夏目大のレビュー一覧

  • ブラッド・コバルト コンゴ人の血がスマートフォンに変わるまで

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    最近、スマホの電池の持ちが悪くなってきた。半日外出すると、帰宅時は20%を切ることもある。

    スマホの電源として用いられている、リチウム電池にとって重要なコバルトという鉱物があるらしい。
    いま、わたしがスマホの画面の上で指を滑らせているこの現実は、このコバルトを埃にまみれた大地の奥にあるトンネルで少年たちが採掘し、汚染された湖で少女たちが
    洗っていることに支えられている。

    トンネルの崩落事故や少女たちへの暴行は伝えられず、彼らは1日1ドルほどを得るために、命と引き換えにコバルトを掘っている。

    「にじゅっぱーきってるやん、やべ」
    という思う時、わたしはこの事実を思い返すことだろう。

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    2025年10月31日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    一般的に人間の感覚というと五感となる
    本日では12の超感覚について紹介されている
    確かに、方向感覚や、フェロモンや、時間感覚など、様々な感覚が存在する
    学者によると20や30種類くらいの感覚があるとも言われているらしい
    特にフェロモンの章は興味深かった
    誰にでも好まれる匂いを作るのは難しいのかもしれないが、おる特定の人に好まれる匂いというのは確実に存在するとのこと
    匂いだけの恋活を試みたりという面白い実験がされているのも興味深かった

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    2025年10月22日
  • 会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか

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    言語学が主に「書き言葉」に注目する中、本著は「話し言葉」、さらに話者の交代・会話中の「修復」・タイミングなど非言語の部分に着目している。例えば「主語を抜く」などの文法のルールは無視するが、「会話で一度に話すのは1人」など会話のルールは守る。ここから、他の動物にはない人間の利他性が見えてくる。特に気になるのは、「日本語の応答に要する時間は世界一短い」ということ。サラッと文中に出てきて言及されていないが、日本人なので気になってしまう。話したがりなのか、利他性が高いのか、時間をかけたくないのか…。

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    2025年09月19日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    オキアミから人まで。
    動物の興味深い社会的行動を観察し、紹介してくれる一冊。
    何も残っていない気がするが、面白かった。

    分厚くてちょっとしんどい。

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    2025年07月26日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    2025年6月25日、Yahooフリマで「高たんぱく・低糖質! rakoの美味しくてやせるおかず」のカテゴリー変更を断られた人がほかに出してた本。750円。

    冷静なA先生と、不機嫌になるN先生の差。

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    2025年06月25日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    1-4章までは、無礼な態度は損するよ、礼儀正しいと得するよ、という話。ここは正直当たり前だから重要ポイントの部分を読むだけで良さそう。

    その後の章では、礼儀正しい自分であるために

    ・客観的なフィードバックをもらうこと
    ・精神的にも身体的にも健康でストレスを溜めないこと
    ・笑顔を絶やさない
    ・相手を尊重する
    ・人の話に耳を傾ける

    などのアドバイスが並ぶ。
    どれも当たり前のことなので、新鮮さには欠けるが具体的な事例とともに記載されているので説得力はある。

    第7章のアンコンシャスバイアスの話は面白かった。
    〇〇だから、ーーだろう。 
    〇〇は、ーーだ。
    という考えがバイアスによるものかもしれな

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    2025年06月22日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    対人関係、組織づくり、家族や友人との関係においても、より良い人生を送る上で「礼節」が極めて重要だという。一般的に考えてそうだろうと思うが、深く検討してみると色々なことがわかってくる。例えば、自分では丁寧な人間であろうとしても、近しい人間や商売相手が粗雑で無礼だと、その後の自分の思考や行動に影響が出てしまうということ。また、これはよほど注意しないと避けられないらしい。だから、自分が無礼な行動をとると、それは感染してより広がってしまうということ。反対に、自分が礼節を持って行動したり、持っている様々なリソースを与えていると、周囲もそのような人間になる。自分の言動に自覚的になること、無礼な人からは遠ざ

