あらすじ
恋と火事は、江戸の華。
咲かせたくもあり、咲かせたくもなし――
流人となった男、酒呑み火消、次代を担う若頭。
三人の脇役たちが織りなす、心ゆさぶる物語。
救えなかった命――猛火に包まれた幼子の悲鳴が聞こえる。炎への恐怖に萎む心と躰を麻痺させるため、今日も“蟒蛇”野条弾馬は、酒を呷って火事場に臨む。
京都常火消、淀藩火消組頭取に己を取り立ててくれた心優しき主君が逝った。「帝を、京を、そこに住まう人々を救え」今際の言葉を胸に刻んだ弾馬は……(「恋大蛇」)。
表題作の他二編を収録、シリーズ初の外伝的短編集。
感情タグBEST3
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読み終わってしまった。本編では脇役のような存在だったり、敵方だった人物のその後の物語。なんというか、世代交代を予感させるし、それでも良いと思わせるほど期待してしまう。このシリーズ、本当に面白かった。NHK夜ドラとかでぜひ映像化してほしい。
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2024/12/26
今年の締めくくりは当然これでしょう。
ぼろ鳶最高やった。もっと書いて欲しい。
3話の短編。
偽名で暮らしてる島流しの彼は誰やろう。
記憶力のいい人ならすぐ思い当たるんやろうけど、私は記憶力も予測力もないとてもいいお客さんなので、明らかにされたときは「転!!」って叫んだものね。
表題作は弾馬の話。弾馬結婚するってよ。ひゅーひゅー。
3作目は黄金の世代が不在の江戸のお話。
次世代は地味だけどいい仕事するんですよ。
どれも面白くて大満足。
私ずっとこのシリーズ読んでたいんですけど。
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羽州ぼろ鳶シリーズ。3作からなるスピンオフ短編集。
どの話も火消しの熱き男たちの話で胸踊る。
どのキャラクターも個性豊かで感情が入り込んでしまう。
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24/3/27〜
p123まで
5/15〜5/22
短編集
1話目は、途中から転のことだろうと気づいていたけど、楽しめた
火消しはどこまで行っても火消しだなぁ
本編では、あまり語られていない側の心情がわかってよかった
なんだか、2話目は気持ちがのらず、時間がかかった。
京都より江戸の面々の方が好きだからかなぁ。
お店のご主人、素敵なお父さんだな
3話目は次世代のことが詳しく描かれていてよかった。
登場人物が多くてまだあまり描かれていない人物も多いので、どんどんいろんな人物を深掘りしてほしいな。
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後日談が気になっていたあの方々のお話。
1話目は島流しとなった転のお話。はあ、かっこいい。島流しになったあとの生活や風俗について知らないことが多かったので面白く読めました。
2話目は〝蟒蛇〞野条弾馬がついに身を固めた〜!火消しはいつ死ぬともわからぬ身ですが、女は惚れた男についていきたいですよね♪よかったー
3話目は意外な組み合わせ。派手な火消しの活躍が目立つ中、確実にお役目をこなす三人にスポットを当てたお話です。地味だけど見てる人はちゃんと見てる。すごい人ばかりでは組織は成り立たないですから。こういうお話も読者は勇気をもらえますね。
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ぼろ鳶組シリーズの外伝的短編集。
いつもは脇役の登場人物達が思い悩んだり、それぞれの立場を背負って躍動する安定の面白さ。
野条弾馬、与市、銀治、燐丞ファンにお薦め!
