茂木健一郎のレビュー一覧
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俳句というと、古風な日本の文化(文学)というイメージを持っていた。
この対談やそれぞれの考えを読むにつけ、見事にそのイメージが一新された。
なんと豊かな芸術であることか。
制約の中に美を求める日本らしい芸術ではあるが、
現在、世界に広まりつつあるこの俳句という世界は、
生き方そのものなのだ。
つまり、日々の生活の中に見出したものを表現するということは、
芸術に生きるということ。生き方が芸術になるのだ。
会ったことや、話す様子を見たことはあまりないけど、
黛まどかという人からは何か凛としたものを感じる。
それは芸術に生きているからなのだろう。
俳句を通して、日本語の美しさも再発見させられた。 -
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生きている限りは感動することが大切。
感動するとは物事に対して意欲があるということ。
意欲がある人間は若々しいし、人生を楽しんでいると言えます。
何事も否定的に捉えたり、ネガティブに考えたりすると、脳もそれに反応して、ネガティブが連鎖してしまうそうです。
意欲があるとはチャレンジし続けることであって、その場に留まり続けることではないです。
一つの目標をクリアすると、次の目標に挑戦する。
そうすることで脳は活性化し、創造力も豊かになると茂木さんは言ってます。
誰しも大人になることで、様々なことを経験します。
その経験の蓄積によって新鮮なものの数も減っていきます。
子供の頃はすべてが新鮮でした。だ -
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俳句や短歌、詩などの、空白を補って読む表現形態に興味がわいてきて、手に取った本。
2人がそれぞれ俳句について語り、対談も掲載されている。茂木健一郎が俳句を評価するわけは以下の通り。
説明されていないもの、言語化されていないものを「摑もう」「感じよう」とする意思は、内なる感覚を総動員して臨む能動的な行為となるので、自分の全体性が引き出されやすい。(略)要するにその句に自分なりの感覚を持つに至るのだが、その感覚こそが自分自身のクオリアである……とのこと。
また、『草枕』の「こんな時にどうすれば私的な立脚地に帰れるかと云えば、おのれの感じ、そのものを、おのが前に据 -
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読書会で読む。
その後マインドマップ化するときに「なぜ補助線」なのか?といったことが分かる。
マインドマップで理解が進んだ一冊。
なぜ茂木さんが小津安二郎の映画を好むのか分かった。
静止的印象と「唯一の真理」を求める時に、ダイナミズムがぶつかるのが面白かった。
この本に先立って、梅田さんの『5つの定理』を読んでいて、
「茂木さんと対談して、怒りについて話をした」というのを読んだ後に、
この本で
「梅田さんと対談して、ビジョナリーについて話した」とあって、リンクした。
次に『国家の罠』を読んだら、
「魂は沖縄では6つあるとされている。○○(エスキモー?)では36(?)あるといわれて
納得した -
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なかなか興味深い本だった。
今の時代に語られる、専門細分化と文化の細分化に対して、それらが硬直した状態に補助線を引くことで新たな視点と思考を獲得するべきだという。
個々の分化に対して、クロスオーバーしながら包括的に物事を考えるのは、それ自体の強度を低くしてしまう恐れがあるし、結局は抽象的なままにとどまってしまう可能性がある。
ましてや専門とするものに長けていない者がそんなことをしようとすれば、思想はとても脆弱になる。
ヒエラルキーを取り払い、等価な関係のもと物事を扱い、様々なことを相対化していくことに対して、筆者と同様一矢の希望を見出しつつも自分自身はその先がまだ見えない。