夏目大のレビュー一覧

  • 脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしさ

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    脳の発達は遺伝子と環境の相互作用という形をとる。

    1.ニューロンが処理の遅い、信頼性の低いプロセッサである
    2.脳が 古い脳に新しい脳をかぶせる という非効率な作り方をされている =アイスクリームのコーン
    3.ニューロンが大量にあるためにニューロンどうしをどのように接続するか(個々のシナプスをどのようなものにするか)を遺伝子であらかじめ逐一決めておくことが不可能になった

    遺伝子の記憶容量に限界があるため、細かい配線に関しては、遺伝子ではなく、環境に頼らざるを得なくなった。
    人間は他の動物に比べて大人になるのにはるかに時間がかかるが、それは配線に必要な経験を積むのに時間がかかるためと考えら

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    2021年05月17日
  • CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる

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    【私が伝えたいのは、世界で最も嘘をつく必要に迫られているであろうCIAの諜報員でさえ、なるべく嘘をつかないようにしているという事実だ。真実をいっても問題ないときに、わざわざ嘘をいって状況を複雑にするのは危険だからである】(文中より引用)

    CIAで用いられる諜報や組織運営の手法が、ビジネスの分野にも応用できるとして紹介していく作品。一見すると共通項がないように思える二つの分野をつなぐ架け橋とは......。著者は、スターバックスなどの民間企業でのキャリアも有するJ・C・カールソン。訳者は、システムエンジニアとしての経験を持つ夏目大。原題は、『Work Like a Spy: Business

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    2021年01月28日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    『タコの心身問題』ピーター・ゴドフリー=スミス著、夏目大訳(みすず書房)なんだか色々煮詰まったので、タコに会いに。タコの本にジャズやカンディンスキーが出てくるなんて。笑 タコになったらどんな気分?というシンプルな問いから進化への深い問いかけへ。なんだか癒された。面白かった。#読書 #翻訳 #タコ#進化 #petergodfreysmith

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    2020年12月07日
  • 天才科学者はこう考える―――読むだけで頭がよくなる151の視点

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    一流科学者たちが、「我々にとってこれは常識なんですけど皆さんは違うんですよね」というネタをエッセイの形で紹介する。

    認識論や因果論でなるほど、というもの多数。

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    2020年11月15日
  • 人類が絶滅する6のシナリオ

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    人類が絶滅する6のシナリオ: もはや空想ではない終焉の科学。フレッド・グテル先生の著書。スーパーウイルス、大量絶滅、気候変動、食糧危機、生物兵器、コンピュータの暴走。どれも空想でも妄想でもなくていつ現実になってもおかしくない問題。温暖化問題や地球環境問題への対応と同じく自然や他の生物に対して傲慢ではなくて謙虚に接して、人間同士でも傲慢ではなくて謙虚な気持ちで解り合う努力なしでは、本当に人類が絶滅してしまう日もそう遠くはないのかもと思わされました。

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    2019年06月16日
  • あなたの人生の意味 下

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    下巻も素晴らしい。この本の効用は、過去の人物を新たに知ることができることだ。名前だけは知っている有名な偉人から、アメリカでは著名な人物かもしれないが、あまり知られていない人物の生きざまを躍動的に、淡々と語ってくれている。
    著者も触れているが、いつの時代でもカウンターカルチャーを叫ぶ人がいて、その活動は一目を置かれる。本書もある意味カウンターカルチャー的な本である。現代の主流であるアダムⅠを称賛するものではなく、アダムⅡを称賛している。
    アウグスティヌスの『告白』をはじめ、本書に登場する書物を読みたくなる。
    しかし、我が家の一画には、まだ読まれていない本が多々あり、そちらから読むべきなのだ。寝る

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    2019年04月18日
  • あなたの人生の意味 上

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    人間の美徳は大きく分けて二つあると著者は語り掛ける。一つは「履歴書向きの美徳」。キャリアで成功を勝ち得そうな他人から見てわかりやすいもの。もう一つは「追悼文向きの美徳」。あなたの葬式の時に、集まった人たちの思い出話の中で語られる美徳。より奥深く人間の核となるもの。前者をアダムⅠ、後者をアダムⅡと呼び本書はアダムⅡの本だとはじめに示される。もう、この文を読んだ時から興味深々、手に取って読まずにはいられなくなる。そして、アダムⅡを大事に生き抜いた人を一人一人丁寧に紹介していく。とかく、アダムⅠに注視し、もてはやしがちだが、どちらのアダムも大切な美徳なのだ。現代社会で忘れがちなアダムⅡを実践すること

