松本清張のレビュー一覧

  • 黒い福音

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    非常に秀逸なタイトル。前半が犯罪に至る過程、後半が犯罪の真相を追及する構成となっている。
    読んでいて不快感が鰻登りに上がるが恐ろしいのは現実にあったスチュワーデス(当時の呼称)殺人事件を元にしているところ。現実の方もベルギー人神父は国外に飛んでいる。
    この本では西洋人は日本人を人間とも思っておらずキリスト教の救済すべき対象は西洋白人に絞られているとしか感じられない。そもそも殺人前からご性交されている時点で性職者と化している。被害者が本書どおりの素晴らしい性格なら救いようもない後味ではあるが戦争に敗れた国民がいかに扱われるかを知るには良い本だろう。

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    2026年01月03日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    平野謙の解説にある通り、不遇な出自から立身出世を目指すが狷介な性格に邪魔をされ、才能を開花させられないパターンの作品には作家が自己のコンプレックスを写しとった風が感ぜられる。それを抑えきれたのが清張の成功の鍵だったのだろう。
    男女関係の破綻ももう一つのモチーフだが、こちらは作家の経験がどれだけ反映されているのだろうか。興味のそそられるところである。

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    2026年01月02日
  • 黒革の手帖(下)

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    最後の6行で全てがひっくり返る。
    最初は主人公を応援していたような気がする。
    でも、さすがにこの強欲なママはどうするんだろう?と思ったら…大どんでん返し。

    昭和の匂いはすごいですが、人間模様が濃密で夜の銀座の裏の顔が見えて面白い。

    松本清張をまだ読んだ事ない人はぜひ。

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    2026年01月02日
  • 黒革の手帖(下)

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    上巻を読み進む程に、恋愛経験が少ないのか?つまらぬセックス描写の連続で読書放棄を思った。下巻、さすがのどんでん返し、“錯誤による抹消”
    から引き込まれた。だが知能的計画が余りに複雑で????最後の悲鳴、密室殺人完成には
    ゾッとしたオカルト

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    2026年01月02日
  • 砂の器(下)

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    犯人は途中で気づくが、動機が説明されるまで分からなかった。

    移動も大変な時代での聞き込み、調査。手紙での照会。そんな時代が体感できた。
    偶然近所とか、たまたま読んだ雑誌でとかがなかったらなぁ。

    今西刑事のThe昭和男、お嫁さんが本当に立派!
    できたお嫁さんに感謝するべき。

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    2026年01月01日
  • 黒革の手帖(上)

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    有名なタイトルの作品ですが、読んだことがなかったので手にしてみました。
    悪い男たちを1人の女がうまーくやっつけていく感じは胸がスカッとします。
    昭和の男ども…実にタチが悪い!そして、キモい!
    まぁ、女どももなかなかのエグさですが。
    下巻の展開が楽しみ。
    さすが松本清張、読みやすいですし面白いです。

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    2025年12月31日
  • 火と汐

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    清張が多忙極まりない時間で傍らに書いたであろうトラベルミステリー4篇。
    読む手に取っては好みが解れそう~余りにも技巧に走りすぎていて 機械的にプロット描写が連続しすぎるきらいがある。

    ここまでして殺人を遂行しうるか否か・・
    とはいうものの、日本人の原点が至る所で浮き彫りされており、ザ・昭和の空気感。
    男女関係地上のもつれ、生活苦から来る金銭や地方がまだまだ低い生活水準のまま、地域差が点在している情景とか。
    特色ある素材は航空、旅館、警察が近代から現代への移行登城であった事と思う~トラベルサスペンスに、口腔手段が入って来たし、カメラの存在が光っていたリ、旅館の宿泊客と女中の色事は一般的? そし

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    2025年12月31日
  • 砂の器(上)

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    読みやすかった。

    時代を感じる描写に驚きつつ、楽しみつつ、いつ交差するであろう人達にワクワクしながら読みすすめる。

    亭主関白、アパートのトイレ共同、公衆電話や管理人宅での電話取次、喫茶店でフルーツポンチ?!
    ググったシナ服。

    下巻が楽しみ。

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    2025年12月30日
  • 風の視線(下)~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    風の視線(下)

    若き奈津井久夫は頭角を表しはじめた有能な写真家である。「杉の会」が開催した五人展に展示した写真は、奈津井が特に高い評判だった。千佳子と見合い結婚するが、愛情とは縁遠い2人であった。物語は、奈津井が密かに思いを寄せる女性を明らかにしていく。一方、千佳子も過去の男性がおり、自ら再び接近していく。

    竜崎重隆はM物産のシンガポール支社長であった。妻、亜矢子は同行せず、重隆とは別居状態であったが、それは彼女の望みでもあった。

    久世俊介はR新聞社事業次長の肩書き渋い中年であった。津久井の属する「杉の会」は久世の支援を受けていた。

    風の視線(下)

    物語は、津久井久夫、千佳子、竜崎重隆、亜矢子、久世俊

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    2025年12月24日
  • 聞かなかった場所

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    有名どころではないけど、松本清張らしいドロドロの人情味のある復讐劇。
    若い後妻が突如死んでしまう、そこから始まる不幸の連鎖。こういうのもいい。

