今村翔吾のレビュー一覧
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全国高校生花いけバトル――高校球児の夏の甲子園に匹敵する、即興の生け花の舞台に挑む高校生たちの、一夏の煌めきのような一冊です。
主人公は高校二年生の大塚春乃。華道同好会たった一人の会員だけれど、花が好きだった祖母に見せるために、どうしても花いけバトルに出場したいと、一緒に出場してくれるパートナーを探し求める日々を過ごしていた。そんなところにやってきたのは、事情持ちの男子転校生。生け花の素養があるらしいが、家の事情で転校を繰り返し、進級も危ぶまれるほどの成績である彼は、春乃が勉強を教えてくれるなら代わりに花いけバトルに出ると言う。彼が再び転校してしまうまでの、一度だけの夏。青春をかけて花に -
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さすが今村さん、凄い面白かった。
580ページに及ぶ長編も難なく読み進められ楽しめた。
時は室町~安土桃山時代、孤児だった松永久秀の凄絶な半生が信長の回想で語れていく。
松永久秀?あまり耳にしない武将だ。(自分が無知なだけかも)信長いわく「人の成せぬ大悪を一生のうちに三つもやってのけた」と家康に説明している。しかも二度も謀反をおこしている。この時点で久秀のイメージは悪かったのだが、話が進むにつれ真相は全然違う。松永久秀の言動や人格に心が掴まれていく。
たくさんの見どころあるが中でも7章の「人間へ告ぐ」で1万の敵の軍勢が迂回して信貴山城を狙っているという情報を奈良の民が自分の命をかえりみず報せて -
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羽州ぼろ鳶組シリーズ、3作目。
序盤から凄惨な事件が起きて、どのように物語に関わってくるのかドキドキしながら読み進めた。
長谷川平蔵と源吾が事件のあらましを見て、離れた地で、相手のことを想い合っているのが胸にグッときた。
辰一の生い立ち、「九紋龍」に隠された想いが語られる場面、戸沢正親と対峙する場面で明かされる正親の民への想い、それに対する新庄藩火消の面々の心意気に涙が溢れた。
源吾の「人は変わるものさ。」「人は何度でもやり直せる。」という言葉、1作目の「火喰鳥」が思い返され、胸が熱くなった。
今作で一番心に残ったのは、北条六右衛門の「新庄の民は貧しい。しかし決して明日への希みを捨てぬ。 -
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羽州ぼろ鳶組シリーズ、2作目。
序章の新之助と彦弥、新之助と深雪のやり取りが面白すぎる。
前作を読んでからだいぶ間が空いてしまったけれど、すぐにこの世界観に引き込まれた。
今作でもある事件が発生。
その影響で火消が火消としての役割を全う出来ない事態に。
それでも消火活動のために掟を破る万組の頭「魁」武蔵、自身の身の危険を顧みず、火の中に飛び込んでいく加賀鳶、ぼろ鳶の姿に胸を打たれた。
特に終盤は迫力があった。
身の危険を感じつつも、下手人を追い詰めようと多勢を相手に一人で立ち向かう新之助。
自身が咎を受けることも厭わず、消火活動のためなら手段を選ばない源吾、武蔵。
二人は周りをも巻き込み