井原忠政のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いかに茂兵衛やその配下の槍足軽たちが武勇に優れていたとしても、兵卒一人の力では戦況を大きく覆して戦に勝つことはできず何とか命をつなぐのが精いっぱい、というところにリアリティを感じます。
徳川家康の「人をたらしこんで保身をはかる」老獪さが垣間見えるあたりも、単純に主人公が属する徳川家を賛美することない冷静な視点が説得力を増しているように思います。
十年後に千石取になるという大きな目標を掲げることになった茂兵衛が着実に地盤を固めてゆく様子は相変わらず応援したくなりますし、前巻で人妻となった初恋の相手が未亡人となり、綾女との関係がどのように変化してゆくのかも気がかりです。
ついに騎乗の武士となった -
Posted by ブクログ
家康の麾下に入った茂兵衛が仕えたのは本田平八郎忠勝。
戦国最強とも称される猛将の「お気に入り」として戦場を駆け回る茂兵衛ですが、生来の欲の無さのためかなかなか出世に至りません。
とはいえ、持ち前の頭脳と腕っぷしで着実に周りにその実力を認めさせ、一歩ずつ前進している茂兵衛の出世街道の歩みは、彼のまっすぐな性格もあって読んでいて素直に応援したくなります。
戦国時代の戦の様子もリアルに描写されていて(グロテスクな描写が多いということではなく、決してゲームで見られるような爽快なチャンバラ劇ではないということ)歴史の勉強にもなるように思います。
戦国時代を舞台にした小説を読むことで歴史好きになる、と -
Posted by ブクログ
三河雑兵心得 第12巻
茂兵衛の身分は変わらず鉄砲組頭だが、今回の戦場はいよいよ小田原。
秀吉の全国統一を阻む最大のライバル、北条氏との戦いを描く。
特に最近、私が小田原の山野を歩くことが多いため、北条氏、茂兵衛が戦う地名、その場の情景がリアルに想像できる。箱根を超えてきた豊臣・徳川軍が見た景色が。
主君の家康のみならず、秀吉にまで憶えめでたい茂兵衛は、今回も小田原攻城のキーとなる支城の一つ韮崎城攻城戦に参戦する。
そして氏政の弟氏規を降伏へと持ち込む。
三河雑兵心得も十二巻となると、当初の蛮勇のみではなく、勇ましくあるが様々な状況を考え、解釈し、真っ直ぐに取り組む。その茂兵衛の成長した武 -
Posted by ブクログ
前回から続け様に読破。伊賀越えは百姓や地侍が相手で、対戦国大名との戦とは仕様が異なるのが新鮮。毒矢は実戦では有効的で、かなり肝を冷やすだろう。近世までは倫理観が低かったというが毒矢を使わないなどの暗黙のルールから一定の美意識(それを武士の誇りと言うのだろうが)があったのだろうと思った。
伊賀越え後も当然戦いは続くが、本多百助の死など興味深いエピソードはあれど淡々と進んだ印象。
終盤は服部半蔵との決闘や綾女の子の行方が見所。特に綾女は前作で衝撃的に再開しあっさり決別したが、それで終わるはずもなく、皮肉にも後継候補が生まれてしまうら、今後この子がどうなるかも注目。