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Posted by ブクログ
まず、この本に書かれている内容は、何十年も前の話ではない。今この時も、どこかでトンネル崩落事故が起こり、子ども達が犠牲になっている。
私たちが毎日使っているスマホや電子機器、EV車ののバッテリーに必要不可欠なコバルト。
世界で供給されるコバルトのほとんどが、コンゴ民主共和国産だという。
コバルトの掘削には重機を使うイメージがあるが、現実にはシャベルを使い手で掘る「職人的採掘者」達がかなりの人数存在するという。(職人的という言葉を使うと専門職のように聞こえるが、実際には手で掘削する人々のことを指している)
しかも10代の子ども達、男の子も女の子もコバルト採掘に関わっている。学校にも行くことができない。なぜなら、無償で通えるはずの学校に、親がお金を払う必要があるから。
コンゴ民主共和国は昔から象牙、ゴム、銅などの資源が豊富であることによって、世界経済から搾取され続けた歴史がある。この土地に住む現代のコンゴ人ももれなく強制的にコバルト採掘に関わることになり、他に稼ぐ手段がない。採掘したコバルトを売れば儲かるのではないか、と思うが、仲買人などの中間の人々や権力者達により、ほぼその利益は吸い取られてしまう。
そのため、職人的採掘者の人々は一向に暮らしは良くならず、お金がないため子ども達は学校にも行けず、環境汚染による健康被害と、トンネル崩壊や事故による死の恐怖に怯えながら暮らしている。
…という、今まで知らなかったことが書いてあり衝撃を受けた。今この現代で、このような事が行われているとは。
そしてこの問題を解決するにはかなり難しい道のりが待っているとも感じる。大手企業が児童労働とは関係ないと声明を出していても、児童労働によるコバルトがどこかで混ざっているか否か、実際には知る術がないという。
個人的に今出来ることと言えば、スマホもパソコンも、大事に使うということぐらいか。
映画化の準備もしているそうで、ぜひ多くの人に読んでもらいたいし、映画も完成したら観てみたい。
私はアフリカの地理も歴史も疎いため、はじめは全く想像もつかず、なかなか読み進められなかったが、途中からGoogleマップを片手に読み進めていくと、理解しやすくなった。実際にマップ上の写真には、広大な採掘場が映し出されている。劣悪な環境の鉱山が、なぜか高評価の口コミが入っていたりする。後半は特にインタビューが多く、辛く悲しかった。
Posted by ブクログ
21世紀になっても、かつての奴隷時代と同様な扱いを受けている人々が地球上にいるとは。コンゴ民主共和国はグーグルマップで見てもストリートビューはほとんど出てこない。何がおきているかは、行った人しか判らない。現地ルポのノンフィクション本なのに、写真がないのは、炭鉱の取材がカメラNGだからだ。先進国の企業レポートにある人権尊重の採掘は見せかけで、ほとんどのコバルトは職人的採掘者(Uberのドライバーみたいに企業の社員ではない採掘者)が1日1ドルあまりのお金を稼ぐために露天掘りでシャベルで掘ったもの。企業は採掘者がトンネル崩落で死のうが知ったこっちゃない。勝手に掘っているのだから・・・職人的採掘者とは、以前住んでいた土地をコバルトが見つかった途端に追い出されて、コバルト掘るしか生活手段が無くなった人達。学校に行くための月5ドルが払えずに子供は鉱山に働きにでる。あまりに悲惨な現実。
以下 備忘録
コバルトのある街、 下端が地方 ルプンバシからコルウェジへ取材旅行
コンゴの搾取の歴史 象牙、ゴム、パーム油、
銅・スズ・ニッケル、ダイヤ・金、ウラン、タンタル・タングステン、
そしてコバルト(2012年以降)
コバルト搾取のしくみ
職人的採掘者→バイクをもっている仲買人
→集積所(主に中国人、ここで正規の採掘と違法?な採掘が混じる)
→中国企業 そしてコバルトを使う大企業
コンゴの歴史
1859年 リビングストンがナイル水源を探してアフリカ内陸を探検
1871年 スタンリー リビングストン発見、
1877年 スタンリー コンゴ川を河口まで下る
1884年 スタンリー ベルギー国王レオポルト2世の使者として
現地部族をだまして?土地を手に入れる契約
1885年 レオボルド2世 コンゴ自由国を私領として建国
ゴムの採取でコンゴ人を奴隷として使う
1908年 ベルギー領コンゴ(国王が私領をベルギーに売る)
ゴムやパーム油の採取でコンゴ人を奴隷として使う
1960年 独立 ルムンバ首相 いい人だったが西側に排除される
1965年 クーデター モブツ大統領 銅で私服を肥やす
1971年 国名をザイールに変更
1997年 クーデター カビラ大統領 私服を肥やす
国名をコンゴ民主共和国に戻す
1998年 第2次コンゴ戦争
(コンゴ(ジンバブエ、ナミビア、アンゴラ、スーダン、チャド?)