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脇役一人ひとりの個性が際立ち、誰を主人公にしても物語が成り立つほどの魅力にあふれ、本編とはまた違う世界の深みを味わえる一作。
ボロ鳶組の主要メンバーが登場しないのは少し名残惜しいが、これはこれで面白い。
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短編集ですが、セカンドシーズンに向けて今後活躍予定のキャラの下準備や今までまだ目立ってないキャラを立てておくという非常に隙のない組み立て。そういうのを抜きにしても「流転蜂」は非常に綺麗にまとまってました。ただ今後全国大会編を始める気らしいのは時代小説でマジ?とは思った。
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八条島に流刑された男の隠された経歴と、島での生き方、野条弾馬の京におけるその後、銀治、燐じょう、与一らの直向きな思い、黄金の世代の中にいたぼろと鳶源吾の話とは違った色合いの話。
特に八丈島の話は、西條奈加の無暁の鈴で読んだ、遠島の刑に処せられた罪人らを、排斥することなく、距離を起きつつも容認した島人の暮らしの話とつながり、興味深かった。
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現時点(2023年11月)での最新作はシーズン2前のスピンオフ3作の短編集。淀藩の野条弾馬以外は「夢胡蝶」に登場した鮎川転と「菩薩花」に登場した若手の3人。どの話もワクワクするし、島流しの生活が興味深かった。銀波の三羽鳶もなかなかのもの。でも、早くシーズン2が読みたい・・・
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スター揃いの羽州ぼろ鳶組シリーズにあって、埋もれさせるには惜しいキャラクターに光を当てる短編集。
京の雄、野条弾馬も描いてくれているのがありがたい。
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流罪になったあの人や、京のあの人、黄金よりも若い世代の火消たち……本編では活躍が十分に描かれなかった人物たちの短編集
個人的に、け組の燐丞さん好きなので、ぜひ3つ目のお話を読んで欲しいところ
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スピンオフ。
三羽鳶が一番好きかな。
誰のスピンオフかは、最初の話の興を削ぐので書けませんね。
あの人もその人も、それぞれに人生があり、ドラマがあるなぁと。
隅々の人までこれだけのストーリーがあるから、本編も厚みがあって楽しいのだと思う。
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「羽州ぼろ鳶組」の13冊目。3つの話からなる、シリーズ初の外伝的短編集。
『幕間』ということで、昨年4月から読み始めたこのシリーズ、どうやらここでひと段落ですかね。
第一話「流転蜂」
留吉と名乗ってはいるが、表題を見れば誰のことかはすぐ分かる。吉原で彦弥と火花を散らした“天蜂”鮎川転の、流刑となった八丈島での暮らしぶり。
火消を止めたくても止めきれず、平太を救いに行く姿がカッコいい。それを助ける角五郎も。
終盤、田沼の意を受けた使者との面談はこの後にあるお話(あるよね!?)への布石に違いない(と思ったが、どうかな?)。
第二話「恋大蛇」
こちらも、京や大坂で源吾とともに火に立ち向かった“蟒蛇”野条弾馬と緒方屋の紗代ちゃんとの恋バナとすぐ分かる。
きっとこうなるだろうと思うように進む、とても分かり易い展開。あの人の文が一役買うのも予定通り。収まるところに収まって良かったよ。
最後に書かれていた「技比べ」というのも、どこかで読めるかな。
第三話「三羽鳶」
さて、これはどの3人かと思ったら、め組の銀治、け組の燐丞に仁正寺藩火消の柊与市と、次代を担う面々のお話。
黄金の世代に比べると派手さはないが、しっかりとした個を持つ3人。源吾や勘九郎らが江戸を不在にしている中、それぞれの組を率いて空き家の火事場に残った不審な骸の謎を追う。
与市ってこんなに強かったんだと思ったが、これまで目立たなかった逸材がまだまだいるということで、この後のお話も楽しみ。
『三組の頭、柊与市、銀治、燐丞、共に黄金の世代よりも少し若き者たち也。此れ迄黄金の光陰にありて、目立つこと少なけれども、その心、その技、その躰、全く以て劣らず。
まさしく銀波の世代といえり。江戸火消に隙間なく、ますます天晴也―。』
銀波の世代たぁ、こりゃまた渋い。
このシリーズ、登場人物一人ひとりのキャラクター(生い立ちや性格、人間関係、特徴特技など)がしっかりと作り込まれているので、どんな話になっても話に厚みが出る。
ぼろ鳶が出てこなくても十分に楽しめた。
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流転蜂、恋大蛇、三羽鳶の3部作だが、流転蜂と恋大蛇はどこかで読んだストーリーの改訂版のようだ。だが、改めて面白いとおもった。三羽鳶は黄金の世代の次の銀波の世代と読売に評され、これからの展開を示唆したものかもしれない。
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ぼろ鳶最後の「恋大蛇」はスピンオフ作品(*´-`)
面白かったのには間違いないけれど、題名から今まで伏線が散りばめられていた、彦弥や武蔵の恋の行方の話だと思い込んでいたので、ちょっとだけ物足りなさが...