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    2025年03月22日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史3 帝国の緩やかな黄昏

    sun

    購入済み

    エンタメ性の高い読み

    3巻目、ストーンの強い反体制・反帝国主義のスタンスが顕著に表れている。ウォーターゲート事件、レーガン時代、湾岸戦争、9/11テロ事件後の戦争など、アメリカの政治・経済・軍事政策を厳しく批判しているが、その見解はかなり偏っていると考えた方がいいかもしれない。ストーンが歴史をドラマチックな語り口で綴るのでエンタメ性の高い読み物となっている。

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    2025年02月15日
  • あなたの人生の意味 下

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    人間の美徳には大きく二つあるという。一つは偉くなりたい、出世したいといったキャリア志向。もうひとつは他人に愛を注ぎ自己犠牲を厭わない、普遍的な真理に生きる志向。現代は前者が優勢な世界であるが、後者も大事にしよう、そのために自己の欠点を克服し人格を陶冶すべしというのが本書の論旨だろう。
    私自身はそもそも特段キャリア志向ではないけれども、そのとおりと思う。紹介された10人の伝記も、非常に共感できる。私もかくありたい、と思う。しかし、思うだけではいけないのだ。これら伝記の先達にように自分の欠点を見つめ、克服することを実践しなければならない。だが、なかなかできるものではない・・。

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    2024年12月02日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    表紙をみて面白そうと思い読みました。

    本文は、約700ページにもおよぶ大作です。
    NHKの動物ドキュメンタリーを本にしたものという表現がこの本にはピッタリだと思います。

    大作すぎて、読むのが無理だ〜って人は、NHKの動物ドキュメンタリーを観ることをお勧めします。
    うちのこは、夏休みに読み切る目標を立てて40ページで挫折しました(笑)

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    2024年11月28日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    会社で勧められて読みました。内容は礼節(礼儀正しさ)がビジネスを進める上で、最も重要だということをさまざまな企業でのケーススタディも踏まえながら論理的にまとめた本です。

    働いていると色々な人と関わりますが、正直今の僕は、本当の意味で礼儀正しい一流の人と仕事をしたことがないと思っています。その一方で、礼節をわきまえない、わがままな性格ゆえに仕事がうまくいかない人には数多くあってきました。そういう意味では再現性の高い本です。

    でも、今まで色々な書籍の中で、心理的安全性みたいな話は何周か回してきたし、業務の中でも試行錯誤しながら取り組んでいるので、そういう意味ではそんなに新しいと思える内容は少な

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    2024年09月25日
  • 会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか

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    ヴィトゲンシュタインの言語ゲームや、チョムスキーの生成文法を踏まえて、本書は、それとはまた違った切り口で「会話機械」を説く。人間の言葉は会話に用いられるものだが、会話にはルールがあり、何気ない「え?」などの反応からそれを解き明かそうとするもの。当たり前のように受け止めているような反応やコミュニケーションを分析して結論付けるという発想が面白い。

    発音や語彙は国や文化によって違うが、例えば会話のときの「話し手の交代に関する法則」には違いはない。本書から抜き出すと、私たちの日常の会話に関しては、たとえばすでに次のようなことがわかっている。

    ・何か質問をされて答えるまでにかかる時間は平均すると、瞬

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    2024年08月05日
  • 世界一しあわせなフィンランド人は、幸福を追い求めない

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    人生の意味について人が悩むようになったのは実はここ200年ほどのことで、まだ歴史が浅いのだと知ると苦しいのは自分だけではないと思えた。
    ただ、表題の「フィンランド人」についてはそこまで掘り下げていないように感じられた。もう少しフィンランドの生活様式や特有の思考(シスなど)に触れられるかと思っていたので、そこは残念

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    2024年07月31日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    ヒト以外の生き物がどう世界を認識しているのか、ちょっと自分の外に意識が出るような感覚を与えられる

