井原忠政のレビュー一覧

  • 三河雑兵心得 : 2 旗指足軽仁義

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    家康の麾下に入った茂兵衛が仕えたのは本田平八郎忠勝。
    戦国最強とも称される猛将の「お気に入り」として戦場を駆け回る茂兵衛ですが、生来の欲の無さのためかなかなか出世に至りません。

    とはいえ、持ち前の頭脳と腕っぷしで着実に周りにその実力を認めさせ、一歩ずつ前進している茂兵衛の出世街道の歩みは、彼のまっすぐな性格もあって読んでいて素直に応援したくなります。
    戦国時代の戦の様子もリアルに描写されていて(グロテスクな描写が多いということではなく、決してゲームで見られるような爽快なチャンバラ劇ではないということ)歴史の勉強にもなるように思います。

    戦国時代を舞台にした小説を読むことで歴史好きになる、と

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    2024年09月02日
  • 三河雑兵心得 : 5 砦番仁義

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    昔のリアルな足軽は、こんな感じなんだろうなー。信康の自刃のいきさつもこんな経過だと納得がいく。とほほの家康である。

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    2024年08月26日
  • 姉川忠義 北近江合戦心得〈一〉

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     新たな戦国シリーズ。今回の主人公は浅井麾下の名門若武者。支配層を描く物語は多いのでその点では特徴は薄いが、今回は浅井残党の復讐、そして足軽からの再出発を描く点が面白い。
     三河雑兵シリーズと同様、弾むような会話のテンポが心地よい。与一郎・弁造主従の身分を超えた関係性も良い。第1巻の本作は浅井長政の遺児・万福丸の庇護と裏切り、仇討ちを一気に描く。最後に秀吉に仇討ちを諭され、次作でどうなるか。仇討ち譚も面白いが、諦めて於弦との恋も成就してほしい気持ちもある。

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    2024年08月15日
  • 三河雑兵心得 : 3 足軽小頭仁義

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    これから話はまだまだ続くだろうに、主人公の茂兵衞が家康のことを嫌うような場面があったのには驚いた。
    にしても、どこまでが想像力でどこまでが史実なのかわからないくらい、本当に目の前に彼らがいるように話が描写され、それぞれの心の機微が仔細に描かれていて、本当に面白い。

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    2024年08月05日
  • 三河雑兵心得 : 3 足軽小頭仁義

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    面白いです。足軽の出世物語が家康の一代記とリンクして、読者を飽きさせない。上役の平八郎も個性的。次も楽しみ。

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    2024年08月01日
  • 三河雑兵心得 : 12 小田原仁義

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    三河雑兵心得 第12巻
    茂兵衛の身分は変わらず鉄砲組頭だが、今回の戦場はいよいよ小田原。
    秀吉の全国統一を阻む最大のライバル、北条氏との戦いを描く。

    特に最近、私が小田原の山野を歩くことが多いため、北条氏、茂兵衛が戦う地名、その場の情景がリアルに想像できる。箱根を超えてきた豊臣・徳川軍が見た景色が。
    主君の家康のみならず、秀吉にまで憶えめでたい茂兵衛は、今回も小田原攻城のキーとなる支城の一つ韮崎城攻城戦に参戦する。
    そして氏政の弟氏規を降伏へと持ち込む。

    三河雑兵心得も十二巻となると、当初の蛮勇のみではなく、勇ましくあるが様々な状況を考え、解釈し、真っ直ぐに取り組む。その茂兵衛の成長した武

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    2024年07月23日
  • 三河雑兵心得 : 1 足軽仁義

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    出てくる地名も、登場人物のキャラもいい。続編が楽しみである。よろいとか、具足とか、槍とか勉強になる。

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    2024年07月11日
  • 三河雑兵心得 : 14 豊臣仁義

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    茂兵衛と同時代に石川五右衛門がいるという不思議。石川一味の処刑、そして豊臣秀次一族の処刑は秀吉の末期症状だ。その間、大久保忠世の病気見舞いに茂兵衛率いる鉄砲百人組が小田原に遣わされ、あろうことか襲撃され鉄砲を奪われた。小田原で大久保彦左と合流し、箱根山に取って返してリベンジの末捕らえた風魔小太郎だが、この後の物語に禍根を残すだろう。戦国の武将が次々に鬼籍に入って退場していくのは寂しい限りだ。徳川の上層部の一角をなすようになった茂兵衛のこれからの活躍は楽しみである。

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    2024年06月28日
  • 三河雑兵心得 : 13 奥州仁義

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    ネタバレ

    九戸政実征伐が中心で、これが豊臣家最後の制圧の戦いになるそうだ。もう大きい戦いはないので、比較的静かな回。戦いがないと少しだらける。

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    2024年06月25日
  • 三河雑兵心得 : 2 旗指足軽仁義

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    展開も早いし、合戦、それも足軽が戦うシーンの連続で、その描写も見事に血の匂いを生じさせるようだから、この話は面白い。基本、歴史物だから結論は知っているわけだけど、そういうひとつの安心感、悪く言えば出来合いのプロレスみたいなものだけど、そんなものは関係なく、茂兵衛の成り上がりの話にまだまだ付き合えると決めた通勤帰りの電車の中…

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    2024年06月24日
  • 三河雑兵心得 : 14 豊臣仁義

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    史実を上手く組み合わせて主人公の茂兵衛を際立たせている。今回は石川五右衛門の処刑と小田原の大久保忠世の死、関白秀次と親族の惨殺、伏見の大地震など。各史実で茂兵衛は京都、小田原、江戸、京都と異動させられる。茂兵衛もそれなりに歳を重ねて体もそれなりになってきている。
    相変わらず、家康や秀吉に振り回されて他の武将達にとっても良いクッションとなっている。
    関ヶ原の合戦も見えてきた。どのような形で参戦するか楽しみだ。

