞受賞
    社会派ノンフィクション

    1948年、帝国銀行で起きた毒殺事件。12人が命を落とし、現金が奪われた帝銀事件
    まだ日本は、GHQの占領下にあった
    当初は参考人のひとりだった画家・平沢貞通が、ある時点から犯人と断定され、死刑判決を受けるまでの経緯には、今も多くの謎が残っている


    まず、事件の経過を資料に基づいて小説として再現、次に捜査や証拠への疑問を提示し、そして清張なりの推理と再考を試みている

    読み終えて強く印象に残ったのは、容疑者・平沢の言動の不安定さだった
    虚言癖や経歴詐称が、むしろ「犯人らしさ」を強めてしまう言動が目につく
    清張も彼を無条件に擁護していないという事なのかなと思う
    ただ、あいまいな証拠と不透明な捜査のなかで、なぜここまで断定できたのか―その疑問は、今も重く残る
    もしかしたら 書けなかった事もあるのかもしれません

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    2025年08月04日
  • 火と汐

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    4つの短編。
    松本清張らしい、男と女のもつれ、金銭のもつれ、男のプライド、そういう大好きな要素がちゃんと入った佳作集。
    なるほど、松本清張は常にその時の新しいことを用いると。外れがない。

    全文はブログで
    www.akapannotes.com

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    2025年08月06日
  • 砂の器(下)

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    ネタバレ

    すでに犯人がわかっていてそれを証拠固めしていくというあらすじである。らい病が解説だけに掲載されていると最初に読んだときには思っていたが、ライという言葉が最後の方に出てきていた。映画ではそのらい病で親子がさすらう姿が強調されていた。

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    2025年08月03日
  • 砂の器(上)

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    ネタバレ

    松江文学紀行で紹介された。とても有名な推理小説である。映画にもなっている。上巻では殺人事件で周囲の人が2人シンでしまったが、真犯人はまだ出てこない。

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    2025年07月31日
  • 砂の器(上)

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    蒲田駅操車場で発見された身元不明の扼殺死体の捜査をする今西刑事。手がかりを得られないまま捜査本部は解散となるが…。
    登場人物の一人が昭和八年生まれと言っているので、昭和三十年代の話だと思います。女性はこんな話し方をしていたのかしら、ズック(おそらく帆布)のスーツケースとは…など想像しながら読みました。若者が古いものを毛嫌いするのはいつの時代も変わらないようですね。
    たくさんの謎をかかえて下巻へ。

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    2025年07月30日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    ネタバレ

    気になっていた事件。
    ついに読むことができた。

    タイトルに小説とついているが、
    帝銀事件をそのまま描いている。
    編集者があるきっかけでこの事件を調べ
    まとめた形になっている。

    帝銀事件は昭和23年1月26日に起こった
    毒殺・強盗事件だが、
    その手口があまりに手慣れていて
    犯人は軍関係者だと目された。
    しかし、操作は行き詰まり
    名刺という証拠品から絵描きが浮上する。
    物的証拠は間接的なものばかりなのに
    強要された自白により
    犯人とされ死刑判決を受けてしまう。
    旧刑訴法では、自白を証拠とできたためだ。

    この犯人はおそらく冤罪と思われる。
    死刑執行はされず獄中で高齢でなくなっている。

    この本は、事件の内容を
    緻密に淡々と説明していて
    なかなか読みにくい本ではあった。

    操作資料や裁判資料をもとに事実確認をしていく。
    犯人として疑わしい描かれ方をするとき
    犯人かもしれないと思ってしまい、
    また犯人ではあり得ないと主張されるとき
    これは冤罪だと感じてしまう。
    自分が簡単に説得されやすく
    流されやすい存在だと気づかされた。
    世論といったものも似たようなものだと思う。