    ヒトのような脳がないはずのタコが知性を持つ不思議が印象的。
    ちょくちょく進化生物学の話が入ってきて、知性と関係なく思えるところの詳細が多く、読むのがしんどいところも。

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    2024年07月07日
  • 会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか

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    言語学研究の中で
    会話中心のものは少ないのだとか。
    世界には文字を持たない言語もあるのにね。

    誰かから何か聞かれた時に
    英会話のような本だとPardon?とか
    Sorry?のように聞き返すとあるけれど
    実際には日本語でも「なんですか?」より
    「え?」「はっ?」のように聞き返すよね。
    そういうとっさの一言が
    だいたい世界中似ているなんて楽しい。

    あと、質問に対する返答についても
    調査されているのですが
    内容がどうあれ「反応」が早いのは
    日本語とのこと。
    しかも正答が返せる時は
    食い気味くらいの速さで返すらしい(笑)
    謎です。

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    2024年04月02日
  • Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

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    無礼な人に対しての対策として購入
    結局無礼な人にはなるべく距離をとるという結末

    でも礼儀してるほうが得をするということで自分は、間違ってなかったなと

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    2023年11月16日
  • デマの影響力―――なぜデマは真実よりも速く、広く、力強く伝わるのか?

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    真実よりも10倍も速く、広く、力強く伝わるデマ。デマの影響力を約600ページにも渡り、エビデンスを用いて説明した本である。
    正直全文を1字1句読むのは断念し、流し読みになってしまったが、ソーシャルメディアの恐ろしさは自分の想定以上に大きく、もう何を信じて良いのか分からないレベルに来ているように思う。これに生成系AIが入ってくれば更に状況は難しくなるだろう。極端ではあるが、SNSには触れないというのが騙されないためには一番いいのかもしれない。(情報入手速度は遅くなるが、、、)

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    2023年09月23日
  • 会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか

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    言語学ではなく、会話の科学である
    言語の世界だと大きな知見だと思うが、自分があまり言語の世界に興味がないことがわかった
    得られる知見が、まあそうだろうなという感想しかない

    唯一、日本語は世界一食い気味に話す言語であることが面白かった

    ただ、この研究を積み重ねると、話し方やコミュニケーションの研究になるのか?
    すでにありそうでもあり、なさそうでもある

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    2023年07月09日
  • タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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    科学史、科学哲学という分野。概念的な哲学ではなく、科学からスタートする意識の探索は、ある意味分かりやすくて面白い。タコを中心に頭足類の観察からの考察だ。
    他の無脊椎動物と比べても、頭足類の神経系の規模は異常に大きく、短期記憶と長期記憶に明確な区別があり、目新しいものや、食べることはできずすぐに役立つわけではないものに興味を示し、コウイカにはREM睡眠らしきものがあるなど、人間の知性との類似点も見られるのだそうだ。

    「身体化された認知」というのは面白い。脳だけではなく、身体も賢さの一部を担っていて、周囲の環境がどうなっているか、それにどう対処すべきかという情報は、実は身体にも記憶されていると考

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    2023年07月05日
  • 因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか

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    ネタバレ

    難しかった。松尾先生の解説で、何となく全体像は見えたかも。因果関係という当たり前と思える事象に統計学が対応できたのはつい最近らしい。独自の因果モデルを作れば馬券ソフト開発に役立つか?

    ・相関は見られたが、因果については何も言えない 時代が続いた。
    ・因果について表現する言語を発明→因果ダイアグラム
    ・相関を解析するのには交絡因子が課題。主流はランダム化比較試験(RCT)
    ・RCTができない場合が多いので、交絡因子を調整して因果効果を推論する
     ・コライダー(結合)を調整してしまうと、元の変数が独立から従属に変わる。
     ・モンティホールパラドックスは司会者のドア選択がコライダーとなり新車の位置

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    2023年03月24日