今村翔吾のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2025年の1月から8月上旬までに東京都内で発生した火災は3,034件。2024年1年間では4,518件ったので、少し増加傾向にあるようだ。また、ここ最近で増加傾向にあるのがモバイルバッテリーや電動キックボード、ノートPCのバッテリーから出火するケース。先日もモバイルバッテリーの発火でJR山手線が一時運休になるという事件があったが、今までのように「ガスレンジやたばこの火に気をつけよう」ということでは防火対策としては若干不足しているということだろう。
東京消防庁が火災で1年間に出動する回数は約4,500件。1日あたり12件前後の計算になるので、2時間に一件の火災が発生している計算だ。東京消防庁 -
Posted by ブクログ
「太平記」における、いわゆる南北朝時代の
クライマックスでもある楠木正成
の湊川の戦いの後を描いた作品です。
正成の子である正行(まさつら)が、
足利尊氏の北朝側に付こうと考えていたところ、
数奇な運命により南朝側として戦うことになる
過程を追っています。
上巻は戦ではなく奸計によって命の危険に
さらされた南朝の帝を救おうとするところまで。
下巻は帝の民を思う心に胸を打たれ、
南朝として北朝にある程度の打撃を与えることが
できれば早い段階で和睦がかない、
戦を終わらせることができると考え、
南朝として戦うことを決意する。
ここまでは史実通りです。
そして結果が史実と変わらないのが今村 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【茜唄】 今村 翔吾 著
平家物語を久しぶりに読みました。平清盛亡き後、棟梁・平宗盛を補佐し、実質的に平家を取り仕切った四男で知将・平知盛と、武勇に優れた従兄弟の平経盛を軸に平家物語を復活させています。上巻後半の木曾義仲、下巻の「一の谷の戦」に始まる源義経らとの戦などは圧巻です。描写は、まさにその場にいるようで鮮やか。義経の物語が多いなか、平家側からどう見えたかもわかってとても興味深かったです。
著者の考察として面白かった点は、清盛が源頼朝を殺害しなかったのは、奥州・藤原秀衡、関東・源頼朝、西国・平家による「天下三分の計」によって均衡を図ろうとしたというもの。また、歴史は勝者の論理で書 -
Posted by ブクログ
1600年、関ヶ原の前哨戦となる大津城の戦いを、石垣造りのプロ集団 穴太衆の視点で描いた作品。とても面白かった。
前半は主に匡介の視点で戦に至るまでのことが語られているが、後半の戦の段になると、匡介の視点と敵の国友彦九郎の視点とが交互に描かれるようになる。どちらも武士ではなく職人ではあるが、それぞれに正義、信念そして葛藤を抱えて戦いに臨んでいることがよくわかる。また、彦九郎視点で描かれていたこれは、匡介視点では実はこういうことだったのか(逆も然り)というちょっとした謎解きっぽい要素もあり楽しい。
また、横山久内、京極高次、立花宗茂など、敵味方関係なく魅力的な将が登場してくる。特に西国無双