今村翔吾のレビュー一覧

  • 八本目の槍(新潮文庫)

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    おもしろかったーーー!!!まずはこの一言です。
    昨年、大河ドラマの「どうする家康」を一気見しており、ちょうどこのあたりの時代の時系列が頭に入っていたのが幸運でした。お恥ずかしい話、ドラマ視聴前は「関ヶ原で家康と戦った相手………はて?」ってレベルだったので、その頃に読んでたらおもしろさ半減だったかも(^^;  最低限の歴史の流れと、石田三成のキャラクター性の知識がある方が楽しめる作品ですね。

    この作品の主人公は石田三成。と言っても彼の視点から物語を語るのではなく、幼馴染みの7人それぞれの視点から三成との絡みを描くことで、この作品における三成像を形作っていく手法。7人のエピソードはそれぞれ独立し

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    2025年02月18日
  • 海を破る者

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    四国の御家人が、九州で活躍した。ただ争って終わる、手柄で終わる話ではない。しかし、最後は仇敵までかっこいいことして、その姿にふるえた。

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    2025年02月13日
  • 海を破る者

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    何の事前情報もなく、読み始めました。
    最初、一遍上人が出てきて、上人の話かなぁと思ったら、第二章は、伊予の河野家の話、どうなっていくのかなぁと思っていたら、一遍上人が、伊予の河野家とつながりがある人と続いていく。
    そこへ、高麗人、ロシア人と蒙古に滅ぼされた異国の二人が出てくる。
    そして、どうも主人公は、承久の乱で没落した河野家の当主、河野六郎通有という展開で、河野家と関わる登場人物の心の変化、エピソードが綴られていく。
    蒙古襲来のことは詳しく知らなかったが、異国の二人にかかわる事件も絡めながら、蒙古襲来への対応に苦労する六郎の成長が続いていく。
    最後はその戦闘の場面、そして、終章、異国の二人の

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    2025年02月11日
  • 塞王の楯 上

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    ネタバレ

    面白かった。
    最初は人が死にまくる怖い話だったらどうしよう、と思っていたんだけどそんなこともなく。

    石垣を作る主人公の匡介と、最強の銃を作る彦九郎。
    お互いに戦国の世を終わらせたい気持ちはあるのに、真逆の道を進む2人。

    京極高次が、すごくいいキャラクター。
    評判では暗愚な君主と思われていた高次の人柄が、いい感じ裏切られた(笑)
    高次が登場してから、硬い感じの物語がいい感じに緩んだかも。

    上巻では、豊臣秀吉が死去して、きな臭くなってきたところで終わるんだけど、匡介と彦九郎、そして高次のいる大津城はどうなるのか、また、そこに匡介はどう関わってくるのか。
    下巻読むのが楽しみ!

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    2025年02月06日
  • 塞王の楯 上

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    ネタバレ

    下巻までの感想を含みます。胸熱!そしておもしろかった!戦国の世を終わらせるためには、を突き詰めた対極の天才2人が対峙するくだりが熱すぎた。賽の河原がここで繋がるのか!という伏線も気持ちよかった。主人公はじめ、登場人物も魅力的な人が多いのです。なので読みながら死んでくれるな…!と何度も祈ってました。そういう意味では戦国時代の物語なのに比較的人が死なないし、割とハッピーエンド的な最後が個人的に好みでした。

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    2025年02月03日
  • じんかん

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    途中で中弛みするかなと思ったんだけど、ぐいぐいと松永久秀の魅了を描ききる物語展開が素晴らしく、後半はのめり込むように読んでいました。松永久秀に対する印象が180度変わった著作でした。物語として面白かったです。

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    2025年02月01日
  • 八本目の槍(新潮文庫)

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    賤ヶ岳の七本槍、それぞれの視点から石田三成を描いた作品。
    各エピソード単体だけでも面白いのに、全話を通して八本目の槍という存在を見事に表していて、思わず唸るようなお勧めな一冊。

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    2025年02月01日
  • じんかん

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    ネタバレ

    これまで持っていた「松永久秀」の人物像とは全く違う切り口で描かれており、このような捉え方もありうるのかもしれないなと思いながら読んでいた。
    そして、又九郎同様、自分も松永久秀の生涯に引き込まれていっていた。

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    2025年01月27日
  • 風待ちの四傑 くらまし屋稼業

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    くらまし屋シリーズもこれが集大成と思って読みましたがまだ完結編にあらず。
    まだまだ物語は続くと思うとありがたい限りです。

    今作は人間離れした猛者のオンパレードでお腹いっぱい。
    そして平九郎がそれにも増して強すぎる。
    しかし不自然さや嫌味のない強さであるのが憎い。

    これまでにも増してとても読みやすい一冊でした。

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    2025年01月27日
  • 湖上の空

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    ご縁をいただき今村翔吾さんの講演会を聴かせていただく予定があり、今回こちらを拝読させていただきました。
    今村翔吾さんのことがよくわかる素敵なエッセイでした。
    生まれは京都ですが、滋賀に住むことを愛し、本を愛し、ご縁をすごく大切にする方だと感じました。
    生い立ち、両親、兄弟、幼少期、転職、出会い、30歳に小説家を目指すようになるまでや直木賞受賞のことなど赤裸々に書かれてある。それはそれは今村翔吾さんの魅力がたっぷり詰まっており、一気にファンになりました。
    私は歴史が学生の頃から苦手ですが、湖上の空を拝読させていただいて、今村さんの歴史・時代小説を読みたい欲が突如出てきました!不思議なものです。

