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後半から苦しくなる…。家族、兄弟、裏切り。みんないろんな思いがあって戦をしてるんだなと思った。源頼朝は卑怯というか、平側の物語なのでただ腹が立ったなぁ。。
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茜は赤。その唄はつまり赤の歌。
白は源氏、赤は平家。平家の唄は平曲ともいうらしい。
たくさん語り継がれている。
祇園精舎の鐘の声…。
さて上巻でも気になった、平曲を西仏に伝授していたのは誰だったのか。
てっきりあの子だと思っていたら違った。さすがその辺は一筋縄ではいかない。
そしてその人が明らかになり、どんな思いを抱いて歌い継ごうとしたのか。
しんみり切なくて、そこに深い感動があった。
戦いだけじゃない。
平知盛主役、平家物語ベースの作品。
上では木曽義仲が登場した。下はいよいよ戦闘怪物源義経の登場。源氏だがある意味、平家物語の主役。でもまあ今回は脇。でもさすが。
平家に立ちはだかる大きな壁として、存在感は抜群。
歴史上有名なこの人をどう表現して、主人公の知盛はどう対応するのか。
とても面白い関りであり、それまで読んできた知盛の人物像からすると納得感があった。
今村翔吾さんは登場人物たちをいつもとても魅力的に作り上げてくれる。
今村さん版平家物語、感情移入したくなる人物たちがいっぱいで、とても楽しめた。
戦いの描写に迫力があり、状況が分かりやすくて、良い。
個人対個人のチャンバラより、集団戦の描写が本当にお上手で、尊敬してしまう。
面白かった。
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終わりの見えない戦い。
何のために戦っているのか分からなくなる。
戦いの中でしか生きられない者たち。
戦いの中で翻弄されながらも信念を持って凛としてふるまう者たち。
戦いの中でひたすら私利私欲にはしる者たち。
その中で運命を受け入れて、なお
抗い、先々を考えうることができる者。
教経、個人的には断トツイチオシ‼️
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平家は驕り過ぎて滅びた。
木曾義仲は粗野で京都人から嫌われ滅びた。
源義経は配下からの讒言で頼朝に嫌われ滅びた。
何となく学校で習った印象はそんなイメージだが色々な本を読むと勝者によるイメージ操作なのかと感じる。特に頼朝についてはあまり良く描かれる事が少ないと思う。
この本を読んでも頼朝は暗躍し最後に登場しただけだが見事な悪役ぶりであった。
平家物語を編み琵琶法師に伝承していくのが各章の最初に描かれているが誰かは判らない。そこが良いミステリになっていて面白い。
頼朝が編もうとしていたのはおそらく吾妻鏡だと思うが、最後は北条氏に乗っ取られることを考えると頼朝が編みたかったストーリーでは無いのだろう。改めて平家物語は面白いと感じた。
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それぞれがそれぞれにあの時代を生き抜いた熱が感じられた。希子の闘いに臨む姿からは、知盛との絆の強さを確認させられた。哀しいけど美しいお話。
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今村翔吾版平家物語である。おごれる軟弱武家集団の平家が没落していく様(絶頂期から物語が始まるってのも趣味が悪いが)を描いていく。
歴史上の動きがあり、本歌の「平家物語」があるのだから、メタバースでもない限り筋は分かっていて、諸行無常のラストなのだが…。
いやそれにしても、制限と枠がある中でここまで捉え方を変えることができるのかと。一族を大事にする平家と親兄弟とても捨て石にするのが平気な源氏(いや頼朝)、陰湿公家の後白河上皇や、奥州藤原氏も絡む勢力争い。平家にも十分な人材がいて、平家がさらに栄華を極める可能性もあったということ。
鵯越えや那須与一や義経の八双飛びに関する新解釈は見事。フィクションであるからこそ、この解釈は実に面白く…。
語り手の意外な正体や、主人公知盛、サイドキック?の教経の活躍など、ミステリーや智謀・剣豪小説としても抜群に面白い本作。今村翔吾見失うなかれ!
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面白かった。泣けるし。下巻は怒涛。
平家物語を作ったのは知盛て、後世に伝えたのが妻の希子という設定。
知盛と義經の最後の関係も。創作でもロマンだー。
登場人物のキャラクターも良い悪いではなくて、皆それぞれ生きている。
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ああ面白かった!
