あらすじ
遠沢加須子は、中部光学という夫の遺したレンズ製造会社を長野県の諏訪で経営している。親会社の倒産で苦境にたった時、手をさしのべて来たのは、ハイランド光学だった。親会社の横暴に泣く下請会社の悲哀と、加須子にのびる欲望の影、そして加須子の妹の情熱が一つの悲劇を呼ぶ……諏訪湖に沈む謎は何?
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Posted by ブクログ
およそ三年ぶりに読んだ日本語の小説第一弾。久しぶりに触れると、清張のキレッキレの“言葉遣い”のスゴさが以前にも増して分かる。丁寧で的確。それでいて、重すぎるテーマを重く感じさせない。読者に負担をかけず、それでいて、言いたいことはハッキリと示す。選び抜かれた言葉たちがキラキラと光って見える。お手本のような文章だと思う。
湖底の光芒
大手企業の専務が、下請け企業に無理難題を押し付ける。一方、主人公は小規模な工場を営む女性経営者である。物語りは、この専務の悪意に満ちた思惑と、工場の経営に全身全霊を注ぐ主人公と、この義理の妹がおりなす。これらの結末が表題である。
女性たちをたぶらかし虐げる場面がある、好みではない、ので星3つ。