    GHQ統治下の時代の空気がわからないので
    なんとも言えないが、この本は
    事件の真実に迫ろうとする
    危険も伴う作品なのではないかと感じた。
    表向きは解決しているが、
    本当の意味では迷宮入りしているこの事件に
    問題提起する形で、小説というよりは
    ジャーナリズムを感じる作品だった。


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    2025年07月20日
  • 砂の器(下)

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    時代を感じる小説でした。名作と言われているので読んでみました。なかなか読み応えのある、やはり名作でした。島根がたくさん出てくるかと期待していましたがあまりでてこなくて残念でした。

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    2025年07月19日
  • ゼロの焦点

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    松本清張をこれまであまり読んでいたわけではなく長編は初めて読んだと思う。面白かった。断崖絶壁で繰り広げられる人間ドラマは、二時間サスペンスの源流はここにあるのか、と思ったり、昭和30年という時代を感じることも多々あってはっとした。例えば知りもしない人に個人情報をしゃべりすぎだろ、しかも医師が、とか、金沢から東京にいくには夜行しかない、とか。もちろんミステリーとしてのストーリーも面白い。意外な人が犯人であることが明らかになって、それもその時代ならではの悲しい背景があったりと王道なのかもしれないが楽しめた。

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    2025年08月12日
  • 考える葉 新装版

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    時代は昭和35年。国民の価値観や生活環境が大きく変わった頃。しかしまだ戦後15年。戦争がもたらした影響も所々に残っている。
    敗戦後のゴタゴタに紛れて富を得た者が私利私欲のために悪事を働き、殺人事件がおこる。そんな中、思いもよらず事件に巻き込まれてしまった青年が真相を追う話。
    当時の生活、お金の価値、防犯カメラが普及していなかった頃の警察の捜査など興味深く読めた。
    ミステリー好きなら是非読んで欲しい一冊です。


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    2025年06月24日
  • 憎悪の依頼

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    10編の短編集
    どれも奥深く、楽しめる作品ばかりで人間模様を描く事が天才的にうまい!
    1.嫉妬に狂った男の犯罪。
    2.絵画に贋作疑惑があり真相を探る話。
    3.浮気を清算する犯罪。
    4.父親を殺し正しい事をしたと思っているが妹達は意に反して…。
    5.初登頂を証明出来ない話、等
    人間模様を描いている作品群、古い作品だが現在でも充分楽しめる作品ばかりです。

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    2025年06月17日
  • 山峡の章

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    山狭の章

    昌子は夫の堀沢と妹の伶子が時を同じくして行方不明となり、安否を気づかう。2人は、作並温泉の「山狭」で帰らぬ姿となって発見される。

    経済計画庁に勤ていた堀沢は、有能な人物のようにみえるのだが、日々課長らに付随するのにあくせくしているようであった。昌子は、このような夫にしっくりしない想いを抱くようになっていた。

    一方、妹の伶子は、堀沢を避けていた、このような失態を犯すはずがない、と晶子は確信していた。

    昌子の真相究明がはじまる、堀沢の上司の課長ら、伶子の付き合っていた年配者や女性に面談し、思考をめぐらす。

    東和財政研究所に勤める吉木は、昌子がずっと気になる存在だった。物語の後半で、昌子と吉木は、やっと再会し、さまざまな謎が解けていく。

    そして事件が解明される。堀沢と伶子を殺害したのは、誰か、そして事件の真相はいかに!

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    2025年06月01日
  • ゼロの焦点

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    小説では初の松本清張作品
    といっても他は黒革の手帳くらいしか知らないけど、、でもさすがと言わざるを得ない
    時代がちがってもおもしろいものはおもしろいのだなと関心した
    少ししつこい感じはしたもののエンターテイメントとして楽しむには十分だった

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    2025年05月26日
  • 十万分の一の偶然

