夏目大のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
SNSで話題になっててようやく読むんですが、すごく面白かった!
動物行動学、動物の社会性、なるほどなーと身近な生き物(バッタとか、スズメとかカラスやらウシとか)の生態や社会性、全然知らないことだらけで学びになりました。
ポピュラーサイエンスの本とのことですが、一般の人にもかなり読みやすい内容になっててサクサク読めて良かったです。
著者のちょっとした雑談?というかエピソードみたいなのもあってくすっと笑えるところもあったり。
最初はオキアミの話になるんですが、オキアミなんて魚釣りのエサぐらいの認識しかなくて、すごく不思議で社会性とかちゃんと持ってる生き物なんだなって。 -
Posted by ブクログ
まず、この本に書かれている内容は、何十年も前の話ではない。今この時も、どこかでトンネル崩落事故が起こり、子ども達が犠牲になっている。
私たちが毎日使っているスマホや電子機器、EV車ののバッテリーに必要不可欠なコバルト。
世界で供給されるコバルトのほとんどが、コンゴ民主共和国産だという。
コバルトの掘削には重機を使うイメージがあるが、現実にはシャベルを使い手で掘る「職人的採掘者」達がかなりの人数存在するという。(職人的という言葉を使うと専門職のように聞こえるが、実際には手で掘削する人々のことを指している)
しかも10代の子ども達、男の子も女の子もコバルト採掘に関わっている。学校にも行くことができない。なぜなら、無償で通えるはずの学校に、親がお金を払う必要があるから。
コンゴ民主共和国は昔から象牙、ゴム、銅などの資源が豊富であることによって、世界経済から搾取され続けた歴史がある。この土地に住む現代のコンゴ人ももれなく強制的にコバルト採掘に関わることになり、他に稼ぐ手段がない。採掘したコバルトを売れば儲かるのではないか、と思うが、仲買人などの中間の人々や権力者達により、ほぼその利益は吸い取られてしまう。
そのため、職人的採掘者の人々は一向に暮らしは良くならず、お金がないため子ども達は学校にも行けず、環境汚染による健康被害と、トンネル崩壊や事故による死の恐怖に怯えながら暮らしている。
…という、今まで知らなかったことが書いてあり衝撃を受けた。今この現代で、このような事が行われているとは。
そしてこの問題を解決するにはかなり難しい道のりが待っているとも感じる。大手企業が児童労働とは関係ないと声明を出していても、児童労働によるコバルトがどこかで混ざっているか否か、実際には知る術がないという。
個人的に今出来ることと言えば、スマホもパソコンも、大事に使うということぐらいか。
映画化の準備もしているそうで、ぜひ多くの人に読んでもらいたいし、映画も完成したら観てみたい。
私はアフリカの地理も歴史も疎いため、はじめは全く想像もつかず、なかなか読み進められなかったが、途中からGoogleマップを片手に読み進めていくと、理解しやすくなった。実際にマップ上の写真には、広大な採掘場が映し出されている。劣悪な環境の鉱山が、なぜか高評価の口コミが入っていたりする。後半は特にインタビューが多く、辛く悲しかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以下の12の知覚をテーマに、それに特化した生き物やそれらの器官が鋭敏な人、鈍感な人、障害のある人、果敢な研究などを通じた知られざる感覚器官の働きをまとめた書籍。
色覚(colour)
暗所視覚・暗視(dark vision)
聴覚(hearing)
触覚(touch)
快感と痛みの感覚(pleasure and pain)
味覚(taste)
嗅覚(smell)
フェロモン感覚(pheromones)
平衡感覚(balance)
時間感覚(time)
方向磁気感覚(direction)
身体感覚(body)自己身体位置感覚
人や生物にはまだまだ未知の部分が多いと共に、生物のもつ知覚のポテンシャルを感じることができてワクワクした。人間も環境に適応する生き物ゆえに、今後AIや身体拡張デバイスによってまた変化していくのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスマホの電源、ノートPC、リチウムバッテリー……。
今の私たちの生活に欠かせない道具の一つ一つが、遠い土地の人々の命を犠牲にして生まれていたとは。恥ずかしながらまったく知らなかった……。
こういった事態の責任は(私たち消費者を含んだ)サプライチェーン全体にあるということは忘れてはならないね。
コンゴ政府はもちろんだけど、企業も本気で搾取がないかを確認しているわけではない(これは社会人なら納得してしまうかもしれないけど)。同様に、利用者である私たちも「これは搾取されていないだろうか?」なんて考えないし、考えたとしても「○○の調査では問題ないとあった」なんて安心してしまう。
本書は筆者のコンゴの旅を追走するように語られるんだけど、当たり前のように語られる悲劇が現代の話なのかと愕然としてしまった。
ただこういう本が出ること自体が一つの救いで、これをきっかけに世界が少しでもより良い方向に動いてくれるといいなぁ。
今は特にAIバブルに伴う電子部品の高騰が取りざたされているけど、同じように搾取されている人はいないのだろうか、とかそんなことを考えてしまうね。 -
Posted by ブクログ
様々な動物たちの知られざる行動や生きていく知恵などが、いっぱい詰まっている一冊です。700ページもの分厚い本ですが、驚きや感動の連続で、スイスイ読めました。
「動物行動学」という学問を、ウォード博士が楽しく分かりやすく解説してくださっています。
コウモリ、シロアリ、ネズミなど、普段は敬遠したくなる生き物たちの社会も、この本を読むと「みんな生き抜くために工夫し頑張ってるんだ」と、思わず尊敬の念を抱いてしまいました。
人間だけが特別な存在だと胡座をかいていてはいけないと強く思いました。
【本書の内容】
はじめに
1章 氷と嵐の世界に棲む謎の生物
2章 シロアリはコロニーを守るために自爆する
3章 イトヨが決断するとき
4章 渡り鳥は「群衆の叡智」で空を飛ぶ
5章 ネズミ、都市の嫌われ者が私たちに生き方を教えてくれる
6章 家族の死を悼むゾウ
7章 ライオン、オオカミ、ハイエナが生き延びるための策
8章 クジラ、イルカ、シャチ、最も謎めいた動物
9章 類人猿の戦争と平和
エピローグ