今村翔吾のレビュー一覧
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関ヶ原の戦いの前に起きた大津城の戦い。
心優しき城主、京極孝次、その妻お初を守るため
主人公の匡介は石垣を積み続ける。
幼いころ、戦で家族を失った経験を胸に
最強の石垣があれば、戦はなくなると信じて
壊されても壊されても石垣を積んでいく。
想いを1つにして戦い抜くラストは、もうずっと泣いていた。
史実を知っているからこその切なさに苦しくなる
思いでいたが、私自身も心優しき京極孝次に救われてしまった。
登場人物たちも熱い人間が多く最高だった。
匡介の才能を認め跡継ぎに指名する源斎。
匡介を認めて支えてくれる玲次。
この2人の匡介に懸ける思いと行動には
泣いてしまうからもう止めてと思いながら -
Posted by ブクログ
"一ノ谷の戦い"から"壇ノ浦の戦い"そして、平家が滅亡していく様を描いている。
が、平家の戦いは、それで終わったわけではない。
平家最後の戦いが、残っていた。
歴史は勝者が創り上げて行くもの。
その物語のなかで、平家は、きっと悪人として、あるいは富貴に溺れた愚者として、散々な姿で後世に伝えられるだろう。
断じて、それを阻止しなければならない。
戦いの中で散った者たちは、何のために、何を想って死んでいったのか。そして、生き残った者は如何なる運命を辿ったのか。ありのままを後世に伝える。
勝者の都合で、物語を書き換えようとしている者がいる。
決して、そうさ -
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もう一冊、今村翔吾氏の作品です。
戦国時代の歴史小説で、豊臣秀吉が力を付けて
頭角を現す場面では必ず出てくる「賤が岳の七
本槍」。
加藤清正などの有名な武将が世に知られる契機
となった戦いです。
しかし、そこには知られざる八本目の槍が存在
した、というのが本書の設定です。
多くの歴史小説では悪役とされる石田三成がそ
れです
歴史小説である以上、結果は変わりません。関
ヶ原の戦いで石田三成は敗れ、討ち取られるの
はそのままです。
しかし彼には未来が見えていたのが本書のキモ
です。
戦いのない世の中を望み、女性も働くことがで
きる世の中を望み、武力ではなく経済によって
世の中が変わる