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    2024年06月19日
  • 三河雑兵心得 : 1 足軽仁義

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    名のある武将ではなく足軽が主人公の話は、読んだことがありそうでも実は記憶にないので、これがもしかしたら初めてだったのかもしれない。
    所々、家康だったり一向一揆だったり、わかる名前やわかる話が筋なので、何というか、市井の人間から見た歴史、歴史というより血の通った生活の話という感じで、これはこれで面白かった。
    もう8冊とか9冊とか出てるみたいなんで、追いつけるかはわからないけれど、しばらく読み続けたいな…

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    2024年06月17日
  • 三河雑兵心得 : 11 百人組頭仁義

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    百姓上がりの茂兵衛。根っからの武士との感性の違いが面白い。それが少しずつ融合されているのがまた良い!

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    2024年04月29日
  • 三河雑兵心得 : 7 伊賀越仁義

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     前回から続け様に読破。伊賀越えは百姓や地侍が相手で、対戦国大名との戦とは仕様が異なるのが新鮮。毒矢は実戦では有効的で、かなり肝を冷やすだろう。近世までは倫理観が低かったというが毒矢を使わないなどの暗黙のルールから一定の美意識(それを武士の誇りと言うのだろうが)があったのだろうと思った。
     伊賀越え後も当然戦いは続くが、本多百助の死など興味深いエピソードはあれど淡々と進んだ印象。
     終盤は服部半蔵との決闘や綾女の子の行方が見所。特に綾女は前作で衝撃的に再開しあっさり決別したが、それで終わるはずもなく、皮肉にも後継候補が生まれてしまうら、今後この子がどうなるかも注目。

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    2024年04月06日
  • 長篠忠義 北近江合戦心得〈三〉

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    敦賀を拠点とした情報収集中の与一郎たちは、越前府中へ活動の場を移した。そこで徳川家康嫡男・信康の家臣が謀反との情報を得て、与一郎がその暗殺を実行。その功績により馬乗りの身分になる。秀吉軍の中で出世することに喜ぶ与一郎を見るのはちと複雑だ。長篠の戦いの場面の臨場感は著者の得意とするところだ。植田茂兵衛の登場でニヤリ。そして、後に信長公記を著す太田牛一まで登場! 於市からは和音の結婚・出産を告げられ、終章では於弦の懐妊を目の当たりに。これで与一郎は吹っ切れた……のだろうか?

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    2024年04月04日
  • 闇夜の決闘 人撃ち稼業(三)

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    人撃ちのために心身耗弱となった玄蔵は青梅で転地療養。そこは女忍・千代の故郷でもあった。一方、定町廻方同心・本多にも、旗本・鳥居が直属上司である南町奉行に。だが、それが本多を事件の核心に迫らせる皮肉なことに。本多が直接に玄蔵を助けるという筋書きを想像していたのだが、各々が落とし前をつける結末。妻子も無事だったのは大団円だが、ややご都合主義的かも。3巻完結なら、それもまた良し……かな。

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    2024年03月30日
  • 殿様行列 人撃ち稼業(二)

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    総髪だった玄蔵が、狙撃任務のために髷を結い、色黒を隠す化粧までしなくてはならない。今度は江戸市中で登城途中の旗本を狙うのだ。多羅尾とは生理的に相容れず、妻子のために従わざるを得ない。この任務を無事に終えても玄蔵と妻子は口封じされてしまうかもしれないのに……。南町奉行所同心・本多は狙撃犯の絞り込みにまで迫った。果たして正義はどちらにあるのか? まあ、公儀目付・鳥居が善人とは思えないので、これからの展開と、狙撃を成功させた玄蔵の心身の変化が気になるところ。

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    2024年03月30日
  • 三河雑兵心得 : 13 奥州仁義

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    ネタバレ

    この時代の武将たちの名前と仕事は知っていたつもりだったが、九戸政実のことは初めて知った。茂兵衛の人柄は優しくて応援したくなる。

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    2024年03月20日
  • 姉川忠義 北近江合戦心得〈一〉

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    新たな心得シリーズは、姉川の戦い後、敗軍の将・浅井長政の家臣、遠藤与一郎と郎党・弁造が主役という、最初からハラハラさせる設定。与一郎らが、小谷城から長政の長男・万福丸を一時は敦賀に落ち延びさせたが、於市の方の手紙が要因で織田方へ投降。万福丸は獄門首になり果ててしまう。そこから与一郎の復讐が始まる。織田方の足軽となり、万福丸の首を刎ねた安達佐兵衛は仕留めたが……。羽柴秀吉が終盤与一郎の前に現れ、復讐は意外な方向に向かいそう。戦国時代も面白いな~

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    2024年03月18日
  • 三河雑兵心得 : 13 奥州仁義

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    本拠を江戸に移すことになった家康。配下武将の茂兵衛宅も新築されてワクワク感がすごい。お隣さんが因縁のライバル、服部半蔵の家とか笑っちゃう。なんだかほんわかしたムードの第13巻。
    後半は奥州征伐で待ってましたの攻城戦も展開される。久しぶりに戦場で100丁の鉄砲斉射音が聞けて、これまたワクワク感。既に40歳を越えた茂兵衛の命からがらの一騎打ちもあり、これもうファンサービス多すぎじゃないですか?
    ラスト、親子の身代わり話にも胸を打たれる。

    はー、お腹いっぱい。

    甲斐の武田勢といい奥州の九戸勢といい、あるいは今川・北条にしても、戦国を彩る個性的な武者たちが、三河兵・植田茂兵衛という土臭いフィルター

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    2024年03月16日