井原忠政のレビュー一覧
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「三河雑兵心得」の2冊目。
前半、遠州は曳馬城・掛川城への侵攻、後半は姉川の戦いを中心に描かれる。
信玄の影に怯え、信長にはいいように使われ、部下には気を遣う、苦労人・家康の姿が面白い。
旗本先手役の一員となった茂兵衛はと言えば、本多平八郎に仕え、その幟を預かる旗指足軽としてちょっぴり出世。
今回の戦でも持ち前の頭の回転と腕力を重宝されては、銃弾が鉄笠に命中するわ、何者かに後ろから撃たれるわ、戦でとらえた女武者に惚れるわ、上へ下へと大忙し。
やいやい言いながら支え合う同僚足軽の辰蔵&実弟・丑松とのコンビネーションが楽しい。
出世に欲がなかった茂兵衛だが、ひょんなことから“10年で千石取りに -
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こちら、新聞広告や皆さんのレビューを見て、前からちょっと気になっていたシリーズ。
つい先日、別のシリーズものの感想に『読みたい本がたくさん積読になっている中に、シリーズものに手を出すのもどうかなと思わないでもない…』と書いたばかりだが、またやってしまった。
桶狭間の戦いから3年、松平家康が治める三河でのお話。
喧嘩のはずみで人を死なせ村から追い出された茂兵衛は家康の家来である夏目次郎左衛門に拾われる。
そこに一向一揆が勃発し、熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は一揆側につくことを決意。
なんと茂兵衛はのっけから国主に弓を引く陣営に身を置くことになる…という展開。
百姓から足軽になり、いずれに -
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・私が井原忠政「三河雑兵心得 足軽仁義」(双葉文庫)を 読まうと思つたのは、内容ではなく純粋に言葉の問題であつ た。つまり三河弁である。三河弁の使はれた小説は、あることはあるのだが、ほとんど知られてゐない。本書の主人公は三河の雑兵である。時代は三河国一向一揆の頃、舞台は西三河、家康がまだ岡崎にゐた、ごく若い頃のことである。しかし主人公は植田村の人間である。植田はウエタと訓む。現在の豊橋市植田町である。渥美半島の根本にあたる地区である。ここの人間ならば三河弁、それも現在の豊橋方言あたりを使ふ。西三河とはよく似てゐるが少し違ふ方言である。それがきちんと書かれてゐるのか、これに興味があつたのである。