あらすじ
生き物たちは、驚くほど人間に似ている。
ネズミは冷たい雨に濡れた仲間を助けるためにわざわざ出かけるし、シロアリは女王のためには自爆だっていとわない。カケスは雛を育てるために集団で保育園を運営しているし、ゾウは亡くなった家族のために葬儀を行う。
あまりよくない面でいえば、バッタは危機的な飢餓状況になると仲間に襲いかかるし、動物園の器具を壊したゴリラは怒られるのが嫌で犯人は同居している猫だと(手話で)指し示す・・・といったように、どこか私たちの姿をみているようだ。
過酷な自然界において野生動物たちは生き残りをかけて日夜闘いを繰り広げている。しかし、それだけではない。野生動物たちは仲間と助け合って種をつないできた。
本書は、シドニー大学の「動物行動学」の教授であり、アフリカから南極まで世界中を旅する著者が、好奇心旺盛な視点とユーモアで、動物たちのさまざまな生態とその背景にある「社会性」に迫りながら、彼らの知られざる行動の数々、自然の偉大な驚異の数々を紹介する。
人間もまた社会性動物であり、生き物たちは、驚くほど私たちに似ている。
動物への古い固定観念を取り払い、あなたの「世界観」が変わる瞠目のある書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
とても興味深く、引き込まれる内容でした。
社会性が強い生物がこれほどまでに多いことに驚いたとともに、様々な生態が面白く、もっともっと知りたいと思えました。
人とその他の生物には質的な違いはなく、量的な違いしかないという言葉が印象的で、同じ星に住む仲間として、彼らのことをもっと尊重して生きていく必要があると痛感しました。
Posted by ブクログ
少しでも生物学に興味がある人に読んでほしい一冊。
本書では動物の社会的行動について研究した事が書かれていますが、決して読みずらいものではなくむしろ凄く親しみやすいものでした。
様々な動物について書かれていることもその理由の一つですが、まず始めに上げたいのは文章が細かく分けられていることです。大きく九章でまとめられていて、章ごとにそれぞれ見出しがついた文章で区切られているので、分厚い本ではあるが少しずつ読み進めることができて有難かったです。
また、ただ調べた事を書き連ねているだけでは無く、著者が実際に体験した事や思った事をユーモアも交えて紹介しているため、より親しみが湧きやすくなっていました。
私は本書の中でも特に「世界一ハチに刺された男」というのがお気に入りで、何度も読み返してしまいました。
Posted by ブクログ
700ページくらいある分厚い本書だが、最初から最後まで大変興味深く読んだ。手首が若干痛くなるのだけが欠点か。
動物の行動やその理由を紐解く内容で、様々な動物が登場する。これだけの知識を得るのに、著者は一体どのくらいの時間を費やしたのかと思うと頭が下がるし、知識を惜しみ無く分け与えてくれることに感謝する限り。
動物は思ったより、他者との関わりの中で生きていた。他者に依存したり、上下関係があったり、仲間の死を悼んだりと、まるで人間と同じ。(人間も動物なのだから、彼ら動物と分けて考える必要はないが、人間しか知らないのでどうしてもこういう感想になってしまう。)しかも、人間より好ましく思える部分もあった。
例えば、「ハイエナの社会は雌が優位」という点は羨ましい。人間を含めほとんどの動物は雄が優位だが、ハイエナ社会は完膚なきまでに雌が上位にあり、最下位の雌ですら雄より上のポジションとなるらしい。
動物は他者との関わりなく生きられない。人間を含むすべての動物がそうなのだ。それって、大変なことでもあるが、素晴らしいことだと思う。
Posted by ブクログ
どの動物の「ひみつ」も面白くてどんどん読み進めてしまう。クジラが口を閉じるときに、オキアミは口からだいぶんこぼれてしまうので、何度も何度も口を開けては閉じる動作をするとか、相転移するバッタのこととか、アリとシロアリは別物などなど。惜しい点を上げるとすれば、原題の「The Social Lives of Animals」が『動物のひみつ』っていうタイトルになってしまったこと。あといかんせん長すぎるので2分冊くらいにはしてほしかったということ。トラガルファー海戦の信号旗による情報伝達は。LOTRの狼煙での情報伝達の場面を連想した。
