松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
清張の短編集2冊目。
こないだの『黒い画集』ほどの衝撃は無かったが、それでも印象の強い作品はいくつかあったし、どれも興味をぐいぐいと引きつけられ一気に読まされてしまう、優れた語り口が見られた。
「紙の刃」などはサラリーマンが苦境に陥り困惑を極める話なのだが、実際の自分の仕事とはえらく違う領域であってもこの仕事上の困窮は身に迫る感じがして、読んでいて辛くなった。
どうやら松本清張は現代日本人が普遍的に日常的にすれ違うような「イヤな感じ」を見事に抉り出す点で実に傑出しているようだ。
松本清張は、「イヤな感じ」大魔王である。
現実生活にもありがちな「イヤな感じ」を、フィクションを読んでわざわざ反芻さ -
Posted by ブクログ
岡倉天心は、「茶の本」という日本というものを
世界に知らしめた人で、法隆寺の秘仏を開き、
大観、春草を育てた人で、自ら取り立ててくれた文部官僚の九鬼男爵の
奥さんを寝取って、修羅場をくぐり、東京美術学校の校長を追放された人。
そして、美術史を編纂し、伊東忠太の建築史にも影響を与えた。
という風に、ある程度の理解していたが、
松本清張にかかると、実に 人間臭い岡倉天心が、噴出する。
手法としては、原典にあたり、そこから解釈して、
天心はどのような人物だったのか?を明らかにしようとする。
最初に、東京府巣鴨病院長(精神病学の権威)への九鬼男爵の申請書から
始まるのであるが、原文そのままなので、読み -
購入済み
期待に応えてくれる名作
どこかの大学教授が書くよりも歴史の奥行きが学べる。権謀術数を駆使して権力の掌握を得ていった明治政府の主人公たちの裏事情もよくわかったようだった。
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Posted by ブクログ
(相変わらず、松本清張さんの未読作品をつぶしています。本当に作品を多く残された・・・!)
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昭和17年、主人公は徴兵検査で第二乙種不合格だったのに32歳にして召集令状が来てしまった。入隊後のいじめ、残してきた家族への思い、朝鮮への転属、死なずに復員してきたのに家族6人は広島の原爆で死に、たった一人になってしまった。戦後の混乱そして赤紙を書いた人たちへの恨みに凝り固まって、復讐を目指す。
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そんなことを言ってはなんだが、ありそうなストーリ、だが、清張さんにかかると迫真だ、ご自身の経験もあるそうなのだが。
主人公はちょうどわたしの実父と同じくらいの年齢、父も教育招集