夏目大のレビュー一覧

  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    オキアミにはじまり、シロアリ、ミツバチ、魚類に鳥類、ドブネズミにゾウ、ライオン、クジラやシャチ、それから霊長類。
    様々な動物の社会性と行動を、とても平易にユーモアに教えてくれます。
    「どうぶつ」と聞くと愛らしい様子を微笑ましく読んでいられそうですが、そこは現実。しばしば残酷で暴力的な光景が淡々と下品にならずに描写されていて、軽薄な好奇心に冷水を浴びせられます。
    約700ページという、つい二の足を踏んでしまいそうな鈍器級の厚みですが、ためらわず手に取って読んでみてください。視点、視野、視座、、、何かが変わる、かも?

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    2025年03月08日
  • あなたの人生の意味 上

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    「大きな私」が常態化している現代に生きる私にとって、内省させられることが多かった。折に触れて何度も読み返したい本であり、迷った時の指針になるような本であるように感じた。下巻も楽しみ。

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    2025年02月18日
  • 「男らしさ」はつらいよ

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    コメディアンであるロバート・ウェップの自伝。
    作者はイギリス、リンカンシャー生まれの男性だが、日本人男性の自分でもこれ経験あるぞと感じるものが結構あった。
    まだ男らしさを抱いていない男の子が学校や友人たちの関わりのなかでいかに男らしさを身に着けてしまうのか、という部分は読んでいると日本やりも、より激しそうであった。
    その後も彼が大学卒業までにさまざまな、悪い意味での男らしさを内面化するようなイベントを経験していく。
    そうした過程を通して立派な男らしさという価値観を受け継いでいく人間が出来上がっていく。
    だが大事なのは自分らしさであって、画一的な枠に落とし込む男性らしさや女性らしさではない。

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    2025年02月02日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    初めはふーんと思って読み始めたが、オキアミでおおっとなり、アリで心を掴まれた。シロアリの生き様に感動し、虫に対してこんな気持ちを抱くとは思ってもいなかった。

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    2025年01月21日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    日本語題は直訳のほうが良いのではと思う。翻訳も良くて内容も面白くて一気に読ませる本だった。エピローグだけは、一工夫欲しかった。人間を動物として観察するのが、実験心理学であり、文化人類学なのだという思いが強くなる。

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    2025年01月18日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    タコは不思議な動物である。頭足類であり、人間が属する哺乳類とは全く違う生物類に属している。しかしながら、著者が言うように「頭足類を見ていると、「心がある」と感じられる。心が通じ合ったように思えることもある」。もちろん、心 (意識や主観的経験、知性)については、いくつかの定義がある。また、ある生物種が心を持っているかという問いの答えはゼロイチではなく程度によって測られるものである可能性も高い。しかし、もしタコがこの本で書かれているとおり、個々の人間や同類の個々のタコを見分け、さらにその性格や行動も記憶し、相手がいるかいないかで行動を変えるというようなことを少なくともある種の心を持つものだと認識し

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    2024年12月30日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    無礼、暴言、ハラスメントを見ただけでその人も僅かだか普段より無礼になる。パフォーマンスが下がるとの、衝撃の事実をいくつもの研究とともに紹介。自身がその手の被害に遭った事もあり、めちゃめちゃ刺さった。礼節、無礼でない事はめちゃめちゃ大事。何よりも優先したい。自身の人生の指針にしてるレベルの素晴らしい名著。

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    2024年12月12日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    昆虫から魚に鳥、哺乳類に至るまで多様な動物には社会性があるのか、ある場合はどういうコミュニケーションをとるのかを専門知識なしで楽しく知ることが出来る。イメージの悪いネズミやハイエナの意外な特長などもこれ1冊で知れてお得です。

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    2024年12月06日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    集団で生きることで種の存続に成功している動物は多い。
    この「動物行動学入門」は、動物の社会性、協調行動を調べたもの。

    オキアミから始まり、ゴキブリ、バッタ、アリ、ハチ、魚、鳥、ネズミ、ゾウ、ライオン、オオカミ、ハイエナ、クジラ、イルカ、シャチ、サル、ヒト
    といった感じで、実に多種多様な生き物の集団を観察した記録になっている。
    知らなかったことや、どこかで聞いた気がすることが満載で面白かった。
    専門知識は不要で読みやすかった。

    これら動物の行動と人間の群衆の行動との類似性が分かる。
    人間と他の動物との違いは本質的なものではなく、単に程度の違いに過ぎない。

    例えばアリは、農業・酪農・建築を行

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    2024年11月15日
  • 天才科学者はこう考える―――読むだけで頭がよくなる151の視点

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    ポール・サフォーの「人にはそれぞれ心地よいと感じる時間の幅がある-裁量のタイムスパン」が面白かった。
    社内での立場や業務内容によって、労働の対象とする時間が大きく異なる。個人にとって自然なタイムスパンを超える仕事に就いたら大変で、それより少ない時間で済む仕事に就けば、やりがいを感じられず不満を抱く。

    メモ
    「週に何時間かは、表面上、自分の仕事に一切、関係のない文献を読むべきだ。」
    「情報が多すぎると理解度が下がる」

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    2024年11月12日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    The Social Lives of Animals
    英文タイトルの通り、動物の社会性についての本、
    エピソードが多く楽しく読める。

