夏目大のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【読もうと思った理由】
売れている本ということで興味を惹かれ、そして内容も興味深そうなものだったので、手に取ってみました
【感想】
どの章も、人間の各感覚等に関する内容で、面白く読めたのですが、その中でも「色は外の世界にあるのではなく、人それぞれの中にあり、赤いりんごは外の世界に存在しない」というのが、個人的には一番ガツンと来ました。
少し前に読んだ「唯識の思想」にて知った「一人一宇宙」という概念と一致した上に、本書ではそれは科学的な視点から肯定されたことで、よりいっそう自分の中で「一人一宇宙」という考え方が根付いた気がします。本当に感動しました。
他にも「聴覚が無い生き物は存在しない」という話を読み、聴覚というものに対しての認識を改めたりと、全編通して、結構難しい内容ではあったのでが、とても面白い本でした。
【以下、本文で気になった箇所をメモとして残します】
色は外の世界にあるのではなく、人それぞれの中にある
赤いりんごは外の世界に存在しない
人それぞれの中に赤いりんごはあり、人によって色を認知する性能はばらつきがあるので、人の数だけ赤いりんごは存在する
盲目の動物は数多くいる
限られた嗅覚しかない動物も多い
ただ、聴覚のない動物はいない
音は、エネルギーや物質が存在するところには必ず存在する
誰もいない森で木が燃えたら、燃えている匂いはするのか?結論としては「しない」である。匂い分子自体に匂いはなく、鼻の中の嗅覚受容器に触れて、初めて匂いになる
匂いも人間の中にしか存在しない -
Posted by ブクログ
言葉には、世界で用いられている力である。
だからこそ、使い方を磨くことが大切だ。
理由は、言葉がコミュニケーションの土台だからだ。
国や文化が違っても、対話の目的は同じ。
理解し合うことだ。
そのなかで、「ん?」という言葉に注目している。
たとえば会話の促進。
相手の話を受けて問い返す。
それだけで場は前に進む。
脱線の修正も同じ。
話がそれたら、やさしく本題に戻す。
流れが整う。
リズムやテンポの調整も重要だ。
早すぎると伝わらない。
遅すぎると間延びする。
心地よい速さが対話を深める。
世界には多くの言語がある。
しかし「伝え合おうとする姿勢」は共通だ。
それが事実上の万国共通言語だ。
この視点を持つと、
会話は技術であり、磨ける力だと分かる。
言葉の扱い方一つで、世界は広がる。 -
Posted by ブクログ
打ちのめされた一冊だった........。
恥ずかしながらこの事実を”知らなかった”。
今この時、日常を過ごすうえで、ラップトップ、スマホ、モバイルバッテリーは手放せない生活必需品になっており、また、AI普及で新しいエネルギー政策が世界中で議論されている中、20年後は自然エネルギーが世界を淘汰し、そのカギの1つはバッテリーと考えていた。
そう考えていた矢先、この本を読んで愕然とした........。
バッテリーの材料であるレアアース「コバルト」の採取がこんな非人道的な形で行われているのであれば、現在の生活は間接的搾取に当たることになり、また安易に自然エネルギー促進なんて言えなくなる......。
DRコンゴで行われるベルギーによる搾取、中国企業による搾取、この搾取の事実を、僕たち私たち、スマホの恩恵を受けている人たち全員が知るべきではないか.......!
