あらすじ
迫りくる甲斐の武田信玄との戦い。家康生涯最大のピンチ、三方ヶ原の戦いが幕を開ける。怯むな茂兵衛、ここが正念場! 戦国足軽出世物語、早くもクライマックスの第3巻!
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今回は、足軽小頭となった茂兵衛が10人の足軽を連れて戦うお話。
武田信玄が三万の軍勢を連れて進軍して来た。
二俣城に籠城した茂兵衛は配下の足軽と共に籠城戦となり、水不足と成るが、一癖も二癖もある足軽達に悩まされる。
二俣城は降伏開城となったが、信玄は寛容で、城兵は浜松城へ帰ることが許された。
その後、家康最大の危機と言われた、三方ヶ原の戦いとなる。徳川軍は鶴翼の陣で、進軍する武田軍の尻尾を崩そうとしたが、反対に武田軍3万の魚鱗の陣で迎えられ、家康は這々の体で、家臣数名と共に浜松城へ逃げ帰る。
逃げ帰る途中、進退窮まった家康が、「ここで死ぬ」と、馬上で狂乱すると、夏目次郎左衛門が家康の兜を奪い、身代わりを申し出る。
後に茂兵衛はこの時の様子を回想する。「あれは身代わりの次郎左衛門に突っ込むように促した言葉とも…」「俺みてえなお人好しには戦国大名は務まらない。確かにうちの殿様は狡くて非情なお方かもしれんが、お家が潰れたら元も子もない」
NHK大河ドラマの「どうする家康」よりも、こっちの方が本音が見えて、納得する。
戦場での茂兵衛の戦いも生々しい。
武田信玄は病気により、引き上げて終戦となる。
茂兵衛は、戦功が認められ、弓足軽隊の副将格となり、騎乗も許されるようになる。次回も楽しみだ。
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シリーズ第3巻。本巻もあっという間に読み終わった。いつの間にか茂兵衛も立派な武士になっており、今回は頭としての彼の指導力が遺憾無く発揮されていたのが非常に良かった。人を殺して出世をしなければならない世の中で、それでも首を刎ねることに生理的嫌悪を覚える茂兵衛の人間らしさに強く惹かれる。それでも平八郎や周囲は彼の能力と人柄を評価し引き上げてくれる。現代にも通ずる「努力は報われれる」という展開。青春物(これをそう呼んでいいのかは是非を問うが。)王道ではあるがそれが非常に心地よい。
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茂兵衛、失恋でやけを起こすの図から始まる心得「参」。姉川の戦いの論功行賞で徒侍へ昇進し、足軽小頭になった茂兵衛を待っていたのは、家康が惨敗を喫した三方ヶ原の戦いだった。この戦で、茂兵衛は足軽としての育ての親である夏目次郎左衛門と大久保四郎九郎を失う。お人好しは生き残り難い戦国の非情な一場面だった。
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今回はいよいよ三方ヶ原の戦い。足軽視点でどんな描かれ方をするのかに注目でした!三方ヶ原から逃げる茂兵衛たち足軽組の様子が描かれていましたが、仲間を見捨てようとする者、傍観する者など、さまざまですが、その中で茂兵衛は、仲間を必死で助けて帰ろうと感動的でした。今後、さらに出世していく様が楽しみです!
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感想
茂兵衛の首を取らない、出世に執着しているわけではない農民的感覚が現代とマッチする。
あらすじ
姉川の戦いが終わってすぐ、信玄が南下して攻めてきた。足軽小頭となった茂兵衛は平八郎隊に従い、信玄のクビをあげようとうって出るが武田勢にやられる。
命からガラ初日を終えた茂兵衛は、平八郎より初陣の松平善四郎の補佐を命ぜられる。茂兵衛たちは二俣城で武田家からの攻勢に耐えるが、水攻めに合い、降伏するが、無傷開放される。
浜松城に戻り、武田家との決戦に備える。浜松城を素通りした武田勢は三方ヶ原で待ち受けていたところを徳川勢が誘い込まれて、蹂躙される。
茂兵衛は命からガラ、浜松城に帰る。帰路で夏目次郎に会い、夏目は家康の代わりに討死する。重臣を多く失った家康は若者を取り立てる。善四郎を足軽大将とし、茂兵衛を寄騎とする。
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3巻まで読んでくると人物像が勝手に出来上がってくるから、もう今回はどうなるか楽しみでしかない。茂兵衛も修羅場をくぐり抜け、その部下たちもいっぱしの侍に変貌していく姿がじつに逞しい。みんな行くところまで行ってしまえ〜!と熱く応援したくなるw この物語の中に自分も仲間入りいたい!