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    2019年04月09日
  • あなたの人生の意味 先人に学ぶ「惜しまれる生き方」

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    「あなたの人生の科学」の著者による本。この本もわたしにおおきな影響を与えてくれたが本書も同様であった。

    まず「人間には本来、2つのプロフィールがあるが、現代はそのうちの一方だけが偏重されている」と主張。
    2つのプロフィールとは「履歴書に書かれるプロフィール」(アダム1)と「追悼文に書かれるプロフィール」(アダム2)。
    どの学校をでてキャリアや栄達や立身出世は前者、後者は追悼文で語られる。
    「ほんとによいひとだった、やさしかった、あいしてくれた、わかちあってくれた」的な人格に関することがアダム1。
    いくらキャリアをつみかさねた仕事的にすごいアダム2のすごい人でも、自己中心的でやさしさが

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    2017年09月30日
  • 新・100年予測 ヨーロッパ炎上

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    『今のEUを見ていると、父の言葉を思い出す。EUとはまさに「何もなかったことにしてしまう」ための機関だからだ。もちろん、皆、過去に何があったかは知っているし、その過去に嫌悪感を抱いていないわけではない。

    過去に起きたこと、見聞きしてきたことはすべて踏まえた上で、長らく存在してきた悪魔をヨーロッパから切り離そうとする試み、それがEUなのだろうと思う。

    ただ、一方で、歴史を超越するなどということがそう簡単にできるのか、とも思う。この本では、ヨーロッパの暗部に目を向けて行く。』

    素晴らしい作品。和訳のタイトルがちょっと違うよなぁ〜、って思うけど…。
    『100年予測』とは全然違う。もっと奥深いも

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    2016年12月22日
  • 新・100年予測 ヨーロッパ炎上

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    地政学の考え方は地理と歴史がその国の将来の戦略を方向付けるというものだが、まさしく理論ずくめでストーリーがつながっていくさまは爽快。特にルターの考えのところ、個人による聖書の解釈から、宗教に対する自然科学の興りに繋がり、大航海時代背景もあいまってとついにはヨーロッパに世界を征服する力と思想をもたらしたという流れは非常にしっくりくる。

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    2016年12月03日
  • 新・100年予測 ヨーロッパ炎上

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    新100年予測と言うタイトルはミスリーディングだが、ヨーロッパの歴史を紐解いて、同地域の現在そして近い将来の行く末について深い考察を与えている。現代ヨーロッパを知るにはもってこいの一冊。

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    2016年04月23日
  • 新・100年予測 ヨーロッパ炎上

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    ネタバレ

    「人間が戦争をするのは、愚かだからでも、過去に学んでいないからでもない。戦争がいかに悲惨なものかは誰もが知っており、したいと望む人間はいない。戦争をするのはその必要に迫られるからだ。戦争をするよう現実に強制されるのである。ヨーロッパ人はもちろん人間なので、他の地域の人間と同様、あるいは過去の彼らと同様、いつでも悲惨な戦争を選択せざるを得ない状況に追い込まれる可能性はある。戦争か平和か、その選択を迫られる時は来る。ヨーロッパ人は過去に何度も戦争を選択してきた。今後も選択する時はあるだろう。まだ何も終わってはいない。人間にとって重要なことは、いつまでも終わることはないのである。」(411)

    その

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    2016年01月03日
  • 新・100年予測 ヨーロッパ炎上

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    「100年」予測ではないものの、歴史をさかのぼることにより、ウクライナ、キプロス、トルコ等、現在ヨーロッパが抱えている様々な火種(Flashpoint)を指摘する。現在は過去の上にしか成り立たない、ということを改めて認識させられる一冊。

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    2015年08月19日
  • CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる

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    本書はCIAの情報入手方法や危機管理について記されています。