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白い!魚類から哺乳類まで色んな生き物の生態が分かりやすく書かれている。時には、知りたくなかったなと思う生態もあったけど、それも含めて生き物に対する興味が深まる一冊だった。また、最後に筆者が人間は分類したがる生き物であるという事を述べていて、とても共感できた。
生き物が好きならぜひ読むべき一冊。
2千円でこのボリュームは素晴らしい。
Posted by ブクログ
とにかくボリュームがあり、間欠的に読んでいたため始めの方は大分忘れてしまった。オキアミから人間まで生物全体を網羅した研究の集大成が読みやすく綴られている。
アフリカのライオンやハイエナの話、シャチの話、動物の鳴き声(警戒声)の話、オキシトシンの話など、他の本の内容と被るところがあり、記憶により深く刷り込まれた。
ゾウが可聴下音で最長10kmも離れた仲間と会話ができると知って驚いた。
Posted by ブクログ
動物の「社会」をテーマにした作品
タイトルが没個性化していてプレゼン能力を失っているように思います
類人猿にまでいくと、人間の社会ともまともに比較できるようなります
偶然と必然
いやなことをどう改善すればいいのか、できるのか、できないのか、ヒントが見つかります
Posted by ブクログ
社会性の高い動物についてはいくつか知っていたものの、人間のそれと同等の複雑さを持つものはいないのだろうと漠然と思っていた。
そんな考えを覆す事例の数々に出会ったことで、まだまだ知らないことがあるのだなと気づくことができた。
単純に動物好きな人にとっても面白い本だと思う。文章も難しすぎることはないので、小学校高学年から中学生くらいでも読めそう。
Posted by ブクログ
オキアミもストレスはかんじる
相当面白い。
あのちひさなオキアミから話がはじまって広がる世界は、広大で壮大で、この地球がとてもつもない長い年月の果てに、多様な種を獲得し、生存していったことのあかしが実感される。
知的昂奮は相当ある。
オキアミを例にとってみよう。じつはオキアミは逃げるのが速いのだといふ。クジラがやすやすと大口あけて食べる――そんな無慈悲な弱肉強食は存在せず、クジラも苦労してオキアミを食べてゐる(!)。
Posted by ブクログ
オキアミにはじまり、シロアリ、ミツバチ、魚類に鳥類、ドブネズミにゾウ、ライオン、クジラやシャチ、それから霊長類。
様々な動物の社会性と行動を、とても平易にユーモアに教えてくれます。
「どうぶつ」と聞くと愛らしい様子を微笑ましく読んでいられそうですが、そこは現実。しばしば残酷で暴力的な光景が淡々と下品にならずに描写されていて、軽薄な好奇心に冷水を浴びせられます。
約700ページという、つい二の足を踏んでしまいそうな鈍器級の厚みですが、ためらわず手に取って読んでみてください。視点、視野、視座、、、何かが変わる、かも?
Posted by ブクログ
初めはふーんと思って読み始めたが、オキアミでおおっとなり、アリで心を掴まれた。シロアリの生き様に感動し、虫に対してこんな気持ちを抱くとは思ってもいなかった。
Posted by ブクログ
日本語題は直訳のほうが良いのではと思う。翻訳も良くて内容も面白くて一気に読ませる本だった。エピローグだけは、一工夫欲しかった。人間を動物として観察するのが、実験心理学であり、文化人類学なのだという思いが強くなる。
Posted by ブクログ
昆虫から魚に鳥、哺乳類に至るまで多様な動物には社会性があるのか、ある場合はどういうコミュニケーションをとるのかを専門知識なしで楽しく知ることが出来る。イメージの悪いネズミやハイエナの意外な特長などもこれ1冊で知れてお得です。
Posted by ブクログ
集団で生きることで種の存続に成功している動物は多い。
この「動物行動学入門」は、動物の社会性、協調行動を調べたもの。
オキアミから始まり、ゴキブリ、バッタ、アリ、ハチ、魚、鳥、ネズミ、ゾウ、ライオン、オオカミ、ハイエナ、クジラ、イルカ、シャチ、サル、ヒト
といった感じで、実に多種多様な生き物の集団を観察した記録になっている。
知らなかったことや、どこかで聞いた気がすることが満載で面白かった。