読んでいて『蒼天航路』を思い出しちゃった。
あれも三国志演義や連なるお話を上手く組み込みながら、お話を楽しませてくれた。
平家一門は仲が良いのだなあ。戦で鬼神のような活躍から戻った教経が、産まれたての知盛の子に「能登守だそ。教経だぞ。」と話しかけて可愛がっている姿なんか良かった。確かに清盛が一族ばかり登用したり大切にしていたことは伺える。まあ、源氏が仲悪すぎるんだけど。
一の谷の合戦から壇ノ浦までは有名だし、作者も書きたいところだったんだろう。激アツ。
「鎌倉殿」というセリフのところは去年の大河ドラマを思い出した。
上巻の表紙の絵は平知盛と希子(向かい合って微笑んでいる)、下巻は源義経と頼朝(向いている方向が違い、表情も穏やかでない)かな?
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深い感動と面白さ。頼朝のことも改めて読んでいたいと思う。
新解釈の平家物語、かなり面白い。
塞翁の盾で感じたもの足りなさもなく、最高の読書体験でした。
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祇園精舎の鐘の音、所業無常の響きあり
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず、唯春の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ
そして、
見るべき程のことは見つ
平氏と源氏の戦いとはなんだったのか、改めて物語を読んでみたくなりました。
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上巻と続けて読んで最後の頼朝と希子の話し合いで義経と知盛のまさかの真実など驚きの連発でした。このお話は終わりですが今村翔吾さんのお話は面白いのでぜひ読んでみてください。【小5】
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読み終わるのが悲しく、でも美しい文章にぐいぐいと引き込まれて読んだ。
この作品には人間への愛のようなものが描かれており、壮大なスケールで歌われている。
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(上)(下)まとめて。
紛れもなく、大傑作だ。
核となるストーリーを、平家物語の作者がそれを何某かに伝承するという入れ子に収め、さらには、その作者とは誰なのか? 一体誰に伝えようとしているのか? そして"姿を消した"のは一体…? 等といったミステリーの要素を絡めて大きくパッケージングしており、まずリーダービリティが実に高い。
終盤の第十二章に至り初めて、帯の宣伝文句に"夫婦の絆"とある意味が腑に落ちる粋な構成。
戦国ものを中心とした時代小説は確かに装飾しやすい題材ではあろうが、そうだとしても、平家の凋落を組織の愚昧になぞらえたり、主人公の平知盛を旧来の武士の面目に囚われず合理性を優先する進取の英傑として描いたりと、現代社会の枠組みにもそのまま当てはまる形で表現する様は唯々上手過ぎるし、窮地における知盛と経盛の和解や、知盛と三男・知忠の別れ、教経と死を覚悟した海野幸広の結び合い、身命を賭した知盛と源義経の面会、ティーンエージャーに過ぎぬ知章の雄々しくも哀しい最期、一条能保はおろか源頼朝に対してなお一歩も引かず対峙する希子の気魄、さらには教経VS弁慶という稀代のビッグバウト並びに知盛と義経の奇跡の共闘等々、挙げていけばきりがない見せ場は次々登場するし、光景が映像としてまざまざと脳内に浮かび上がってくるドラマの数々に魂を掴まれ、本の中の世界に耽溺するばかりだった。
クライマックス、知盛が彦島で茜船に乗り込むシーン以降は視界が霞みっ放し。
史実を人間味に満ちたエンターテインメントに昇華し再構築するその手腕たるや、タイプは違えど木下昌輝氏や垣根涼介氏を想起した。
そして、齢30代にして人間をここまで描ける今村翔吾氏、凄い。
余談ながら、六甲山系が源平合戦の重要な舞台の一つになっていることに、地元民として静かな興奮を覚えた。
「幾らそこから目を背け、自ら美しく装ったとしても、ただ争うという一点だけで、人はすでに愚かしく、汚らわしい生き物ではないか。それなのに、どうにか醜さを隠そうと、無用な作法や美徳を作る。そのせいで戦は長引き、民は貧困を強いられる。」
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下巻は引き込まれた。創作上等。
結末を知っていても悲しい。
語り継がれた物語は今も生きている。
素晴らしい絵巻しかり、千年後の学生は暗記必須しかり。
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大人になるまでに見聞きしたものは全て源氏が善で、平氏が悪のものばかり。
一昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と本作品を読んで両家への印象が全く変わりました。
