原田マハのレビュー一覧
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ピカソの傑作「ゲルニカ」をめぐり、制作当時の1940年代と、現代の2001年からとの二つの時間軸が並行して展開される物語です。主人公は二人の女性。ゲルニカ制作当時のピカソのパートナー目線と、現代のピカソの展覧会を企画したキュレーター目線の話しが交互に展開されて、徐々に繋がりが紐解かれながら話しは進みます。
史実に即した部分の、登場人物のキャラクター感や、街の雰囲気の描写、内戦下の人々の心情の表現などは見事に文章にしていて入り込めます。
そして、物語中盤のハイライトはなんと言っても、ドイツの武官とピカソの会話
「この絵を描いたのは、貴様か」
「いいや。この絵の作者はーあんたたちだ」
ここで、見事 -
Posted by ブクログ
国立西洋美術館に行く予定があるため読んだ。
松方幸次郎の人柄描写が素敵。本当に大物だったんだな。日本の近代という時代への興味や、絵画の商業的、政治的側面への興味があるので、今まで読んだ原田マハ作品の中で1番面白い!
松方幸次郎は、川崎造船所の社長であり実業家である時までは仕事だけに打ち込むような人物だった。特にこの時代では造船は戦争とも関連がある事業だった。
ロンドンで若者を駆り立て兵士になるよう呼び掛ける一枚の絵(ポスター)を見て、その絵に感動し、絵の人を動かす力に感動した。
そこからいろいろな人と関わっていく中で、日本人が日本に居ながらにして西洋美術を楽しめる美術館を作ることを決め、そのた -
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原田マハさんのアート小説、また読んでしまったー。パリのなんて優雅なこと!若いときに何度か行ったけど、建造物を見ても「ほー!」「へー!」と一通り感激しておしまい。ルーブル美術館なんて時間なくて駆け足だった記憶が、、。なんてもったいないことをしてしまったんだろうと、マハさんの小説を読んではガッカリしてる自分がいる(笑)
本作も期待どおりの素晴らしい作品だった。前半少し読みにくかったんだけど、松方氏の生い立ちに入ってからは一気読み。
ーおれはもう飛行機を造るのはやめる。その代わり、タブローを守るんだ。
ーなんて美しいの。
ー戦闘機じゃなくて、タブローを。
戦争じゃなくて、平和を。
美 -
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派遣社員として働くOLが、社内ベンチャー制度に応募して、沖縄産さとうきびを使ったラム酒作りに情熱を捧げていくサクセスストーリー。
様々な困難を、持ち前の真心と行動力、そして周りの人々の支えや応援も得て、ひとつひとつクリアしていく姿に、沖縄の離島に吹くやわらかな風のごとき爽やかさを感じる。
セリフのところどころに登場する沖縄言葉もいい味出している。
「旅屋おかえり」「本日は、お日柄もよく」に並んで、個人的マハさんランキングに入った。
最近、仕事にやりがいを見失いかけてクサクサしてたけど、読んだらなんだかちょっと救われた気分に。
たまたまだけど、このタイミングで読むことができた僥倖に感謝★ -
Posted by ブクログ
2026/01/27
主人公の伊波まじむ(真心)は、おばあちゃからラム酒の飲みをお供しているうちに「沖縄産のさとうきびかを原料としたラム酒を作りたい」と思うようになり、会社のプレゼン応募企画に申し込んだところ商業形態化するところまで行きつき、沖縄産ラム酒の生産に向けて悪戦苦闘するビジネスウーマンの小説。
舞台が沖縄の南大東島というところで、写真を見ずともとても爽やかな場所なんだろうなぁというイメージが思い浮かぶくらい情景描写も素敵な小説です。
それに引けを取らないくらい出てくる人物たちも人間味に溢れている沖縄の優しい人たちを中心に描かれていて沖縄に行ってみたくなる気がしました。
あとがきを読ん -
Posted by ブクログ
ネタバレ原田マハ氏の作品を読み始めると、空気が変わることがある。本作も読み始めて数ページで、優しい空気に包まれる感じがあった。
言葉が繊細で、美しく、心に響く。
個人的にとても好みだ。
本作は、有名な指揮者を父に持つ女子高生の元に、破天荒な新しい母がやってくる!というあらすじを読んで興味を惹かれたのだが、ありきたりだな、という思いは、いい意味で裏切られた。
和音が奏でる音色が文章からこぼれおち、聞こえるわけがないのに、余韻を残しつつ、チェロのせつない音色が聞こえてくる。
桜を背景に演奏している和音が目に浮かんでくる。とても温かく、せつない。
見守ってくれている人達がいること。
自分から掴みたくな