真実が世界中に知れ渡って、世界中から問題視する声が上がって、すこしずつ状況が改善していく、そうなってほしい。一方、他力本願ではなく、自分は今何ができるのだろうか......。考えよう。 -
Posted by ブクログ
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚、ヒトの持つ五感。
これに第六感が加わる、、というのが常識だったが、
この本は、そんなもんじゃない、人間は12の間隔を持つ、
ということを、様々な生物、それもシャコやらタコやらを研究することで
明らかにしていく本。
すごい。
科学の進歩はすごいものだ。
…こうやってどんどん生物、生命の研究が進んでいるのに、
原理主義、2000年前の常識の教えのままでいる、ってのは不思議なんだけどなあ。。
知識の習得を面倒くさがって、遮断して、古い考えに固執している、
としか思えない。芯は変えなくても、状況は把握しないと。
この凄い研究から、そんなことを考えた。
第1章 モンハナシャコと人間の色世界
第2章 ヒナデメニギスと人間の暗所視
第3章 カラフトフクロウと人間の聴覚
第4章 ホシバナモグラと人間の触覚
第5章 ナミチスイコウモリと人間の快感と痛み
第6章 ピライーバと人間の味覚
第7章 ブラッドハウンドと人間の嗅覚
第8章 オオクジャクヤママユと人間のフェロモン
第9章 チーターと人間の平衡感覚
第10章 ゴミグモと人間の時間感覚
第11章 オオソリハシシギと人間の方向感覚
第12章 マダコと人間の身体感覚 -
Posted by ブクログ
ネタバレ図鑑のような楽しさがあるが、写真はまったくない。ぽつりぽつりとイラストが掲載されているが、あとがきによればこれは日本語翻訳版オリジナルだそうな。博物学の楽しみを伝えるには写真は不可欠だと思う。「モモアカノスリのように、木の少ない荒涼とした土地で獲物を探すため、何羽かが積み重なって生きたトーテムポールのようになる鳥もいる。」とか書かれてたら写真で見たいじゃんよ。ぐぐっても見つからんし。
だがまあ、文章だけでも十分楽しめた。内容は多岐にわたり、原題"The Social Lives of Animals"にふさわしく、海洋生物から霊長類まで、社会性を築く動物たちについてエッセイ風にまとめられている。
ニワトリ
ニワトリの間には序列があるという。『動物のお医者さん』を思い出した。ヒヨコどうしで遊んでいるように見えても、それは序列決定の争いなのだという。
ネズミ
カルフーンの研究。「行動シンク」。ネズミが過密状態になると、行動に病理学的な影響が出るという現象。
ライオンはプライド。ハイエナはクラン。オオカミはパック。いずれも群れを指す。内実は似て異なる。
オオカミは生涯伴侶を変えないというが、群れの中で交尾できるのはアルファだけ、伴侶を持てるのは群れのボスだけとなれば、その印象は変わる。一夫一婦だとしても、ハーレムではないとしても。 -
Posted by ブクログ
本書はシカゴの音楽を単純に紹介するものではなく、シカゴという都市の発展と音楽の関係、公民権運動の流れも一緒に追いながらシカゴの音楽を語っているのがユニークでした。
私はカーティス・メイフィールドの音楽が大好きです。
第一章の頭からカーティス・メイフィールドとインプレッションズのデビュー前の話しから始まり熱くなってしまった。50年代、60年代のアメリカの白人による差別は酷かったとよく聞きます。そんな中、黒人アーティストが音楽ビジネスに参入して世界中にその活躍を示していく姿が描かれています。
また、カーティスが運営していたカートムが、音楽出版から始まっていたのも知りませんでした。まだ自分の作品が少ない頃から音楽ビジネスを勉強していただなんて。その後のカーティスの成功を考えたら頭が下がります。
70年代後半からは音楽の変化に伴い、音楽ビジネスも衰退していっているようでとても寂しく感じました。時代と共に音楽フォーマットも変わり、コレからの未来に音楽の役割がどのようになるのかはわかりませんが、再生を繰り返す音楽の未来に期待しています。 -
Posted by ブクログ
学生の時、人間には5つの感覚(視覚・嗅覚・聴覚・触覚・味覚)があると教わった。
第6感としてテレパシーのような不思議な能力も話題になってきた。
だから、12の感覚って何?というのが最初に抱く興味。
内耳は音を感じる以外に平衡感覚を感じているし、筋肉は自分の身体が何処にあるかを知らせる役割も持っている。
他にも正義感、罪悪感、喪失感など、いろいろな感覚を定義することはできる。
ただ「感覚とは何か」が定義されていないので、感覚の数を数えることに科学的意味はない。
本書の原書のタイトルにも12という数値は入っていない。
時間感覚や方向感覚といったテーマで12章に分けて書かれているので「12の感覚」としただけと推測される。
書かれていることは興味深く、知らなかったことが沢山出てくるので面白い。
だが、文字だけで400ページぎっしり書かれた本なので、じっくり読むにはしんどい。
盲目の生物は沢山いる、嗅覚の乏しい生物も多くいる。
しかし聴覚のない生物は見つからないと聞くと「おー、そうなんだ」と思ってしまう。
まあ、終始こんな感じで読み進めた。
イヌやゾウの嗅覚は凄いと聞くが、人間だって動物の中では割と嗅覚が良い部類らしい。
そして、嗅覚も2つの鼻孔で匂い発生源の立体的な位置を判断している。
目や耳と同じで鼻も2つの情報を比較している。
視覚、聴覚、嗅覚など、それぞれの感覚の受容体の種類と量が必要だが、情報の違いを区別して認識する脳機能も重要だ。
どちらも欠如しているものがあればそれは認識されない。
ウサイン・ボルトは100mを9.58秒で走った。チータは100mを5.95秒で走る。
チータは加速・減速の身体能力が凄いが、その能力は直進時も方向転換時も変わらない。
これは平衡感覚がとても優れており、身体バランスの調整能力が凄いことを示している。
走る時には頭の上下動もなく、そのため獲物を捕らえる視点も動かない。
人は走るのは遅いが二足歩行をするために平衡感覚は優れているそうだ。
方向感覚といえば渡り鳥。
全く特徴のない海の上を進行方向を間違えずに飛び続けられるのはなぜ?
