夏目大のレビュー一覧
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最近、スマホの電池の持ちが悪くなってきた。半日外出すると、帰宅時は20%を切ることもある。
スマホの電源として用いられている、リチウム電池にとって重要なコバルトという鉱物があるらしい。
いま、わたしがスマホの画面の上で指を滑らせているこの現実は、このコバルトを埃にまみれた大地の奥にあるトンネルで少年たちが採掘し、汚染された湖で少女たちが
洗っていることに支えられている。
トンネルの崩落事故や少女たちへの暴行は伝えられず、彼らは1日1ドルほどを得るために、命と引き換えにコバルトを掘っている。
「にじゅっぱーきってるやん、やべ」
という思う時、わたしはこの事実を思い返すことだろう。
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Posted by ブクログ
1-4章までは、無礼な態度は損するよ、礼儀正しいと得するよ、という話。ここは正直当たり前だから重要ポイントの部分を読むだけで良さそう。
その後の章では、礼儀正しい自分であるために
・客観的なフィードバックをもらうこと
・精神的にも身体的にも健康でストレスを溜めないこと
・笑顔を絶やさない
・相手を尊重する
・人の話に耳を傾ける
などのアドバイスが並ぶ。
どれも当たり前のことなので、新鮮さには欠けるが具体的な事例とともに記載されているので説得力はある。
第7章のアンコンシャスバイアスの話は面白かった。
〇〇だから、ーーだろう。
〇〇は、ーーだ。
という考えがバイアスによるものかもしれな -
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対人関係、組織づくり、家族や友人との関係においても、より良い人生を送る上で「礼節」が極めて重要だという。一般的に考えてそうだろうと思うが、深く検討してみると色々なことがわかってくる。例えば、自分では丁寧な人間であろうとしても、近しい人間や商売相手が粗雑で無礼だと、その後の自分の思考や行動に影響が出てしまうということ。また、これはよほど注意しないと避けられないらしい。だから、自分が無礼な行動をとると、それは感染してより広がってしまうということ。反対に、自分が礼節を持って行動したり、持っている様々なリソースを与えていると、周囲もそのような人間になる。自分の言動に自覚的になること、無礼な人からは遠ざ
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購入済み
エンタメ性の高い読み
3巻目、ストーンの強い反体制・反帝国主義のスタンスが顕著に表れている。ウォーターゲート事件、レーガン時代、湾岸戦争、9/11テロ事件後の戦争など、アメリカの政治・経済・軍事政策を厳しく批判しているが、その見解はかなり偏っていると考えた方がいいかもしれない。ストーンが歴史をドラマチックな語り口で綴るのでエンタメ性の高い読み物となっている。
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人間の美徳には大きく二つあるという。一つは偉くなりたい、出世したいといったキャリア志向。もうひとつは他人に愛を注ぎ自己犠牲を厭わない、普遍的な真理に生きる志向。現代は前者が優勢な世界であるが、後者も大事にしよう、そのために自己の欠点を克服し人格を陶冶すべしというのが本書の論旨だろう。
私自身はそもそも特段キャリア志向ではないけれども、そのとおりと思う。紹介された10人の伝記も、非常に共感できる。私もかくありたい、と思う。しかし、思うだけではいけないのだ。これら伝記の先達にように自分の欠点を見つめ、克服することを実践しなければならない。だが、なかなかできるものではない・・。 -
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会社で勧められて読みました。内容は礼節(礼儀正しさ)がビジネスを進める上で、最も重要だということをさまざまな企業でのケーススタディも踏まえながら論理的にまとめた本です。
働いていると色々な人と関わりますが、正直今の僕は、本当の意味で礼儀正しい一流の人と仕事をしたことがないと思っています。その一方で、礼節をわきまえない、わがままな性格ゆえに仕事がうまくいかない人には数多くあってきました。そういう意味では再現性の高い本です。
でも、今まで色々な書籍の中で、心理的安全性みたいな話は何周か回してきたし、業務の中でも試行錯誤しながら取り組んでいるので、そういう意味ではそんなに新しいと思える内容は少な -
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ヴィトゲンシュタインの言語ゲームや、チョムスキーの生成文法を踏まえて、本書は、それとはまた違った切り口で「会話機械」を説く。人間の言葉は会話に用いられるものだが、会話にはルールがあり、何気ない「え?」などの反応からそれを解き明かそうとするもの。当たり前のように受け止めているような反応やコミュニケーションを分析して結論付けるという発想が面白い。
発音や語彙は国や文化によって違うが、例えば会話のときの「話し手の交代に関する法則」には違いはない。本書から抜き出すと、私たちの日常の会話に関しては、たとえばすでに次のようなことがわかっている。
・何か質問をされて答えるまでにかかる時間は平均すると、瞬 -
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Posted by ブクログ
科学史、科学哲学という分野。概念的な哲学ではなく、科学からスタートする意識の探索は、ある意味分かりやすくて面白い。タコを中心に頭足類の観察からの考察だ。
他の無脊椎動物と比べても、頭足類の神経系の規模は異常に大きく、短期記憶と長期記憶に明確な区別があり、目新しいものや、食べることはできずすぐに役立つわけではないものに興味を示し、コウイカにはREM睡眠らしきものがあるなど、人間の知性との類似点も見られるのだそうだ。
「身体化された認知」というのは面白い。脳だけではなく、身体も賢さの一部を担っていて、周囲の環境がどうなっているか、それにどう対処すべきかという情報は、実は身体にも記憶されていると考 -
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ネタバレ難しかった。松尾先生の解説で、何となく全体像は見えたかも。因果関係という当たり前と思える事象に統計学が対応できたのはつい最近らしい。独自の因果モデルを作れば馬券ソフト開発に役立つか?
・相関は見られたが、因果については何も言えない 時代が続いた。
・因果について表現する言語を発明→因果ダイアグラム
・相関を解析するのには交絡因子が課題。主流はランダム化比較試験(RCT)
・RCTができない場合が多いので、交絡因子を調整して因果効果を推論する
・コライダー(結合)を調整してしまうと、元の変数が独立から従属に変わる。
・モンティホールパラドックスは司会者のドア選択がコライダーとなり新車の位置