夏目大のレビュー一覧

  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    アリストテレスが“五感”(視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚)という言葉を使い、ぼくらもそれが当たり前のように思ってきた。その後、超能力的な第六感が増えた。現在はそれよりはるかに多くなっているそうだ。
    本書は、人間よりも優れた感覚を持つ12の動物を例に上げ、その能力を人間と比較対照していく。具体的にはシャコと色彩、深海魚と暗所視、フクロウと聴覚、モグラと触覚などだ。
    動物たちの能力は驚嘆すべきだが、そのすべてをそこそこ使える形で備えている人間(正確には脳)もすごいなと思った。

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    2025年12月14日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    ネタバレ

    目から鱗の連続だった。
    本書を読んでよかったと思ったことは、まずはシンプルに知識が増えたこと、そして今までにない視点を得られたことである。
    前者は、目には錐体細胞と桿体細胞があり錐体細胞が明るいところで、桿体細胞が暗いところでの視覚を司り、前者は早く、後者は遅く神経回路で処理されるため、それらのいずれかが必ず神経回路に情報を流していることになる状態(1秒に15回の明滅)は光が連続的に点灯していると感じてしまうこと。人間は1分間に100万もの皮膚の欠片を落としているため、嗅覚の優れた動物であればあっさりとかぎ分けられること。ナマズは水中で味を感じて状況を把握していること。目には視覚以外に時間感覚

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    2025年12月13日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    700ページくらいある分厚い本書だが、最初から最後まで大変興味深く読んだ。手首が若干痛くなるのだけが欠点か。
    動物の行動やその理由を紐解く内容で、様々な動物が登場する。これだけの知識を得るのに、著者は一体どのくらいの時間を費やしたのかと思うと頭が下がるし、知識を惜しみ無く分け与えてくれることに感謝する限り。

    動物は思ったより、他者との関わりの中で生きていた。他者に依存したり、上下関係があったり、仲間の死を悼んだりと、まるで人間と同じ。(人間も動物なのだから、彼ら動物と分けて考える必要はないが、人間しか知らないのでどうしてもこういう感想になってしまう。)しかも、人間より好ましく思える部分もあっ

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    2025年12月10日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    人間にはさまざまな感覚があることは私としてはどちらでもいいが、さまざまな動物の感覚を(その特徴を)知ることができたのがよかった。その研究のストーリーも適量含まれていて読み応えもある。

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    2025年11月30日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    人間が周囲の環境や、自身の体の状態を把握するために駆使する様々な「感覚」について、それを12種類に分類し、それぞれの感覚で人間以上のパフォーマンスを持つ動物との比較を通じて、その「感覚」について深堀する1冊。取り挙げる感覚は「視覚(色と明暗)」、「聴覚」、「触覚」、「味覚」、「嗅覚」のいわゆる五感以外に、「平衡感覚」、「時間感覚」、「方向感覚」、「身体感覚」が登場します。

    特に面白かったのは後者の4つです。人間が立って歩いているとき、常に「平衡感覚」が作用して倒れないように体を制御しているわけですが、それを私たちは無意識に行っています。だから散歩のとき、「歩く」ことではなく、周囲の景色に意識

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    2025年11月15日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    どの動物の「ひみつ」も面白くてどんどん読み進めてしまう。クジラが口を閉じるときに、オキアミは口からだいぶんこぼれてしまうので、何度も何度も口を開けては閉じる動作をするとか、相転移するバッタのこととか、アリとシロアリは別物などなど。惜しい点を上げるとすれば、原題の「The Social Lives of Animals」が『動物のひみつ』っていうタイトルになってしまったこと。あといかんせん長すぎるので2分冊くらいにはしてほしかったということ。トラガルファー海戦の信号旗による情報伝達は。LOTRの狼煙での情報伝達の場面を連想した。

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    2025年11月07日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    この本で、人間の感覚の不思議さや無意識の働きに驚かされました。ナマズやタコ、コウモリなどの動物と比べると、視覚や味覚、平衡感覚、自己受容感覚などがいかに精密に連携して日常を支えているかがよくわかります。
    特に、一番実感のない自己受容感覚、腕や足などが常に意識を向けていないと思うように動かないとなると…その過酷さは想像を絶すると思います。
    無意識で体をコントロールしていることのありがたさを実感できました。

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    2025年10月17日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    評判通り、ためになり面白い。
    あえて難を言うならば、説明用の挿絵を入れて欲しかったことか。
    先に読んだ”動物のひみつ”は全て著者自身の研究結果であるが、本書は様々な学者の研究を著者がまとめたものである。

    数行下は覚書、ネタバレご注意。

















    ものが三原色、赤、緑、青で見れているのは人間と霊長類ぐらい。
    デメギニスの見た目にはびっくりした。こんな魚が現実にいるのね。
    エスレフ アーマガン、トルコの盲目の画家。
    セオドアルーズベルトは探検家でもあった!