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    「激突」という写真はA新聞社の年間最高賞に選ばれた。東名高速道路で起きたその玉突き大事故は、果たして本当に“偶然起こった”瞬間だったのか。
    真相を追う髭の男。
    この時代の小説にはよくある事だろうが、同じ文章を何度も挿入する為、少し飛ばし読みが必要。
    しかし流石は清張先生、山鹿との対立シーンは手に汗もの。
    ジャーナリズム、功名心、などを問う作品。勿論時代背景の勉強にもなる。

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    2025年05月20日
  • 美しき闘争 下 新装版

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    頼りにならない夫と別れた恵子が魑魅魍魎とする出版業界で味わう受難を描いた長編の後編。本作は女流作家梶村の失踪を扱うがお馴染みの殺人とはならない。殺人でないが故に警察も介入せず薄汚い工作が行われている。恵子の義侠心は涼とすべきだが相手も方法もまずかった。ここは現実社会でも参考になるだろう。
    昭和30年代の古き良き世界を描いた『三丁目の夕日』という漫画があるが本作はその真逆で昭和30年代の弱肉強食世界を描いているように思う。セクハラだけではなく全てのハラスメント要素があるオールハラスメントともいうべき酷さ。男達の獣欲に閉口しそうになるが悪い意味でもエネルギーには満ちていて高度経済成長(本作は1962年の作品)の何%かの要因と言えそうではある。
    ネズミの嫁入りみたいなラストだが、どういう結末かは実際にお読みいただきたい次第である。

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    2025年05月11日
  • 考える葉 新装版

    購入済み

    しぶい

    推理というかなんというか。
    あれしてこれして、こうなって

    こんな感じではない作品。謎解きの要素が少なかった気がする。
    解説が興味深かった

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    2025年05月05日
  • 美しき闘争 上 新装版

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    姑のいびりと夫の不甲斐なさから家を出た井沢恵子。かつての伝手で女流作家の家に行くが評論家大村から仕事のあてを紹介された事で魑魅魍魎な雑誌の世界に巻き込まれる話。タイトルと異なり全然美しくないように思えるが巨匠による意図か?
    好色破廉恥漢な大村を始め出てくる男達が現代の価値観で言うところのクソ。連載時期が1962年と高度成長期にあたるので人権も何もなかったのだろう。仕事そのものは恵子の実力で取っているのに邪な気持ちを持つ連中が多すぎて本来の実力を発揮させないところが本当に酷い。綺麗事を並べるつもりは無いけど、こうやってせっかく輝きを持つ人物を社会的に封殺するという点で社会的殺人事件ともいうべきである。

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    2025年05月05日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    『砂の器』の時にも感じた、今の時代では使えない、当時だからこそのトリックに驚かされた。
    結婚間もない夫の失踪、そのため夫の事情が何も分からない主人公、その中で少しずつ真相に近づいていく展開から目が離せなかった。
    本多からの想いも、全く靡かないのが良かった。勝手なイメージだけれど、これが他の方が書いていると本多と道ならぬ恋…とかなっていそうだったので。身持ちの固い主人公だからこそ、まだ日の浅い夫のために駆けずり回る描写が違和感なく見られたのかなと。
    ラストの沖に向かう船に乗った妻が崖の上の夫に手を振っていた、という描写がなんとも美しかった。死へ向かう残酷さが、その情景に言いしれない美しさを与えているように感じた。
    なにかの後書きで、松本清張は難しい表現はあまり使わず、簡便な文体だからこそ輝く、といった意見を見たけれど、難しくない簡便な文体であそこまで美しく描写できるのは素晴らしいと思った。

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    2025年04月14日
  • 疑惑

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    2編の中編集。30年ぶり位の再読です。
    すっかり内容を忘れてしまっていました。
    「疑惑」は桃井かおりさんのラストシーンの意味深な笑みが目に焼きついていたので、原作のラストがこんなだったかぁ〜と思う次第ですが、これはこれでおもしろかった。
    素行の悪さで人を判断してはいけないとつくづく思う内容でした。
    「不運な名前」は偽札の話でよく分からなかった。

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    2025年03月31日