夏目大のレビュー一覧
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コメディアンであるロバート・ウェップの自伝。
作者はイギリス、リンカンシャー生まれの男性だが、日本人男性の自分でもこれ経験あるぞと感じるものが結構あった。
まだ男らしさを抱いていない男の子が学校や友人たちの関わりのなかでいかに男らしさを身に着けてしまうのか、という部分は読んでいると日本やりも、より激しそうであった。
その後も彼が大学卒業までにさまざまな、悪い意味での男らしさを内面化するようなイベントを経験していく。
そうした過程を通して立派な男らしさという価値観を受け継いでいく人間が出来上がっていく。
だが大事なのは自分らしさであって、画一的な枠に落とし込む男性らしさや女性らしさではない。
作 -
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タコは不思議な動物である。頭足類であり、人間が属する哺乳類とは全く違う生物類に属している。しかしながら、著者が言うように「頭足類を見ていると、「心がある」と感じられる。心が通じ合ったように思えることもある」。もちろん、心 (意識や主観的経験、知性)については、いくつかの定義がある。また、ある生物種が心を持っているかという問いの答えはゼロイチではなく程度によって測られるものである可能性も高い。しかし、もしタコがこの本で書かれているとおり、個々の人間や同類の個々のタコを見分け、さらにその性格や行動も記憶し、相手がいるかいないかで行動を変えるというようなことを少なくともある種の心を持つものだと認識し
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集団で生きることで種の存続に成功している動物は多い。
この「動物行動学入門」は、動物の社会性、協調行動を調べたもの。
オキアミから始まり、ゴキブリ、バッタ、アリ、ハチ、魚、鳥、ネズミ、ゾウ、ライオン、オオカミ、ハイエナ、クジラ、イルカ、シャチ、サル、ヒト
といった感じで、実に多種多様な生き物の集団を観察した記録になっている。
知らなかったことや、どこかで聞いた気がすることが満載で面白かった。
専門知識は不要で読みやすかった。
これら動物の行動と人間の群衆の行動との類似性が分かる。
人間と他の動物との違いは本質的なものではなく、単に程度の違いに過ぎない。
例えばアリは、農業・酪農・建築を行 -
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Posted by ブクログ
The Social Lives of Animals
英文タイトルの通り、動物の社会性についての本、
エピソードが多く楽しく読める。
登場する動物は以下の通り
コウモリ、オキアミ、バッタ、ゴキブリ、ハチ、シロアリ、アリ、イトヨ、タラ、グッピー、アジサシ、スズメダイ、ピラニア、バショウカジキ、イワシ、ムクドリ、シュバシコウ、ハト、アオガラ、カレドニアガラス、ハタオリドリ、エンペラーペンギン、フロリダカケスニワトリ、ワタリガラス、マツカケス、ネズミ、ハダカデバネズミ、オーロックス、牛、象、ジャッカル、ライオン、ハイエナ、オオカミ、マッコウクジラ、シャチ、バンドウイルカ、ザトウクジラ、ベルベット -
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礼儀について文面として学ぶ機会があまりなかったので今回この本を読み、深く学びたいと思いこの本を選んだ。実際に社会人になってからの話があり、今はピンと来ないこともいくつかあったので社会人になってからもう一度読み返したいと思った。でも今できることも沢山学べた。例えば笑顔でいることも礼節のある人になるということを知り、疲れている時は笑顔が薄れてしまうため、そういう時こそ笑顔でいることをこれから心がけていこうと思う。また、メールをする上で気をつけることや周りの人に失礼なことをされたときの対応など知らなかったこともたくさん知ることが出来、これから社会に出ていく上で必要なことを理解したと思う。
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ソクラテスなど哲学が盛んだったの古代の時代、活版印刷が発明され、宗教改革が起きた中世、ファシズムの横行した世界大戦期、SNSが普及した現代など、さまざまな大きいイベントごとに言論の自由に対する認識や規制がどのように変化してきたのかが詳しく記されている。
こうして本書を通して歴史を振り返ると、新しい技術の登場、宗教などによる価値観の変化など要因はさまざまあるが、言論の自由の規制と緩和が繰り返されてきたことがわかる。
そして、規制が強化された先にあるのは中央集権化や独裁など社会や世界にとって悪い影響を与えてきたこともわかる。
現代はSNSで個人の発信が容易になり、真偽とわず数えきれないほどの情 -
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因果推論ができるようになるのが子供の頃からというのが重要。ある日突然自由意志をもらって喜ぶのはおかしいから。これは私の敬愛する哲学者の永井均さんの例。僕たちはいつ自由意志をもらったかわからないところで自由意志を得ている。
三段のはしご。観察、行動、反事実であるが、反事実の段階で、善悪がわかっても遅い。おそらく観察段階で、単なるA.I.兵器として使われるだけだ。でも、三段のはしごに分類したことはある程度成功している。
因果ダイアグラムのように視覚化されると、たいへんわかりやすくなる。ただ実践して使えるかと言われれば首を横に振るだけだ。ただ少し図を変形することによって意味合いが変わってくるのは -
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ヘイトスピーチや誹謗中傷は禁止するべきものだという先入観が見事に覆された。直感的に間違っていると感じる言論まで開かれた自由が、破滅的な弾圧や粛清を防止することにつながるという歴史的実証を知れただけでも読んだ価値がある。
現代はネットにより個人があらゆる情報にアクセスでき、逆に個人の意見を全世界に発信できる歴史的にみて特異的な状態である。一部の独占的な企業による恣意的な規制は許されるのか、または正当性を真摯に受け入れられるものなのか。
今後さらに発展する情報社会での身の振り方や考え方をアップデートしながら、当事者として暮らしていこうと思わせられたのだ。 -