転の切ない恋。弾馬と紗代の想い。銀治、与一、燐丞の黄金世代に次ぐ銀波世代の活躍。
初めての長いシリーズもので13巻読破してうれしいけれど、ぼろ鳶ロス(´・ω・`;)
まだ回収されていない伏線があるから、続編あるんだろうな♪今村先生のツイでも匂わせてたし( *´艸`)楽しみに待っていよう!
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二部までの幕間、脇役たちの短編三作
それとなく二部の伏線があるような?
三羽鳶良いですね!若いのに渋めの次世代ネーミング
脇役たちも格好良く!
彼らの活躍も今後見られたら嬉しいです
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202203/スピンオフ短編集。登場人物がたくさんいるシリーズだけど、どのキャラもたっててちゃんと血が通った人物に感じられる描写が毎回見事。そして物語ものめりこませるし、毎回面白いんだからすごい。
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羽州ぼろ鳶組シリーズのスピンオフ短編(中編)・三話が収録されています。
本編第六弾『夢胡蝶』に登場した、鮎川転の流罪先での生き様を描いた第一話「流転蜂」。
表題作の第二話「恋大蛇」では、京の“蟒蛇”でお馴染み、淀藩火消頭・野条弾馬の、藩主との交流そして弾馬に思いを寄せる紗代さんとのお話。
そして、『襲大鳳(下)』のレビューで書かせて頂いた“与市エピソードが読みたい”という私の願いを今村さんが聞き届けてくれたかのような(笑)第三話「三羽鳶」。
源吾達ぼろ鳶メンバーは出てこないですが、三話とも楽しめるのは勿論、本編の深みがより増すようなエピソードで、サブキャラだけなのにこれだけ読ませるのは当シリーズのキャラクターの層の厚さを実感します。
犯した罪を償いつつ、“番付火消”としての矜持を胸に生き抜く“天蜂”・鮎川転の姿はカッコイイですし、弾馬さんに春が来たのもおめでたいですね。いつか紗代さんと深雪さんの邂逅が実現するといいな、と思います。
そして前述の仁正寺藩火消頭・柊与市と、め組火消頭・銀治、け組火消頭・燐丞の“銀波の世代”。個人的にすごく好きですね~。
“黄金世代”より少し若くて、その影に隠れがちですが、彼らの“クセの無さ”が良いんですよ。
地道&堅実な銀波トリオの活躍をもっと読みたいですね。
本書を読んで、本編セカンドシーズンの再始動がますます楽しみになってきました。
何やら、“江戸火消VS他の地域の火消”の「技比べ」があるようで、その話早く読みたいですよね。
「あー、めっちゃ楽しみやんけ(by弾馬)」
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<羽州ぼろ鳶組>シリーズ。「幕間」とあり裏表紙には「外伝的短編集」とある。
出羽本庄藩の『天蜂』鮎川転、京都淀藩の『蟒蛇』野条弾馬、町火消め組の『銀蛍』銀治・け組の『白毫』燐丞・仁正寺藩の『凪海』柊与市の「三羽鳶」。
このシリーズは進むに連れて登場人物が倍々ゲームのように増えていくので頭が追い付かない。自分なりに整理せねばと思いつつその前に新刊が出てしまうので読んでしまうという悪(?)循環。
こうして脇役たちにスポットを当ててくれると個性が出て分かりやすい。これからもこういうのをお願いしたい。
第一話「流転蜂」で鮎川転がなぜ八丈島に?と混乱。早速忘れている。詳細は「夢胡蝶」だっただろうか、読み返さなければ。