    登場する動物は以下の通り
    コウモリ、オキアミ、バッタ、ゴキブリ、ハチ、シロアリ、アリ、イトヨ、タラ、グッピー、アジサシ、スズメダイ、ピラニア、バショウカジキ、イワシ、ムクドリ、シュバシコウ、ハト、アオガラ、カレドニアガラス、ハタオリドリ、エンペラーペンギン、フロリダカケスニワトリ、ワタリガラス、マツカケス、ネズミ、ハダカデバネズミ、オーロックス、牛、象、ジャッカル、ライオン、ハイエナ、オオカミ、マッコウクジラ、シャチ、バンドウイルカ、ザトウクジラ、ベルベット

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    2024年10月15日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    礼儀について文面として学ぶ機会があまりなかったので今回この本を読み、深く学びたいと思いこの本を選んだ。実際に社会人になってからの話があり、今はピンと来ないこともいくつかあったので社会人になってからもう一度読み返したいと思った。でも今できることも沢山学べた。例えば笑顔でいることも礼節のある人になるということを知り、疲れている時は笑顔が薄れてしまうため、そういう時こそ笑顔でいることをこれから心がけていこうと思う。また、メールをする上で気をつけることや周りの人に失礼なことをされたときの対応など知らなかったこともたくさん知ることが出来、これから社会に出ていく上で必要なことを理解したと思う。

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    2024年09月09日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    動物の行動学は、生物の本能が自然とどう関わるかにつながる。人間の理性の中に、そのような本能もあるので、比べながら考えると面白かった。

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    2024年08月29日
  • ソクラテスからSNS 「言論の自由」全史

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    ソクラテスなど哲学が盛んだったの古代の時代、活版印刷が発明され、宗教改革が起きた中世、ファシズムの横行した世界大戦期、SNSが普及した現代など、さまざまな大きいイベントごとに言論の自由に対する認識や規制がどのように変化してきたのかが詳しく記されている。

    こうして本書を通して歴史を振り返ると、新しい技術の登場、宗教などによる価値観の変化など要因はさまざまあるが、言論の自由の規制と緩和が繰り返されてきたことがわかる。
    そして、規制が強化された先にあるのは中央集権化や独裁など社会や世界にとって悪い影響を与えてきたこともわかる。

    現代はSNSで個人の発信が容易になり、真偽とわず数えきれないほどの情

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    2024年07月31日
  • 因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか

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    因果推論ができるようになるのが子供の頃からというのが重要。ある日突然自由意志をもらって喜ぶのはおかしいから。これは私の敬愛する哲学者の永井均さんの例。僕たちはいつ自由意志をもらったかわからないところで自由意志を得ている。

    三段のはしご。観察、行動、反事実であるが、反事実の段階で、善悪がわかっても遅い。おそらく観察段階で、単なるA.I.兵器として使われるだけだ。でも、三段のはしごに分類したことはある程度成功している。

    因果ダイアグラムのように視覚化されると、たいへんわかりやすくなる。ただ実践して使えるかと言われれば首を横に振るだけだ。ただ少し図を変形することによって意味合いが変わってくるのは

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    2024年07月16日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    社会性を焦点に動物たちの行動を紹介している。
    特にネズミの項は興味深かった。

    ボリュームのある本だが、値段にボリュームはないし
    読みやすいし面白い。買って損はないと思う。
    …合わなければ枕になるし。

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    2024年07月02日
  • ソクラテスからSNS 「言論の自由」全史

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    ヘイトスピーチや誹謗中傷は禁止するべきものだという先入観が見事に覆された。直感的に間違っていると感じる言論まで開かれた自由が、破滅的な弾圧や粛清を防止することにつながるという歴史的実証を知れただけでも読んだ価値がある。

    現代はネットにより個人があらゆる情報にアクセスでき、逆に個人の意見を全世界に発信できる歴史的にみて特異的な状態である。一部の独占的な企業による恣意的な規制は許されるのか、または正当性を真摯に受け入れられるものなのか。
    今後さらに発展する情報社会での身の振り方や考え方をアップデートしながら、当事者として暮らしていこうと思わせられたのだ。

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    2024年06月30日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    読みやすい本ではないかもしれないが、一度は読んだ方がいいと思った。

    本を読んでいく中で、
    人に対して雑に接することで自分が悪影響を受けていることに気がつくことができるかもしれないし、
    また、人との接し方でこれまでと少し変えるだけで自分にとって良いことがたくさん起こるかもしれないことに気がつける本だと思った。

    本の中で書かれている礼儀正しさ、礼節を持つことは、当たり前だよねと思うことが多いかもしれませんが、
    データを使用して説明されていたり、言語化されていることで改めて大切だと感じました。

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    2024年06月16日
  • デマの影響力―――なぜデマは真実よりも速く、広く、力強く伝わるのか?

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    すんごい厚さとその知識量、データ量、分析の幅に胃もたれしそうになる現代SNS論の大著。
    フェイクニュース、他者の価値判断に影響を受けるユーザー、匿名性やプライバシー保護、デジタルマーケティング、相関関係と因果関係の違い、アルゴリズムと人間の相互関係による影響の及ぼしあい。
    めちゃんこ勉強になりました。

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    2024年04月05日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    この本を読む前と後でタコの印象が大きく変わり、なんだか愛着を感じるようになった。すぐにでも生きてるタコを見に行きたくなる。
    心身問題について論じる本はたくさんあるけど、下手に哲学的なものよりも、この本を読むほうが有意義かもしれない。単に知識が増えるだけではなく、これから先の生き物との関わり方が変わるかもしれない。少なくともタコが痛みをどのように感じているか、考えずにはいられなくなる。

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    2024年03月21日