井原忠政のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もう死にかけの寅八を見捨てて行こうという部下に対して茂兵衛が言う。
好きや嫌いじゃねえ、もしお前が寅八みたいになっても、俺はお前を連れて帰るよ。息があるうちは絶対に見捨てられねえ。仲間が連れて帰ってくれる、そういう安心感がなけりゃ、戦なんかやってられない。足軽10人で組を作るってのは、つまりはそういうことだ。
茂兵衛は倒した敵から首を取らないできた。それは、敵は倒すまでが敵であり、死んだ相手はもはや敵ではないということだ。首を切るのは死者に対する冒瀆であり、首が無ければ手柄の証拠にならず、出世できないとすれば、それならそれでよかった。いや、出世はしたいが、別の方法でするといった。