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    2025年12月23日
  • 点と線

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    時代背景が昭和30年代だったこともあり現代人にはわかりにくいこともあったが、巧妙なトリックなどのアリバイ崩しがとても読んでいて想像力を育ませていい作品だった。

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    2025年12月21日
  • ゼロの焦点

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    よく分からないままとんでもない男と結婚しちゃった妻目線で進む。口封じのために次々と容易く殺されてばかり。戦後の日本と女性の様子が覗けて勉強になった。読み終えて改めて、そういうことね。。表紙を眺めました。

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    2025年12月08日
  • 砂の器(下)

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    ネタバレ

    物語の終盤まで、犯人は関川だろうと思ったが、まさか和賀だとは思わなかった。
    ミステリーとしては、少々偶然の一致や都合の良いことが多いなとは思ったが、ストーリー性は良かったと思う。
    松本清張はやはり読者を惹きつける話を書くのが上手いと改めて思う。

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    2025年12月06日
  • 考える葉 新装版

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    ある男の奇怪な行動から始まり留置所での出会いという読者が先を読みたくなる様な構成になっているのはさすが。無気力な硯職人の青年が事件に巻き込まれる事でやる気を出すのは面白い。
    被害者の妹が失踪するサスペンスもドキドキする。

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    2025年12月02日
  • 砂の器(下)

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    ネタバレ

    映画と小説では設定が異なるようで、私は映画を見ていないものの、映画版には関川が登場しないらしい。
    上巻では関川が怪しいと思い込んでいたが、読み進めると実はそうではなかったという意外性があり、この裏切られ方は小説ならではの面白さだと感じた。

    ハンセン病への差別は現代では想像しにくいほど強烈で、当時は家族に患者がいればその家族まで差別され、生きづらい時代だったのだろうと痛感する。
    映画では親子愛のような描写もあると聞くが、私が小説を読んで受けた印象は、和賀は父を愛していたというより、むしろその過去から早く離れたくて仕方がなく、消し去りたいものだったのではないかということ。

    殺人方法に関してはさ

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    2025年12月02日
  • 点と線

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    ネタバレ

    さすが、往年の名作といったところか。

    現代では、電車に限らず、さまざまな交通手段や連絡手段が発展しているため、本作品をそのまま当てはめて考えることは難しいが、
    犯人とおぼしき人物が張り巡らしたアリバイ工作を一つずつ解き明かそうとするストーリー展開は
    読み手を飽きさせない見事なものだったと思う。

    トリックの良し悪しより娯楽性重視のストーリーが松本清張の偉大さだ

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    2025年11月28日
  • 点と線

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    2025/11/27〜28

    面白かった。時刻表トリックの作品。捜査を担当する刑事の三原の視点で楽しめるので、作品の世界に入り込みやすい。今では使わない日本語もありながらも、硬さはそんなに感じられずに読みやすかった。時刻表トリックや他の清張作品ももっと読んでみたい。

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    2025年11月28日
  • 駅路

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    ネタバレ

    2025/55

    大好きな松本清張の短編集。
    今回もお気に入りのお話がたくさんあった。

    「白い闇」
    前に読んだけど、改めて読んでも好き。これが一話に収録されてて嬉しい。十和田湖いつか行ってみたい。

    「捜査圏外の条件」
    妹を見殺しにされた主人公の執念。読み応えのあるお話ですごく良かった。

    「ある小官僚の抹殺」
    他とは違うテイストのお話で、私はあまりハマらなかった。

    「巻頭句の女」
    俳句詠みの女性の最期が切ない。

    「駅路」
    人は満たされていても、終わりを求める生き物なのかな。無常感漂うお話で好みでした。

    「誤差」
    死亡推定時刻。終わり方が好み。

    「万葉翡翠」
    学者が最後は欲に負けてし

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    2025年11月26日
  • 天才画の女

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    天才画の女

    新人ながら降田(おだ)良子は、光彩堂の社長中久保らにより、天才画の女と評されるに至る。一方、叢芸洞(そうげいどう)は、社長の大江信太郎が病床に伏せており、支配人の小池が取り仕切っている。光彩堂とはライバル関係にある。

    小池は、良子の作風の源泉(師匠)がいるはずと、郷里福島の真野町を訪ねる、銘菓の老舗であった。ここで、1人の老画家、小山政雄が浮かび上がる。小池は降田と老画家の関わりを探るが、真相は容易に掴めない。

    はたして「天才画の女」とは、いったい何者なのか。小池が迫っていく。思わぬ人物が小池の抹殺に動く。この人物とは誰なのか!

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    2025年11月25日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    ネタバレ

    実際にあった事件を、当時の証拠などから推理する、小説としての帝銀事件。
    事件自体あまり詳しくないが、提示された証拠や自白などを読み解いていく様は、さすが推理小説の大御所。

    一つ疑問だったのは、名刺の件。裏に住所を鉛筆で書いて後で消した、という平沢の供述にスポットが当てられている。平沢の供述通り現場に残された名刺にはその跡があったが、本当の犯人ならそんなことを主張するだろうか。自分の首を絞めるようなことは発言しないのではないかと思ったので、そこがモヤモヤしている。

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    2025年12月13日