    しかし最大の特長は、日本の物書きでインテリジェンスに1番詳しいか1番有名な佐藤優氏が本書の解説などでベタ褒めしていることにあります。

    氏曰く
    「間違いなく日本語で読める最高の一冊だ。これ以上わかりやすく書かれた本を私は知らない。」
    「本書に記されているノウハウは、いずれも実行可能である」
    「インテリジェンスの世界に共通する普遍的な技法が、一般のビジネスパーソンが再現可能なレベルにまで落とし込んで書かれている」

    金を貰って褒めるのは当たり前でしょうが、彼の得意分野で誤ったことを書くと、きっと次の仕事は無くなるでしょう。
    著者は

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    2014年09月20日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    次の住処を見つけて何時間もお尻でダンスをするハチ、弱さを見せないために無表情を保つウシ、挨拶代わりに顔に放尿するロブスター、クスッと笑えて、楽しみながら読める。
    人間だけが言葉を話せるとか、最も知性が発達しているとか思ってしまうけど、動物も我々が思っている以上に知性を働かせていることがわかる。社会的な行動について、人間と重ねながら考えられる。

    個人的には写真付きの図鑑よりも読みやすいし、心に残ると思った。

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    2025年12月17日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    動物及び人間の感覚についての研究

    様々な動物の驚くべき感覚能力が人間と比べながら紹介されており、それだけでも興味深い内容であるが、そもそも人間の五感という思い込み自体を考え直させてくれる示唆に富んでいる

    私たちの脳は、周囲の現実の驚くほどわずかな部分だけを感知するようチューニングされている。おそらくどの生物も自分の環世界を、そこにある客観的現実のすべてたと感じている

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    2025年12月16日
  • シカゴ・ソウルはどう世界を変えたのか――黒人文化運動と音楽ビジネスの変革史

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    本書はシカゴの音楽を単純に紹介するものではなく、シカゴという都市の発展と音楽の関係、公民権運動の流れも一緒に追いながらシカゴの音楽を語っているのがユニークでした。
    私はカーティス・メイフィールドの音楽が大好きです。
    第一章の頭からカーティス・メイフィールドとインプレッションズのデビュー前の話しから始まり熱くなってしまった。50年代、60年代のアメリカの白人による差別は酷かったとよく聞きます。そんな中、黒人アーティストが音楽ビジネスに参入して世界中にその活躍を示していく姿が描かれています。
    また、カーティスが運営していたカートムが、音楽出版から始まっていたのも知りませんでした。まだ自分の作品が少

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    2025年12月06日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    ネタバレ

    動物が持っている感覚を調べることで人間との同一性や違いを解説する。五感だけでなく12の感覚を持つとも考えられているとのこと。時間感覚や方向感覚、平衡感覚、身体感覚など、言葉として◯◯感覚というものがあるものは認識されている感覚だが、まだ言葉になっていない感覚もたくさんあるかもしれない。そんな生物の感覚機能に驚きを感じた。そして人間の感覚機能って実はすごいものだとも驚いた。

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    2025年12月06日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    辞書…??って思うぐらいに分厚い本で、初めは面食らったけど、とても面白くて飽きずに読めた。

    この世には賢い生き物がこんなにたくさんいるのか、と驚いた。
    みんな違って面白い。

    ウォード博士も似たようなことを仰っていたけど、人間が一番優秀な生き物だとかつい思ってしまうけど、どの種もそれぞれの生き方に合わせて進化してきただけであって、今地球で生き延びている時点で上も下もないのだな〜と思わされた一冊だった。

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    2025年12月05日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    学生の時、人間には5つの感覚(視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚)があると教わった。
    第6感としてテレパシーのような不思議な能力も話題になってきた。

    だから、12の感覚って何?というのが最初に抱く興味。
    内耳は音を感じる以外に平衡感覚を感じているし、筋肉は自分の身体が何処にあるかを知らせる役割も持っている。
    他にも正義感、罪悪感、喪失感など、いろいろな感覚を定義することはできる。

    ただ「感覚とは何か」が定義されていないので、感覚の数を数えることに科学的意味はない。
    本書の原書のタイトルにも12という数値は入っていない。
    時間感覚や方向感覚といったテーマで12章に分けて書かれているので「12の感覚

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    2025年11月26日