    フェロモン、人間の方向感覚(人間が地磁気を感知してるか)はいまだに謎

    自分の体が自分のものであるという感覚。要は

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    2025年10月16日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    面白い。人間がいかにマルチであるかわかる。
    特に臭い、フェロモンについては面白い。
    母乳を飲む時が人間にとって一番の危機。だから母乳に反応する。

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    2025年10月07日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    めちゃめちゃ面白い!魚類から哺乳類まで色んな生き物の生態が分かりやすく書かれている。時には、知りたくなかったなと思う生態もあったけど、それも含めて生き物に対する興味が深まる一冊だった。また、最後に筆者が人間は分類したがる生き物であるという事を述べていて、とても共感できた。
    生き物が好きならぜひ読むべき一冊。
    2千円でこのボリュームは素晴らしい。

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    2025年10月04日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    とにかくボリュームがあり、間欠的に読んでいたため始めの方は大分忘れてしまった。オキアミから人間まで生物全体を網羅した研究の集大成が読みやすく綴られている。
    アフリカのライオンやハイエナの話、シャチの話、動物の鳴き声(警戒声)の話、オキシトシンの話など、他の本の内容と被るところがあり、記憶により深く刷り込まれた。
    ゾウが可聴下音で最長10kmも離れた仲間と会話ができると知って驚いた。

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    2025年10月01日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    科学的な知見と「センス・オブ・ワンダー」が融合した一冊。動物の卓越した感覚から人間の感覚能力の素晴らしさへと解説が進み、読みやすく書かれている。色覚、暗所視、聴覚、触覚、痛覚、味覚、嗅覚、フェロモン、平衡感覚、時間感覚、方向感覚、身体感覚について各章で説明している。フェロモン、平衡感覚、時間感覚、方向感覚、身体感覚については意識に上らないが重要な働きをしている。また嗅覚なども想像以上に人間には能力があるなど、認識を新たにする内容も多い。邦題の「12の感覚がある」にはちょっと違和感がある。「はじめに」の中でも「人間には「五感」「第六感」どころか「三十三感」ある」と述べており、現代でも12とは言っ

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    2025年09月26日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    読み始めて真っ先に思い浮かべたのは漫画「テラフォーマーズ」
    特殊能力と思える動物たちの感覚がじつは人間にもあるという話し(かな)
    本自体のボリュームも多くてさらには専門的な話しも多いですが、動物がどんな感覚(センサー)を持っていてどんな環世界に生きているのかの部分は分かりやすいので、難しいところは流し読みでも充分に知的好奇心を満足させてくれる本でした。
    皆さんにもオススメです!

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    2025年09月13日
  • 人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー

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    ネタバレ

    1ページ1ページが衝撃的すぎて、読み終えるのに時間がかかった。スゴイ生物12選+実は人間もそれぞれの生物と同じ機能を持っているよ、という本。
    特に、脳の指示無しで腕を動かせるタコが一番想像を超えてきた。
    しかしながら、想像は超えられないのが真実。
    本書で紹介されていた台詞「その人の視点からものを考えない限り、他人を本当に理解することはできない…その人の中に入り込み、歩き回ってみるまでは」
    その通りで、本人にならないと本当の理解はできないだろうし、理解しているつもりでも、目の前には自分(人間)が「想像した他人(生物)」がいるだけで、本当の他人(生物)が何かすら分からないのだろう。

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    2025年08月22日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    動物の「社会」をテーマにした作品

    タイトルが没個性化していてプレゼン能力を失っているように思います

    類人猿にまでいくと、人間の社会ともまともに比較できるようなります

    偶然と必然

    いやなことをどう改善すればいいのか、できるのか、できないのか、ヒントが見つかります

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    2025年08月14日
  • 世界一しあわせなフィンランド人は、幸福を追い求めない

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    ネタバレ

    フィンランド人の幸福についてはほとんど触れていない。タイトルと内容は全く合っていない。でも中世に神学が学ばれていた時代から科学重視の時代を経て、幸福の意味が変わっていった過程は興味深かった。
    - 幸福を求めるために人生を犠牲にするな。人生はプロジェクトすると、幸福を得るために人生が手段になってしまう。人生を生きるのではなく、何かを得るために人生を利用しない。
    - 決して人から奪えないもの:人間の自由。おかれた状況でどう生きるかはその人の自由。
    - 自分のことを自分で決めたいというのは人間の根源的な欲求。自分らしく生きられた時に自分の人生に価値を見出せる。
    - 子どもの望むこと:「自分のために多

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    2025年07月26日
  • 会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか

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    従来の言語の研究は書き言葉であった。言語の使用は会話にあるとして会話の研究を盛んにするところに新しい言語学がはじまると提唱している。

    ヒトの会話の特徴
    他人との社会関係を結ぶのに真剣に取り組む
    自分の言葉について語る(再帰)
    関連性の原則:直後の出来事に関連すると解釈する。

    動物の会話と呼ばれるものと人の会話の違いの勉強になった。相手に否定的なニュアンスを与える応答の仕方や、質問に対して親切に答えるために質問の先を読んで答えたりとコミュニケーションの勉強にもなる。

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    2025年05月05日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    社会性の高い動物についてはいくつか知っていたものの、人間のそれと同等の複雑さを持つものはいないのだろうと漠然と思っていた。
    そんな考えを覆す事例の数々に出会ったことで、まだまだ知らないことがあるのだなと気づくことができた。
    単純に動物好きな人にとっても面白い本だと思う。文章も難しすぎることはないので、小学校高学年から中学生くらいでも読めそう。

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    2025年03月27日
  • あなたの人生の意味 下

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    上下巻ともに、折に触れて読み返したい名著だと思いました。
    アダムⅠとアダムⅡが統合される日が、私には来るのだろうか。来ると信じて、両面での努力を続けられる人間になりたいものです。

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    2025年03月23日
  • ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」 動物のひみつ―――争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う

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    オキアミもストレスはかんじる
     相当面白い。
     あのちひさなオキアミから話がはじまって広がる世界は、広大で壮大で、この地球がとてもつもない長い年月の果てに、多様な種を獲得し、生存していったことのあかしが実感される。
     知的昂奮は相当ある。
     オキアミを例にとってみよう。じつはオキアミは逃げるのが速いのだといふ。クジラがやすやすと大口あけて食べる――そんな無慈悲な弱肉強食は存在せず、クジラも苦労してオキアミを食べてゐる(!)。

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    2025年03月16日