今村翔吾のレビュー一覧
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今回は、鳥越新之助を助けるために、これまでの主だった登場人物が皆、集結する。
前半は「いったいどうなるのか」とハラハラしたが、後半に進むにつれて少しずつ事情が明らかになり、江戸の火消し仲間が次々と集まってくる展開には胸が熱くなった。火消したちの個性もこれまで以上に強く描かれていて、思わずニヤリとしてしまう。
特に、秀介とゆかりのある藍助の活躍には目が潤んでしまったし、内記には「そう来たか!」と思わされた。慶司がすっかり「に組」に馴染んでいることも嬉しかったし、「に組」の面々がいつも以上にぶっ飛んでいるところも面白い。
これまで登場してきた人物たちが、それぞれの持ち味を発揮しながら一つの大きな物語に集約されていく感じに気持ちが湧き立った。 -
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『愛する人や街』がいるという、力強さ
留吉、弾馬、銀治、与市、そして燐丞。
彼らの胸に秘めた思いが、しっかりと描かれていた短編集。
罪を犯したから…火消だから…医者の家系だから…。
誰かと出会い、誰かを助け、愛しあう。
本当ならば、思うがままで生きたい。
だけど自分が持つ傷や家系などの葛藤に本心を蓋をしてしまいがち。
そんなままじゃ前に進めない。そんなんでいいのかな。
世のため人のために救いたいから
火消(燐丞は医者兼火消)になってるんだから矜持は大事でしょ。
だから荒れ狂う火と戦う。
特に印象深い弾馬の回(恋大蛇)。
紗代の弾馬に対する愛は自分の人生を委ねたいと願ってることに心が震えてしまった。
自分だったらどうだろう?弾馬目線、紗代目線で考えるときっと同じ答えにはなるのかも。
巡り合った人を支え一緒に生きる喜びは、その人でしか味わえない。
『ぼろ鳶』シリーズに出てくる人たちは、揺るがない矜持を秘めているから好き。
これですべてシリーズ読み終えましたが、「読後は終わってしまった」ロス状態です(笑)
また、どこかのタイミングで一気読みしたい。
ありがとうございました! -
Posted by ブクログ
1巻目から始まって、ずーっとダレることなく面白さが続いている。
東京に近づくほどに強い人物しかいないのに、それでもやっぱり誰かが斃れていく。
そこへ流派の真実であったり、ドキドキの展開であったりをとてもうまく絡めてくるから読む手が止まらない。
あぁもう流石にダメか、また誰か退場していくのかと思いきや、忘れていたあの人物が颯爽と現れて…なんて胸熱展開。
ここまで来ると、一人ひとりにもバックボーンがあって、歩んできた歴史がある。
本書のジャンルは幕末明治異能力バトルとでもいえそうな、最高にあれこれ入り混じるもので、今までここに通らなかったなんてもったいないと思った。 -
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ネタバレ蟲毒決着―
四蔵、双葉、彩八、響陣、愁二郎、ギルバード、幻刀斎、天明刀弥、カムイコチャ
9人が蟲毒第一部を勝ち抜き、第二部では東京の各スタート場所から上野寛永寺を目指す。辿り着いた者で十万円を山分けする。
ここまで勝ち残った強者たちが散っていく。でもその散り際は美しかった。
彩八から双葉へ双葉から四蔵と愁二郎へと引き継がれる京八流の奥義。昔見つけた饅頭を半分こしたことを思い出しながら。そして四蔵は幻刀斎を打ち破る。しかし四蔵は天明刀弥に敗れる。そこに駆け付けた愁二郎が全ての奥義と想いを引き継ぎ、戦神となる。蟲毒開始時、京八流は同じ釜の飯を食った弟子たちで殺し合う流派だという話から、皆で協力して敵と当たる流派。そして奪うのではなく託す。人や想いを守るときに最も力を発揮する流派であることが明らかとなる。愁二郎は天明刀弥と戦い、その途中でタイムオーバーとなってしまう。明治という文明開化に取り残された強者たちの旅は終わり、この蟲毒で唯一誰も殺さず、人を生かしてきた双葉がゴールとなる。すごい。東海道を旅する蟲毒という催しと時代を旅することがリンクし、こんなにも人が死んでいったのにまるでこれから始まる新時代に光が射すような結末だった。 -
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歴史好きにはたまらない一冊。「推理」より「考察」でも良かったかもしれないけど。
織田家臣団は、いまでいうベンチャー集団。
優秀な家臣団がきら星の如くではあるけど、林や佐久間をみても、譜代というだけでは生き残れない。
三英傑の考察はなるほど、ほか5名の武将には梟雄松永久秀が入っているのが面白い。
「じんかん」、ぜひ読んでみたくなった。
大河でやっている秀吉、秀長兄弟も農民出身、教育という教育を受けたわけでないのに、公家の最高位に上り詰め、諸役を「こなせた」のだから、「運が良かった」だけでは片付けられない。
秀吉の吏僚、石田三成も一般的に作られたイメージはさておき、よかった。
こちらは、穴太衆もでてくる、「塞王の楯」を読みたくなった。
今村ワールドに諸々つながる、良き本でした。 -
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『黄金(こがね)の時代』。俗にいう最も輝かしく充実した時代。
源吾、勘九郎など、火消たちの中で群を抜く才能を持つ彼らが果敢に事件に挑む物語を描いている。
きっと、今までの物語(どんな命であろうと、助ける力)の『ベース』になっている。
どんな火事でも善良な人でも悪人でも火消の人たちは『命を救う』ことを生業としている。
源吾たちが重内や謙八にいった一言が憧れることも理解できる。
重大事件を目の前にして、自分の命と引き換えにも聞こえてしまう部分になってしまうし
殉職してから代わりとなる人は、なかなか出てくることが難しい。
葛藤の中にあるものの中には選択肢がある。その選択に苦しいのは重内や謙八にいうことも分かるなぁと思った。
でも、重内や謙八以上に源吾たちは思ってた以上に賢いと思う。
そういった才能を、未来を、信じても良い。
そして彼らを超える人たちが、数多ある命を救うのだから。
源吾が彼ら以上に救うことを重きに置いていたのかが、より深まった物語。
『襲大鳳』(上下)を読む前に読む本だった。。。