昔、人が海を航海するときは空(星や太陽)を見て進路を決めていた。
渡り鳥もそうだろうという仮説もあったが、調査が進み、雲って空が見えなくても正しい方向に飛び続けることがわかった。
そこで、磁場を感じ取る磁覚を持っているのでは?という説が有力になっている。
磁気感覚は人が持っていないこともあり、感覚器官がまだ特定されていない。
鳥の優れた視力を考慮して、目で磁場を見ている?という仮説も生まれている。
今鳥たちの方向感覚の狂いを観測することが増えてきているそうだ。
原因は人で、人間が人工的に電磁波を創り出して地球規模で利用しているからだ。
最後の12章の「マダコと人間の身体感覚」はとても面白かった。
私は、人間の科学技術はまだまだで、アリと同サイズで同等機能のロボットが作れないじゃないかと良く思う。
これはアリの小さなサイズがロボット化を困難にしている要因だ。
だがサイズ的には大きくても、タコのロボットを作るのはもっと難しそうだ。
タコには骨格がなく、その動きは複雑極まり、自由自在に体型も変えられる。
タコ型ロボットのイメージは、ターミネータに出てくる自由に形を変えられる液体金属ロボット。
今の科学では骨格の無いロボットを作るのは無理っぽい。
タコは人間の3歳児並の知能があると言われ、知能レベルはイヌやネコに近くイルカより賢いとされている。
鏡に映る自分を認識したり、道具を使ったり、ビンの蓋を回して開けて中身を手に入れたりする。
タコとヒトを無理矢理比べようとしているが、タコの持つ能力はまだまだ分からない事が多いんだなと思った。 -
Posted by ブクログ
いろいろな考え方に触れることができた。
印象に残ったのは、次のようなもの。
科学とは仮説と検証を繰り返し、一度立てた仮説を覆す新説の存在を常に念頭におくアプローチであるが、世間では真実を追求し、ある説が正しいことを証明するツールだと思われている。
二重性や矛盾をそのまま受容する姿勢が重要だが、人は白黒をつけたがり、ある説やアプローチのわずかなブレが明らかになっただけで極端に逆に振れる傾向がある(反ワクチンなど)。
意志力とは忍耐力ではなく、フォーカスの対象をコントロールする力である。
人は世界の乱雑な情報のうちのほんの一部を受容(人間が知覚できる光は電磁スペクトルの10兆分の1程度)して、バイアスに基づいて生成した主観的世界と受容信号を照らし合わせて補正する形で世界を理解している。
人は意思決定において左脳による論理的思考と右脳による感覚的反応を根拠とするが、自分では専ら前者によるものと思い込んでいる。
人体や「自分」というのは、無数の微少生命体が巣くう住処でもあり、一個のマシーンよりも境界が曖昧な渦巻きや川の流れのようなもので喩える方が適切な存在である。
自然選択は生存力の高い形質ではなく、繁殖力の高い形質を生き残らせるものであり、配偶者から選ばれやすい形質が残ってくる傾向がある。そう考えると、男性の方が女性よりも暴力的で徒党を組みやすいことなども興味深い現象に感じられる。