井原忠政のレビュー一覧
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シリーズ初期の作品のような「爽快感」は少しずつ減ってきている印象もあります。
茂兵衛も、彼が率いる足軽衆も精鋭ぞろいとなり、窮地を機転と武勇で切り抜けるというハラハラドキドキする展開も多くはありません。
むしろ、子どもが生まれて「自分の評価が子どもの人生を左右する」ということに対する恐怖が、これまでの茂兵衛の大きな魅力であった思い切りのよい自由な言動を抑制してしまっていて、そのことに気付いている茂兵衛の自己嫌悪に読者も中てられているような気もします。
豊臣秀吉が発言力を増す中で、彼と闘うことを声高に主張する臣下に囲まれその対応に頭を抱える家康と、判断に私情をはさむようになってしまった(そ -
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最近あまり時代小説を読んでいなかったのですが、ふと地元の書店で目に留まったので手に取ってみました。
長く続いているシリーズ本のようで、人気があるようです。
地元の村では腕っぷしが強く、喧嘩では負け知らずだった茂兵衛。いじめられた弟の仕返しをした際に、勢い余って相手を殺してしまいます。
そのまま村を出奔し、松平家康の家来・夏目次郎左衛門に拾われて足軽兵に。喧嘩は強くても戦は経験したことがない茂兵衛ですが、まっすぐな性格と持ち前の体を活かして初めての戦場でも活躍してゆきます。
因縁の相手となりそうな登場人物も出てきましたし、次巻でどのような活躍を見せてくれるのか、続きが楽しみな終わり方でした。 -
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「三河雑兵心得」の2冊目。
前半、遠州は曳馬城・掛川城への侵攻、後半は姉川の戦いを中心に描かれる。
信玄の影に怯え、信長にはいいように使われ、部下には気を遣う、苦労人・家康の姿が面白い。
旗本先手役の一員となった茂兵衛はと言えば、本多平八郎に仕え、その幟を預かる旗指足軽としてちょっぴり出世。
今回の戦でも持ち前の頭の回転と腕力を重宝されては、銃弾が鉄笠に命中するわ、何者かに後ろから撃たれるわ、戦でとらえた女武者に惚れるわ、上へ下へと大忙し。
やいやい言いながら支え合う同僚足軽の辰蔵&実弟・丑松とのコンビネーションが楽しい。
出世に欲がなかった茂兵衛だが、ひょんなことから“10年で千石取りに -
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こちら、新聞広告や皆さんのレビューを見て、前からちょっと気になっていたシリーズ。
つい先日、別のシリーズものの感想に『読みたい本がたくさん積読になっている中に、シリーズものに手を出すのもどうかなと思わないでもない…』と書いたばかりだが、またやってしまった。
桶狭間の戦いから3年、松平家康が治める三河でのお話。
喧嘩のはずみで人を死なせ村から追い出された茂兵衛は家康の家来である夏目次郎左衛門に拾われる。
そこに一向一揆が勃発し、熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は一揆側につくことを決意。
なんと茂兵衛はのっけから国主に弓を引く陣営に身を置くことになる…という展開。
百姓から足軽になり、いずれに