あらすじ
脳科学者・茂木健一郎氏が教える、今日から豊かなセカンドライフを実現する秘訣満載!
人生100年時代といわれるいま、60歳=「還暦」は人生の折り返し地点という意味合いが強まっています。
これまでずっと会社で働いてきた人が定年を迎え、「さあやっと自由だ」と言わんばかりにセカンドライフとしてあたらしいことに挑戦する元気な人がいる一方で、「ずっと家にいる」「急に元気がなくなった」「突然運動できなくなった」……という人も増えています。その違いはどこにあるのでしょうか。
それは、脳に新しい刺激を与える「生きがい」を持っているかどうかだ、と語るのは脳科学者として人気の茂木健一郎氏です。「生きがい」は難しいものではなく、生活のあらゆるところに見つけることができる、と説きます。
そしてそんな「生きがい」があれば、「もう年だからできない」といった、わたしたちが無意識に持っている「エイジズム(年齢に基づく固定観念)」から脱却し、日々をポジティヴに生きることができるようになります。
そこで、脳科学者・茂木健一郎氏が、最新の脳科学の観点から、何歳になってもボケない・若返る脳の使い方を詳しく解説。「いつまでも元気なあの人」はなにが違うのか、著名人の例を挙げわかりやすく説明します。また現代の日本社会を覆う「老害」問題にも茂木氏ならではの視点から斬り込みます。「老い」をポジティヴにとらえなおすための一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「もう年だから」と諦めかけていた私に、希望をくれた一冊です。茂木先生が脳科学の最新知見を基に「脳はいくつになっても成長する」と断言してくれるので、読み進めるうちに自然と前向きな気持ちになれました。特に、「シニアこそAIで脳を若返らせよう!」という提案は目から鱗でしたね。具体的な方法論というよりは、考え方や心構えを教えてくれる本だと思います。ただ、もう少し実践的な「脳トレ」のような例が多ければ、さらに良かったかなと感じたので、星4つとしました。人生の後半戦をどう生きるか、ヒントが詰まっています。
Posted by ブクログ
茂木健一郎(1962年~)氏は、東大理学部、同法学部卒、同大学院理学系研究科博士課程修了、理化学研究所国際フロンティア研究システム研究員、ケンブリッジ大学生理学研究所研究員、ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー、同シニアリサーチャー等を経て、同上級研究員。「クオリア」をキーワードとして脳と心の関係についての研究を行い、一般読者向け解説書を多数執筆、また、TVや雑誌等のマスメディアでも積極的に活動している。
私は、茂木氏の著書については、暫く前に、『意識とは何か』、『今、ここからすべての場所へ』、『脳で旅する日本のクオリア』、『挑戦する脳』等、エッセイ集を含めて複数読んだことがあるが、還暦世代となって、「人生後半からの~」、「50代からの~」というタイトルの本に目が留まることが多くなり、本書も手に取った。
ひと通りページを繰ってみると、書かれていることは、60歳になっても使い方次第で脳のネットワークは発達していく、そして、そのためには、新しいことにチャレンジする、物事をポジティブにとらえる、健康的な生活をする、運動をする、感動する体験を持つ、他者と交流する、などが大切ということである。
私はこれまで、五木寛之、斎藤孝、出口治明、弘兼憲史、佐藤優、楠木新、黒井千次、成毛眞、小田嶋隆、池内紀ら、十冊を下らない(老後)指南書を読んできて、茂木氏のアドバイスは、他の指南書に書かれているものと大差はないのだが、茂木氏らしさと言うなら、それらを脳の働きと結び付けて理論的に解説していることと、最新のトピックでもあるAIとの付き合い方に触れていることであろう。また、この類の本は、(当然ながら)著者本人の経験に基づいて書かれているので、著者の独断・偏見的な記述や自慢話がときに混じることがあるのだが、本書はそのような点で気になる部分は見られず、バランスの取れた、読みやすい内容となっているように思う。
そうした意味で、(多数を読み比べるのではなく)一冊乃至は数冊の指南書を選ぶ向きには、お奨めしやすい一冊と言えるかも知れない。
(2025年7月了)