あらすじ
これは、戦の唄。
これは、涙の唄。
これは、希望の唄。
直木賞作家・今村翔吾が描く、夫婦の絆。新聞連載時より話題沸騰の歴史エンターテインメント!
歴史とは、勝者が紡ぐもの――。では、何故『平家物語』は「敗者」の名が冠されているのか?『平家物語』が如何にして生まれ、何を託されたか、平清盛最愛の子・知盛の生涯を通じて、その謎を感動的に描き切る。平家全盛から滅亡まで、その最前線で戦い続けた知将が望んだ未来とは。平清盛、木曽義仲、源頼朝、源義経……時代を創った綺羅星の如き者たち、善きも悪きもそのままに――そのすべて。
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Posted by ブクログ
頼朝ほんま糞(笑)後白河法皇の方がなんぼかマシな気がしてきた。
壇ノ浦の戦いのさなか、源氏優勢と見て取るや、義経を殺しに行くのは腹黒すぎて怖かった。
ずっと高みの見物で弟達を死地に追いやり、用済みとなれば理由をつけて手下どもに暗殺させる。怖え〜。
知盛をヒーローに据えた小説を初めて読んだので、新鮮だったけど、めっちゃ面白かった。
義経の天才的な戦術も平家側から見たら恐怖でしかない。意表を突かれまくって取り乱し敗走する平氏に共感しながら読んだから、知章のあたりは情緒がヤバかった。菊王丸に琵琶を託すシーンや知章と釣りの約束をするシーンは全部死亡フラグでしかなかったし、ひたひたと滅びの足音がしていた。
先がわかってるから全てがもどかしい(笑)
能登はどこまでも豪傑でかっこよかったし、知盛は爽やかだった!義経を逃がす途中での能登殿最期。何も言わず知盛を見てはにかみながら海に沈む。最初から最後まで武士だった。そして、10代から30そこそこの若い武将たちがほぼ海の藻屑となった。
平家物語のあの見てきたような語りは、本当に見てきたからこそなんだなっていう・・・。
みんな死んだ仲間を背負って戦ってる。遺志をつなごうとして戦ってるんや。死んだ仲間を忘れないために、彼らの死を無駄にしないために戦うし、戦うことは殺すことじゃなくて、遺志を繋いでいくことなんよ。もう泣けるんや。
屋島のあたりで平氏一門は色々諦めたと思うけど、最後の命の燃やしどころをみんなが知盛に預けた。一族が、家族が知盛を信じて最期は戦った。それは頼朝軍にはないものなんだよなぁ。
負けても勝ったって感じ?
奢れるものは久しからず、それは頼朝にも言えることで。
斜陽を生き抜いた平家の男たち、滅茶苦茶かっこよかったです。(感涙)
あとは希子さんなんですけど、正妻で一人で子供5人産んでるの史実の時点で普通にすごすぎて笑う。
王道としては徳子さんが取り上げられがちだけど、希子さんがヒロインなのもすごくよかった。頼朝の時代になっても平家の、知盛の意思は生き続ける。
女も強かった茜唄でしたね。
大大大満足の読書でした。
Posted by ブクログ
こんな切ない話ある……?
平家が滅びることは明らかなのに、なんでこんなに応援しちゃうの……
平家って悪だと思ってた(平家にあらずんば人にあらず、って言われるくらい調子乗ってたし)けど、めちゃくちゃ好きになってしまったじゃないか………!!
という本。
平知盛かっこよすぎる。季子さまもかっこよすぎる。最高夫婦。
最初から出てくる、西仏に平家物語を伝授する人。私はてっきり菊王丸だと思ってました。まさか季子さまとは……叙述トリックにやられました。本でしか味わえない驚愕。最初からもう一度見直したってゆー……
(今村さんって、本でしか出せないこういう表現を使いながら、まるで目の前に映像が見えるようだから本当すごい。義経と知盛の初の邂逅の時、時が止まったように視線が交わるのとか、映画のようにはっきりとみえました)
教経の最後もかっこよすぎる。誰かのために命を賭して行く姿泣かない人いるのか?
後白河上皇も人間らしくて良いじゃないか。
義経ってやっぱりこんな感じなのね。やべーな天才で素直すぎてやべーな。
そして、全てを見越しながら平家と共に生き、共に死んだ知盛がやっぱりかっこよすぎる。
知章には生きててほしかった……戦争ダメ、絶対。
でも、戦の途中の知盛の「覚えた」とか「みた」とか短い言葉がカッコ良すぎてドキドキしてしまう。戦いダメなのに戦う姿かっこいいってゆー…なんだこの矛盾。
この本を読んだ後、史実などちょっと調べてまとめてみた。今村さんの創作の部分も大いにあるのかもしれないが、壇ノ浦の戦いで義経を逃すために平家が協力していたとしたら……
天下三分の計をずっと昔に思いついた諸葛孔明マジすげえと思いつつ本を閉じました。
Posted by ブクログ
本の表紙の絵が気に入らないとか、もうそんなことはいい。
平氏も源氏も名前が同じような人物ばっかりっていう愚痴ももう言わない。冒頭から始まる僧侶との琵琶の語り手が誰なんだろうってずっと思っていたらついに来た!
そこからの感情の流れが一気に押し寄せてきてもう耐えられないっと思った。
”祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の~”
語り手が誰なのかいまだ謎なこの平家物語、誰もが空で詠むことができるほどに学生時代覚えさせられたこの冒頭文。
勝者によって歴史が歪んで伝えられないよう、今を生きた人を、勝ちも負けもなく歴史に立ち会った人たちをのちの千年後にも残そうとしたこの冒頭を、大戦の中を潜り抜けよくぞ現在に語り伝えられてきたことを幸せに思う。
この物語が真実かどうかはさておき、太古の歴史の紐解きのように執筆された今村氏の創作力に、追って眼前で映画のように見せてもらったかのように錯覚するほどの想像力を掻き立てる文面にハラハラし通しだった。
時代小説のいいところは現代小説のような鬱った暗い登場人物がいないこと。イヤミス小説読んで喜んでいる人は一回こういう本を読んだほうがいい。
Posted by ブクログ
・知盛は一の谷の策に「一抹の不安、沓の中に入った一粒の砂の如き」
・義経は小の戦い・中の戦いには長けて見通す力を持っているが、大の戦い=天下にどのような影響を及ぼすかを全く考えていない。
・平家は一族として戦い、頼朝は時代を一人で創った英傑になりたかった。
と言う箇所が好き。
一の谷から壇ノ浦へ… 関門の潮目が原因で勝敗が逆転したと思っていたが、平家からは古参の阿波重能が源氏からは頼朝の浪党梶原景時が寝返り、三つ巴に。そして平家は滅亡を覚悟して総力を上げて義経を逃がした。歴史は勝者が語るものとされるが、作事不詳の平家物語は戦の中で散った者達が何の為に何を想って死んでいったのか、そして生き残った者は如何なる運命を辿ったのかを書き換える事なく伝えていく為に琵琶の音にのせて伝えられた。
Posted by ブクログ
大まかには知っているけれど、詳しくはない平家物語を著者得意の語りで小説化
興味深く読めました
物語そのものの成立を結末にするところは、らしくて上手いですね
上下巻の長編ですが、飽きることなく読めます