今村翔吾のレビュー一覧
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本作『幸村を撃て』は、戦国武将・真田信繁(幸村)を中心に据えながらも、単なる英雄譚にはとどまらない多層的な魅力を持つ作品である。読み始めた当初は、幸村という一人の人物の物語だと捉えていたが、読み進めるにつれ、その印象は大きく変化していった。
序盤では、幸村が何者なのかはっきりとは見えず、「裏切り者なのか、それとも忠義の士なのか」という謎が提示される。登場人物たちは口々に「幸村を撃て」と語るが、その意味や背景はすぐには明かされない。「何が起きたのか」は徐々に見えてくる一方で、「なぜそうしたのか」という核心は容易には掴めない。この“行動は見えるが動機は見えない”という構造が、本作をミステリー -
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ついにシリーズの最終到達点ともいえる一冊で、「なぜ“イクサガミ”と呼ばれるのか」が腑に落ちた瞬間、これまでの物語の見え方が一気に変わった。単なる異名や象徴ではなく、その言葉自体が人の在り方や業を示していたのだと気づかされる。
今作で強く感じたのは、“神”という存在の残酷さだ。神は救う存在であるはずなのに、この物語においてはむしろ人の願いや祈りを受け止めきれず、結果として誰かを切り捨ててしまう。だからこそ、「神になる」ということは救済ではなく、孤独や断絶を引き受けることなのだと感じた。
登場人物たちの結末も切なく、誰かが完全に報われるわけではない。それでも彼らは選び、進み続ける。その姿がとて -
Posted by ブクログ
一気に読んでしまった。
とにかく出てくる人物がみんな躍動的で、読みながら映像を見てるような感じで最後まで面白かった。
どのようにして平氏は源氏に負けるのか。
平氏視点から見る視点がとにかく新鮮で、
かの有名な義経の鵯越の奇襲は平氏から見るとこうも恐ろしいのかと。突如戦況が変わることで、あっと負けてしまうあっけなさ、負けたあとに失うものの多さが、唐突すぎるスピード感と、気持ちが追いつけない次々くる試練に気持ちが追いついていけない。
そして何より平氏から見る義経に対する底知れぬ恐怖が作品通じて表現されている様に感じた。
例えば、フィクションや漫画なんかでは敵方の話やどういった性格なのかを細かく書