あらすじ
信長、本能寺に死す! 京を脱出した茂兵衛がもたらした一大事に、わずかな供回りのみの家康は、突如、敵地と化した畿内から伊賀を越えて本国三河まで逃げることを決意する。だが、信長の同盟者である家康の首を狙って、後ろからは謀反人の明智軍、前では落ち武者狩りや、天正伊賀の乱の復讐に燃える伊賀者が待ちかまえていた。本多平八郎らと共に殿軍についた茂兵衛は、血と泥に塗れながら伊賀路をひた走る。戦国足軽出世物語、天下大乱の第7弾!
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三方ヶ原の敗走と並び有名な、家康のいわゆる「神君伊賀越え」。恥ずかしながら、信長に京へ呼び出されたほぼ丸腰の家康が、本能寺の変の報を受けて、明智勢の襲撃から逃走するため、消去法で安全と思われるルート……と言っても落ち武者狩りの脅威と、信長に対する反感渦巻く伊賀を通らざるを得なかった伊賀越えだったとは知らなかった。茂兵衛を家康とは別ルートで進ませることで、史実とフィクションを巧く融合させている。信長亡き後、秀吉が台頭する。領地を加増され140万石の大大名となった家康も、まだ天下取りまでの雌伏の時である。
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この巻は、有名な伊賀越え!といっても、茂兵衛は家康と一緒に越えるわけではなくて別働隊。この辺もさすが、足軽視点です!今回は茂兵衛と左馬之助が、鉄砲で共闘する場面も。第1巻から、読んできた身にとっては感無量!そして何より面白いのは、カッコ書きで書かれる茂兵衛の心の声。思わずクスッと笑ってしまいます!足軽だけに、有名武将を次々と批判的に見てくれます。次巻以降も楽しみです!
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感想
1巻に1回は茂兵衛が死を覚悟する時があるな。
ここまで命を賭けないと出世できないんだろうな。
茂兵衛の農民出の忠義を尽くすがイマイチ理解できないという感覚が現代に通じるものがあって親しみを持って読める。
あらすじ
本能寺で起こったことを家康に伝え、家康は伊賀越えを決意する。穴山梅雪は殿軍をかって出、茂兵衛は家康に帰される。
夜間行軍の折、穴山は光秀に寝返ろうと北を目指すも落武者狩りに会い、命を落とす。茂兵衛は、梅雪の家老の有馬を助ける。
その後、甲賀党の落武者狩りと戦闘を経て、平八郎に追いつく。その後は伊賀に入り、信長を恨む落武者狩りと戦う。一行はなんとか柘植まで行き、家康と合流して伊賀越えを果たす。
家康はその後、甲斐と信濃をモノにするべく慎重にことを運ぶ。茂兵衛は穴山衆と有馬、武田の残党将と甲斐に入り、河尻を退け、北条勢を退けて甲斐を治める。
家康は5カ国の太守となる。
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前回から続け様に読破。伊賀越えは百姓や地侍が相手で、対戦国大名との戦とは仕様が異なるのが新鮮。毒矢は実戦では有効的で、かなり肝を冷やすだろう。近世までは倫理観が低かったというが毒矢を使わないなどの暗黙のルールから一定の美意識(それを武士の誇りと言うのだろうが)があったのだろうと思った。
伊賀越え後も当然戦いは続くが、本多百助の死など興味深いエピソードはあれど淡々と進んだ印象。
終盤は服部半蔵との決闘や綾女の子の行方が見所。特に綾女は前作で衝撃的に再開しあっさり決別したが、それで終わるはずもなく、皮肉にも後継候補が生まれてしまうら、今後この子がどうなるかも注目。
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本能寺の変を身をもって体験した茂兵衛、命からがら逃げ帰る。途中、穴山梅雪の消息が気になり戻ったところ、家老の有泉を救出し、怪我の彼を担いで戻るという超人的な活躍。
6月2日に本能寺の変があり、岡崎に戻ったと思ったら、家康より甲州への侵攻を求められて出兵したのが6月9日。中間管理職とはいえ恐るべき酷使のされよう。
初恋の女性とたった一度の逢瀬で長男誕生。長男は全てを承知の義弟辰蔵夫婦の養子となる予想外の展開。硬軟取り混ぜた内容に、読むペースが加速する。