専門知識は不要で読みやすかった。
これら動物の行動と人間の群衆の行動との類似性が分かる。
人間と他の動物との違いは本質的なものではなく、単に程度の違いに過ぎない。
例えばアリは、農業・酪農・建築を行う。
奴隷を作ったり搾取したり、働かなかったり、ほとんど休んでいたり、人間と似ている。
魚の群れは互いに衝突しない。
飛んでいる鳥の群れも同様だ。
これは、見るたびに不思議だなーと思っていたが、
・最も近くにいる者との距離が近すぎる時は、離れる。
・最も近くにいる者との距離が遠すぎる時は、近づく。
・最も近くにいる者との距離が適切である時は、その者と同じ動きをする。
の3つのルールを守っているだけのようだ。
群れることで、エナガやペンギンなどは寒さをしのいでいる。
また、ムクドリなどは捕食者から身を守っているらしい。
集団でいることで生存率が上がるのだ。
だが、集団を作る数には適切な量がある。
ネズミでの実験では、一定以上に密集度が進むと協調性が減り攻撃的になった。
この傾向は多くの生き物でみられ、人間でも同じだ。
自分が自由にできる資源の取り分が減るからだろう。
集団をつくる社会的動物は、50程度の個体の識別ができるそうだ。
社会秩序を築くために必要な能力なのだろう。
牛や羊などは同種ではない、身近にいるヒトの識別もしている。
ヒトの識別は匂いかと思いきや"顔"で見分けていることもわかっている。
集団生活にはコミュニケーションが欠かせないが、類人猿では30程の敵対動物を区別して鳴き声を変えて仲間に伝えている。
シジュウジカラのようなトリでも鳴き声を使い分けて異なる情報を伝えている。
ヒトだけが言葉を持っているわけではない。
人間の歴史が戦争の連続であるのはDNAに「殺しの本能」があるから?
そう決めつけるのは嫌だが、暴力的傾向があるのは確かだろう。
だが協力し合い共存していこうとする性質を持っていることも確かだ。
人間は、他人と接触できない孤立した状態に置かれると、幻覚を見るようになり、心が壊れていく。
これも人間に限ったことではなく多くの動物に当てはまるようだ。
孤独でもいけないし、多すぎてもいけない。
生き物は、ストレスがないと、何もしなくなるという傾向もあるらしい。
僅かなストレスと、適量な人間(や動物)との関係を維持して生活することがいいみたいだ。
Posted by ブクログ
The Social Lives of Animals
英文タイトルの通り、動物の社会性についての本、
エピソードが多く楽しく読める。
登場する動物は以下の通り
コウモリ、オキアミ、バッタ、ゴキブリ、ハチ、シロアリ、アリ、イトヨ、タラ、グッピー、アジサシ、スズメダイ、ピラニア、バショウカジキ、イワシ、ムクドリ、シュバシコウ、ハト、アオガラ、カレドニアガラス、ハタオリドリ、エンペラーペンギン、フロリダカケスニワトリ、ワタリガラス、マツカケス、ネズミ、ハダカデバネズミ、オーロックス、牛、象、ジャッカル、ライオン、ハイエナ、オオカミ、マッコウクジラ、シャチ、バンドウイルカ、ザトウクジラ、ベルベットモンキー、ヒヒ、チンパンジー、ゴリラ、マカクザル、ボノボ
Posted by ブクログ
社会性を焦点に動物たちの行動を紹介している。
特にネズミの項は興味深かった。
ボリュームのある本だが、値段にボリュームはないし
読みやすいし面白い。買って損はないと思う。
…合わなければ枕になるし。
Posted by ブクログ
バッタの相変異についてがすごく興味深くて一気に引き込まれた。
動物ってこんなにも雌と雄の役割が分かれているのだから、人間が男女平等を目指しているのは動物の世界からすると不思議なことのように感じた。
オキアミから始まりボルボ、チンパンジーで終わるわけだが、類人猿との親近感を感じた。
Posted by ブクログ
図鑑のような楽しさがあるが、写真はまったくない。ぽつりぽつりとイラストが掲載されているが、あとがきによればこれは日本語翻訳版オリジナルだそうな。博物学の楽しみを伝えるには写真は不可欠だと思う。「モモアカノスリのように、木の少ない荒涼とした土地で獲物を探すため、何羽かが積み重なって生きたトーテムポールのようになる鳥もいる。」とか書かれてたら写真で見たいじゃんよ。ぐぐっても見つからんし。
