松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画と小説では設定が異なるようで、私は映画を見ていないものの、映画版には関川が登場しないらしい。
上巻では関川が怪しいと思い込んでいたが、読み進めると実はそうではなかったという意外性があり、この裏切られ方は小説ならではの面白さだと感じた。
ハンセン病への差別は現代では想像しにくいほど強烈で、当時は家族に患者がいればその家族まで差別され、生きづらい時代だったのだろうと痛感する。
映画では親子愛のような描写もあると聞くが、私が小説を読んで受けた印象は、和賀は父を愛していたというより、むしろその過去から早く離れたくて仕方がなく、消し去りたいものだったのではないかということ。
殺人方法に関してはさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ2025/55
大好きな松本清張の短編集。
今回もお気に入りのお話がたくさんあった。
「白い闇」
前に読んだけど、改めて読んでも好き。これが一話に収録されてて嬉しい。十和田湖いつか行ってみたい。
「捜査圏外の条件」
妹を見殺しにされた主人公の執念。読み応えのあるお話ですごく良かった。
「ある小官僚の抹殺」
他とは違うテイストのお話で、私はあまりハマらなかった。
「巻頭句の女」
俳句詠みの女性の最期が切ない。
「駅路」
人は満たされていても、終わりを求める生き物なのかな。無常感漂うお話で好みでした。
「誤差」
死亡推定時刻。終わり方が好み。
「万葉翡翠」
学者が最後は欲に負けてし -
購入済み
天才画の女
新人ながら降田(おだ)良子は、光彩堂の社長中久保らにより、天才画の女と評されるに至る。一方、叢芸洞(そうげいどう)は、社長の大江信太郎が病床に伏せており、支配人の小池が取り仕切っている。光彩堂とはライバル関係にある。
小池は、良子の作風の源泉(師匠)がいるはずと、郷里福島の真野町を訪ねる、銘菓の老舗であった。ここで、1人の老画家、小山政雄が浮かび上がる。小池は降田と老画家の関わりを探るが、真相は容易に掴めない。
はたして「天才画の女」とは、いったい何者なのか。小池が迫っていく。思わぬ人物が小池の抹殺に動く。この人物とは誰なのか!