茂木健一郎のレビュー一覧
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読み終えて間が開いてからの感想。本著が世界でロングベストセラーになっているという評判らしい。
そもそも「生きがい」を見つけたくなるのは、なぜだろうか?自分の人生に意味付けをしたくなるのとあまり変わらないと思うのだが、存在価値が対価として欲しいからだろうか。
私の指針のひとつになっている言葉として”たまたまザイール、またコンゴ”という本から引用するが、
「いや、ここだけではない。じつは世界中どこだってそうなのだと思う。世界は偶然と突然でできている。アフリカだろうとアジアだろうと、世界のどこだろうと、人は偶然この世に生まれ、突然、死んでいく。生きるためにいちばん必要なのは、それらのどうしようもない偶然を否定したり、ねじ伏せたりする力ではなく、どのような偶然とも折り合いをつけていく力だ。」
とある。本著の内容と感想としては的を射ていないのだが、それ故に「生きがい」は求めないようにしている。ただそれだけ。
内容はいつもながら?、平易で読みやすく面白いので、読まれてみても良いかもしれない。 -
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スマホでの検索は日常茶飯事だし、店の予約もAI対応、何をするのもAIが解決してくれる現代だからこそ、脳科学者の第1人者モギケンの本書のタイトルに惹かれた。とてもわかりやすい文章で説得力もあり、今からでも実践しなくては、という気にさせてくれた。今はまだAI導入時代なのか、今後本格的なAI時代になったら世の中がどのように変化するのかが語られ、それにあわせてAIの特性と人間の得意・不得意な面を紹介しつつ、AIを駆使していくために必要な5つの力(質問力、ボキャブラリー、判断力、疑う力、インテリジェンス)を提示している。そして脳科学者だから提言できるAI時代の脳の使い方・鍛え方で締めくくっていた。新しいアイデアを生み出すためにも、1日5−10分ほどボーッとする時間が脳のために良いこと、ウオーキングも音楽など聞かず景色を眺めながらのんびり歩くことが良いことには、目から鱗だった。そして、AI時代に一番必要なものは「生きがい」なのだと力説するくだりを読んで、あらためて自分の生きがいとは?と考えるきっかけになりそうだ。AI時代にスタンダードになる生き方として、①「失敗する」と思われることをやる②間違いを気にしない③使命感を持つ④好きをアイデンティティーにする④AIで壁打ちをする⑤二刀流でいく⑥ユニークな発想をすることの参考としてロールモデルの著名人の紹介があり、今後の自分の生き方にも参考にしたいと思った。本著を読んで、AIにはできない人間にしかできないことがまだまだあることがわかり、安心すると共に、これからはお互いの長所を生かして共存する必要性をますます感じた。今の子どもたちが大人になる頃はAIもインフラの一部になっているのだろうから、茂木先生推奨の5つの力を身につけられる教育を施してほしいものだ。
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ネタバレ意思決定の多くは無意識の働きであることに気づかされる
茂木健一郎氏の『意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方』は、私たちの意思決定の大部分が無意識に委ねられているという科学的視点を示している。無意識の脳を鍛えることが日常生活や仕事の質を劇的に改善しうるという主張は、自分の行動や習慣を見つめ直す契機になった。著者が強調する「やる気」や「好き嫌い」に左右されない「習慣化」の重要性は特に印象的で、感情に流されやすい私たちにとって強力な指針となる。
好きなことだけで人生がうまくいくとは限らない現実
一方で、現代の自己啓発系のYouTuberや書籍などで盛んに言われる「好きなことをやれ」という主張に対しては、疑問を抱くようになった。やる気や好き嫌いに頼る道は、一時的には魅力的に見えても長期的には不安定で、感情の起伏に左右されやすい。しかし、人生や仕事には好き嫌いに関わらずこなすべき作業が多く存在し、それを習慣として無意識化することこそが持続的成果につながるという指摘はリアルだ。
脳科学と進化の視点から見る無意識の意味
ダニエル・カーネマンのシステム1(無意識)とシステム2(意識的思考)の理論も思い起こされた。意識的思考は大量のエネルギーを消費するため、無意識に多くを任せ効率化を図る進化的な合理性がある。この合理性は、脳が深層ニューラルネットワークのように、確率的偏りを予測することで生存確率を上げてきた進化の結果だと考えられる。無意識を鍛えることは、その脳の構造的・機能的な進化を活かす行為である。