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    2025年01月25日
  • 襲大鳳(下)――羽州ぼろ鳶組

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    読み終わってしまった、、、、。現行シリーズの途中に挟まれた「第0巻」からのエピソードも継承しつつ、上下2巻に渡る大きな物語。オールスター登場で読み応え抜群。心震える場面も多数。若手の台頭もあって、ああ、自分の世代交代の時期なんだなあという感慨も。とにかく面白かった。NHKでドラマ化してほしい。

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    2025年01月23日
  • 黄金雛――羽州ぼろ鳶組 零

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    ぼろ鳶シリーズの第0巻。現行シリーズで大活躍している中心メンバーの若かりし頃のエピソード。誰にでも若い頃があって、青くて無鉄砲で純粋で、なんだかうらやましい。現行シリーズの秘密の発端になった出来事やそこへ続く新たな伏線。ストーリーも魅力的で、やっぱり面白い。これは時代小説なんだけど、江戸時代の火消しのワンピースなんだな。

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    2025年01月23日
  • 童の神

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    ネタバレ

    平安時代に「童」と呼ばれ京人から蔑まれていた人たちの、差別なき世の中を熱望し戦って行った人たちの物語。過去の書物から着想を得ており、フィクションではあるものの、歴史書みたいであり、面白かった。
    童とは、京人ではない、地方に元から住んでいた人たち。京人に従わないと言う理由で迫害され、鬼や土蜘蛛といった妖の名前を冠せられた人たち。妖の裏にはこのような背景があるのがとても悲しかった。
    また、京都での最後の会談に際し、最後まで信じる桜暁丸が格好良かった。自分のせいではないにしろ、これがお前らの結論か、と言われた綱はとっても哀れであった。その心の整理のための放浪なのかもしれないが。

    後書きにて作者さん

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    2025年01月21日
  • 八本目の槍(新潮文庫)

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    様々な角度、話を元に一般的な三成像を覆す。そして、伏線回収。
    筆者の得意な形と分かっていても面白い。
    何処までが実話で、想像かは分からない。

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    2025年01月13日
  • 童の神

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    平安時代、人と鬼との長年に渡る戦いを描く時代小説にして、2018年の直木賞候補作品。

    当時の直木賞審査員の宮部みゆきさん曰く、「まつろわぬ者たちが自由を求めて戦い抜く平安版『ワンピース』」との通り、少年マンガばりの熱量でした。

    異なる者たちの共生というテーマ、思いや失われつつある技術の継承など、現代に通じるものもあり、中には当然足を引きずる者もいて、改革の難しさを改めて感じました。

    450ページ近くの文章量ですが、夢中で読めて、
    年末の旅行の相棒として楽しませてもらいました。

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    2025年01月05日
  • 恋大蛇――羽州ぼろ鳶組 幕間

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    ネタバレ

    2024/12/26
    今年の締めくくりは当然これでしょう。
    ぼろ鳶最高やった。もっと書いて欲しい。
    3話の短編。
    偽名で暮らしてる島流しの彼は誰やろう。
    記憶力のいい人ならすぐ思い当たるんやろうけど、私は記憶力も予測力もないとてもいいお客さんなので、明らかにされたときは「転!!」って叫んだものね。
    表題作は弾馬の話。弾馬結婚するってよ。ひゅーひゅー。
    3作目は黄金の世代が不在の江戸のお話。
    次世代は地味だけどいい仕事するんですよ。
    どれも面白くて大満足。
    私ずっとこのシリーズ読んでたいんですけど。

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    2025年01月05日
  • 海を破る者

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    時は鎌倉、大事変の元寇
    またまた、「そんな人物がいたんだ」と言うところを取り上げ、著者流に盛りつけた逸品
    すごく良かったです

    現代も広い視野を持って寛容な社会であればと、思わずには・・・

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    2025年01月05日
  • 八本目の槍(新潮文庫)

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    初めて読んだ歴史小説。
    戦国も歴史もゼロベースの興味と知識で、読破できる自信もゼロで読みました。
    今村翔吾さん、すごいです。
    あっという間に引き込まれ、手が止まらない。
    後半は涙が止まらない。
    私が戦国武将の世界観にどっぷりハマるきっかけになった1冊です。
    武将の名前と幼名がなかなか一致しないので、ネットで検索して照らし合わせながら読みました。

    どの角度から見るかによって、悪人にも善人にも捉えられるのが歴史ものの面白さだと思うのですが、ここに出てくる8人の武将たちの人となりは、このあと戦国小説や大河ドラマを見るにあたって「基準点」となった気がします。

    この小説から戦国好きが始まったので、好

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    2025年01月02日
  • じんかん

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    ネタバレ

    一年の終わりに人間を深く考えさせられる作品に
    出会えて満足である、語り部が信長という無駄に
    豪華な状況は奇をてらったものではなく、松永久
    秀と信長の共通する「人間が意に沿わぬ運命に流
    される事に抗う(特に神仏が仮想敵)」魂の形

    寺社など人に善悪を吹き込む最たるもの(作中)
    自分を善と思えば容赦なく悪を叩く、現在のSNS
    に繋がる気持ちで読んでいた

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    2024年12月28日
  • 恋大蛇――羽州ぼろ鳶組 幕間

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    羽州ぼろ鳶シリーズ。3作からなるスピンオフ短編集。
    どの話も火消しの熱き男たちの話で胸踊る。
    どのキャラクターも個性豊かで感情が入り込んでしまう。

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    2024年12月26日