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三河雑兵心得、7冊目
最近お気に入りで、1冊ずつ読み進めてる
最初の破天荒な感じだった主人公だが、この辺まで来ると中間管理職の辛さが身に染みる感じ
雑兵心得と言いながら、かなり偉くなってきてて、家康絡みのエピソードを違った視点で見られるのも面白いと思ってる
イッキに読んじゃうと続刊が待ち遠しすぎる感じになっちゃうので、ゆっくりと読み進めたい
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今回は、本能寺の変の後の伊賀越えから信長亡き後、家康が三河、遠江、駿河、甲斐、信濃を有する大大名になるあたりまで。
あくまで、百姓上がりの植田茂兵衛の視点の物語で、この時点で秀吉の活躍、明智のその後など、ほとんど出てこないのも絶妙である。
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三河雑兵心得 第七巻
巻を重ねるごとに面白くなっていく、三河雑兵心得。
今回は、本能寺の変から秀吉と家康の争い序章まで。
信長亡き後、三河、駿河、甲斐、信濃で展開された徳川の勢力拡大の戦。
その中を縦横無尽に駆け抜ける、我らが茂兵衛。
しかも、戦の間には、心に染みるエピソードが散りばめられている。
見事なり。
面白かった。
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家康の練りに練った作戦で、信長の仇討ちにも出たという事実と、甲州への領土拡大という作戦もどうにか成功する。
またしても足軽たちは重労働だ。
そんななか、茂平にも長女が生まれる。
百姓上がりの茂兵衛は武勲よりも、生きてることが重要。
仲間を一人でさえ無くさぬようにと采配し戦う。
そしてそんな茂兵衛だからこその目線で描かれる時代小説の妙。
史実に輝く武士たちの実像を冷静に観察しそこで生き延びるために働く主人公。
だから他にない面白さなのだろう。
いよいよ、織田家は秀吉が主人となる。
秀吉にとって煙たいのは家康のみ。
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本能寺の変で同盟者であった家康は命からがら三河へと逃げ帰ります。殿軍をつとめる茂兵衛も疲労困憊で後を追いかけ、その後には信州・甲斐を手中に収めるべく、またもこき使われることに。
領国を増やした家康のもと、また新たな気苦労をしょい込むことになりそうですし、綾女との一夜で隠し子ができてしまったようで、プライベートの方も心配事が尽きません。
関ケ原の戦いまであと17年、まだまだ茂兵衛の武勇が活躍する場面は多そうで、次巻の展開に期待したいと思います。
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シリーズ第七弾。
本能寺の変の直後、畿内から伊賀を越えて逃げる道中をドキドキしながら読み、乱世で生き残るための徳川の汚れ仕事を茂兵衛と同様に「ま、ありそうなこったァ」と読んだ。
落ち武者狩りや、復讐に燃える伊賀者たちに狙われながら、本多平八郎たちと殿を務める茂兵衛。
全て茂兵衛の目線での物語なので、秀吉の中国大返しも描かれず、なかなか斬新な戦国物だと思う。
続きが楽しみ。
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本能寺の変勃発後、植田茂兵衛は、本多平八郎らとともに伊賀越えを行う。
休む間もなく、植田茂兵衛は、主人なき甲州へと向かい、武田滅亡後の甲斐、信濃支配の足固めを行う。
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2023.2.10
アクの強い家康とのやり取りがいいなぁ。
地元のヤンキーの先輩と絡んでるような緊張感の100倍の緊張感を常に持ってなきゃいけない武士は俺には絶対無理だ。
胃がザルになる。
戦国時代に生まれないでよかった。
臨機応変、現場の自在度が高ければ高いほど
確かに面白く、やり甲斐はあるのかもしれないが
心は疲弊するものだ。