松本清張のレビュー一覧
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非常に秀逸なタイトル。前半が犯罪に至る過程、後半が犯罪の真相を追及する構成となっている。
読んでいて不快感が鰻登りに上がるが恐ろしいのは現実にあったスチュワーデス(当時の呼称)殺人事件を元にしているところ。現実の方もベルギー人神父は国外に飛んでいる。
この本では西洋人は日本人を人間とも思っておらずキリスト教の救済すべき対象は西洋白人に絞られているとしか感じられない。そもそも殺人前からご性交されている時点で性職者と化している。被害者が本書どおりの素晴らしい性格なら救いようもない後味ではあるが戦争に敗れた国民がいかに扱われるかを知るには良い本だろう。 -
Posted by ブクログ
清張が多忙極まりない時間で傍らに書いたであろうトラベルミステリー4篇。
読む手に取っては好みが解れそう~余りにも技巧に走りすぎていて 機械的にプロット描写が連続しすぎるきらいがある。
ここまでして殺人を遂行しうるか否か・・
とはいうものの、日本人の原点が至る所で浮き彫りされており、ザ・昭和の空気感。
男女関係地上のもつれ、生活苦から来る金銭や地方がまだまだ低い生活水準のまま、地域差が点在している情景とか。
特色ある素材は航空、旅館、警察が近代から現代への移行登城であった事と思う~トラベルサスペンスに、口腔手段が入って来たし、カメラの存在が光っていたリ、旅館の宿泊客と女中の色事は一般的? そし -
購入済み
風の視線(下)
若き奈津井久夫は頭角を表しはじめた有能な写真家である。「杉の会」が開催した五人展に展示した写真は、奈津井が特に高い評判だった。千佳子と見合い結婚するが、愛情とは縁遠い2人であった。物語は、奈津井が密かに思いを寄せる女性を明らかにしていく。一方、千佳子も過去の男性がおり、自ら再び接近していく。
竜崎重隆はM物産のシンガポール支社長であった。妻、亜矢子は同行せず、重隆とは別居状態であったが、それは彼女の望みでもあった。
久世俊介はR新聞社事業次長の肩書き渋い中年であった。津久井の属する「杉の会」は久世の支援を受けていた。
風の視線(下)
物語は、津久井久夫、千佳子、竜崎重隆、亜矢子、久世俊 -
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ネタバレ映画と小説では設定が異なるようで、私は映画を見ていないものの、映画版には関川が登場しないらしい。
上巻では関川が怪しいと思い込んでいたが、読み進めると実はそうではなかったという意外性があり、この裏切られ方は小説ならではの面白さだと感じた。
ハンセン病への差別は現代では想像しにくいほど強烈で、当時は家族に患者がいればその家族まで差別され、生きづらい時代だったのだろうと痛感する。
映画では親子愛のような描写もあると聞くが、私が小説を読んで受けた印象は、和賀は父を愛していたというより、むしろその過去から早く離れたくて仕方がなく、消し去りたいものだったのではないかということ。
殺人方法に関してはさ -
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ネタバレ2025/55
大好きな松本清張の短編集。
今回もお気に入りのお話がたくさんあった。
「白い闇」
前に読んだけど、改めて読んでも好き。これが一話に収録されてて嬉しい。十和田湖いつか行ってみたい。
「捜査圏外の条件」
妹を見殺しにされた主人公の執念。読み応えのあるお話ですごく良かった。
「ある小官僚の抹殺」
他とは違うテイストのお話で、私はあまりハマらなかった。
「巻頭句の女」
俳句詠みの女性の最期が切ない。
「駅路」
人は満たされていても、終わりを求める生き物なのかな。無常感漂うお話で好みでした。
「誤差」
死亡推定時刻。終わり方が好み。
「万葉翡翠」
学者が最後は欲に負けてし -
購入済み
天才画の女
新人ながら降田(おだ)良子は、光彩堂の社長中久保らにより、天才画の女と評されるに至る。一方、叢芸洞(そうげいどう)は、社長の大江信太郎が病床に伏せており、支配人の小池が取り仕切っている。光彩堂とはライバル関係にある。
小池は、良子の作風の源泉(師匠)がいるはずと、郷里福島の真野町を訪ねる、銘菓の老舗であった。ここで、1人の老画家、小山政雄が浮かび上がる。小池は降田と老画家の関わりを探るが、真相は容易に掴めない。
はたして「天才画の女」とは、いったい何者なのか。小池が迫っていく。思わぬ人物が小池の抹殺に動く。この人物とは誰なのか!