だがまあ、文章だけでも十分楽しめた。内容は多岐にわたり、原題"The Social Lives of Animals"にふさわしく、海洋生物から霊長類まで、社会性を築く動物たちについてエッセイ風にまとめられている。
ニワトリ
ニワトリの間には序列があるという。『動物のお医者さん』を思い出した。ヒヨコどうしで遊んでいるように見えても、それは序列決定の争いなのだという。
ネズミ
カルフーンの研究。「行動シンク」。ネズミが過密状態になると、行動に病理学的な影響が出るという現象。
ライオンはプライド。ハイエナはクラン。オオカミはパック。いずれも群れを指す。内実は似て異なる。
オオカミは生涯伴侶を変えないというが、群れの中で交尾できるのはアルファだけ、伴侶を持てるのは群れのボスだけとなれば、その印象は変わる。一夫一婦だとしても、ハーレムではないとしても。
Posted by ブクログ
次の住処を見つけて何時間もお尻でダンスをするハチ、弱さを見せないために無表情を保つウシ、挨拶代わりに顔に放尿するロブスター、クスッと笑えて、楽しみながら読める。
人間だけが言葉を話せるとか、最も知性が発達しているとか思ってしまうけど、動物も我々が思っている以上に知性を働かせていることがわかる。社会的な行動について、人間と重ねながら考えられる。
個人的には写真付きの図鑑よりも読みやすいし、心に残ると思った。
Posted by ブクログ
辞書…??って思うぐらいに分厚い本で、初めは面食らったけど、とても面白くて飽きずに読めた。
この世には賢い生き物がこんなにたくさんいるのか、と驚いた。
みんな違って面白い。
ウォード博士も似たようなことを仰っていたけど、人間が一番優秀な生き物だとかつい思ってしまうけど、どの種もそれぞれの生き方に合わせて進化してきただけであって、今地球で生き延びている時点で上も下もないのだな〜と思わされた一冊だった。
Posted by ブクログ
原書のタイトルは「The Social Lives of Animals」である。日本語版は「動物のひみつ」という大タイトルがメインになっているが、内容はやはり原書タイトルの方がしっくりくる。
訳者あとがきを最初に読んでから本文を読むことをおすすめしたい。
動物学者のエッセイという感じでサラサラと読める。次作もぜひ日本でも発売して欲しい。楽しみだ。
Posted by ブクログ
自然界を生き抜く動物たちの戦略が面白かった。
特に、シロアリの老兵が自爆する話が印象に残った。動物たちの行動は長い時間をかけて生み出された分洗練されていて、仕事や生活に役立つなと思った。
Posted by ブクログ
著者はシドニー大学の動物行動学の教授。
アフリカから南極まで世界中を旅し、動物たちのさまざまな生態とその背景にある「社会性」に迫りながら、彼らの知られざる行動の数々を紹介する。
登場する動物(生き物)は、実に多い。魚、昆虫、アリ、ハチ、鳥、ネズミ、ゾウ、ライオン、オオカミ、ハイエナ、クジラ、イルカ、サル、そしてヒト。
どれも意識はしていない生き物があるとしても、社会性を持っていることがわかる。
でないと、ここまで生存出来ていなかっただろうな。
著者が言うとおり、人間と動物の違いは量的なものでしかなく質的なものではないのだろう。
それぞれに違えど、皆必要にして十分な進化を遂げてきたのである。その意味で等価だ。どの生物も違う歴史をたどればまったく違ったものになっただろう。いずれも偶然の産物である。
そして、どの生き物も、生き延びて子孫を残すという目的は共通なのに、置かれた環境、経てきた歴史の違いにより私たち人間とどれほど違った、どれほど驚異的な生態の動物が生まれたのかを教えてくれる。
他者を見つめ理解することは、改めて自分を深く知ることにつながると言われるが、他者には他の生き物も含まれるべきだと感じた。
Posted by ブクログ
先日、東浩紀さんの「弱いつながり」を読んだ。本書で、社会性を持つことが進化にとって有利に働くとある。弱い偶然の繋がりがどのように機能するのだろうか。
社会的動物達の脳の構造は?海馬CA2領域の活動など興味ある。
Posted by ブクログ
オキアミから人まで。
動物の興味深い社会的行動を観察し、紹介してくれる一冊。
何も残っていない気がするが、面白かった。
分厚くてちょっとしんどい。