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いかに茂兵衛やその配下の槍足軽たちが武勇に優れていたとしても、兵卒一人の力では戦況を大きく覆して戦に勝つことはできず何とか命をつなぐのが精いっぱい、というところにリアリティを感じます。
徳川家康の「人をたらしこんで保身をはかる」老獪さが垣間見えるあたりも、単純に主人公が属する徳川家を賛美することない冷静な視点が説得力を増しているように思います。
十年後に千石取になるという大きな目標を掲げることになった茂兵衛が着実に地盤を固めてゆく様子は相変わらず応援したくなりますし、前巻で人妻となった初恋の相手が未亡人となり、綾女との関係がどのように変化してゆくのかも気がかりです。
ついに騎乗の武士となった茂兵衛の次の活躍も期待したいと思います。
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これから話はまだまだ続くだろうに、主人公の茂兵衞が家康のことを嫌うような場面があったのには驚いた。
にしても、どこまでが想像力でどこまでが史実なのかわからないくらい、本当に目の前に彼らがいるように話が描写され、それぞれの心の機微が仔細に描かれていて、本当に面白い。
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足軽茂兵衛は、十名の足軽を従える小頭となった。
そしてついに、武田軍が遠江へと進軍してくる。
一言坂から三方ヶ原の戦いまで、茂兵衛と一緒に戦っているかのように、引き込まれて一気読み。
そして三方ヶ原、茂兵衛の恩人である夏目次郎左衛門と大久保四郎九郎の最期が描かれ、茂兵衛と共に涙が込み上げてしまう…。
早く続きが読みたい。
茂兵衛は次は騎乗の身分となるらしいので、それもまた楽しみ。
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第三弾。
第一弾、第二弾とどんどん面白くなってきている。
違う作家のものを挟みながら、読み進めようと思っていたが、早速第四弾を買いに行きます!
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頼れる足軽小頭の茂兵衛が部下を率いて三方原へ参戦。家康が大敗して浜松城へ逃げ帰ったという有名な闘い。逃げる途中で家康に出会い、名前を覚えて貰ったかも知れない。
相変わらずのお人好し。好きだった女性を持っていかれた相手に手柄を譲ってしまう。そんな茂兵衛を応援したくなる。10年以内の千石取り目指し頑張れ。
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戦国最強と言われた、武田信玄との戦。
今までとは違って、自分の配下の足軽を従えての戦い。
部下への指示や、上とのやり取りもあり、圧倒的不利な状況から必死に生き残ろうとする茂兵衛。
次から次へと色んなことが起こりつつ、ハラハラドキドキしながらの一気読みでした。
さて次はどうなる??
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三方ヶ原の合戦。三万の武田信玄が相手なので敗北に終わるが、茂兵衛は大活躍。茂兵衛はマンガの主人公のようにシンプルだが、徳川家康の代わりになって死ぬ武将など戦場はリアルだ。兜をつけた武将の首をとると位があがるため首なし死体ばかりが転がっている
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三河足軽出世物語第3巻
文句なしに面白い。
足軽茂兵衛は、足軽小頭として10人の足軽を束ねる徒の侍となっている。
徳川と武田の戦においても、その技と知恵で戦場を縦横無尽に走り回る。
そして、次は騎乗の侍となる。
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シリーズ第3巻は、武田の大軍に大負けをする家康のまき。
部下の信頼も厚い上司となる茂兵衛。
父の仇と付け狙う同軍の武士との確執。
当時の戦い方の詳しい記述も本のリアル感を上げる。
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今回は二俣城と三方ヶ原の戦い。いつでも大変な渦中に飛び込んでいく感じなので、これからの王道街道の中でも苦労が絶えない話ばかりなのだろう。誰でも知っている勝者の歴史の中で、茂平のボトムアップ型の成り上がりは読みごたえがあって面白い。ハマるほどではないけど、結構気に入ってる。
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戦国出世物語第3弾。
徳川対武田の一戦の話。
茂兵衛は腕っぷしもいいが、驕らずそこが出世に繋がるっていう流れは変わらず。ついに、次作では騎馬武者に昇進。
女性だけには縁がないのがまたいい味出しているが、行く行くはいい家族を作ってもらいたい。応援。
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姉川の戦い(1570)以降、三方ヶ原の戦い(1572)まで。
夏目次郎左衛門が家康の身代わりになって討死、
鉄砲遣いの大久保四郎九郎も討死。
武田信玄の圧勝。
茂兵衛は26、7になっているはず。
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ついに足軽身分から徒侍へと昇進した植田茂兵衛。役目は、本多平八郎麾下の足軽小頭。
信濃から東三河へと侵攻してきま武田信玄との戦いが始まる。
三方ヶ原の戦いでは、松平善四郎率いる弓組の筆頭寄騎として、壮絶な戦いを繰り広げる。
絶望的な状況下、朋輩だから死ぬまでは仲間を決して見捨てない茂兵衛。敵は倒すまでが敵。首を切るのは死者に対する冒瀆だと言い切る茂兵衛に目が離せない。
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もう死にかけの寅八を見捨てて行こうという部下に対して茂兵衛が言う。
好きや嫌いじゃねえ、もしお前が寅八みたいになっても、俺はお前を連れて帰るよ。息があるうちは絶対に見捨てられねえ。仲間が連れて帰ってくれる、そういう安心感がなけりゃ、戦なんかやってられない。足軽10人で組を作るってのは、つまりはそういうことだ。
茂兵衛は倒した敵から首を取らないできた。それは、敵は倒すまでが敵であり、死んだ相手はもはや敵ではないということだ。首を切るのは死者に対する冒瀆であり、首が無ければ手柄の証拠にならず、出世できないとすれば、それならそれでよかった。いや、出世はしたいが、別の方法でするといった。