井原忠政のレビュー一覧
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家康の麾下に入った茂兵衛が仕えたのは本田平八郎忠勝。
戦国最強とも称される猛将の「お気に入り」として戦場を駆け回る茂兵衛ですが、生来の欲の無さのためかなかなか出世に至りません。
とはいえ、持ち前の頭脳と腕っぷしで着実に周りにその実力を認めさせ、一歩ずつ前進している茂兵衛の出世街道の歩みは、彼のまっすぐな性格もあって読んでいて素直に応援したくなります。
戦国時代の戦の様子もリアルに描写されていて(グロテスクな描写が多いということではなく、決してゲームで見られるような爽快なチャンバラ劇ではないということ)歴史の勉強にもなるように思います。
戦国時代を舞台にした小説を読むことで歴史好きになる、と -
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三河雑兵心得 第12巻
茂兵衛の身分は変わらず鉄砲組頭だが、今回の戦場はいよいよ小田原。
秀吉の全国統一を阻む最大のライバル、北条氏との戦いを描く。
特に最近、私が小田原の山野を歩くことが多いため、北条氏、茂兵衛が戦う地名、その場の情景がリアルに想像できる。箱根を超えてきた豊臣・徳川軍が見た景色が。
主君の家康のみならず、秀吉にまで憶えめでたい茂兵衛は、今回も小田原攻城のキーとなる支城の一つ韮崎城攻城戦に参戦する。
そして氏政の弟氏規を降伏へと持ち込む。
三河雑兵心得も十二巻となると、当初の蛮勇のみではなく、勇ましくあるが様々な状況を考え、解釈し、真っ直ぐに取り組む。その茂兵衛の成長した武 -
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前回から続け様に読破。伊賀越えは百姓や地侍が相手で、対戦国大名との戦とは仕様が異なるのが新鮮。毒矢は実戦では有効的で、かなり肝を冷やすだろう。近世までは倫理観が低かったというが毒矢を使わないなどの暗黙のルールから一定の美意識(それを武士の誇りと言うのだろうが)があったのだろうと思った。
伊賀越え後も当然戦いは続くが、本多百助の死など興味深いエピソードはあれど淡々と進んだ印象。
終盤は服部半蔵との決闘や綾女の子の行方が見所。特に綾女は前作で衝撃的に再開しあっさり決別したが、それで終わるはずもなく、皮肉にも後継候補が生まれてしまうら、今後この子がどうなるかも注目。 -
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本拠を江戸に移すことになった家康。配下武将の茂兵衛宅も新築されてワクワク感がすごい。お隣さんが因縁のライバル、服部半蔵の家とか笑っちゃう。なんだかほんわかしたムードの第13巻。
後半は奥州征伐で待ってましたの攻城戦も展開される。久しぶりに戦場で100丁の鉄砲斉射音が聞けて、これまたワクワク感。既に40歳を越えた茂兵衛の命からがらの一騎打ちもあり、これもうファンサービス多すぎじゃないですか?
ラスト、親子の身代わり話にも胸を打たれる。
はー、お腹いっぱい。
甲斐の武田勢といい奥州の九戸勢といい、あるいは今川・北条にしても、戦国を彩る個性的な武者たちが、三河兵・植田茂兵衛という土臭いフィルター