阿津川辰海のレビュー一覧
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ネタバレ『非日常の謎』をテーマにしたアンソロジー。
凪良さん目当てで読んでみました。で、あ、知ってるお話だった。という感じ。
でも他の作家さんの作品にもふれることができて良かった。
好きだったのは「これは運命ではない」シリーズの中の一つなので、物足りなかったが、他の作品が読みたくなった。
「この世界には間違いが七つある」はユニークな発想だった。間違い探しの中のくまちゃんの独白。
「この世界には間違いが七つある」芦沢 央
「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海
「どっち?」木元哉多
「これは運命ではない」城平 京
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ
「表面張力」凪良ゆう -
購入済み
「新本格」ブームを思い出した。
2022年4月読了。
ココのレビューを書いている皆さんは、かなりお若い方々なんでしょうね。中盤から終盤にかけての、探偵と元(?)探偵のやり取りを読んでいて、若干気恥ずかしい様な、ムズムズする感覚を憶えたのですが、皆さんのレビューを読んでいて色々と思い出しました。
20年程昔に成りますが、島田荘司先生が音頭を取って、講談社と仕掛けて大成功を納めた「新本格」ブームと云う事象が有りました。
その中でも、内省的な作風で他者とは明瞭に異なっていた「法月綸太郎」先生の著作を思い出したからです。
『名探偵は「推理マシーン」で良いのか?!』と云う、フィクション(虚構)の中なのに、「真実を導 -
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ランダムに未来を予知できる水晶が存在することを前提にしたミステリ。ファンタジー寄りの設定だけれども、水晶を特異な発明品と考えれば、発明品の存在だけが現実世界と異なっているタイプのSFミステリと見なせる。で、この設定をトコトンまで使い尽くした作品という気がする。終盤に探偵役が見せる推理は、ガチガチにロジカルなものなのだけれど、水晶が存在しなければ産まれない論理なのだな。犯罪そのものも、その動機も水晶に深く結びついている。読み物としてみた場合、その点でも評価の高かった阿津川作品としてイマイチな感もあるのだけれど、ここまで圧倒的論理を繰り出されては感服するしかないなあ。
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凪良ゆうさんの短編を読みたくて手に取った本。
日常の中にひっそりと潜む謎の世界を6人の作家が綴る短編集。
どれもちょっと怖いお話ばかり。
それぞれ面白いけれど、やはり凪良さんの短編が好き。
表面上は何の変哲もない平和な日常。
登場する人物はごく普通の人たち。
下宿の管理人と、作家の弟。
かつてその下宿に住んでいた女性。
お寺の長男と よくできた嫁。
そして、お寺の次男は幼稚園の園長。
下宿を取り壊す過程で発見された謎のお札が軸になって話が進む。
お札の発見以外、特に何かが起こるわけではない。
ところが、それぞれの人物の独白を読み進めるうちに、
そこはかとなく怖いものが迫って来る。
最後の -
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非日常をテーマにしたアンソロジー。
『十四時間の空の旅』は飛行機が舞台。
主人公は、小学五年生で親の都合によりアメリカに渡り、また高校一年の途中で日本に戻る…。
これは思春期の子供には辛いことだろう。
私が通った学校にも帰国子女と呼ばれる子はいて、仲の良かったギャルは英語が得意だった記憶がある。
でも、みんな小学生で日本に戻ってきてから受験しているから、英語を褒めても「使わなきゃ忘れる」と、ちょっとうんざりした顔をしていたような。
本作の主人公は、中途半端な語学力、日本式の発音で辛い思いをした。
アメリカではガイジン、日本では垢抜けて英語が得意なことを期待され、しかし仲良しグループはすでにで -
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ネタバレ【収録作品】「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ/「表面張力」凪良ゆう/「これは運命ではない」城平 京/「どっち?」木元哉多/「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海/「この世界には間違いが七つある」芦沢 央
「表面張力」は不穏な雰囲気のまま終わるので、この先を読んでみたい気になる。『すみれ荘ファミリア』の番外編らしい。「これは運命ではない」は、「虚構推理」の番外編。本編を知らないと設定に戸惑うのではないか。知っていると楽しい。「成人式と…」は、優秀な兄にひがむ弟の構図。著者はこの関係にこだわりがあるように感じられる。「この世界には…」は、ちょっとひねった世界で面白い。 -
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ネタバレ阿津川辰海さんの『自分の好きなことを好きなようにやりました!ドーン!』という勢いと熱量を感じる作品。唐突にファンタジーの世界になった時は少し戸惑ったけれど、その設定を無駄にせずしっかりと物語を紡いだところがテクニシャンだなと感じる。
また、名探偵・阿久津透を始めとするそれぞれのキャラクターを『映え』させる力が凄いなとも思う。実写化に向きそうだなと。
少し細かい道徳的な話しをすると
・いくら他人を庇うためとはいっても探偵が事件の証拠に手を加えちゃいけないし真実を隠蔽してもいけないと思う
・早苗を殺害してないことは分かったけれど、じゃあ犯人に自首を促すため手紙を出して自殺に至らしめたこととか火村 -
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「夜半のちぎり/岡崎琢磨」
シンガポールの新婚旅行で奥さんが殺される。そこで元カノも結婚していて、彼と来ている。その彼が実は今の奥さんとも付き合っていて犯人というだけの話。
「透明人間は密室に潜む/阿津川辰海」
これは力作ですね。なぜか肌が透明になる人たちが現れてきて、そうなると透明人間は不便。人とぶつかるし、食べ物は見えるし、病院で患部の診察もできない。それでメイクを施すことになる。透明であることを利用して殺人事件を試みるのが出足。倒叙ということになる。身体に吸収したものは老廃物でも透明だがそれ以外は見えてしまうので爪の間の垢、歩いた時についた泥なども危ない。人通りの少ないところを探すのに -
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あくまで初心者の感想
推理もの初読みでした。
作者はあえて描写を省くことで謎を作っていたので、タネ明かしされたときは驚きましたが、同時に初めから読書に謎を解かせるつもりはなかったのだなと思い、不満にも感じました。
それより気になったのは女性キャラです。
男性が書く女性キャラが「~だわ」とか「~よ」とかは、こんな女性は現実にいないよと思いつつもそんなものだと割りきれますが、女性が乱暴な言葉を使うのは違和感が強すぎました。
こんな女性、まず現実にいませんよね。それがフィクションの醍醐味では?と言われたらそれまでですが、フィクションが過剰で話に入れないなら本末転倒だと思います。
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