対ルワンダ・ウガンダ、ブルンジ
2001年 カビラ暗殺 息子のジョセフ・カビラが大統領
中国企業と癒着して私服を肥やす
2002年 第2次コンゴ戦争終結
2019年 総選挙 チセケディ大統領
コンゴの鉱山企業
国営ジェカミン社と他国性企業(欧米、中国)との合弁または単独
19か所中15か所は中国
Posted by ブクログ
「どうかあなたの国の人たちに、コンゴではあなた方の使うスマホのために毎日子供たちが死んでいるのだ、とお伝えください」(本書より引用)
リチウムイオン電池が実用化されて、モバイル端末や自動車に幅広く使われるようになったことは、多くの人が知るところです。でも、同電池の正極材料として使われているコバルトの採掘場(コンゴがコバルトの生産シェアで8割程度を占めています)では、コンゴの児童がたくさん劣悪な環境下働いていて、毎日事故等で死んでいることを知っている人は少ないのでは。
本書を読んで、大きなショックを受けました。フェア・トレード、バングラデッシュの縫製工場における児童労働等について、それなりの知識はありましたが、産業に革命を起こしたと言えるリチウムイオン電池に使われているコバルトについて、このような問題があるとはまったく知りませんでした。毎日の生活に欠かせなくなっている便利な道具が、コンゴの子供たちの過酷な労働と多くの死に支えられているという事実の前に、まさに言葉を失いました。
では、どうすれば良いのでしょうか?コンゴは、歴史的に莫大な天然資源を持ちながら、世界の最貧国を抜け出ることはできませんでした。そこには、為政者の問題や独立後も実質的に植民地化され続けてきたといった構造的な問題があるようです。
本書を読んだ後に、少し調べてみたところ、コバルト・フリー電池の開発が進められている、新規採掘需要を減らすためにリサイクル素材への移行が進められている等の対応策が採られているようです。これらにより、コンゴにおける児童労働の問題はある程度改善するかもしれません。しかし、コンゴの貧困問題を解決することにはなりません。コバルトの需要が減れば、コンゴの人の収入減になってしまいます。資源依存経済からの脱却がなければ、貧困から脱することは無理でしょう。
さっき言ったことと整合性が取れてないかもしれませんが、スマホはできるだけ長く使うようにしようと思います。
Posted by ブクログ
打ちのめされた一冊だった........。
恥ずかしながらこの事実を”知らなかった”。
今この時、日常を過ごすうえで、ラップトップ、スマホ、モバイルバッテリーは手放せない生活必需品になっており、また、AI普及で新しいエネルギー政策が世界中で議論されている中、20年後は自然エネルギーが世界を淘汰し、そのカギの1つはバッテリーと考えていた。
そう考えていた矢先、この本を読んで愕然とした........。
バッテリーの材料であるレアアース「コバルト」の採取がこんな非人道的な形で行われているのであれば、現在の生活は間接的搾取に当たることになり、また安易に自然エネルギー促進なんて言えなくなる......。
DRコンゴで行われるベルギーによる搾取、中国企業による搾取、この搾取の事実を、僕たち私たち、スマホの恩恵を受けている人たち全員が知るべきではないか.......!
真実が世界中に知れ渡って、世界中から問題視する声が上がって、すこしずつ状況が改善していく、そうなってほしい。一方、他力本願ではなく、自分は今何ができるのだろうか......。考えよう。
Posted by ブクログ
電池の原料となるコバルトが埋まっているコンゴの現状を書き記した一冊。
世界を股にかける名だたる企業はコンゴの状態を認識しつつも、見て見ぬふりをしている。人権問題に該当するような職場環境だが、安価にコバルトを調達するためにまともな会社を通して調達することで問題ないことを主張している。1日に1ドルちょっとの稼ぎで危険な仕事をやらせており、搾取されている。事故などで犠牲になる人も多く、小さな子供も巻き込まれるケースが多く報告されている。
このように燦々たる状況だが、なかなかニュースにならないのはそのほうが都合がいいからだろう。少しでも改善されることを願うばかりである。
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