現在の刑務所暮らしとは違って、この時代の遠島は自分で生活の糧を得なければならない。これと言った産物もない島で、これと言った技術もない者は野垂れ死にするしかない。だが代わりに島民たちとの距離は近い。
身分を隠して暮らしていた鮎川転だが、島で火事が起きればやはり火消の血が騒ぐ。
表題作は野条弾馬のプライベートな面。彼がなぜ『蟒蛇』になったのか、火消であることの誇りと葛藤と、様々な思いが見えてくる。
源吾の妻・深雪が文だけだが存在感を出してくる。深雪といい紗代といい、火消を支える女たちも強い。
それに出会えた主も恵まれている。
表紙に描かれている猫にそんなエピソードがあったとは。
第三話「三羽鳶」は、源吾ら『黄金の世代』の十歳ほど下の銀治、燐丞、与市の話。
源吾や加賀鳶の勘九郎らのような派手さはないが、こういう人たちは好きだ。
地道に夜回りをして町を見守るとともに配下の火消たち一人ひとりにも気を配る、火消であると同時に医者としても町の人たちを見守ったり火事での検死も請け負う…いろんな火消がいて良いと思う。
藍助も頑張っているようで良かった。
与市にこんなにたくさんの弟妹がいるというのも知らなかった。
源吾や勘九郎らが不在の江戸で起きた連続火付け事件は現代でも時折耳にする事件と絡んでいたが、見事解決。
そして読売の文五郎から『黄金の世代』に対抗する呼び名も付けられる。
頑張れ『銀波』の世代。
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羽州ぼろ鳶組 幕間
今回は、幕間と言うことで、『黄金の世代』の登場は無かったが、彼らより少し下の火消し達が活躍する。
《流転蜂》
八丈島に送られた男・鮎川転は、名前も捨てて、留吉と名乗り、罪を償う為、米と僅かな日用品と、どうしても手放せなかった「羽織」だけを持ってきた。
穏やかに日々を送っていたある日、島に山火事が発生した。
《恋大蛇》
京の火車事件、大阪の緋鼬事件で松永源吾とともに戦った、野条弾馬は、炎に立ち向かう時、過去の忌まわしい記憶が蘇って、躰が強張り、それを抑える為に、酒を煽って火事場に臨んでいた。
そんな彼を一筋に愛し支える、紗代。
《三羽鳶》
め組の頭・銀治。け組の頭で、診療所を開く燐丞。荒事の得意な柊与一。の三人が、謎の焼死体の真相を暴く。
以前、今村翔吾氏が、インタビューで
「今、火事場を書かせたら、自分が一番うまいと思う」と言っていたが、本当に、そうだと思う。
そして、人気登場人物の投票では、
一位・・深雪
二位・・新之助
三位・・源吾
今は、源吾が、三位だけど、最終回に、一位になれば良いと思っている。
とも言っていた。
新シリーズが始まり、どんな源吾が見られるか、楽しみである。
Posted by ブクログ
幕間、とはいうものの、それぞれが主役級に魅力的な人物なのでとても贅沢な幕間。黄金世代?は登場しないけれど、才能に溢れた面々の物語がとても面白かったです。
Posted by ブクログ
羽州ぼろ鳶組の番外編。
源吾が出てこないので、ちょっと寂しさはあるが、どの短編も面白い。
早くシリーズの続きが読みたいが、今村翔吾先生は筆が早いので、どんどん新作を書かれていて、読むのが追いつかない(嬉しい悲鳴)。
筆が早い上にお話は面白いとか、バケモノレベル。
どんどん書いてもらって、どんどん読みたい。
シリーズの続きも楽しみ。
一見さんお断りながら、シリーズ読者には楽しめる。
星は3つ。3.7とか。
Posted by ブクログ
ぼろ鳶シリーズ 「流転蜂」「恋大蛇」「三羽鳶」の短編3本
個人的に、表題より「流転蜂」「三羽鳶」が印象に残った。
ぼろ鳶シリーズは読んでて情景が浮かぶ。
そういう意味でも「流転蜂」は特に印象に残った。