「イキガイ」概念との接続
茂木氏の他著『IKIGAI―日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣』にある「イキガイ」概念も、今回の読書で思い出された。イキガイとは好き嫌いを超えて、意味や価値を見いだす生きる手ごたえのことであり、習慣化した行動の中にこそ宿るという感覚だ。自分の好きなことだけに依存せず、まずは行動し続けることが幸せな人生の基礎を築くという考えは非常に現実的かつ示唆的であった。
自己啓発の「好きに依拠する自己実現」への警鐘として
これらのことを総合すると、無意識の鍛錬や習慣化を軽視して感情や好き嫌いだけに頼る自己実現型の自己啓発が危険であるとの洞察に至った。感情に振り回されず、現実の仕事や人間関係をこなすための基礎を築く習慣づくりこそが、本質的な成長や意思決定の質向上に寄与する。
まとめとして
本書は脳科学や進化論の理論をベースに、実践的で地に足のついた行動変容手法を示しており、現代の情報過多や精神的負荷の高い環境に適応する上で非常に価値のある知見を提供している。自己啓発を過度に感情論や好き嫌い論に偏らせず、「無意識を鍛える」という着眼点が次世代に求められる生き方の指針として重要だと強く感じた。
この読書を通じて、自身の行動を見直し、まずは習慣としての積み重ねを大切にしようと決意させられた。感情の浮き沈みに左右されない意思決定力の向上こそが、豊かで持続可能な人生への鍵だと確信した次第である。 -
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ネタバレ信田さよ子さんの本を探してて出てきたやつ。ニコニコ生放送の番組を元に作った本だそうで、3人の対談やコラムで構成されていて読みやすい。ほんと、悩める子ども達に読んでほしいわ。私も学校に行きたくなかったけど、やっぱ勉強がある程度できたから不登校にならずにすんだよなとは思う。あと絶対父親に怒られるからそっちの方が嫌だったし。それでも友達としゃべって楽しいとか好きな先生とか好きな授業もあったし。高校に通うのは面倒だったけど。やっぱ何か人の役に立つことをしたいとは思うね。脳もそういう風にできているという茂木先生の言葉を読んで改めて思う。そろそろ勇気を出して動くべきか。
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茂木健一郎(1962年~)氏は、東大理学部、同法学部卒、同大学院理学系研究科博士課程修了、理化学研究所国際フロンティア研究システム研究員、ケンブリッジ大学生理学研究所研究員、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、同シニアリサーチャー等を経て、同上級研究員。「クオリア」をキーワードとして脳と心の関係についての研究を行い、一般読者向け解説書を多数執筆、また、TVや雑誌等のマスメディアでも積極的に活動している。
私は、茂木氏の著書については、暫く前に、『意識とは何か』、『今、ここからすべての場所へ』、『脳で旅する日本のクオリア』、『挑戦する脳』等、エッセイ集を含めて複数読んだことがあるが、還暦世代となって、「人生後半からの~」、「50代からの~」というタイトルの本に目が留まることが多くなり、本書も手に取った。
ひと通りページを繰ってみると、書かれていることは、60歳になっても使い方次第で脳のネットワークは発達していく、そして、そのためには、新しいことにチャレンジする、物事をポジティブにとらえる、健康的な生活をする、運動をする、感動する体験を持つ、他者と交流する、などが大切ということである。
私はこれまで、五木寛之、斎藤孝、出口治明、弘兼憲史、佐藤優、楠木新、黒井千次、成毛眞、小田嶋隆、池内紀ら、十冊を下らない(老後)指南書を読んできて、茂木氏のアドバイスは、他の指南書に書かれているものと大差はないのだが、茂木氏らしさと言うなら、それらを脳の働きと結び付けて理論的に解説していることと、最新のトピックでもあるAIとの付き合い方に触れていることであろう。また、この類の本は、(当然ながら)著者本人の経験に基づいて書かれているので、著者の独断・偏見的な記述や自慢話がときに混じることがあるのだが、本書はそのような点で気になる部分は見られず、バランスの取れた、読みやすい内容となっているように思う。
そうした意味で、(多数を読み比べるのではなく)一冊乃至は数冊の指南書を選ぶ向きには、お奨めしやすい一冊と言えるかも知れない。
(2025年7月了)