それぞれの立場で物事を見る重要性を改めて感じました。
平家メチャクチャカッコいい。そして、家族の絆が強い。
多くの人に平家の良さを知ってもらう素晴らしい作品です。
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上巻を「静」とするなら、下巻は「激」でした。
激しい戦の場面が続きます。
それは、平家が滅亡へと向かう道です。
大局を見据えた知盛の想いが伝わってきました。
今村先生の歴史小説は、とても理解しやすく、源平合戦に忠実なため、歴史の勉強になりました。
そして、感動しました。
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大まかには知っているけれど、詳しくはない平家物語を著者得意の語りで小説化
興味深く読めました
物語そのものの成立を結末にするところは、らしくて上手いですね
上下巻の長編ですが、飽きることなく読めます
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上下巻の感想
源平合戦で平家側から見た話は初めてです。
平家=悲劇というイメージから教経や希子などがどんな前向きでも暗く感じました。
特に下巻からは滅亡に向かって一直線という感じでこのまま、淋しく終わるかと思いましたが屋島が落ちてからの物語は予想外でした。
結果は滅亡ですが、義経を救う場面や最後の頼朝、希子のやりとりなどは流石だなあと思います。
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平家物語は読んだ事は無いけど
“驕れる者は久しからず”
“栄枯盛衰“
などの有名な言葉は不思議と良く覚えている。如何に平家が驕っていたか、想像に難くない。そして雪崩を打って敗走して行く平家の姿が、思い浮かぶ。終盤で題名の“茜唄”の意味がわかってきた。
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上下巻合わせて星3.5
序盤から中盤は、どうにもスピードに乗れなかった。1章ごとに平家物語の各エピソードが語られるが、後の時代に琵琶で平家物語を唄っているのは誰なのか。毎回その人と西仏との会話が入り、1章ごとにぶつ切りなイメージが強まってしまい、読みにくく感じた。
リーダビリティ抜群に高い今村翔吾さんにしたら珍しい構成と思ったけど、3年かけて5つの新聞に連載していたという経緯も関係しているのかな?
終盤、平家物語を唄い伝える人が明かされ、平家滅亡のその後について語られ始めると、がぜん面白くなった。
知盛がスーパーマンすぎるきらいはあるけれど、武士という存在と平家一門について、今村翔吾さんの新解釈はかなり挑戦的で、楽しかった。
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平家物語の今村翔吾バージョン。平家の側から源平合戦を描いており、歴史認識の偏りを修整してくれる。粗筋も面白く、引き込まれるし、登場人物のキャラクターも良い。題材、作者の力量からすると、もっと深みがあってもおかしくないが。
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清盛の四男知盛を主人公とした平家物語のオマージュ。
知盛が木曽義仲、源義経+奥州藤原氏との鼎立を構想したという独自の設定が組込まれている。
後白河法皇という政治的妖怪と頼朝という怪物に潰されてしまうが。
平家側から見た歴史は否応なく哀惜というか滅びの美学が漂う。
諸行無常。
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厳島神社に旅行に行ったことがきっかけで読み始めた本。
平安時代の知識が乏しいので「え、これは何盛?誰経??」となりながら読む。忘れた頃にきちんとエピソードを絡めて人物紹介をしてくれるので思い出しながら読むことが出来た。
平家物語は有名な初めの部分しかしらないくらいだったけれど、ぐいぐい惹き込まれた。
さすが今村翔吾さんだなぁ。戦のシーンはまるで映画や漫画を観ているように頭の中で光景が思い浮かぶ。面白かった。
予備知識があれば更に面白いんだろうな。これをきっかけに勉強してみるのもいいかもしれない!
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上巻よりも独自路線が強くなって大分ファンタジー。
義経の、軍事は天才だけどその他は全て欠落した阿呆みたいな人物造形は司馬遼太郎が方向づけたものなんだろうか。
いくら平家が落ち目でも、壇ノ浦の最中に梶原が義経を攻められるほど余裕はないだろうに、とか突っ込みたくなってしまう。
頼朝の人物像がペラペラの悪役で苦悩が伺えないから物足りないのかもしれない。
師盛や業盛や通盛や、平家の若手たちにスポットが当たる感もあってよかったから、もっと彼らの人生を聞きたかったというか。せっかく語り手が希子こと治部卿局であれば、もう少し女性目線があってもよかったなぁ。もう少し心の機微とかあるやろー、って思う。男のヒロイズムと妄想って感じが。